大樹連司・鬼頭莫宏「ぼくらの~alternative~」3巻9章「マコ」のネタバレ解説

阿野摩子ことマコは、文化祭で、ロボットものの劇をやるから、
ユニフォームをつくりたいと、父親に相談すると、
父は張り切りました。

夕食後は父と2人でユニフォームを作るのが日課になっていましたが、
裁縫なんてろくにしたことがないマコは、指を針で刺してしまいました。

一方、父は若い頃にコスプレをしていた時期があったため、
裁縫も得意でした。

マコは、ワクが「死んだ」ことにされ、〈赤城〉に監禁されのは、
自分が強引にコモを説得してしまったからだと後悔し、
どこか、離党にでも監禁してほしいと願いでました。

しかし、逆効果で、自暴自棄になっていると判断されてしまいました。

なんとか、田中と佐々見を説得し、身重の母を国防医大に転院させてもらい、
父も東京への短期出張に出てもらうことになりました。

母のお腹にいるのは、弟ですが、出産予定日はまだ先で、
弟には会えなさそうでした。

テレビで≪人形≫の特番が始まると、父は、デカいし、カッコいい、
とほめてくれました。
そのことが、マコは自分のことのようにうれしく思いました。

劇の内容を聞かれ、ロボットに乗って戦い、敵を倒さないと、
地球は滅びてしまう、でも、ロボットを動かすと、
操縦者になった子は死んでしまう、とマコは説明しました。

テレビでは、怪獣の名前のトミコローツの由来を訊ねていましたが、
国防軍はノーコメントと答えていました。

マコの父は、アイヌ語で「戦争する棺桶」という意味だと説明し、
もうちょっとカッコイイ名前、つけてやってもいいよなあ、と言いました。

翌朝、父が出張に行きました。

マリアが、女同士で秘密の話がしたいと言い、
マコとコモの家の近くにある喫茶店に、
マコ、コモ、アンコ、マリアが集まりました。

マリアは、契約していないのは、カナだ、と言いました。

ヒントは、椅子で、椅子が用意されるのは契約者だけです。

チズの子どもの椅子はどれだ?
コックピットに椅子が現れて、一番最後に椅子に座ったのは誰だ?
とマリアは訊ねました。

それはカナでした。

マコの座っているベビーベッドがチズの子どもの椅子で、
カナが座ろうとして、マーヤに譲った椅子が、マコの本当の椅子です。

カナの椅子はないので、未契約者はカナだ、とマリアは推理していて、
マコやアンコたちも納得しました。

未契約者がカナだとすれば、ウシロのカナへの暴力がますますひどくなるので、
名乗り出ないのも納得です。

その後、街を散歩することになります。

(このシーンで、
「ここ、アンコとコモたちの街なんでしょう?」
というアンコのセリフがありますが、これは、
「ここ、マコとコモたちの街なんでしょう?」
の誤字ですね。)


ユニフォームのお礼に、服を買ってもらうことになりました。
紙袋を3つもぶら下げて、最初の喫茶店に戻ると、
マリアとアンコは靴を選びに再出撃していきました。

マコは、少し、怖かったんだ、ああいう、女の子らしいことするの、
とコモに打ち明けます。

マコがいまの家に引き取られたのは3歳の時で、
母親は売○婦で、客とトラブルを起こして死んだ、
という内容をマコは言いました。

ドラマとかニュースで男の人やお金にだらしない女の人を見ていると、
きっとこんな人だったんだろうって思い、
自分にもそういう血が流れているんじゃないか、とマコは思っていたのでした。

でも、みんなのおかげで、最後に、こういう楽しさもわかったから、
わたしは、もう、大丈夫……とマコは言いました。

その後、田中がマコを出迎え、マコだけを連れて車を発進させ、
30分ほど走って地下駐車場に停めました。

田中はマコに、プリントされた画像データを見せます。
ホテ.ルに、中年のサラリーマンに肩を抱かれて入ろうとするマコを写したものでした。

しかし田中は、それはコダマが作成して、
マコに縁のある人々に広めようとした偽ものだと言います。
しかし、特対室の情報対策班が阻止しました。

コダマにそれを依頼したのがマコであることも見抜かれていました。

マコは、わたしが勝てば、地球人類という全体は守れるが、
わたしの家を襲うのは、弟の出産間近に、実の娘のように育てていた養子を失うという、
ただの悲劇だと言いました。

