時雨沢恵一「キノの旅」9巻4話「電波の国」のネタバレ解説

今回は8巻エピローグ&プロローグ「船の国」「渚にて」から、
直接話が繋がっています。

怪我をしたシズは養生のため、海岸でしばらく滞在しました。

その間、海岸には豊富に食べ物が入った防水木箱や、
飲み物の瓶、弾薬や爆弾の類、燃料の缶、衣類の鞄、
金目の物などが流れつきました。

それらは船の国から流出したもので、
正確な状況は分かりませんが船の国は壊滅的なことになっているのでしょう。

ティーは手榴弾が気に入ったらしく、出発する日の朝、
水中で手榴弾を爆発させる乱暴な漁法で朝ご飯を捕りました。

広い草原を通ると、南北に走る道がありました。

シズはティーにコインを投げて南北のどちらに行くか決めさせましたが、
コイントスを知らないティーは思い切りコインを投げ、
コインは10メートルほど離れた草むらに落ちました。

翌日に昼に、南西への奥行きが歪な国に辿り着きました。

翌日、丸一日かけて国の中を見て回り、“普通の国”だった、
しばらくここに住んでみるのも、悪くないと思う、とシズは言いました。

次の日、燃料スタンドでバギーに給油していると、
体が血で真っ赤に染まり、
人間の生首をぶら下げた50歳ほどの中年男性がやってきました。

スタンドの女性従業員が警察を呼び、シズは刀の先で袋ごと、
鞘ごと男の鳩尾に一撃を食らわせました。

中年男性はすぐ近くにある幼稚園の園長で、
園児22人全員、保母6人全員が毒殺され、
大人は首を切り取られていました。

園長が1人でやったとされました。

次の日、シズに礼をした警察署長に、
裁判の証言が必要ならこの国に滞在するとシズは言いましたが、
署長は、あの男は裁判には行きませんと言いました。

この国では、数年に1度、こういった猟奇的な大量殺人が起こるのだそうです。

この国は、何百年も前にたくさんの奴.隷が集められて造られ、
奴隷達は使役させられるために、
頭のなかに小さな機械を埋め込まれていたそうです。

支配階級はラジオのように機械に電波を送り、受信させ、
人間を意のままに操っていたのだそうです。

しばらくそんな時代は続き、理由は不明ですがある時突然に解放され、
奴.隷達は住み続けて今に至ります。

西の外れの森に、永久立ち入り禁止になっている区画に、
“電波基地”があるのだそうです。

電波基地は突然電波を送り、運悪く受信してしまった不幸な人が、
先のような悲しい出来事を、本人の意思に関係なく起こしてしまうのだそうです。

シズは、その説明には懐疑的でしたが、自分が電波基地を破壊すると言い、
陸とティーを連れて電波基地に行きました。

しかし、電波基地はとっくに朽ち果てていて、爆破するまでもありませんでした。

写真を撮り、警察署の前に戻り、見たままのことを説明し、
“この国の国民が電波で操られている”ということは、決してありません、
とシズは署長や野次馬達に報告しました。

しかし、「我が国には、そのようなことを自らの意思でしでかすような者はいない!
と誰もが主張し、信じてくれませんでした。

シズ達は電波の影響を受けて嘘をついたのだ、という論調が野次馬に広がります。
2人と1匹を確保しろ! 病院に送り込み、隔離するしかない!
と署長が言いました。

しかし、ティーは野次馬の女性から小さな乳児を奪い、左腕に抱え、
右手には手榴弾を握っていました。

わたしたちのじゃまをするのはゆるさない、とティーは言いました。

シズは電波の影響で正気が保てなくなったふりをして、
署長を人質にして、赤ん坊を母親に返して、出国しました。

城壁から離れ、署長を解放する時に、シズは、
壊れていたのは古い方で、今でも新しいのが完璧に作動中です、
強力な電波が出ていましたよ、あなた方は危険ですね、と署長に言いました。

基地の電波出力を最大にしてきました、明日にでも、
その影響は国中に及ぶでしょう、とシズは署長に言い、バギーを発進させました。

明日以降何も起きないとして、電波の影響など本当はないと信じてくれるでしょうか?
と陸が訪ね、さあね、電波のように、簡単に伝わればいいのに、とシズは言いました。


というあらすじなのですが、結局、
この国の人達はスケープゴートというか免罪符が欲しかったんでしょうね。

ここまで論理的に物事を考えられないと、もはや宗教です。

シズが最後に署長に告げた言葉は、ちゃんと伝わっていないような気がします。
むしろ、暗示をかけられたせいで国の中が滅茶苦茶になりそうです。                  スポンサードリンク

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