時雨沢恵一「キノの旅」8巻4話「救われた国」のネタバレ解説

今回の話は妙に挿し絵が多く、地の文が丁寧語で書かれていて、
絵本風となっています。

キノとエルメスは、高い巨木が生い茂る森の中、まるで隠されるように、
ツタでびっしりと覆われた緑色の城壁がある国にたどり着きました。

この国は、教えてもらっていなければ絶対に見つからないよ、
とキノはエルメスに言いました。

広いわりに人口の少ない、
科学もそれほど発達していなさそうな小さな国でした。

宿もなく、役場のような、大きな木造建築物の一室をご厚意で貸してもらい、
眠りました。

翌朝、エルメスは妙な音楽と声で目覚めました。

建物を出ると、この国の人達は全員が、変ちくりんな服装をしていました。

この国の宗教儀式は上手か否か、と彼らに訊ねられましたが、
キノは質問の意味が分かりませんでした。

その宗教は数々の国々でとても広く受け入れられているそうですが、
キノは今まで見たことがない儀式でした。

その宗教はわずか10年前に、
この国にたどりついた1人の宣教師の男によって広がったのだそうです。

宣教師には贅沢な暮らしや権力の欲はなく、
国の外れの小さな家でひっそりと暮らしているのだそうです。

10年前この国では、作物は採れない家畜は子を生まない悪天は続く
国民には妙な病気が流行る子供は言うことを聞かないなどの理由で、
倦怠感と絶望感が蔓延し、ボロボロになっていましたが、
宣教師の言うとおりにしたら奇跡が起こって救われたのだそうです。

その宣教師に呼ばれて、キノが宣教師の家に行くと、
その宗教は「インチキでデタラメだったと認めました。

宣教師は10年前、こんなところに国があることも知らずにたどり着き、
最初はたった1人でも本当に助けてあげたくて、
通りで疲れ果てた顔をした女の子に、
いい加減な呪文をでっち上げて教えました。
気分転換したその女の子は家族に大々的に伝え、
国全体にじわじわと広がっていきました。

宣教師は望んで旅にでたのではなく、
卑しい身分の生まれというだけで罵られ、蔑まれるのが耐えられなくなり、
生まれた国を出たのでした。

そしてこの国で必要とされ、宣教師は救われました。

宣教師は滝のように涙を流し、神様など信じないけど、
もし神様がいるのなら私の救いの地を、どうか奪わないでください、
という意味のことを言いました。


というあらすじなのですが、
タイトルの「救われた国」はダブル・ミーニングになっていますね。

案外、世界中の宗教の始まりはこんなものなのかもしれません。

他の宗教に比べれば、この宣教師が布教した宗教は無害な方なので、
別にこのままでもいいんじゃないかと思います。                  スポンサードリンク

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