父と母は、一生、苦しみ続けると思うので、
両親に自分を軽蔑させようとしたのでした。

マコは両親が思っているような子ではなく、
裏で画像データのようなことをする女だとしたら、
両親はマコに幻滅して、軽蔑して、忘れようとしてくれるはずだとマコは考えました。

いまの家に引き取られて、こんなにも幸福に過ごすことができた、
だから、もう十分なんです、とマコは言いましたが、
田中は、それがあなたの本心だとは思えないと言いました。

マコが泣くと、田中は家まで送ると言ってくれました。

田中に、どうして契約したのか、旦那や子どもがいるのに、
という意味のことを訊ねると、
あそこで契約できなければ、私は、自分の保身のために誰かを犠牲にすることになる、
子どもに誇れる母親ではなくなる、その時点で、母親としての私は死ぬ、
と思った、と田中は答えました。

でも、それは田中さんのプライドの問題であって、
残された子どもは、たとえどんな最低な母親でも、生きていてほしいと、
そう思うんじゃないですか、とマコが言うと、
田中は、マコの生前の母を知っている人に会ってみないかと言いました。

その頃、アンコの父親のニュースキャスターの、徃住明(とこすみ・あきら)は、
山崎ディレクターと、特別災害重点警戒地区と、
宇津帆島学習交流自然学校・参加者名簿に関するレポートを見ていました。
それは、畑飼が流したものでしたが、
アンコの名前の部分はマーヤの名前に置き換えられていました。

再びマコの視点に戻り、マコは田中の紹介で、
生みの母親の生前の「客」である、田々良惣ニ(たたら・そうじ)と、
レストランで待ち合わせをしました。

食事を終え、車に乗ると、田々良は、
マコの母親である半井美子(なからい・みこ)の面影がある、という話をしました。

美子の職業は、一般的にはほめられたものではなかったかもしれないが、
誇り高い女性だった、という話を、田々良はしました。

弁護士である田々良は、マコを生んだ美子に結婚を申し込んだこともありましたが、
これは、自分の力で解決しないと意味がないこと、
自分でちゃんと背負って、成し遂げて、はじめて、人に納得してもらえることなんだ、
と美子は言って、断ったのだそうです。

その頃、マーヤはアメリカで、ジョージ・ケンネル大統領と会っていました。
日本人は宇宙を支配したついでに、あのロボットで地球も征服しようとしている、
とマコはコエムシに訳させ、言わせました。

再びマコの視点に戻り、マコは、半井美子が眠るお墓に連れて行ってもらいました。

マコの母親の同僚が、タチの悪い男に引っかかり、稼ぎの大半をその男に持っていかれ、
虐待もされていた、という話を田々良はします。

美子から相談を受けた田々良は、
児童相談所に保護してもらうよう手続きを進めていましたが、
手遅れになりそうになり、美子はその子を引き取ろうとしました。

しかし、そこで口論になり、美子は激高した相手の男に刺されてしまい、
死んだのでした。
それがもとで、その子は無事保護され、養子として引き取られたのですが、
はっきりとは書かれていないものの、
それが原作に登場した阿野万記に相当する子どもだったのではないかと思います。

君の中に流れる血は、誇っていいものだと思うよ、と田々良は言いました。

いまなら言える、わたしの人生は、とても幸せだったと、とマコは思い、
お母さん……ありがとう、と言いました。

場面が変わり、佐々見と田中は、次のような話をしていました。
マコの街にマスコミが集まっていて、
情報をリークしたのが田中ではないかと、上層部から疑われていて、
田中にも監視がつく、という内容を、佐々見は言いました。

