乙一「ZOO2」1話「血液を探せ!」のネタバレ解説

ZOO〈2〉 (集英社文庫)


64歳の主人公の「ワシ」は朝の5時に別荘のベッドで目を覚まし、
全身が血まみれであることに気づきました。

悲鳴を上げると、27歳の次男のツグヲが主人公の部屋の扉を叩き、
鍵を開けてくださいと言いました。

鍵を開けると、ツグヲが主人公の身体を調べ、
右の脇腹に包丁が刺さっていて、怪我していると言いました。

主人公は10年前に交通事故を起こし、頭を強く打ちつけたせいで、
痛みを感じる機能がすっぽりと消えてしまっていたのでした。

痛みを感じないせいで気付けばいつのまにか血が流れていて、
身の危険を感じた主人公は主治医の95歳のオモジ先生に、
毎日、寝る前に診察してもらうようになりました。

事故を起こし、最初の妻を失ってからというもの、
主人子はできの悪い息子たちに囲まれて働き
会社を大きくするだけの人生となりました。

主人公の2度目の妻である25歳のツマ子、
34歳の長男のナガヲもやってきました。
ナガヲは救急車を呼びましたが、
麓からこの別荘まで早くても30分かかると言われました。

主人公の遺産目当てで結婚したツマ子は主人公がようやく死ぬかと思い、
笑いを隠すために口に手を当てていました。

偽善者のナガヲは、遺産も会社もおれにまかせていいから大往生してくれ、
と主人公に言いました。

テレビ番組を見ていたオモジはナガヲに呼ばれてやってきて、
救急車が到着するまで輸血用の血液を輸血していれば、
なんとか生き延びられると言いました。

しかし、部屋に戻ったオモジは、血液を入れた鞄をどこかに忘れてきちゃった、
と言いました。

主人公はO型なのですが、他の人間は皆、A型、B型、AB型なので、
誰かから直接血液をもらうこともできません。

オモジは何回も血液の入っていた黒い鞄を置き忘れていましたが、
ツグヲやツマ子がタクシーや別荘の中に持ち込んでいました。

ナガヲは、昨日の夜、カモノハシのモノマネをしたときに、
例の鞄をリビングの入り口で見たと言いました。

主人公が先に寝た後、ナガヲやツグヲやツマ子やオモジはケーキを食べたのですが、
その時はもうリビングの入り口にはなかったような気がする、
とナガヲは言いました。

この別荘には包丁が一本しかなく、主人公の脇腹に刺さっている包丁は、
ケーキを切り分けた包丁でした。

ツマ子は昨夜ケーキを運んでいる時、リビングの入り口あたりで何かをふみつぶし、
蹴っちゃったと言いました。
その時主人公はオモジから診察されていて、ベッドの下に鞄が滑り込んでいました。

主人公はナガヲに命令して鞄をとってこさせますが、鞄の中はからっぽでした。
O型の血液の他に点滴のチューブもなくなっていました。

それを聞いた主人公は、「包丁を刺した犯人がツグヲであることに気づきました。

手品が好きなツグヲは、数センチしか開かない窓を開けて、
点滴のチューブを使って輸血用の血液を主人公の上に振りまいたのでした。
5時になって主人公が目を覚まし、悲鳴を上げた後、
最初にやってきたツグヲは主人公の体を調べるふりをして
後ろから包丁を突き刺しました。

痛みを感じない主人公は、それに気付かなかったのでした。

ツグヲに親を殺すほどの度胸があることを知り、
主人公はツグヲに『ワシは気づいたぞ』とサインを送り、
安心に包まれながら瞼を下ろしました。


というあらすじなのですが、登場人物の会話はふざけてるけど、
トリックはしっかりしていて意外なオチでしたね。

キャラクターがやる気のない名前で憶えやすい名前でよかったです。

乙一「ZOO1」5話「ZOO」のネタバレ解説

主人公の「俺」の家の郵便受けに写真が入っていました。

その写真は、かつて主人公の恋人だった女性の死体が写っていました。
どこかの地面に掘られた穴へ寝かされていて、腐っていました。

主人公は写真を持って自分の部屋に戻り、
スキャナーでパソコンに取り込みました。

これまで投函されていた彼女の写真はすべてパソコン内に保存しています。
彼女が殺されていることを知っているのは主人公だけで、
世間では、行方不明として処理されていました。

