西尾維新「悲衛伝」のネタバレ解説

悲衛伝 (講談社ノベルス)


伝説シリーズ第8弾のネタバレ解説です。

地球撲滅軍の空挺部隊部隊長の、主人公の空々空(そらから・くう)は、
人工衛星『悲衛』に乗っていました。

他の搭乗員は、副隊長の氷上竝生(ひがみ・なみうみ)、
元「魔法少女」の、地濃鑿(ちのう・のみ)、
虎杖浜なのか(こじょうはま・なのか)、
好藤覧(すいとう・らん)、
灯籠木四子(とうろぎ・よんこ)、
元「魔女」の酒々井かんづめ(しすい・かんづめ)、
元「道徳啓蒙局」のトゥシューズ・ミュール、
「自明室」室長の左右左危(ひだり・うさぎ)、
副室長の酸ヶ湯原作(すかゆ・げんさく)です。

ある日、『悲衛』の空々の部屋に、
月の化身を名乗るバニーガールが現れました。

「悲鳴伝」に登場した、地球の化身の幼児みたいなものです。

月の化身からニックネームをつけてほしいと言われ、
空々は「ブルーム」という名前をつけます。

ブルームは、空々に太陽系の惑星を紹介し、
地球と地球人との戦争を停戦させようとします。

ブルームは紹介するだけで、ほかの惑星を説得するのは、
空々の役目です。

火星は既に地球との戦争に敗れて死んでいるので、
空々が説得しないといけないのは、
水星、金星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星でした。

しかし、空々はさらに、太陽も紹介してほしいと頼みました。
それはブルームの予想を上回る要求で、
ブルームは困った様子でしたが、了承してくれました。

太陽系の惑星の意見を全会一致させた後、
太陽を紹介してくれることになりました。

まず、最初に紹介してくれるのは、周期の都合で天王星となりました。

空々は事前に、宇宙船恐怖症でふらふらになっている虎杖浜なのかから、
天王星についての情報を仕入れます。

自分の部屋に戻ると、女学生風の少女がベッドに横たわっていました。
その少女が天王星の化身でした。
空々は天王星の化身にブループというニックネームをつけます。

空々は、地球との戦争を停戦するのに協力してほしい、
とブループを説得しますが、ブループは態度を保留しました。

翌日の朝、ブルームに起こされると、既に木星の化身の、
麦わら帽子を被ったボーダーシャツの少女がいました。
空々はその少女にスピーンというニックネームをつけます。

スピーンは、太陽に勝ちたいという夢を持っており、
そのきっかけを作ろうと、空々の提案に乗ってくれました。

その後、空々は地球で入院中の杵槻鉱矢(きねつき・こうや)に電話し、
アドバイスをもらいます。

ブルームが現れ、水星と海王星がダブルブッキングしてしまった、
と言われます。
空々は再び虎杖浜なのかから、水星と海王星の情報を仕入れますが、
虎杖浜なのかから疑われてしまいました。

自分の部屋に戻ると、甲冑姿の少女の水星の化身と、
水着姿の少女の海王星の化身がいました。

空々は水星の化身にメタール、海王星の化身にウォー、
というニックネームをつけました。

メタールは太陽のことを「友」だと言い、
太陽系は水星さえいれば成り立つから、
地球と地球人との戦争などどうでもいいと言います。

また、ウォーはメタールというか水星のことを嫌っており、
メタールに嫌がらせをするために、
わざとダブル・ブッキングした様子でした。

議論はこじれますが、空々は思い切って、
態度を保留していたブループと、
火星の代表として酒々井かんづめを連れてきました。

かんづめは、地球は戦争の楽しみを覚え始めており、
地球を滅ぼした後は、他の星に攻め込むかもしれない、
という意見を述べます。

それを聞いて、メタールは、太陽が空々の判断を尊重するなら、
自分もそれに協力すると言いました。

ウォーは、とにかくメタールに嫌がらせをしたいだけなので、
メタールを後に引けない状況に追い込もうとして、
ウォーも賛成してくれました。

ブループは、地球人の悪あがきがもっと見たいと言い、
賛成してくれました。

かんづめは、もうよばんといて、と言い、帰っていきました。

次の土星の化身は、天使の恰好でくる、とブルームはネタバレします。

虎杖浜なのかに頼まれて空々の様子を探りに来た地濃鑿に、
空々はイラッとしながらも、土星の情報を仕入れました。

空々は自室に戻り、
土星の化身にリングイーネというニックネームをつけました。

リングイーネは、冥王星が確実に反対するだろうから、
全会一致は無理だと言います。
代案として、自分が地球と地球人の敵になることで、
地球と地球人を一致団結させる、と言いました。

空々は、今回は氷上竝生から冥王星の情報を仕入れました。

冥王星の化身は、死神の恰好をした少女でした。
空々はその少女にノーヘルというニックネームをつけます。

ノーヘルは、最初は惑星扱いだったのに、
後で準惑星に降格されたことで、ひがんでいました。

ノーヘルは反対し、帰ろうとしましたが、
土星のリングイーネから提示されたプランBを知ると、
土星をここに呼んできなさいと言いました。

廊下に出た空々は、好藤覧から、ベッドの調子が悪い、
と嘘をつかれ、部屋に連れ込まれます。
その部屋には、虎杖浜なのかと灯籠木四子が待っており、
質問責めにされます。

