川原礫「ソードアート・オンライン10 アリシゼーション・ランニング」のネタバレ解説

ソードアート・オンライン〈10〉アリシゼーション・ランニング (電撃文庫)


9巻の続きです。

第2章 アリシゼーション計画 西暦2026年7月

アスナは午前4時に、ALOの中でリーファ、シノンと会い、
会議をしていました。

2日前、6月29日に桐ヶ谷和人が≪ジョニー・ブラック≫
こと金本敦に襲撃され、和人は5分強心停止しましたが、
救命措置の結果、心拍が戻り、自発呼吸も再開して、
奇跡的に和人は死地を脱しました。

その夜はICU前のベンチで明かしましたが、
翌6月30日の朝、明日奈と直葉は明日奈の家に、
和人の母親(正確には叔母)の翠は川越の自宅に一度戻りました。

午後1時ごろ、翠から電話で、和人の意識は戻らないけれど、
精密検査と高度治療のために、自宅のある川越からほど近い
防衛医大病院に転院することになった、と告げられました。

しかし、っ防衛医大病院を訪れると、明日奈も直葉も和人への面会どころか
遠隔映像を見ることさえ拒否されました。

世田谷の病院から和人が救急車で運び出されたのは確実で、
防衛医大病院には和人の入院記録が存在していますが、
ユイが監視カメラに侵入して映像を調べた結果、
和人は防衛医大病院には到着していないことが判明しました。

明日奈と直葉は、シノンこと詩乃にだけそのことを教え、
リズベットやシリカには伏せていました。

アスナは、キリトを拉致した敵の動機を考えます。

シノンは、この敵はキリトという人間に属する何かが必要だった、
と考え、キリトの≪属性≫についてアスナとリーファに訊ねました。

アスナとリーファは、反射スピード、システムへの適応力、
状況判断力、サバイバビリティ、など、VRMMOの話をしました。

シノンは、脳じゃなく、魂そのものにアクセスできるマシンは……
と言いました。

アスナはようやく、敵がソウル・トランスレーターを開発した企業
≪ラース≫かもしれないと思い当たりました。

アスナは、ネット経由でアスナの携帯端末にリアルタイムで情報を送っている、
キリトの心拍モニターのパケットをユイに追跡してもらいます。

世田谷総合病院を出た後、港区白金台を経由し、
21時50分の江東区新木場4丁目を最後に、
和人からの信号は約30時間に渡って途絶していました。

その地番に存在する施設は、東京ヘリポートでした。

また、ラースについてユイに調べてもらいましたが、
該当するものは見つからず、≪ソウル・トランスレーション≫
について言及した資料も、特許を含め一切発見できませんでした。

アスナは、キリトがエギルの店を出る時に、
単語の頭文字を並べると、ALICEと言っていたのを思い出しました。

ユイはそれを≪Artificial Labile Intelligence≫、
≪高適応性人工知能≫と推測しました。

AI(Artificial Interlligence)は人工知能という意味です。

ユイは、人工知能には≪トップダウン型人工知能≫と
≪ボトムアップ型人工知能≫があるのだと説明します。

トップダウン型は、ユイを含め、現在人工知能と呼ばれているものの
ほぼ全てがこのトップダウン型で、
質疑応答プログラムに徐々に知識と経験を積ませ、
学習によって最終的に本物の知性に近づけようというものです。

ユイに言わせれば、トップダウン型人工知能というものは、
現状では真に知能と呼ばれるレベルには達していないのだそうです。

もうひとつのボトムアップ型人工知能は、
脳細胞が1000億個連結された生命器官の構造そのものを、
人工の電気的装置によって再現し、そこに知性を発生させよう、
という考え方です。
ボトムアップ型が実現すれば、そこに宿る知性は、
人間と真に同じレベルにまで達しうる存在となるのだそうです。

ラースが国に繋がっている研究機関なんだとしても、
絶対に予算は隠しきれない、とシノンは言いました。

ユイは各省庁概算要求データにアクセスし、
国土交通省の海洋資源探査艇開発プロジェクト、
という研究を見つけました。
油田やレアメタル鉱床を探すための潜水艇に搭載するAIを
開発するための予算ですが、
優先度に対して金額が大きいので検索フィルターに残ったのだそうです。

プロジェクトが置かれているのは≪オーシャン・タートル≫で、
4本の足と四角い頭、ピラミッドの甲羅模様があり、
カメのように見えました。
でも、頭の一部が平らに突き出していて、ブタのようにも見えました。

亀でもあり……豚でもある……≪ラース≫!
と、アスナ、シノン、リーファは叫びました。

場面が変わり、カリフォルニア工科大学で働いている、
神代凛子(こうじろ・りんこ)博士の視点になります。
神代凜子は、茅場晶彦がSAOに長期ダイブ中、茅場の介護をしていた人物です。