主人公と彼女は、『ZOO』という、
野菜や動物の腐っていく映像が早回しで映し出されていく映画を
いっしょに見たことがありました。

映画館を出た後、『200メートル先を左折・動物園』
という看板を彼女が見つけました。
その看板には日本語の下に『ZOO』と英語でも案内が書かれていました。

主人公はそのことを思い出しながら、彼女の写真をムービー再生ソフトで、
毎秒12フレームで選択して動画にして、
彼女の腐敗していく様子を見ました。

犯人を探し出す……と主人公は言いましたが、それはすべて台詞であり、
演技でした。

彼女を殺したのは主人公なのですが、その現実のつらさに潰されないよう、
自分で自分のことを知らないふりをしているのでした。

主人公は恋人とドライブ中に山小屋を発見し、
その山小屋の中でポロライドカメラで写真を撮りました。
彼女はその写真を握り潰し、
主人公に対して今は愛情など抱いていないのだという意味の話をしました。
その後、主人公は彼女を殺しました。

自分一人だけの力で犯人を探し出してみせる、という考え方で、
警察には写真を届けていない、という設定で、
主人公は彼女を探しつづけます。

昼間のうちずっと町中で聞きこみをし、夕方になると、
助手席の下に落ちていた、丸められた写真を発見します。
その写真の日付は、彼女の消えた日でした。

また、ダッシュボードの中に、
彼女の消えた日のガソリンスタンドの領収書があるのを見つけます。

そのガソリンスタンドに行き、スタンドの主人に芝居に付き合ってもらい、
その日車を運転していたのは主人公で、西へ向かうと言っていた、
と主人に言ってもらいます。

主人公はその証言を頼りに山小屋へ行き、彼女の死体を発見し、
主人公が彼女を殺したのを思い出した、という演技をします。

しかし、警察に自首する勇気や覚悟はなく、
彼女の死体の写真を撮影して、自分の罪を思い出す仕掛けをすることにします。

毎日、毎晩、主人公は同じことを繰り返していたのですが、
家に帰る途中、『200メートル先を左折・動物園』の看板の、
『ZOO』を見た瞬間、彼女のことを思い出し、自首する決心を失い、
写真を郵便受けに入れて記憶を封印した演技をしていました。

しかし、この日は、「昨晩まであったはずの『ZOO』の看板が消えていました。
動物園が潰れ、看板が撤去されていたのでした。

主人公は静かに祈りを捧げ、警察へ罪の告白をしにいきました。


というあらすじです。
主人公は狂っている演技をしているつもりですが、
「狂.人の真似とて大路を走らば、即ち狂.人なり」という言葉があります。

狂っている演技をしている時点で、本当に狂っているのと大差ありませんね。

乙一「ZOO1」4話「陽だまりの詩(シ)」のネタバレ解説

今回の主人公は、女性型アンドロイドの「私」です。

ベッドの上で目覚めた主人公は、そばにいた男性から、
きみを作った人間だ、誕生おめでとう、と言われました。

服を着て外に出ると、丘の下のほうにある家に案内されました。
その途中、白い十字架を見つけ、男性から墓だと言われました。

家に着くと、コーヒーをいれてもらいたいと言われますが、
作り方がわかりませんでした。
男性が作るのを見て、作り方は覚えました、
次からは私が作ります、と主人公は言いました。

ブラックのコーヒーの味がきらいだと伝えると、
砂糖を入れるといいと言われました。

男性は、ほとんどの人間がすでに息絶えていることを話しました。

突然、病原菌が空を覆いそれに感染した人間は例外なく
2ヶ月で命をうしなったのだそうです。

食器棚の中の写真に写っていた男性の伯父とこの別荘に引っ越してきましたが、
伯父はすぐに死んで、それ以来、1人きりで生活していたのだそうです。

一昨日、検査をしたら、男性も感染していることが判明したのだそうです。
男性の外見は20歳前後に見えましたが、
そういう処理をしているだけで50歳に近いのだそうです。

私に名前をつけてください、と主人公は頼みましたが、
必要ないだろう、と男性は言いました。
男性が死んだら丘の十字架の隣に穴を掘って男性に土をかぶせてもらうために、
男性は主人公を作ったのだそうです。

