時雨沢恵一「キノの旅」1巻5話「大人の国」のネタバレ解説 

今回は、「私」の視点で話が進みます。
「私」がキノと名乗る旅人と出会ったのは、「私」が11歳の時でした。
その時「私」はなんて呼ばれていたのか、もう覚えていませんでしたが、
何か花の名前で、読み方を少し変えると、
とてもいやな悪口になっていたことだけは覚えていました。

回想です。
まだ生まれた国に住んでいた頃、「私」は、
背が高くて痩せた旅人の男、キノと出会います。

キノは「私」の両親が経営している安ホテルに宿泊することになりました。

キノを案内した「私」が自分の部屋に戻ると、
『後三日です』という貼り紙があり、
翌日はそれが『後二日です』に変わっていました。

その日、キノは、がらくたの山から見つけた古いモトラドを直しました。
「私」とキノは相談して、
昔キノが一緒に旅をしていたモトラドにそっくりなそのモトラドに、
「エルメス」という同じ名前を付けました。

その後、「私」はキノに、
明後日ちゃんとした大人になるための手術を受けることを説明しました。
この大人の国では、
12歳になった人は頭の手術をして「大人」になることになっていたのです。
「大人」は仕事をしなければならず、たとえそれがやりたくない行動でも、
間違っていると思うことでも、絶対にやらなければなりませんでした。

12歳の誕生日前の1週間は『最後の1週間』と呼ばれていて、
その国の人間は誰もその子供に話しかけてはいけない、と決まっていました。

その話を聞いたキノは、ボクには『ちゃんとした大人』
っていったい何なのか分からない、と言いました。

キノは、旅を、好きなことを、やりたいことをしていました。

キミの1番好きなことはなんだい? とキノが聞き、
「私」は、歌を歌うこと! と言いました。
「私」が歌を歌うと、キノは上手だと褒めてくれ、
歌手になるのはどうだい? と言いました。
しかし、「私」の両親は歌手ではないので、「私」は歌手になることはできませんでした。

その日の夜、「私」は、手術を受けて大人になるのが急に不自然に思えてしまいました。

次の日の朝、「私」が子どもでいられる最後の日に、
「私」は大人になるための手術は受けたくないと両親に言いました。
その言葉がきっかけで両親や近所の人は怒り狂いました。

「私」に愚かな考えを吹き込んだのは、
キノだと「私」の父親は気がつき、キノを捜しました。

キノは玄関の外にいて、直ったモトラドのエルメスのエンジンをかけていました。

1つの国には3日だけって、ボクは決めているんだ、
それでだいたいどんな国か分かるし、
それ以上いると、たくさんの国を回れなくなるからね、
さよならだ、×××××ちゃん、
とキノは「私」に言い、出国しようとしました。

しかし、「私」の父親が、包丁で「私」を処分しようとすると、
キノの顔色が変わりました。
「私」の父親は、「私」をでき損ないと呼び、「私」を殺そうとしました。
キノはそれを止めようとしますが、間に合いそうにありませんでした。

しかし、「私」の父親は、あと少しで「私」に刺さるはずの包丁を、
体ごとくるりと左に向け、キノの胸を刺しました。
父親は、キノの死体に刺さった包丁を抜くのに手間取っていました。

そんな中、『私』はエルメスに話しかけられ、『私』はエルメスに乗り、
『大人の国』を脱出しました。

モトラドの止め方を知らない『私』は紅い花の咲き乱れる草原で、
エルメスと一緒に倒れてしまいます。そして、エルメスは
『非道いなあ。こんな非道いことをするのはいったい誰?』
と、おどけた声で言います。
それには答えず、キノのことを考えていた『私』は、『キノ……』と呟きます。

この噛み合わない会話のせいで、
エルメスは『私』の名前はキノなのだと勘違いをしてしまったのです。
しかし、『私』は元の自分の名前を捨て、
キノとして生きていくことにし、この本の主人公が誕生したのでした。


というあらすじなのですが、これは「初代キノを二代目キノだと勘違いさせる、
叙述トリックが使われていた話だったわけです。


ところで、この話の最後に、森の中で偶然出会った老人に、
いろいろなことを教わった、と書かれていますが、
この老人というのは2巻以降に登場する師匠のことなのでしょうか?

老人という言葉は主に男性をさすので、
この1巻の時点での初期設定では師匠は男性だったのかもしれません。

ちなみに、大人の国がこの後どうなったのかは、
4巻エピローグ「紅い海の真ん中で」で明らかになります。

(キノの旅1巻 1話 2話 3話 4話 5話 6話 プロローグ あとがき 見やすい記事一覧はこちらです。
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