大樹連司・鬼頭莫宏「ぼくらの~alternative~」3巻10章「アンコ」のネタバレ解説

カメラマンの富田は、おそらくコエムシに転送され、
マコがマコの父親のいるマンションのベランダに≪人形≫の手を伸ばし、
その上に乗っている写真を撮りました。

場面が変わり、9章で自然学校参加者の名簿を手に入れた徃住明と、
山崎ディレクターが、名簿について議論をしていました。

槇島摩耶子という少女だけはリストにあった住所が存在していませんが、
リストにあった14人中13人はほぼ確実に自然学校に参加していた、
と裏をとっていました。

また、テレビでは、中国政府が公開した衛星写真によって、
第一次特別災害のひと月ほど前に、日本の領海内で、
怪獣同士の戦闘が行われていたことが明らかになった件について、
日本の中田首相が野党から追及されていました。

日本は世界から孤立しかけていました。

場面が変わり、徃住愛子ことアンコは、都心にある高層マンションで、
コエムシと話をしていました。

アンコはよく、マンションでアイドルになるための練習として、
踊っていて、それをコエムシが見学していました。

しかし、今日は気分が乗らなくて、アンコは踊っていませんでした。

コエムシに、アイドルになりたい理由を訊ねられ、
パパのいるところに行きたかった、
テレビに出るアイドルになればパパが取材してくれるかなって、
とアンコは答えました。

やがて、テレビでアンコの父親の徃住明の番組が始まります。
政府が隠蔽する「操縦者」の正体に迫る!!
とテロップが出て、≪人形≫の手に乗っているマコの写真が映りました。

徃住明は、怪獣に十数名の子どもたちが関連していて、
その子どもたちのいるところに怪獣が現れると報道しました。

パパ、どうして、パパ……とアンコはうわごとのようにつぶやき続けました。

場面が変わり、番組を見守っていた山崎のところに、
自然学校参加生徒の実名がアングラネットで流れている、と情報が入りました。

さらに、徃住明と山崎が受け取っていたリストでは槇島摩耶子となっていた名前が、
徃住愛子に入れ替わっていました。

再び場面が変わり、アンコの部屋に田中と特対室のスタッフがやってきて、
アンコをマンションから脱出させようとしました。

マンションにはマスコミや野次馬が殺到していました。

玄関のインターフォンが鳴り、近所の人たちがバールで玄関を叩き、
出てこい人殺し! 俺たちまで殺すつもりだったのか!
いますぐここから引きずり出してやる! などとまくし立てていました。

アンコと田中たちは陸上国防軍の矢臼別演習室へ、
コエムシに転送してもらいました。

一方、番組が終了した後、
徃住明は、徃住愛子が自然学校に参加していたことを知りました。
妻から電話がきて、娘を売ってまで視聴率が欲しいのか、と言われました。

それ以降、アンコたちパイロットとその家族は、矢臼別演習室で暮らしていました。

しかし、他の子どもたちの両親とは、顔を合わせることができませんでした。

ただし、コモだけはマコの両親のところに足しげく通い、
出産を控えたマコの母を見舞っていました。

ある日、アンコはコモやマリアやカナやカンジと、ユニフォームの洗濯をしました。

アンコは、ユニフォームの襟首に縫い付けられた、
小さなワッペンのようなものに気づきました。

マリアはそれを、Z旗だと言いました。
Z旗の意味は、わかりやすく言えば、「ここで負けたら後がないんだから、
みんなもっとがんばれ」なのだそうです。

テレビでは、徃住明の番組が始まる時間になりましたが、アンコは見たくないと言い、
別のニュース番組を見ます。

日本はますます海外から批判され、孤立し、戦争になりそうな雰囲気でした。

アンコたちを守るために田中が作った、
マガジンに装填された契約者が戦闘前に死んだら、その時点で地球は滅亡、
という六番目のルールのせいで、情報を公開できず、
日本が孤立している、という意味のことを、マリアは言いました。

たとえば、マリアの存在が合衆国にバレたら、確実に日本との間で厄介ごとが起こり、
そのトラブルが悪いほうに転がって転がって、マリアが死ぬことがあれば、
その時点で地球は滅亡、ということになっているので、
日本政府は、全世界のためにも、マリアたちのことを公表するわけにはいかないのでした。

