乙一「ZOO1」4話「陽だまりの詩(シ)」のネタバレ解説

今回の主人公は、女性型アンドロイドの「私」です。

ベッドの上で目覚めた主人公は、そばにいた男性から、
きみを作った人間だ、誕生おめでとう、と言われました。

服を着て外に出ると、丘の下のほうにある家に案内されました。
その途中、白い十字架を見つけ、男性から墓だと言われました。

家に着くと、コーヒーをいれてもらいたいと言われますが、
作り方がわかりませんでした。
男性が作るのを見て、作り方は覚えました、
次からは私が作ります、と主人公は言いました。

ブラックのコーヒーの味がきらいだと伝えると、
砂糖を入れるといいと言われました。

男性は、ほとんどの人間がすでに息絶えていることを話しました。

突然、病原菌が空を覆いそれに感染した人間は例外なく
2ヶ月で命をうしなったのだそうです。

食器棚の中の写真に写っていた男性の伯父とこの別荘に引っ越してきましたが、
伯父はすぐに死んで、それ以来、1人きりで生活していたのだそうです。

一昨日、検査をしたら、男性も感染していることが判明したのだそうです。
男性の外見は20歳前後に見えましたが、
そういう処理をしているだけで50歳に近いのだそうです。

私に名前をつけてください、と主人公は頼みましたが、
必要ないだろう、と男性は言いました。
男性が死んだら丘の十字架の隣に穴を掘って男性に土をかぶせてもらうために、
男性は主人公を作ったのだそうです。

主人公が家の掃除をしていると、鳥の屍骸を見つけ、
主人公は鳥の屍骸を森の中に投げました。
分解して肥料になるからです、と主人公が言うと、
僕を正しく埋葬するために、きみには『死』を学んでほしい、と言われました。

主人公と男性の生活が始まりました。
庭の隅にある井戸で水を汲み、庭でとれた野菜で調理をします。

ある日の朝食のとき、野菜の葉に兎がかじった歯形がついていました。

庭の野菜ばかりを狙って歯形をつける兎を捕まえようと、
主人公はくさむらに潜めて見張り、飛び出して兎を捕まえようとしましたが、
無理でした。
兎を追いかける最中、躓いて転ぶと、男性は主人公を見て笑っていました。

その日の昼食のときに、兎のかじった跡がある野菜ばかりを、
男性に食べさせました。

2階には空き部屋があり、帆船の形に組みあがった小さなブロックがありました。
しかし船の先端が崩れて細かく分解して散らばっていました。

主人公はブロックで遊ぼうとしましたが、
ロボットは設計図のあるものやあらかじめ手順の決まっているものしか作れず、
何もできませんでした。
男性が帆船を作るのを、主人公はただ見ていました。

主人公がこの家で暮らし始めてひと月が経過し、
最初にきたときには規則性のない高い音だと思った風鈴の音を、
好きだと感じるようになっていました。

主人公はこの世界のいろいろなことを愛おしく感じるようになっていました。

ある日の朝、あと一週間で僕は死ぬ、と男性は言いました。

男性は伯父の話をした後、きみは人間になりたいと思ったことはあるかい、
と質問しました。
主人公は頷いて、ある、と答えました。

それから2日後、主人公が崖の先端に目を留めると、少し崩れた箇所があり、
首の上だけを突き出して崖下を覗くと、
岸壁の出っ張った箇所に白い兎がいました。
雨が降ってきて、主人公が兎を助けようとすると、崖が崩れ、
主人公は身体の半分が破損していましたが致命的な損害はありませんでした。

家まで兎を両手に抱いて戻ると、男性は主人公は直せると言いましたが、
兎はもう死んでいるので治せないと言いました。

私は……この子が、意外と好きだったんです、と主人公が言うと、
それが死だ、と男性は言いました。
死とは、喪失感であることを主人公は知りました。

応急処置をしてもらいながら、私は、あなたが好きです、
それなのにあなたの遺体を埋葬しなければならないのは、辛いです、
と主人公は男性に言いました。

兎を埋葬し、男性が死ぬ日の前日になりました。
主人公が2階のブロックの部屋に行くと、
主人公でもひとつだけブロックで作り出せるものがあることに気づきました。
ひとつずつ「男性がかつて目の前で行なった手順を繰り返すことで、
主人公にも帆船を製作することができました。

翌日、残り何時間ですか? と主人公が聞くと、
男性は命の残り時間を秒単位で答えました。
男性は、本当は主人公と同じくロボットで、
あらかじめ生きていられる時間が設定してあったのでした。

本当は、男性は病原菌には感染していなくて、
以前に他の人間がブロックから帆船を作り出すところを見ていたので、
男性にも帆船を作ることができたのでした。

人間のふりをしたのは、自分と同じ存在に作られたというより、
主人公の苦しみが少ないと考えたからなのだそうです。
伯父が死んで二百年が経ち、伯父の隣に埋葬してもらうために、
主人公を作り出してしまったのだそうです。

主人公は、感謝と恨みを同時に抱いていると男性に伝えました。
正午近い時刻になり、男性の体内のモーター音が小さくなり、
やがて聞こえなくなりました。


というあらすじなのですが、
これまで数えきれない数の動植物が絶滅してきたのと同じように、
人類もいつか必ず滅亡する日がきます。

人類が滅亡してロボットが生き残った世界と聞くと、
ディストピアっぽいですが、
この話のように穏やかな世界もあり得るのだと考えると、
少し救われるような気もします。 見やすい記事一覧はこちらです。
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