時雨沢恵一「キノの旅」7巻4話「冬の話」のネタバレ解説

ベッドに横たわっている初老の女性の周囲に、
キノを含めて5人の人間がいました。

キノ以外の4人は初老の女性に話しかけ、
ただ息をしているだけだった初老の女性が、
ゆっくりと、かすかに口元に笑みを浮かべました。

その時、キノがハンド・パースエイダーで初老の女性の胸を3発撃ち、
殺しました。

4人はキノのことを異教徒と呼び、ここから立ち去れと言い、
キノは素直に部屋を出ました。
そのキノの背中に、4人のうちの1人が、「ほんとにありがとうね」
と声をかけました。

城門に行くと、番兵から、
“同胞を殺めし異教徒よ! 今すぐこの国から立ち去れ!”
と言われますが、キノがパースエイダーの入った袋を番兵の足下に置き、
城門から出ると、番兵は親しげな口調で、いつもと同じです、
と言いました。

キノは回廊を歩き、森の中にある大きな建物に入り、
建物の中にいたエルメスに挨拶をしました。

次の日の朝、ディスという40歳ほどの男が建物を訪ねてきました。

ディスは旅人で、この国の事情を知らずにやってきたのだそうです。

キノはディスに、この国には、独自の宗教上の理由から、
“治療”という行為が存在しなかった、と説明します。
けがも病気も、一切多いんんは手を出さず、自分だけで治します。

そのため、重傷や、重病になった場合、
ほとんどの人は、苦しみ抜いた末に“自然に”死んでしまいます。

この国の人達の中に、どう見ても絶対に助からない人を、
これ以上苦しめないように安楽死させる要望が生まれました。

しかし同胞を殺すことはできず、それは地獄への道でした。
自然死以外に天国へ昇れる手段が、一つだけあり、
異教徒に殺された者は、問答無用で天国に行けることになっていました。

国で旅人の滞在場所を“国外”に作り、病人を殺すことを依頼し、
報酬の食料などを約束して、実行後は退去処分にします。
永住を防ぐために、1人最長で90日です。
キノは30日を過ごし、これから雪が減り走れるまで滞在する予定でした。

翌朝、“異教徒が攻めてくる”ことを国民に知らせる鐘の音が聞こえました。

キノがフライパンに作った料理をディスは食べ、
今日は俺が行く、と言いました。

実は、ディスは医者で、故郷では“どうしても救うことができない患者”を、
安楽死させ、その結果、故郷を国外永久追放されていました。

ディスは昨日一晩考え、治療することにしました。

建物を出るとき、ディスは大声で、さっきの料理、とても美味かったよ!
と言いました。

夕方になり、番兵が建物を訪ねてきて、「ディスが国の人に
“危害”を加えましたが、幸いなことにたいしたことはなく、
その人は本来持っている自然治癒力を発揮して快方に向かっている、
という意味のことを言いました。
ディスは拘束され、罰として今現在病気やけがと戦っている同胞へ
謝罪することになりましたが、同じ行為を繰り返すようであれば、
この罰は永遠に続く、と言いました。

ディスは、食料の半分を外にいる異教徒、つまりキノに届けてほしい、
と言ったのだそうです。
番兵が置いた木箱には、いつもどおりの食材が入っていました。

キノはディスに、あんなモノを食べさせてすいません、
笑顔で美味いと言ってくれたのはあなたが初めてです、
と伝えてもらうよう、番兵に頼みました。

実は、キノはメシマズだったのでした……。


というあらすじなのですが、やっぱり宗教ってクソだな、と思いました。

現実世界にも、輸血を禁止している宗教があり、
その信者は輸血を拒み、本来なら助かるはずの人が助からなかったりしています。

アメリカでは、宗教上の理由で妊.娠中.絶を禁止する州がたくさんありましたが、
最近になってようやく、殆どの州で合法化されたみたいです。
合法化される前は、危険な闇手術のせいで命を落とす女性が何人もいました。

でも、やっぱり医学にも限界があり、どうしても助からない人は一定数いて、
安楽死や尊厳死が合法化されている国と、
現在の日本のように違法の国があります。
そのせいで、末期の病気の人が苦しい自殺を強いられている場合があります。

他にも、○○ちゃんを救うため、と言って、
アメリカで手術するための莫大な費用を募金で集めている団体がありますが、
そうしないといけない最大の理由は、
日本では「心理的な問題で」亡くなった子供の臓器を他の子供に提供してもいい、
という親が少ないせいです。

無神論者が多いと言われる日本にも、
本人が自覚していない「宗教上の理由」のせいで、
他の国に生まれていれば助かるはずなのに助からない人がいるのです。

だから、しまうましたには、
この「冬の話」に登場した国の人達を馬.鹿にすることはできません。                  スポンサードリンク

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No title

アメリカで臓器移植がよく行われるのは死後に天国へ行き、そこで再び会えると強く信じられているからですね
臓器移植は他者を生かす行為でもありますから宗教的にとても良い行いなわけです
逆に宗教心が薄い日本ではこの世が全てと考える人が多いので脳死を死だと認めなかったり愛する子供の臓器を手放したくない等と考えたりするわけです

このようにアメリカはむしろ宗教によって臓器移植が盛んなんですよ
宗教のおかげでこの世が全てと考えなくて良いため命を懸けた献身ができるわけですね
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