田中は、槇島摩耶子ことマーヤを疑っていて、
あの少女は、このゲームには本来必要ないはずの存在に思えます、
この世界への情が強すぎる、と言いました。

再び場面が変わり、マコの父の阿野和宏(かずひろ)が、
アニメの留守録をセットしておくのを忘れたと言って、
東京の短期出張から帰ってきました。

アニメ鑑賞中に、揺れが起こり、怪獣が出現しました。

マコは、例のユニフォームを着ていて、演劇の話は、演劇じゃなくて、
本当のことであり、マコがパイロットなのだと告白しました。

和宏は戦闘をやめさせようとしましたが、マコは、
父さんや母さんや、これから生まれてくる弟のために、戦いたいの、
わたしね、とても幸せだよ、だって、こんなにもたくさん守りたいものがあるんだもの、
と笑顔で言いました。

マコはコエムシを呼び出して、和宏を安全なところへ転送してもらおうとしましたが、
和宏は嫌がり、家に残ることになりました。

≪人形≫の名前を考えたのを、マコが教えると、いい名前だな、と父親は言いました。

操縦室に転送され、コモに抱きとめられた瞬間、感情の堰が切れ、
マコは号泣しました。

マコはみんなにユニフォームを渡し、
≪人形≫を自分たちなりの名前で呼びたいとコエムシに言い、
ベビーベッドの側面の板に、その名を書きました。

マリアたちはすぐにいい名前だと言って賛成しましたが、
一人、ユニフォームを着ようとしなかったウシロは、
手近にいたカナの襟をつかんで強引に引き寄せ、
おまえは何を笑ってるんだよ、おそろいの死に装束を着るのが、そんなに楽しいのか?
と言って、カナの頬を張りました。

マコは、ウシロくん、殴るよ、と言ってから、ウシロを殴りました。

あなたは自分だけが特別だと思って、自分の置かれた状況に甘えてるだけでしょう!
それを言い訳にしないで!
せめて、自分の妹くらい、大事にしなさい、とマコは言いました。

コエムシはマコの椅子について何か言いかけましたが、
マコは、これがわたしの椅子よね、今度、弟が生まれてくるだから、
とマリアに目配せしながら言い、そのまま戦闘を始めました。

敵は、コズエが戦った≪猿人≫と同じく人型ですが、
その全身は純白で、刃のように鋭い腕部や全身から生えた突起物のある、≪白猿≫です。

人型同士の戦いは、力と力のぶつかり合いになりますが、
≪白猿≫の攻撃は短調すぎ、こちらの攻撃のタイミングを計っているようでした。

≪人形≫の右腕が、≪白猿≫の胴を打とうとした刹那、
マコの視界から≪白猿≫が消失しました。

下がって! と田中とマーヤに警告され、反射的に≪人形≫を後退させると、
脚部の装甲が弾け飛びました。

敵の形が変わっていたのでした。

≪白脚≫は、ちょうど人間で言えばブリッジをするようにして、
4本の脚で立つ四足形態へと変化していたのです。

その時、お父さんが……呼んでる、とコモに言われ、
マコはマンションのベランダに立った和宏が、
へ、ん、け――とマコに伝えているのを見ました。

人型のロボット兵器は正面の面積が大きすぎて、弾が当たりやすいので、
実際には使えない、という内容の話を、和宏がしていたのをマコは思い出します。

現実に陸上戦の主役である主力戦車は、みな正面がなるべく小さく、
車体が低くなるように作られている、
戦車を倒すためには、一番装甲が薄く、一番面積の大きな弱点――すなわち、
上部を狙うんだ、と和宏は話していました。

可変機体は! 変形の瞬間が最大の弱点!
とマコは叫びながら、変形する≪白猿≫の前で、≪人形≫を前転させました。

≪人形≫の脚が着地するところに、≪白猿≫の無防備な腹部があり、
急所もろとも串刺しにしました。

≪人形≫は、和宏のいるベランダへと長く、大きな腕を伸ばします。
その手の先に、マコがいて、お父さんのおかげだよ、とマコは言いました。

かっこよかったぞ! よくやったな!
と和宏は言い、弟にもマコの活躍を伝えることを約束しました。

マコの顔は、とても穏やかでした。


というあらすじなのですが、原作の阿野万記と、
半井摩子のエピソードを上手く組み合わせて、
1つのエピソードとして再構成していたのが凄いと思いました。

この話は10章に続きます。 見やすい記事一覧はこちらです。
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