空々は、本当のことを言った方が、
大人である酸ヶ湯原作に報告しにくいだろうと思い、
ブルームと出会った時のことから本当のことを話しました。

空々は、空々の話を信じていない虎杖浜なのか達から解放されますが、
部屋に戻ろうとしたところで灯籠木四子に話しかけられました。

何と、灯籠木四子は、空々と同じく、
地球の化身から次の『大いなる悲鳴』を予告されたことがあり、
空々の話を信じてくれたのでした。
ちなみに、灯籠木が会った地球の化身は、
性別不明の幼児ではなく、成人男性だったのだそうです。

ここからは灯籠木も交渉に加わってくれることになりました。

ノーヘルはリングイーネに反発し、
やはり停戦案に賛成してくれそうにありませんでした。
しかし、灯籠木はノーヘルから、ノーヘルにとっての理想は、
地球が準惑星に落ちることだと聞き出し、
そのプランを実現させると言い、賛成させました。

ノーヘルが賛成したので、リングイーネも賛成してくれました。

惑星の化身は空々の部屋にしか現れないようなので、
休みたい時は灯籠木の部屋で過ごすことになりました。

空々と灯籠木が一緒にいる時間が多くなると、
左右左危や酸ヶ湯原作に怪しまれるので、
空々と灯籠木は付き合っている、ということにしました。
そのために熱烈なキスシーンも演じますが、
心が死んでいる空々は特に何とも思っていないようでした。

金星の化身は、髪の毛の上半分が黒色で、
下半分が金色のツートンカラーで、
だるんだるんのジャージを着ていました。
空々は彼女にツートンというニックネームをつけました。

ツートンはやる気のない様子で、
あっさりと停戦案に賛成してくれました。

しかし、灯籠木はそのことが気に喰わない様子で、
ツートンを挑発し、情報を引き出そうとします。

するとツートンは、人類のふたりや20億人くらい、
自分なら始末できると言い出します。
ツートンは、地球に『大いなる悲鳴』を教えたのは自分だ、
と告白しました。
『大いなる悲鳴』の犠牲者数は23億人なので、
そういう意味でツートンは、20億人くらい、と言ったのでした。

ツートンによると、もともと『悲鳴』は、
健康法のようなものだったのだそうです。

地球にしてみれば、その地表にいる地球は細菌や微生物みたいなもので、
それを悲鳴で殺すのは、肌を清潔にするようなものだったのでしょう。

ともかく、ツートンが賛成したことで、
惑星の全会一致を得ることはできました。

空々と灯籠木は作戦会議をしているうちに、
星密度がもっとも高い惑星は地球だ、ということに、
何かヒントを得たようでした。

空々は杵槻鋼矢に電話し、大物と交渉するときの一番のコツは、
「大物は私の、敵じゃない」と心の中で唱えることだ、
というアドバイスをもらいました。

空々の部屋に行くと、ブルームは、
今回は太陽の化身をこの部屋に連れてくるのではなく、
空々と灯籠木が天体のイメージになり、
太陽のところへ行くことになった、と言いました。

擬人化ならぬ擬星化した空々と灯籠木は、
一人称が「わらわ」で、日本のお姫さまっぽい喋り方をする、
太陽と面会します。

灯籠木は、冥王星と約束した、地球を準惑星に降格させる、
という件について、
地球を削ってダウンサイジングすることを考えていました。

しかし、太陽と話しているうちに考えを変え、
逆に地球の密度を下げて、アップサイジングするのはどうか、
と考えるようになりました。

そして地球を太陽系から独立させる、というか追放します。
太陽にとっては、くっだらない争いから距離をおくことができます。

太陽は、惑星連の意見を聞くと言い、
空々の部屋で惑星サミットを開くことにしました。

酒々井かんづめを誘い、空々と灯籠木は、空々の部屋に行きます。

するとそこに、「9人の死体がありました。

十二単を着たお姫さまの太陽の化身の死体、
水星のメタール、金星のツートン、木星のスピーン、
土星のリングイーネ、天王星のブループ、海王星のウォー、
冥王星のノーヘル、月のブルームの死体がありました。

どの死体も安らかな死に方をしており、
それは『悲鳴』の死に方の特徴でした。

そこへ、性別不明の幼児の姿をした、地球の化身が現れます。

地球が『小さき悲鳴』で、集まった9人を殺したのでした。

実は、月の化身のブルームは、無意識のうちに地球に与する行動を取る、
地球陣だったのです。

太陽たちが死に、これで誰も戦争を止められなくなりました。


というあらすじですなのですが、意外なオチでした。

このオチは予想できそうでできなかったな、という感じです。

それにしても、今回はバトルがありませんでしたね。

話し合いで解決しようとする、というのもそれはそれで面白いですが、
この伝説シリーズの場合は、
バトルがないとイマイチかなー、と思いました。

この話は「悲球伝」に続きます。                  スポンサードリンク

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