恩田陸「失われた地図」3話「上野ブラッディ」のネタバレ解説

3話は鮎観の視点で話が進みます。

鮎観は上野公園にお花見に来ました。
遼平、浩平、そして煙草屋の3人が待っている場所に行きます。

乾杯し、お花見をしていると、
鮎観の一人息子の俊平によく似た男の子を見かけました。
しかも、その男の子は同い年くらいの女の子と一緒にいました。
鮎観はその女の子に見覚えがあるような気がしました。

鮎観と遼平が、俊平によく似た子を追いかけようとすると、
気をつけろ、桜の木の下には魔物がいるぞ、と煙草屋は言いました。

俊平によく似た子を追いかけるうちに、鮎観の左の耳が痛み、
どこかの寺の境内にある、巨大な桜の木の下に出ました。

女の子が振り返り、鮎観はそれが子供の頃の自分だと気付きました。
俊平によく似た子は、子供の頃の遼平でした。

女の子は歌っています。

しばらくして、満身創痍の侍、落ち武者たちの行列が現れました。

男の子は侍たちを見て真っ青になって、かすかに震えていました。

しかし、女の子の方は風を見るのが得意ではないため、
何も見えていませんでした。
女の子は風を見るより聞く方が得意だったので、
すぐそばを行く異様な気配を感じて聞き取ろうとし、
左耳を突き出していました。

女の子がバランスを崩し、足元の砂が耳障りな音を立てて飛び、
侍の1人が女の子の姿を認めました。

侍は刀を振り上げます。

鮎観の隣の遼平が、「やめろーっ! と叫ぶと、
男の子がビクッと全身を震わせて、身体を動かせるようになり、
女の子に駆け寄り、腕をつかんでぐいと引き戻しました。

女の子の耳が刀で切られ、女の子は泣き叫びます。
現在の鮎観の耳も痛みました。

桜の花びらが一斉に散り始め、
大量のピンク色の蝶が落ち武者たちに覆いかぶさっていきました。
男の子がちらっとこっちを見て、口が『あ』の形になりました。

周囲の喧騒が戻ってくると、遼平は、
『グンカ』じゃなくて『彰義隊(しょうぎたい)』のほうだったのか、
と呟きました。

あんな変なものを見たのは、俊平が小学生になり、
あの時の歳に近づいたからかな、と遼平は言いました。

そして、さっき遼平があの時の遼平に声をかけたから、
鮎観は助かったのではないか、と遼平は言いました。


というあらすじなのですが、パラドックス的で面白かったです。

ちなみに彰義隊というのは、幕府より江戸市中取締の任を受け、
江戸の治安維持を行なった部隊のことです。
彰義隊は上野戦争で明治新政府軍に敗れ解散した、
という歴史があります。                  スポンサードリンク

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