凜子は東京・新木場からヘリコプターに乗り、
伊豆諸島の遥か沖合いに浮かぶ、
オーシャン・タートルのヘリポートに着陸しました。

出迎えた中西一等海尉に、凜子は金髪の助手のマユミ・レイノルズを紹介し、
第一制御室に案内されました。

その部屋の窓には、キリトがいるアンダー・ワールドの映像が映っていました。

総務庁に出向中の自衛官、
菊岡誠二郎二等陸佐が浴衣と下駄履きという出で立ちで現れ、
中西は去りました。

菊岡の他に、比嘉(ひが)タケルという童顔の男もいました。
比嘉は凜子の大学の後輩で、
茅場晶彦と須郷伸之と同じ研究室にいたこともありました。

菊岡は凜子のことを、
このプロジェクトにどうしても必要だと考えていた3人の人間の、
最後の1人だと言いました。

3人のうち1人は比嘉で、最後の1人は「今は紹介できないんだ」と
菊岡は言いました。

しかし、凜子の≪助手≫であるマユミ・レイノルズが、
代わりにわたしが名前を言ってあげるわ、
と言い、金髪のウィッグとサングラスを外しました。

その正体は、明日奈でした。

大学で凜子の助手を務めるマユミ・レイノルズの学籍データベースの写真を、
明日奈の変装した顔に差し替えし、潜入していたのでした。
本物のマユミ・レイノルズは今ごろサンディエゴで肌を焼いているのだそうです。

回想です。

4日前の7月1日、神代凜子のアドレスに明日奈から、
事情の説明と、どうか、力を貸してください、と書かれたメールが届きました。
凜子のアドレスは、和人のPC内のアドレス帳から見つけたのだそうです。
凜子は日本出国前に1度だけ和人と会ったことがありました。

回想終わりです。

菊岡は和人を拉致したのは、和人を助けたかったからだと言いました。

和人の脳は、低酸素状態による損傷を受け、
脳の、重要なネットワークを構成していた神経細胞の一部が破壊されてしまい、
現代医学では治療不可能でした。

だが、世界中でもこのラースにだけ、和人を治療可能な技術、
STL(ソウル・トランスレーター)があります。
死んだ脳細胞は治療できませんが、
STLで直接フラクトライトを賦活すればネットワークの再生を
促進することはできます。

治療が終わり、和人の意識が戻ったら、
家族や明日奈にすべて説明したうえで東京に送り届けるつもりだったのだそうです。

凜子は、そもそもなぜSTLの開発に桐ヶ谷君が必要だったの?
と訊ねました。

過去に凜子が提供したデータをもとに、
比嘉が解像力を高めて作り出したSTLは、
ついに人間の魂≪フラクトライト≫という量子場を捉えることに成功した、
という話を菊岡はします。

魂をコピーし、1辺5センチのプラセオジミウム結晶構造体、
≪光量子ゲート結晶体≫、通称≪ライトキューブ≫に保存できます。

つまり、菊岡達はすでに、人の魂の複製には成功していました。

菊岡は、比嘉のフラクトライトをサンプリングしたものを、
凜子と明日奈に見せます。

そのサンプリングは、最初は本物の比嘉と同じように受け答えしていましたが、
自分がコピーであると説明され、それを理解すると、
『ディル、ディッディッディル、
ディルディルディルディルディ―――――――――』
と叫び、精神が崩壊してしまいました。

比嘉は140近いIQを持つ天才ですが、その比嘉のコピーにして、
己がコピーであるという認識に耐えることができませんでした。
菊岡を含め、10人以上の人間のフラクトライトを複製しましたが、
結果は一緒でした
ロードしてから平均3分で思考ロジックが暴走し、崩壊してしまいます。

菊岡は、生まれたばかりの赤ちゃんの魂をコピーし、
無垢なフラクトライトを手に入れました。

フラクトライトというのは、生まれたばっかりの時は、
遺伝子ほどには個人による差がなく、
12人の新生児のサンプルから0・02パーセントの差異を削除し、
得られたそれらを、≪精神原形≫、
≪ソウル・アーキタイプ≫と呼ぶことにしました。

その≪ソウル・アーキタイプ≫を育てるのに、
現実世界の精巧なシミュレーションを作り上げることは、
いくらSTLでも不可能です。

限定的な地勢で、習俗なんかも好き勝手に設定できて、
厄介なトラブルは≪魔法≫の一言で片づけられる世界、
≪ザ・シード≫を使ったVRMMOで育てることにしました。

STLのメインフレーム内に仮想世界を作るだけなら3Dデータは要らないけど、
それだとつまらないので、ザ・シードの付属エディタでSTL用の
ニーモニック・ビジュアルに変換したのだそうです。

つまり、その世界は二重構造になっていて、
下位サーバーでは汎用データ形式のVRワールドが動いていて、
上位のSTLメインフレームでは専用形式のVRワールドが動いていて、
その2つがリアルタイム変換されている、ということです。

下位サーバーのほうは、稼働速度を1倍まで引き下げれば、
STLを使わなくても従来のアミュスフィアでダイブできるのだそうです。

一番最初に作った村では、
4人の男女スタッフがSTL内部で18年間にわたって
農家の主とその妻を演じ、AIの赤ん坊16人を18歳程度まで成長させました。

ソウル・トランスレーターには主観的時間を加速させる機能があるので、
内部の18年間は1週間程度でした。

STLの時間加速倍率は数千倍以上で動かすことができるのです。

理論的には、思考クロックをどれだけ加速しても脳組織が損傷することは
有り得ないと比嘉達は考えていましたが、生体組織としての脳とは別に、
魂自体にも寿命があるんじゃないか、という意見があり、
今のところは最大でも1500倍ほどに制限しているのだそうです。