アタシ……みんなのために戦ってるつもりだったのに……
アタシたちのやってることって、正しいことじゃないの?
とアンコはつぶやきました。

一方、徃住明と山崎も国防軍の施設にて軟禁されていて、
政府が知る情報のすべてを説明されたうえで、
佐々見から取引をもちかけられ、協定を結びました。

アンコはコエムシに百里基地まで転送され、佐々見に土下座され、
許してほしい、お願いだ、徃住愛子さん、
どうか、この国のため、この世界のため、犠牲になってほしい、と言われました。

佐々見はアンコに、あたしは≪人形≫のパイロットではありません、
と嘘をつき、事実の隠蔽に手を貸すようお願いされました。

最初に出てた怪獣の腕に乗ったマコを写した1枚はただの合成写真で、
アンコが徃住明に頼んでつくってもらったものであり、
そんなことをしたのは一躍有名になってアイドルになりたかったからであり、
自然学校の参加者リストも、まったく架空のものだった、
と報道することになりました。

アンコも徃住明も、怪獣災害の被災者たちの気持ちを甘く考えすぎていて、
家を燃やされて急に恐ろしくなり、慌てて謝罪することになり、
徃住明は番組を降板し、アンコは遺書を残して「自殺」することになりました。

怪獣同士の戦いがすべて終わった後で、徃住明は番組に復帰し、
隠していた多くの情報をほかの局に先駆け、独占的に入手し、公開する、
ということになりました。

アンコは、わかりました、と答えました。

カンジは怒りましたが、ほかに方法ないでしょ? とアンコは言いました。

そこへ、徃住明が訪ねてきて、施設の外を散歩します。
(どうでもいいですが、「訪ねる」が「尋ねる」になっている誤字があります。)

すまなかった、と徃住明はアンコに謝りました。
アンコが夏休みに何をしてたのかも知らなかったのは、悲しかった、
でも、もしも徃住明がすべてを知ったうえで、報道してくれたのなら、
それでもかまわなかったと思う、という内容をアンコは言いました。

アタシ――パパと一緒にテレビに出るの、夢だったから、
たとえ、どんな形でもいいから、それ、叶えさせて、とアンコは言いました。

嘘の放送を前日に控え、スタジオでリハーサルが行われますが、
なるべくバカっぽくしゃべってくれ、なんだかわかんないけどテレビに出れたから、
OKかな、みたいなカンジで、へらへら笑って見せて、
とインナーイヤフォンに指示が飛びます。
(ここでも、「OKかな」が「OKから」になっている誤字があります。
凄くスケジュールが厳しかったみたいです。
1巻から3巻くらいまでの刊行ペースは異常なほど早かったですからね。)

そのリハーサルの途中で、アンコは≪人形≫の操縦室に転送されました。

また、徃住キャスターやほかの撮影スタッフや撮影機材も転送されていました。

戦いながら、インタビューを受ければいいんじゃないかしら、
アタシは≪人形≫のパイロットじゃありません、何も関係ありません、
っていう話をするのよね、ちょうどいいじゃない、
ここで撮影すれば、とっても説得力のある映像になると思うわ、
とマーヤは言いました。

アンコは激高しましたが、
さすがにコエムシでも、電波まではあなたの世界に運べないわ、
リアルタイムは無理かしら、とマーヤに言われて、
アンコの意識が外に向かい、窓が開きました。

ひときわ高くそびえたつ、巨大な塔の先端が、放電するかのように光り輝いている、
≪灯台≫がありました。

アウェイ戦で、広大な赤い大地が広がり、その赤い地の上に、
白い文字で言葉が書かれていました。

日本語や中国語やハングル、英語やフランス語、ドイツ語やアラビア文字、
アンコが見たこともないような文字で、
この地球に未来を、私たちは生きている、子どもたちに慈悲を、と書かれていました。

アンコは≪人形≫を前進させ、≪灯台≫に近づこうとしましたが、
カンジは、「DO NOT KILL」が「殺すな」に変ったのを見て、
動くな! 人だ! と叫びました。