主人公が家の掃除をしていると、鳥の屍骸を見つけ、
主人公は鳥の屍骸を森の中に投げました。
分解して肥料になるからです、と主人公が言うと、
僕を正しく埋葬するために、きみには『死』を学んでほしい、と言われました。

主人公と男性の生活が始まりました。
庭の隅にある井戸で水を汲み、庭でとれた野菜で調理をします。

ある日の朝食のとき、野菜の葉に兎がかじった歯形がついていました。

庭の野菜ばかりを狙って歯形をつける兎を捕まえようと、
主人公はくさむらに潜めて見張り、飛び出して兎を捕まえようとしましたが、
無理でした。
兎を追いかける最中、躓いて転ぶと、男性は主人公を見て笑っていました。

その日の昼食のときに、兎のかじった跡がある野菜ばかりを、
男性に食べさせました。

2階には空き部屋があり、帆船の形に組みあがった小さなブロックがありました。
しかし船の先端が崩れて細かく分解して散らばっていました。

主人公はブロックで遊ぼうとしましたが、
ロボットは設計図のあるものやあらかじめ手順の決まっているものしか作れず、
何もできませんでした。
男性が帆船を作るのを、主人公はただ見ていました。

主人公がこの家で暮らし始めてひと月が経過し、
最初にきたときには規則性のない高い音だと思った風鈴の音を、
好きだと感じるようになっていました。

主人公はこの世界のいろいろなことを愛おしく感じるようになっていました。

ある日の朝、あと一週間で僕は死ぬ、と男性は言いました。

男性は伯父の話をした後、きみは人間になりたいと思ったことはあるかい、
と質問しました。
主人公は頷いて、ある、と答えました。

それから2日後、主人公が崖の先端に目を留めると、少し崩れた箇所があり、
首の上だけを突き出して崖下を覗くと、
岸壁の出っ張った箇所に白い兎がいました。
雨が降ってきて、主人公が兎を助けようとすると、崖が崩れ、
主人公は身体の半分が破損していましたが致命的な損害はありませんでした。

家まで兎を両手に抱いて戻ると、男性は主人公は直せると言いましたが、
兎はもう死んでいるので治せないと言いました。

私は……この子が、意外と好きだったんです、と主人公が言うと、
それが死だ、と男性は言いました。
死とは、喪失感であることを主人公は知りました。

応急処置をしてもらいながら、私は、あなたが好きです、
それなのにあなたの遺体を埋葬しなければならないのは、辛いです、
と主人公は男性に言いました。

兎を埋葬し、男性が死ぬ日の前日になりました。
主人公が2階のブロックの部屋に行くと、
主人公でもひとつだけブロックで作り出せるものがあることに気づきました。
ひとつずつ「男性がかつて目の前で行なった手順を繰り返すことで、
主人公にも帆船を製作することができました。

翌日、残り何時間ですか? と主人公が聞くと、
男性は命の残り時間を秒単位で答えました。
男性は、本当は主人公と同じくロボットで、
あらかじめ生きていられる時間が設定してあったのでした。

本当は、男性は病原菌には感染していなくて、
以前に他の人間がブロックから帆船を作り出すところを見ていたので、
男性にも帆船を作ることができたのでした。

人間のふりをしたのは、自分と同じ存在に作られたというより、
主人公の苦しみが少ないと考えたからなのだそうです。
伯父が死んで二百年が経ち、伯父の隣に埋葬してもらうために、
主人公を作り出してしまったのだそうです。

主人公は、感謝と恨みを同時に抱いていると男性に伝えました。
正午近い時刻になり、男性の体内のモーター音が小さくなり、
やがて聞こえなくなりました。


というあらすじなのですが、
これまで数えきれない数の動植物が絶滅してきたのと同じように、
人類もいつか必ず滅亡する日がきます。

人類が滅亡してロボットが生き残った世界と聞くと、
ディストピアっぽいですが、
この話のように穏やかな世界もあり得るのだと考えると、
少し救われるような気もします。