≪魂の寿命≫は150年ほどと見積もっていて、
30年程度ならSTL内部で消費しても問題ないと考えているのだそうです。

最初の16人の赤ん坊が成長すると、8組の夫婦とし、
それぞれの家と農地を持たせて独立させました。

親をつとめた4人のスタッフは、その後流行り病によって相次いで
≪死去≫し、STLから出て、18年間の記憶はブロックされました。

人間のスタッフがログアウトした以上、FLAの倍率を気にする必要もなくなり、
内部世界の時間流を一気に現実の5000倍まで引き上げ、
現実世界での3週間、内部世界での300年に及ぶシミュレーションをし、
人口は8万人になりました。

しかし、人工フラクトライトたちにも、
人間と同じような欲望はあるはずなのに、一切の争いがおきませんでした。

彼らには、生来的な性質として、法を、規則を破ることはできない、
という問題がありました。

凜子には、それのどこが問題なのかわかりませんでしたが、
それでは、菊岡さんたちには困るんですよ、
この巨大な計画の最終的な目標は、
戦争で敵の兵士を殺せるAIを作ることなんだから、と明日奈は言い当てました。

菊岡は最初から、無人兵器を自律的に動かすAIを開発しようとしていました。

殺人は原則として悪、だが戦時下においては敵兵を殺すのもやむなし、
という矛盾する思考を、
現状の人工フラクトライトたちは受け入れることができません。

菊岡達は、アンダーワールドの住民たちの遵法精神を試すべく、
孤立した山村の畑の作物と家畜の7割を死滅させました。
村の全員が冬を越すのは到底不可能な状況で、
一部の住民を切り捨て、食料の分配を偏らせなければなりませんでした。
でも、禁忌目録の殺人禁止条項に背くことができず、
春が来る前に、全員が餓死しました。

現状の人工フラクトライトをロボットとして兵器に搭載しようとすれば、
≪人間は殺すべきもの≫という第一原則を与えなければなりませんが、
それがどんな状況を生むか、菊岡にも想像できました。

菊岡達は米軍から身を隠すために海のど真ん中を漂っていました。
現在の日本には、自前の防衛技術基盤があまりにも不足し過ぎていて、
アメリカに頼ったままで本当にいいのかと、一部の自衛官と、
中小の防衛関連メーカーの一部は危機感を抱いていて、
ラースを設立したのでした。
何か1つでいい、日本独自のテクノロジーを生み出したい、と。

しかし、菊岡達はその理念をキリトにはいっさい話していないと、
明日奈は見抜きました。
菊岡達には、人工知能たちの権利、という視点が欠け落ちているからです。

しかし菊岡は、解らないな、人工フラクトライトに生身の肉体はない、
それが仮の命でなくてなんだと言うんだい? と言いました。

アインクラッドの56層のボスモンスター攻略のときに、
NPC……つまりAIの村人を囮にする作戦をギルドが主張しましたが、
キリトは、絶対にだめだ、NPCだって生きてる、と言った、
という話を明日奈はしました。

しかし、菊岡にとっては、10万の人工フラクトライトの命は
1人の自衛官のそれよりも軽く、答えのない議論でした。

なぜ、アンダーワールドの住民たちは禁忌目録に背けないのか、
それはライトキューブに保存されたフラクトライトの持つ構造的な問題なのか、
あるいは育成家庭に下人があったのか、菊岡たちは議論を重ね、
ひとつの実験を試みました。

8人のスタッフ、つまり本物の人間の記憶を全てブロックし、
幼い子供に戻して、アンダーワールドの中で成長させました。

結果は、10歳になり実験が終了するまで、
禁忌目録を破ったものは1人もいませんでした。
むしろ人工フラクトライトの子供たちよりも非活動的で、
外に出ることを嫌い、周囲と馴染めない傾向を示しました。

仮想世界では重力感覚が現実世界と異なるため、
違和感があるせいだと菊岡たちは考えました。

年単位で仮想世界での動作に慣れている被験者が必要だということになり、
キリトが選ばれたのでした。

≪3日間の連続ダイブ≫というのは嘘で、
本当は10年、キリトはアンダーワールドで生活していたのでした。

キリトは幼児期から他の被験者には見られなかった旺盛な好奇心と活動性を示し、
何度も禁忌目録違反の寸前まで行ってはお仕置きを受けていました。
内部時間で7年ほど経過した頃、
キリトといつも一緒に行動してた人工フラクトライトの少年と少女の違反指数が、
突出して増大しはじめました。
キリトは周囲の人工フラクトライトの行動に強い影響を及ぼしていたのです。

キリトと最も近しい存在だった少女、アリスが、
実験が終了する直前、ついに禁忌目録に背きました。
アリスの視界内の移動禁止アドレスで他の人工フラクトライトが
ひとつ死亡していて、それを助けようとしたのでした。

