東川篤哉「中途半端な密室」3話「竹と死体と」のネタバレ解説

前話「南の島の殺人」に引き続き、助手役の語り部は七尾幹夫、
探偵役は山根敏となっています。

橘古書店でアルバイトをしている敏のところへ遊びに来た幹夫は、
「竹の上にて老婆の首吊り死体発見される」という記事の載った、
一面の無い古い新聞を発見します。

20メートルもの高さの竹に老婆の死体が吊るされているわけですが、
死体から地面までの高さは何と17メートルもあったそうです。
いったいなぜこんな事態が発生したのか2人は推理し始めます。

七尾幹夫は、「タケノコは3ヶ月程度で
20メートルの竹まで生長することから、
老婆は若竹の地上2メートルあたりにロープをくくりつけ自殺し、
その後、2、3ヶ月程度かけて生長し、
老婆の死体が持ち上げられたのだろう、と推理します。

ところが敏は、新聞の日付が2月27日であり、
竹が生長する時期は終わっていることを理由に幹夫の推理を否定します。

そして敏は、その死体が発見されたのが昭和11年2月26日、
つまり二・二六事件が起こった日であることに注目します。
その日は大雪だったので、雪の重みでしなり、
逆Uの字形になった竹の先端部分にロープを結び、
老婆は首を吊ったわけです。
その後、雪が落ちて竹は元のように戻り、
老婆の死体が高く持ち上げられてしまったのでした。

ちなみに、一面がなかったことにも意味があり、
歴史マニアの橘古書店の店主が二・二六事件の記事について読むために
一面を持ち出していたのでした。


ところで、テレビやインターネットが普及したせいで
すっかり斜陽となってしまった新聞ですが、
やはりインターネットが普及する以前の事件について調べようと思うと、
今でも古い新聞に頼るしかありませんよね。
天変地異や戦争でインフラが破壊されたときなども、
結局最後まで残るのは紙媒体のものなのかもしれないなあ、
とストーリーとは全然違うことを考えてしまいました。                  スポンサードリンク

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

新世界より(上) (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール
Author:しまうました
見やすい記事一覧はこちらです。
スポンサードリンク

結物語 (講談社BOX)

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

雪煙チェイス (実業之日本社文庫)

このブログについて
見やすい記事一覧はこちらです。
このブログの記事は管理人「しまうました」の独自の解釈によるものなので、制作者の意図したものや一般に考えられているものとは異なる場合があります。
個人の趣味でやっているブログなので、解説してほしい本のリクエストは受け付けていません。
重要なネタバレ箇所は白字にしてあるので、反転してお読みください。
現在、荒らしをした人物のコメントを拒否しており、巻き添え規制される場合があります。詳細はこちらに書いてあります。
承認したコメントに対しても、管理人は基本的には返信しません。また、後日予告なく削除する場合があります。ご了承ください。
今月の人気ページ
人気ページの集計期間は30日間です。2017年4月10日リセット。
スポンサードリンク
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
月別アーカイブ
最新コメント
FC2カウンター
スポンサードリンク

ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)

業物語 (講談社BOX)

キノの旅XX the Beautiful World (電撃文庫)

悪の教典 上 (文春文庫)

                amazon人気本ランキング
RSSリンクの表示
リンク
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
記事一覧
見やすい記事一覧はこちらです。