大地を埋め尽くす赤は、赤い服を着た人間であり、
地面を埋め尽くす白は、人が掲げた白い布でした。

人間の盾が≪人形≫や≪灯台≫の周囲を取り囲んでいました。

それは、あまりにも壮大な、全地球規模の、地球滅亡をかけた、マスゲームでした。

あまりの事態に混乱したアンコは、おびえて反射的に≪人形≫を一歩、
後退させてしまいます。
≪人形≫の大きすぎる足が、赤い絨毯を踏みつけ、殺してしまいます。

逃げてよ……とアンコは言いますが、無理でしょうね、逃げたらきっと殺されるわ、
いったい、この世界は、どこで歴史を間違えたの、と田中は言いました。

田中の言う通り、よく見れば、人々の中には足を鎖で繋がれている者や、
銃を持った者もいました。

マーヤは田中に、正しい歴史を判断する権利が自分にあるだなんて、
ずいぶんな傲慢ね、と言いました。

また、カメラマンにどこかから通信が入り、カメラマンは日本語で話しかけてしまいます。

信号弾が上がり、さまざまな国の言語で書かれていた文字が、日本語へと切り替わり、
私たちを殺さないで、子どもたちを助けて、死にたくない、殺人鬼、虐殺者、人殺し、
と懇願したり罵ったりしました。

≪灯台≫の先端が、激しく輝き、稲妻のような光線が≪人形≫を揺さぶります。

アンコが撮影のためにつけていたイヤフォンに、
幼い少女の声で、あなたのあしもとに、わたしのママといもうとがいます、
ママといもうとをたすけてください、と声が聞こえてきます。

アンコは、聞きたくない! 許して! と叫び、椅子から身を投げ出してうずくまります。
その場にへたりこんだ≪人形≫を、≪灯台≫の電撃が撃ちます。

アタシたちにだって、戦う理由も、負けられない理由も、あるんだから!
それを、そっちばっかり勝手にしゃべって!
とアンコが絶叫すると、徃住明は、「通信設備とカメラで、
この世界の人たちに向けて話してみることを提案しました。

準備が整うと、アンコは自己紹介をし、謝罪し、
このロボットの名前は――〈ジアース〉といいます、とこの世界の人たちに呼びかけました。

ZEARTHはZ番目の“the earth”で、アンコたちの世界以外のすべての地球を滅ぼしても、
アンコたちは、最後に生き残る地球になります、という内容をアンコは言いました。

アンコは人々を踏み潰しながら〈ジアース〉を前進させます。
≪灯台≫のもとへとたどり着き、攻撃し、戦いは、終わりました。

怪獣の能力にはばらつきがあり、中でも、≪灯台≫は弱いほうで、
だからこそ、勝つためにはここまでしなければならなかったのでした。

アタシの声、届いたかな? と言ったアンコに、
ああ、届いたとも、と徃住明は言いました。

ありがとう、パパ、と言って、アンコは瞼を閉じます。

そしてアンコは、命の光が作る星空に、『Good luck, Zearth』と小さな文字があるのを見つけ、
その光を目に焼きつけて、届いたよ――、パパ――、と最期につぶやきました。


というあらすじなのですが、アンコがテレビで報道するはずだった内容が、
原作の漫画とは真逆になっていますね。

しかも、アウェイ戦で、壮絶な戦闘です。

よりによってアンコの敵がこれか、と読んでいて、胸が苦しくなりました。

でも、この≪灯台≫は、
≪灯台≫にとってのアウェイ戦ではどうやって戦ってたんでしょうね……。

3巻はここで終わり、4巻に続きます。 見やすい記事一覧はこちらです。
                 スポンサードリンク

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

新世界より(上) (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール
Author:しまうました
見やすい記事一覧はこちらです。
スポンサードリンク

十二大戦

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

キノの旅XXI the Beautiful World (電撃文庫)

このブログについて
見やすい記事一覧はこちらです。
このブログの記事は管理人「しまうました」の独自の解釈によるものなので、制作者の意図したものや一般に考えられているものとは異なる場合があります。
個人の趣味でやっているブログなので、解説してほしい本のリクエストは受け付けていません。
ネタバレ部分は白字にしてあるので反転してお読みください。
荒らし対策のため、コメントを承認制に変更しました。承認したコメントに対しても、管理人は基本的には返信しません。また、後日予告なく削除する場合があります。ご了承ください。
今月の人気ページ
人気ページの集計期間は30日間です。2017年11月9日リセット。
スポンサードリンク
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
月別アーカイブ
最新コメント
FC2カウンター
スポンサードリンク

ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)

業物語 (講談社BOX)

キノの旅XX the Beautiful World (電撃文庫)

悪の教典 上 (文春文庫)

                amazon人気本ランキング  楽天ランキング
RSSリンクの表示
リンク
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
記事一覧
見やすい記事一覧はこちらです。