しかし、アンダーワールド内は対現実比1000倍という凄まじいスピードで
時間が経過しているので、それをリアルタイムに監視するのは不可能です。

菊岡や比嘉たちは、
アリスが禁忌目録に違反したのを発見した時点でサーバーを停止し、
アリスのフラクトライトを保存するライトキューブを
物理イジェクトしようとしましたが、
その時にはすでに内部時間で約2日が経過していて、
公理教会はそのあいだにアリスを央都に連行して、
フラクトライトにある種の修正を施してしまいました。

比嘉は観察対象にそこまでの権限を付与していませんでしたが、
連中はシステムの抜け道を見つけていたのでした。

菊岡や比嘉は、禁忌目録に違反した少女の名前がアリスだと知ったとき、
恐るべき偶然に驚愕しました。

それは、すべての計画の礎となったひとつの概念に与えられた名称でもあったからです。

人工高適応型知的自律存在、アーティフィシャル・レイビル・インテリジェント・
サーバネーテッド・イグジスタンス。
頭文字を取って≪A.L.I.C.E≫です。

菊岡の目的は、人工フラクトライトを≪アリス化≫させることでした。

ようこそ、我らが≪プロジェクト・アリシゼーション≫へ、と菊岡は言いました。

その後、凜子と明日奈は、安岐という女性にオーシャン・タートルを案内してもらい、
ソウル・トランスレーターの4号機と5号機を見せてもらいます。

試作1号機は六本木の分室にあり、2号機・3号機はロウワー・シャフトにあり、
4号機・5号機はアッパー・シャフトにありました。

ピラミッド内部のメイン・シャフトは上下分割された構造になっていて、
その上側をアッパー・シャフト、下側をロウワー・シャフトと呼んでいました。

和人は4号機の下部に接続されたジェルベッドに横たわっていました。

案内をしている安岐は、5巻6巻などで、
千代田区の病院に勤める看護師として登場していたキャラクターです。
看護師なのは本当ですが、卒業した学校が≪自衛隊東京病院高等看護学院≫で、
安岐は看護師であると同時に自衛官でもありました。

その後、凜子と明日奈は一等船室に泊めてもらうことになりました。

午後8時、凜子は明日奈の部屋を訪れ、
話しておかなくちゃならないことがあると言いました。

凜子は、胸骨の少し左を斜めに走る切開痕を明日奈に見せます。
遠隔起爆型マイクロ爆弾が埋め込まれていた場所ですね、
それで先生……凜子さんは、2年間も団長……茅場晶彦に脅迫されていた、
と明日奈は言いました。

世間ではそういうことになっていて、だから凜子は不起訴処分になり、
名前も公表されずアメリカに脱出できました。

でも、本当は違うの、と凜子は言いました。
警察病院で摘出された爆弾は本物で、起爆も可能でしたが、
カモフラージュで、凜子が罪に問われないように、
茅場晶彦が埋め込んだものだったのだそうです。

回想です。

凜子と茅場は、凜子が大学に入った年から付き合い始め、
修士課程が終わるまで6年のあいだ恋人同士でした。

日本で有数の工業系大学に、ストレートで進学したその時点で、
茅場はすでにアーガス第三開発部の長たる立場で、
年収は億を超えていました。

しかし、当初凜子はそんなことを知らず、
1歳年上の茅場に対し、養分の不足した豆もやし、
という第一印象を抱き、「たまにはお日様を見ないと出るアイデアも出ね!」
と叱り、ぼろぼろの軽自動車で湘南まで引っぱり出しました。

その数年後、凜子はニュースでSAO事件を知りました。
茅場は行方不明になっていましたが、凜子は昔、
茅場の車のカーナビの履歴に、長野の山奥の座標が残っていたのを思い出し、
警察の監視を撒いて、1人で長野に行きました。

凜子は茅場を殺すつもりで、サバイバルナイフを持っていましたが、
茅場は「困った人だなあ」とだけ言って、
またナーヴギアをかぶってアインクラッドに戻っていきました。

茅場は髭ぼうぼうで汚れ放題で、腕に点滴の痕がいくつもありました。

回想終わりです。

その話を聞いた明日奈は、
わたしも、キリト君も、凜子さんを恨んだことは1度もありません、
と言いました。

明日奈は、あの世界でキリトと暮らした短い日々を、
人生最良のひとときと思っていました。

団長に罪があるように、わたしにも、キリト君にも、
そして凜子さん、あなたにも罪はある……、
わたしたちは、自分の罪と向き合い続けていかなければならないんです、
と明日奈は言いました。

その夜、凜子は学生時代の茅場の夢を見ました。
本当に、困った人だな、こんなところまで来るなんて、
という声が聞こえ、凜子が薄く眼を開けると、暗闇のなか、
ベッドの傍らに長身の人影が立っているのが見えた気がしました。

ドアの開閉音が聞こえ、凜子は飛び起き、通路に出ましたが、
通路は無人でした。


第3章 ザッカリア剣術大会 人界歴 378年8月

キリトとユージオを、誰かが観察し、不思議な子たち、と考えていました。
その≪観察者≫は体がとても小さく、
キリトとユージオの世話を焼くのが好きなおばさんっぽい性格のキャラです。