乙一「ZOO1」3話「SO-far そ・ふぁー」のネタバレ解説

主人公の男の子が幼稚園に通っていた頃、
主人公は父と母とアパートの2階で3人暮らしをしていました。

居間にはソファーがあり、いつも主人公が真ん中に座り、
母親は主人公の左側、父親は右側に座っていました。

ある日、主人公が父親の方を見ると、
母親は、主人公が何もないところを見てどうしたのか、と言いました。

また、母親とトランプで遊んでいると、
父親は、主人公が一人でトランプなんかやってどうしたのか、
と言いました。

父親は、母親を居間に残したまま電気を消し、
ファミリーレストランで主人公と2人だけで食事をしました。

次の日の夕食の時には、
母親は主人公と母親の2人分だけの夕食を用意しました。

父親は主人公と父親の2人分だけのお弁当を買ってきます。

ソファーでテレビを見ると、
数日前に起こった列車事故が報道されていました。

母親は、お父さんが死んじゃってこれから2人暮らしになるけどがんばろうね、
と言い、父親は、母さんの分も強く生きような……と言いました。

主人公は、両親のそれぞれに、父親も母親も生きていると伝えましたが、
最初は信じてくれませんでした。

両親が2人とも見えるのは主人公だけだったのです。

しかし、鋏を探している母親に、父親から聞いた鋏の場所を伝える、
というようなことが頻発するうちに、
主人公の話を信じてくれるようになりました。

主人公が、両親の言葉をそれぞれに伝えることで、
父と母が会話することもできました。

しかし、その会話がいつの間にか喧嘩になってしまいます。

父親は主人公に、お前が死んでいてくれて、本当に良かった!
と母親に伝えるように言います。
それを聞いた母親も、酷い言葉を父親に伝えさせました。

そんなことがあり、喧嘩が終わった後、
主人公は両親を同時に見ることができなくなっていることに気づきました。

次の日、そのことを父親に伝えると、
父親はきつい口調で質問を繰り返します。
主人公が泣いてばかりで何も言えずにいると、
肩を揺さぶり、頬を叩かれて床に倒れました。

主人公はアパートを飛び出し、公園に行きました。

迎えに来てくれた母親に、ぼくはおかあさんの世界で生きることにするよ、
と主人公は言いました。
それ以来、主人公は父親を認識することができなくなりました。

それは、主人公が中学生になっても続きました。

しかし、「実は両親は夫婦喧嘩の後、
お互いに相手が死んだことにして生活をしていて、
主人公にもそう言い聞かせてつき合わせていただけだったのでした。

しかし、主人公は本当に父親を認識することができなくなり、
その状態はずっと続いていました。

主人公がそうなってから、両親は喧嘩をしなくなり、
両親の仕打ちが幼い主人公の心に傷をつけてこうなったのだ、
と考えていました。

しかし主人公は、父と母を別れさせないために、
望んでこうなったのかもしれない、と考えていました。


というあらすじなのですが、夫婦喧嘩は子供に悪影響を与えます。

よく、離婚したら子供に悪影響が及ぶから……と言って、
子供が独り立ちするまで仮面夫婦を続ける夫婦もいますが、
両親の不仲を子供に見せ続けるくらいなら、
さっさと離婚した方がいいんじゃないか、と思います。

乙一「ZOO1」2話「SEVEN ROOMS」のネタバレ解説

小学生の主人公の「ぼく」は、母親が買い物をしている間、
デパートの近くの並木道を中学生の姉と一緒に歩いていたところを、
突然後ろから殴られ、拉致監禁されてしまいます。

