星新一「処刑」のネタバレ解説

主人公の男は、機械に支配された社会にいらだち、
どうにも処理しようのない内心を押さえきれなくなり、
爆発し、衝動的に人を殺してしまいました。

逮捕された次の日には、裁判機械によって刑が確定し、
流刑地である赤い惑星に宇宙船で運ばれ、
パラシュートを装着され、突き落とされました。

その星は暑く、乾いた星でした。
かつては資源を採掘するするための街がありましたが、
現在は受刑者しかいません。
水分が少なく、自然に雨が降ることはありません。

水を得る唯一の方法は、表面に無数の穴が開いた、
銀の玉のボタンを押すことでした。

銀の玉は、ボタンが押されると、周囲の水分を集めて、
コップに水を溜める仕組みになっていました。

しかし、その銀の玉は、一定の回数ボタンが押されると、
周囲30メートルを巻き込んで爆発する仕組みになっていました。

生きるためには銀の玉のボタンを押して水を得るしかないのですが、
いつか爆発して死んでしまう、事実上の死刑でした。

銀の玉は主人公の妄想の中で、
女性のように主人公に語りかけます。
主人公は恐怖を感じながらボタンを押し続けます。

気が触れてしまった受刑者と出会ったり、
他の受刑者が何人も爆発して死んでしまったりしますが、
徐々に主人公は他人に無関心になりました。

長い長い時間が過ぎ、主人公は「気が狂ってしまいました。

これは、地球との生活と同じだと気づきました。
自分で毎日、死の原因を作り出しながら、その瞬間をたぐり寄せていて、
ここの銀の玉は小さくて気になるが、地球のは大がかりでだれも気にしない、
という違いしかなかったのです。

主人公は廃墟の浴室で銀の玉のコップを外し、
ボタンを押して風呂の中に水を溜めました。

主人公は、目の前が不意に輝きでみちたように思ったところで、
この話は終わります。


というあらすじなのですが、「最後の、目の前が不意に輝きでみちた、
というのは、何か悟りを開いたようにも見えますが、
爆発の光を最後に目撃しただけのようにも見えます。

あえて、どちらともとれるような表現にしてあるのでしょう。
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