3章はこの≪観察者≫の視点で進みます。

≪観察者≫は、天命を永久凍結され、
二百数十年≪マスター≫の使い魔として生きてきました。

163日前、≪マスター≫に命令され、
そのキャラはキリトとユージオの直接観察を命じられ、
央都セントリアからやってきました。

剣術大会の前夜、納屋で眠るキリトの腹が剥き出しになっているのを見て、
キリトが風邪を引かないように、
≪観察者≫は神聖術でワラをキリトの腹にかけてあげ、
定位置のキリトの前髪の中に戻り、隠れました。

明くる8月最後の日の朝、キリトとユージオは馬の世話の仕事をしました。
ルーリッドの村を出て、人口1958人のザッカリアの街に着いてから半年間、
キリトとユージオは農場で5ヶ月間働いて、お金を稼いでいました。

農場主の女主人と、その娘たち、双子のテリンとテルルに応援され、
キリトとユージオは≪ノーランガルス北域剣術大会≫の会場に向かいます。

剣術大会は毎年、8の月28日に開催され、
50人以上の参加者が集まります。
原則的にはその全員が故郷で≪衛士≫の天職に就く者たちです。

ザッカリア衛兵隊への入隊が許されるのは、
大会の東西ブロックを勝ち抜いた2名だけです。

会場に着く前に、キリトは暴れ馬に襲われそうになりましたが、
馬の首に密着し、ユージオ、後ろだ! と言いました。
ユージオが馬の尻尾の付け根から害虫≪オオヌマアブ≫を引き剥がすと、
馬はおとなしくなりました。

オオヌマアブは7キロル離れた濁り沼にしか出現しない虫類オブジェクトで、
キリトは妙だと言いました。

腹ごしらえをし、出場者登録窓口でルーリッド村長直筆の証書を見せ、
名前を書き、剣技の流派には≪アインクラッド流≫と書きました。

受付の衛兵から番号札をもらい、大会の説明を聞きます。

11時30分に会場の控え室に入り、
クジによって東組、西組に分けられ、試合用の剣を貸与され、
12時に予選が始まります。
型の演武で、ひと組が8人まで絞られ、
2時からの本番でトーナメントを行い、
東西ブロックで2人の優勝者にザッカリア衛兵の天職が与えられます。

キリトとユージオが同じ組になったらどうするのか、
というのを2人は何も考えていませんでした。

仕方ないか、でも、ほんとにこれっきりですからね、坊やたち、
と≪観察者≫は考えました。

キリトは控え室で54人の猛者たちが座る椅子の間を歩き、
2列目の長椅子の、いちばん奥に座ってる若い奴、
あいつと試合することになったら気をつけろよ、
何かしてくるかもしれない、とユージオに囁きました。

キリトがクジを引くときに、≪観察者≫は箱の穴へ飛び込み、
キリトが青――西ブロックの球を引いたのを見ました。

次のユージオがクジを引くときには、
≪観察者≫は赤の球を握らせ、引かせました。

また、キリトが気をつけろと言っていた、イゴームという名前の衛兵見習いには、
キリトと同じ青の球を引かせました。

正午になり、型の演武が始まります。

型の演武に自信がないキリトは、本来10秒かける1番の型を2秒で演じ、
そのまま速度を緩めることなく、10番の型まで演じました。
速く動けば、指先とかつま先の微妙なズレくらいなら、
審査員にも見えないと思ったのだそうです。

キリトもユージオも予選を突破し、本選が始まります。

禁忌目録によって、
≪別項に挙げる理由なく他者の天命を故意に減少させてはならない≫
と定められているため、地方レベルの剣術大会では、寸止めが厳守されます。

キリトは初戦でイゴームと戦うことになります。
イゴームは奇襲による寸止め決着を狙いましたが、キリトはその剣を受け止め、
あんた、ネジレヅタの匂いがするぞ、と言いました。

ネジレヅタは乾かしてから燃やして、
その煙でオオヌマアブのような害虫を麻痺させることができます。

キリトは控え室で参加者の間を歩き回り、
ネジレヅタの匂いがする人を探していたのでした。

キリトは切り結ばれたままの剣を強く一押しし、
相手の体勢を崩そうとしましたが、キリトの剣が刃毀れしました。

キリトの剣は他の参加者と同じくクラス10オブジェクトでしたが、
イゴームは剣の貸出係だった衛兵をだき込み、
業物のクラス15オブジェクトの剣を借りていたのでした。

イゴームはザッカライト流秘奥義≪蒼風斬(ソウフウザン)≫を使おうとしましたが、
キリトはアインクラッド流二連撃業≪スネークバイト≫を使い、
イゴームの剣を撃ち砕いて勝利しました。

