時雨沢恵一「キノの旅」1巻6話「平和な国」のネタバレ解説

1巻6話「平和な国」のネタバレ解説ですが、
2巻3話「魔法使いの国」のネタバレも若干あるのでご注意ください。

キノとエルメスはある国へ向かう途中、
道の両脇に大量に人間の死体が積み重なっているのを目撃します。
そして国に着いたキノ達は、
住人達に勧められた歴史博物館へと行きます。

そして博物館の女性の館長から、
この国は192年前にわたり隣国と断続的に戦争状態にあり、
15年前まではお互いに多大な犠牲を出していたという説明がありました。

その翌日、キノはホヴィー(浮遊車両)に乗って、
『戦争』を見学することになりました。

……さらりと書きましたが、実は既刊15巻までの間に、
このキノの旅ワールドで空を飛ぶ乗り物が登場するのは、
この「平和な国」と2巻3話「魔法使いの国」、
そして4巻6話「分かれている国」だけです。
モトラドの説明にも毎回わざわざ「空を飛ばないものだけを指す」
と書かれているにもかかわらず、です。

また、敵対国はレルスミア、
平和な国はヴェルデヴァルという国名なのですが、
国名が登場する話も、この「平和な国」と
11巻3話「アジン(略)の国」など数えるほどしかありません。
そういう意味では非常に珍しい話とも言えます。

それはともかく、その『戦争』は、
近くの集落に住むタタタ人という人達を殺し、
その重さで勝敗を競う、という内容でした。
キノ達が入国前に見たのはこの『戦争』の犠牲者の死体だったのです。

さらにその翌日、博物館を訪れたキノ達は、
館長が夫と4人の息子を戦争で亡くしたことを聞かされます。
そして館長と、敵対国の同じような立場の女性は、
タタタ人を敵兵に見立て、より多く殺すことができた方をその戦争の
勝利国とする、という『戦争』を始めたのでした。

その話を聞いたキノは、
『館長さん、ボクには分かりません。
今のあなた方が間違っているのか、それとも昔の人たちが正しかったのか』
と、どちらにせよあなた達は間違っている、
という意味の、珍しく感情的な発言をしました。

まあ、誰が読んでも、この平和な国は色んな意味で狂っているな、
と思うことでしょう。

国を出たキノ達は、しばらくしてタタタ人たちに囲まれました。
タタタ人達もキノ達があの国の住人でないことは知っていますが、
八つ当たりのためにキノ達を殺す、と宣言します。
そしてキノ達は襲いかかってきたその中の1人を殺し、
さっさと逃げ出したのでした。

こうして、一方的な犠牲者に見えたタタタ人達も結局平和な国や
その敵対国と同じようなことをしている、
という皮肉なオチがついたわけです。


まあ、この話と比較するのもどうかと思いますが、
実はこの記事を書いている今、
ちょうどロンドンオリンピックをやっています。
こういうスポーツの国際大会なんかは、
国と国との間で平和的に競い合い、勝った、負けた、
と明確な結果が出ます。
それにより、戦争をしなくても国と国との間で
優劣を競うことができます。
これはとても平和的で画期的なことです。

世界中どこの国でも、オリンピックなどの代表選手は、
自分は自国の代表者であり、
期待してくれている自国の国民のために戦う、
という信念を持って戦っています。

ところが日本は反日的なマスコミが多いせいで、
日本を代表するスポーツ選手は、
国や国民のために戦ってはいけないという刷り込みをされています。

こんな国は世界中で日本だけです。
愛国心というものがないせいで、
日本のスポーツ選手は責任感や闘争心に欠けていると
言われています。

また、今の日本では国旗や国歌というものを重んじません。
むしろ日の丸を敵対視・軽視し、大事にしません。
国旗や国歌を尊重することは戦争に繋がると考え、
卒業式ですら国歌を歌わないような
馬鹿げた教育関係者やマスコミが多いせいでそうなっています
(彼らの大部分は在日や帰化した朝鮮人なのですが。
自分達は祖国を愛しているのに日本人には日本を愛するな、
と言っているのです)。

本当にこんな国は日本だけです。

当然、そんな教育者に育てられた生徒たちも、
国旗や国歌を軽視するようになります。
日本のものだけではなく、他国の国旗や国歌も尊重しなくなります。

その結果、国際大会や国際的なセレモニーに参加した日本人が、
他国の人が国歌斉唱や国旗の掲揚をしているときに、
よそ見をしたりおしゃべりをしたりして、
他国の人の反感を買うようになっています。
彼らは、他国の人が愛国心を持っているということが理解できません。
自分自身が愛国心を持っていないから、
他国の人も同じだろうと考えてしまうのです。

自分の国を大切にできない人は、他の国も大切にできなくなるのです。

「平和な国」は狂っていますが、
今の日本もこの「平和な国」とは全く正反対のベクトルで
狂っているんじゃないかな――と、しまうましたは思いました。
少なくとも自国民を大事にする「平和な国」よりも、
自国民をないがしろにする今の日本の方がマシだと、
胸を張って言える自信はありません。

((キノの旅1巻 1話 2話 3話 4話 5話 6話 プロローグ あとがき))                  スポンサードリンク

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この平和な国の話の内容とはあまり関係していないと思うのですが……
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