土曜日の午前3時に目を覚ますと、主人公と姉は、
壁も床もコンクリートでできた部屋の中にいました。

部屋の中には溝があり、汚い水が流れています。

一度眠り、朝の8時に目を覚ますと、
扉の下の隙間に食パンが一枚と、
綺麗な水の入った皿が差し込まれていました。

何もできないまま2日目の日曜日になりました。

主人公は姉に頼まれ、汚い水が流れる溝の中に入り、
上流に向かって進みました。

すると、そこにも主人公と姉が監禁されていたのと同じような部屋があり、
姉より少し年上に見えるくらいの女の人がいました。

さらにその先の2つの部屋も、同じような状況になっていました。

そこから先は、溝に鉄柵がしてあって進むことができませんでした。

姉が待つ部屋に戻ると、姉は、自分たちがいる部屋は、
上流側から数えて4つ目の部屋だと確認しました。

今度は下流へ向かって進むと、
またしても女の人が閉じ込められていましたが、
下流へ向かって2つ目の部屋には誰もいませんでした。

3つ目の部屋には、様子のおかしい女の人がいて、
毎日、午後6時になると、溝を、
細かく切り刻まれた死体が流れていくと言いました。

そこから先は、鉄柵があって進むことができず、
姉の待つ部屋に戻りました。

午後6時になっても、溝を死体が流れていくことはありませんでした。

3日目の月曜日に、姉に頼まれ、他の部屋の女の人達に、
何日前に閉じ込められたのかと、溝の中を死体が流れるのを見たかどうか、
聞いてきました。

昨日空っぽだった、6番目の部屋にははじめて見る女の人がいて、
7番目の部屋は無人になっていました。

死体を目撃した人は誰もいなくて、上流にある部屋の人の方が、
閉じ込められている期間が1日ずつ長いことが判明しました。

姉は、部屋の隅に、姉のものではない長い髪の毛があるのを発見し、
自分たちの前に誰かがこの部屋を使っていたのではないか、と推測しました。

1日に1人ずつ、部屋の中で殺されて、溝に流され、
その隣の空っぽだった部屋には、人が入れられます。
順番に殺され、また人は補充されるのです。

主人公は1番目の部屋に人のところに行き、
今日は1番目の人が殺される番だと伝えましたが、
女の人は信じないと叫びました。

午後6時になると、細かく切り刻まれた1番目の部屋の人が、
溝を流れていきました。

4日目の火曜日に、主人公は溝を通って、
女の人たちに姉の推測を伝えて回りました。
7番目の部屋には、新しい住人が入れられていました。

主人公は、今日殺されるはずの女の人がいる2番目の部屋に行き、
女の人の家族に渡してほしいと言われ、
小さな十字架のついたネックレスを渡されました。

午後6時になる前に姉の部屋に戻り、
2番目の部屋の人の死体が溝を流れていくのを見ました。

5日目の火曜日に、今日殺される3番目の部屋の女の人のところへ行き、
ここを出ることができたら両親に渡してほしいと、手帳を渡されました。

しかし、その女の人が時計を持っていなかったこともあり、
いつの間にか午後6時になっていました。
扉の前に誰かが立つ気配があり、主人公は溝に入って、
近くにある上流側に隠れました。

そして、水の中で目を開け、男が電動のこぎりで、
手帳をくれた女の人を切り刻んでいるところや、
鉄の扉の外側に閂があるのを目撃しました。

(余談ですが、もし主人公が下流側に進んでいたら、
死体が流れてくるので水の中で目を開けることはできませんでした。)

その日は1番新しい住人がいる1番目の部屋の人の部屋で過ごし、
6日目の木曜日に、姉が待つ部屋に戻りました。
姉は、食パンを食べずに待っていてくれました。

その日が、姉と主人公が殺されるはずの日でした。

姉は、このままじゃすまさない……とつぶやいていました。

主人公は溝を通って全部の部屋を回り、挨拶をしました。

午後6時になる前に、主人公は姉と小さかった頃の思い出を話しました。

扉が開き、電動のこぎりを持った男が這入ってきます。
姉は両腕を突き出し、背中をかばいながら、
「弟には指一本、触らせない!」と叫びました。

しかし、男は電動のこぎりで姉の手を切断しました。
主人公は、「隠れていた溝の中から出て、
部屋の外に出て、扉を閉めて閂をかけました。

他の部屋の皆から分けてもらった服を、主人公の服の中につめ、
姉はそこに主人公がいると思わせる演技をしていたのでした。

男は主人公が溝を行き来できることを知らないはずなので、
主人公は溝に隠れ、姉は溝から遠い位置にいて、
主人公が部屋の外に出る時間を稼いだのでした。

部屋の中からは、姉の笑い声が聞こえました。
主人公は他の部屋の扉を開け、女の人たちを脱出させます。
しかし、姉を助けようとしても犯人から返り討ちにされるだけだろうから、
部屋から出られたらすぐに逃げなさい、
という姉の言葉を全員に伝えていたので、
誰も助けようとは言いませんでした。

主人公は、首から十字架のついたネックレスを下げ、
両親への言葉が書かれた手帳を持ち、
姉の形見の腕時計をはめながら、外の世界に出ました。


というあらすじなのですが、「主人公を助けるために
犠牲になった姉のことを考えると、胸が痛みます。
もともと姉弟仲が良くなかった、という描写があるので、尚更です。


結局、殺人鬼の男がどうしてこんなことをしていたのか、
という説明は全くないまま終わるのですが、
そこがメインの話ではないので、これでいいのでしょうね。
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