キリトとユージオは衛兵隊への入隊許可を得て、
翌年の春、帝立修剣学院に入学しました。


第4章 帝立修剣学院 人界歴380年3月

3章のザッカリア剣術大会から、いきなり時間が1年半も飛びます。

ルーリッドでギガスシダーを倒し、村を出たのが2年前、
その半年後にザッカリア衛兵隊に入り、さらに半年後に央都に上って、
1年が経過しました。

キリトがアンダーワールドに来てから、もう2年も経ったことになりますが、
現実比1000倍に加速していたとすると、
現実世界では1日も経っていないはずでした。

キリトは帝立修剣学院初等錬士になり、
上級生のソルティリーナ・セルルトという女性の先輩、
通称リーナ先輩の≪傍付き≫になっていました。

ソルティリーナは、ノーランガルス帝国貴族の嫡子にして帝立上級剣士次席で、
表紙の右側にいるキャラです。

修剣学院は2年制の剣術の学校で、1年生は初等錬士、2年生は高等錬士です。
ソルティリーナは2年生の中で2番目に強い、ということです。

キリトはセルルト流の極意、≪活水(カッスイ)≫なる技を、
1年かけて教えてもらっていましたが、いまだ自分のものにはできていませんでした。

セルルト流は剣の他に鞭(むち)なども使う流派です。

≪ステイシアの窓≫を開いても、そこには天命(ヒットポイント)の現在値/最大値と、
≪OC(オブジェクトコントロール)権限≫
≪SC(システムコントロール権限≫のレベルが表記されているだけです。

そのうち、OC権限が武器防具の操作に、SC権限が神聖術の操作に関わりますが、
力の強さはその他にも年齢、体格、健康状態、
長期間の経験や修練など幾つものパラメータが影響します。

キリトとユージオは、来月には高等錬士の新旧試験を受け、
そこで上位の成績を収めた12人が上級修剣士に任ぜられます。

アリスと再会するというユージオ、
この世界の≪管理者≫と対面するというキリトの目標からすれば、
まず上級修剣士になる必要があります。
最終的には主席・次席になり、卒業後に開催される皇帝御前試合、
≪ノーランガルス北域剣武大会≫に出場し、優勝し、
4帝国統一大会を勝ち抜き、≪整合騎士≫の資格を得ないといけません。

1学年ぴったり120人なので、
キリトとユージオ以外の118人を凌駕する必要がありますが、
こんなに強いリーナ先輩ですら≪1番≫ではないと思い、キリトは不安に思っていました。

ソルティリーナは修練場で稽古をしながら、
最後だから言うが……お前の≪アインクラッド流≫には、
私にも見せていない先があるだろう、と言いました。

アンダーワールドには、基本的に実践は存在しませんが、それは、
ワンダーワールドの剣士たちが技に於いて劣るということではありません。

≪型≫の修練を無限回繰り返し、磨き上げた一撃の威力は、
生半可な実践経験など軽く両断してしまいます。

この世界では、魂――フラクトライトから発せられるイメージの強さが、
時として物事の結果を左右します。

修剣学院の生徒の大部分は天職≪貴族≫の家に生まれ、
ほんの3、4歳の頃から剣技の英才教育を受けてきたエリートです。

しかし、各流派の秘奥義(SAOのソードスキル)は、
基本の単発技しか知らない、あるいは使えないようで、
キリトの知る2連撃、3連撃といった上位のソードスキルは、
エリート剣士たちの一撃必殺の剛剣に対抗できる数少ない武器です。

セルルト家は、遠い祖先が皇帝の不興を買ったがゆえに、
正統剣術たる≪ハイ・ノルキア流≫の伝承を禁じられた家系なのだ、
とソルティリーナは言います。

ソルティリーナは流派唯一の伝承者であることを誇りに思っていましたが、
ソルティリーナの父は、ソルティリーナが主席で卒業し、
御前試合でも優勝して、セルルト家の名誉を回復することを期待していました。

しかし、皇帝からハイ・ノルキア流伝承の赦しを得られたとして、
その時、セルルト流を捨てるのなら、
ソルティリーナがセルルト流に抱いてきた誇りとはいったい何だったのか、
とソルティリーナは悩んでいました。

ソルティリーナはそんな迷いを抱え続けていたせいか、主席上級剣士の、
二等爵家の跡取りのウォロ・リーバンテインという男に、
2年間勝つことができませんでした。
ウォロの≪天山裂破(テンザンレッパ)≫、
SAOの両手剣垂直斬り≪アバランジュ≫の構えと相対すると、
ソルティリーナは竦んでしまいました。

ちなみに、第3席のゴルゴロッソ・バルトーという巨漢の傍付きを務めるのが
ユージオです。

2日後の≪卒業試合≫で最終的な序列が決定され、
翌日にはソルティリーナたち高等錬士は学院を卒業していきます。

キリト、私は、お前の秘めたるその強さを見てみたい、
この学院を卒業する前に、お前という剣士の全てをな、
とソルティリーナは言いました。

試合や稽古に使われるクラス15の木剣では3連撃以上の技は発動できないので、
ユージオにクラス45の神器≪青薔薇の剣≫を貸してもらうことにします。

1日待ってもらうことにしますが、明日は安息日でした。

しかしキリトは、修剣士が卒業する前日に、
傍付き剣士が贈り物をする慣習があるので、贈り物は剣技にすると言いました。

ソルティリーナは、キリトを傍付きに指名するにあたって、
≪貴族の子女が傍付き錬士を選ぶ時は、同じ貴族の、
しかし等級が自分より低い家出身の者を指名するべし≫
という慣習を破っていた、という話をしました。

この世界の住人は規則を破ることはできませんが、
これは明文化された規則ではなく慣習なので、
ソルティリーナにも破ることができました。

ノーランガルス北帝国には≪一等爵士(しゃくし)≫から≪六棟爵士≫が存在し、
その上に皇帝家あります。

キリトやユージオは平民です。

この学校の生徒はほとんどが貴族や豪商の子供で、庶民出身は2割しかいません。
また、募集枠からして別で、キリトとユージオは、
半年の苦労の末に受験に必要なザッカリア衛兵隊長の推薦状をゲットしましたが、
貴族なら無条件で受験できました。

人界最大の都市≪央都セントリア≫は、直径10キロル(キロメートル)の
真円を描く城壁に囲まれています。
アインクラッドの第1層と形も面積もまったく同じですが、
人口は2万を超えています。

また、円形の市街を、堅固な壁がX字に4等分し、
≪北セントリア≫≪東セントリア≫≪南セントリア≫≪西セントリア≫に分かれ、
広大な人界を東西南北に分割支配する4つの帝国それぞれの都でもあります。

央都のど真ん中には、純白の巨塔、公理教会セントラル・カセドラルがあり、
公理教会には≪司祭≫や≪元老≫などの文官のほかに、
≪整合騎士≫なる武官がいます。

キリトは、ユージオなどこの世界で出会った人々を、
単なるAIだとは思っていなくて、
ただ魂の容れ物が異なるだけの、まったく同じ人間だと思っていました。

ソルティリーナとの最後の稽古を終え、キリトは寮に戻ります。

厳しい寮監のアズリカ女史にお説教され、
庶民出身専用の10人部屋の206号室に戻り、
遅刻したことをユージオに謝ります。

ユージオは今年でもう19歳になり、
体つきも逞しくなり、3センチほど背が伸びていました。

食道へ行くと、三等爵家の長子のライオス・アンティノスという男と、
その手下的存在の四等爵家の出のウンベール・ジーゼックという男から、
嫌味を言われます。

一等爵家の子供は家庭教師をつけられるので、この学院にはいなくて、
二等爵家出身の子供もウォロをはじめとする数人しかいないので、
三等というのはかなり上位です。

ライオスとウンベールは凄く傲慢で嫌味な性格で、
スネ夫やマルフォイの嫌なところだけを凝縮したようなキャラです。

キリトとユージオは食事後、中庭にある≪畑≫に行きます。

正方形の庭は4つの花壇に区切られ、神聖術の授業で使う触媒の素材となる、
4種の草花、≪四大聖花≫が育てられていました。
開花の時期が3ヶ月ずつずれているため、1年を通して実を収穫できます。

干した実を指先で叩くと、周囲に神聖力を放出するので、
それをリソースに生徒が術式の練習をします。

キリトはプランターで、≪ウェスダラス西帝国≫の固有種である、
ゼフィリアという花を育てていました。
香辛料商人から買った種を植えましたが、今まで3回とも、
花を咲かせることはできず、今回が今年最後のチャンスでした。

ゼフィリアはノーランガルスの土では芽吹かないと言われていますが、
それはこの世界の人間たちがそう信じているからだ、とキリトは考えました。
もしキリトが≪住民の常識≫を超える強度のイメージを数十粒の種に集中させ、
ゼフィリアのバッファデータを上書きできれば、
花を咲かせることができるのではないか、と考え、実験しているのでした。

その後、ユージオに青薔薇の剣を貸してほしいと頼みますが、
明日の安息日は3の月7日で、あれが出来上がる日だとユージオに指摘されました。

翌日、サードレという細工師のところへ行き、
ギガスシダーの枝を削って作った剣を渡されます。
サードレはガリッタ老人の知り合いで、キリトの剣を作ってくれたのでした。

キリトがこの「化け物」の剣を振れるなら、研ぎ代はタダにしてくれると言われ、
キリトは、深い黒に染まった、わずかに透明感のある剣を振りました。

銘はキリトが考えることになり、お礼を言って店を出ようとすると、
売り物のバックラーが中心から真っ二つに断ち割られ、
右半分を床に落下させました。
キリトが試しに剣を振った際の衝撃で壊れてしまったのでした。

バックラーを弁償し、寮に戻り、寮監のアズリカ女史に頼み、
クラス46の剣の持ち込み許可をもらいます。

その時、アズリカ女史は、あなたには……その剣の記憶が……と何か言いかけましたが、
そこで言葉は途切れました。

キリトは東の森の中で、剣を試し振りして連撃の練習をしました。

4連撃技までは発動できましたが、5連撃以上の大技は使えず、
キリトは草地に倒れ込みました。

斬撃によって吹き飛ばされ、土と草の混合物が大量に空中を舞い、
その向こうにひっそりと立っていた
ウォロ・リーバンテインの純白の制服を汚してしまいました。

キリトは懲罰として、大修練場で、
立ち合い1本、試合形式の修練を命じられました。

その噂を聞いたユージオがソルティリーナ・セルルトに報告し、
ソルティリーナが駆けつけ、ウォロに抗議しました。

ウォロは寸止めの立ち合いはしない主義で、試合は一本先取となります。

大修練場には50を超える生徒が集まりました。

昨日、キリトの全てをソルティリーナに見せると約束していましたが、
ソルティリーナは、ここで見せてくれ、キリト、お前の持てる力と技の全てを解き放ち、
ウォロ・リーバンテインに勝て、と激励しました。

試合が始まり、ウォロの≪天山裂破≫を、4連撃≪バーチカル・スクエア≫で迎撃します。

鍔迫り合いになりましたが、キリトはあらん限りの筋力と意志力を振り絞り、
ラスト4連撃を放ちますが、バーチカル・スクエアは突進技ではなかったため、
ウォロには届きませんでした。

そこまで!! とアズリカ女史が審判のような指示をし、引き分けになりました。
ウォロは、あの方の裁定ならば、従わぬわけにはいくまい、
あの方は、7年前の4帝国統一大会に於ける、ノーランガルス北帝国第一代表剣士だからだ、
とキリトに小声で言いました。

ウォロが懲罰の終了を宣言すると、ソルティリーナがキリトの両肩を叩き、
お前の戦いぶりに、私はとても大切なものを学んだ、
私がセルルト流の後継者であることを、いま心の底から誇りに……嬉しく思っている、
……お前の指導者となれたこともな、と言いました。

ソルティリーナの部屋で、ユージオとゴルゴロッソも交え、
≪引き分けおめでとう会≫があり、その後、キリトは中庭に行きました。

そこで、ライオスとウンベールに嫌味を言われ、これを進呈しようと言われ、
ゼフィリアの花の蕾を胸ポケットに挿されました。

ライオスとウンベールがいなくなった後、プランターを確認すると、
キリトが育てていたゼフィリアの苗は、
その全てが、茎の半ばから無残に引きちぎられていました。

プランターに満たされた黒い土は、央都の外、
誰の所有地でもない原野から運んできたものだったため、キリトの所有権が発生せず、
他人の所有物を故意に損壊するという禁忌目録違反にはならなかったのでした。

キリトは、両眼から涙を溢れさせ、……ごめんよ……と掠れ声で言いました。

イメージ力の実験や、一度でいいから本物のゼフィリアを見てみたい、
と言ったソルティリーナの望みを叶えてあげるため、という理由以外に、
異国の地で懸命に咲こうとしている花たちに、キリトは自分自身を重ねていました。

しかし、――信じなさい、異国の土でここまで育った花たちの力を、
そして、その花をここまで育てた、あなた自身の力を、
と女性の不思議な声が聞こえました。

あらゆる術式は、≪シンイ≫……イメージ力を導き、整えるための道具に過ぎないわ、
と言われ、キリトは4種類の聖花の神聖力をゼフィリアの根に流しました。
ゼフィリアの茎は、再び伸び始め、ありがとう、とキリトは言い、
俺の領土だぞ、と宣言するために校章のピンをプランターに立てました。

寮舎に戻る途中、キリトは飛竜を目撃しました。

3月の末、ソルティリーナは最後の対戦となる卒業トーナメント決勝戦で、
ウォロを破り、第一位の成績で卒業しました。
別れの時、キリトが満開のゼフィリアの鉢植えを差し出すと、
ソルティリーナは初めて満面の笑みと、涙を見せてくれました。


転章Ⅱ

上級修剣士になったキリトとユージオは、
ティーゼとロニエという下級生の女子を傍付きにしていました。
転章Ⅱでは、そのシーンが短く書かれています。

というあらすじなのですが、10巻はこれで終わりです。

9巻に引き続き、10巻も専門用語が多数出てきて、書くのが大変でした……。

でも、異世界で学校に通うというのは、
ソードアート・オンラインシリーズでは初めてのことなので、新鮮で面白かったです。

この話は、11巻に続きます。 見やすい記事一覧はこちらです。
                 スポンサードリンク

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

新世界より(上) (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール
Author:しまうました
見やすい記事一覧はこちらです。
スポンサードリンク

十二大戦

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

キノの旅XXI the Beautiful World (電撃文庫)

このブログについて
見やすい記事一覧はこちらです。
このブログの記事は管理人「しまうました」の独自の解釈によるものなので、制作者の意図したものや一般に考えられているものとは異なる場合があります。
個人の趣味でやっているブログなので、解説してほしい本のリクエストは受け付けていません。
ネタバレ部分は白字にしてあるので反転してお読みください。
荒らし対策のため、コメントを承認制に変更しました。承認したコメントに対しても、管理人は基本的には返信しません。また、後日予告なく削除する場合があります。ご了承ください。
今月の人気ページ
人気ページの集計期間は30日間です。2017年11月9日リセット。
スポンサードリンク
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
月別アーカイブ
最新コメント
FC2カウンター
スポンサードリンク

ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)

業物語 (講談社BOX)

キノの旅XX the Beautiful World (電撃文庫)

悪の教典 上 (文春文庫)

                amazon人気本ランキング  楽天ランキング
RSSリンクの表示
リンク
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
記事一覧
見やすい記事一覧はこちらです。