乙一「箱庭図書館」6話「ホワイト・ステップ」のネタバレ解説

この短編集のラストの話であり、1番長い話です。

この話は、文善寺町で一人暮らしをしている28歳の大学院生、
近藤裕喜(ゆうき)と、
母親を亡くして母親の実家である文善寺町に引っ越してきたばかりの、
渡辺ほのかという16歳の高校1年生のパートが交互にある、
という構成になっています。

大晦日の夜に珍しく雪が降り、1月1日に近藤は外出しました。
公園のベンチに座っていると、誰も近づいた気配はなかったのに、
いつの間にかベンチの周囲を一周する足跡が増えていたことに気付きます。

一方、外出した渡辺ほのかも、公園に行き、
ベンチに向かう足跡はあるのに戻ってきた足跡がない、
という不思議な景色があるのに気付き、
ベンチの周囲を一周していました。

翌日。夜の間にまた雪が積もっていました。

近藤は雪だるまを作って遊んだあと、
昨日の不思議な足跡のことを思い出して外出します。

一方、ほのかは郵便局を探しますが、
引っ越してきたばかりで迷子になっていました。

そんな状況の中、近藤とほのかは、お互いの足跡に気付きます。
しかし、お互いの姿は見えませんでした。

ほのかは、近づいてくる足跡に驚き、尻餅をついてしまいます。

近藤は姿の見えない相手を心配し、雪面に「だいじょうぶ?」と書きました。

それをきっかけに、2人は雪の上に文字を書いて文通し始めます。
2人とも文善寺町に住んでおり、時間のズレもないことが分かりました。

ほのかは郵便局を探していると相談し、近藤に案内してもらいました。

近藤はほのかが手紙を出している間に、
並行世界同士の境界線が薄くなり、
雪を通して交流できるようになったのではないか、と考えました。

近藤は自分の説を確かめるために、ほのかを自分のアパートに案内します。

自分が住む205号室のポストを見てもらうと、
ほのかは近藤の名前の隣に「潮音」という名前があったのを教えてくれました。

どうやらほのかの世界の近藤と潮音は夫婦のようですが、
こちらの世界の近藤は独身で、潮音という女性にも心当たりはありませんでした。

近藤はほのかを、ほのかの自宅の近くまで案内してあげます。
そのとき、ほのかに対して名前で呼びかけ、別れの挨拶をしました。

それを見たほのかの母親が、近藤に話しかけてきます。

近藤の世界では、ほのかは3ヶ月前に事故で死んでいました。
その日、どちらが買い物に出かけるかを、ほのかと母親はじゃんけんで決めました。
母親はチョキを出し、ほのかはパーを出しました。
その結果、ほのかは買い物に出かけ、事故死したのでした。

母親は、ほのかが生きている並行世界と雪でつながっている、
という近藤の話を信じました。

翌日の1月3日、ほのかは並行世界の近藤のために、
近藤のアパートに行きました。
そこで、島中ちよりという人物が潮音宛に出した年賀状を拾います。
この島中ちよりに会えば、潮音の正体が分かると思い、
ほのかは島中ちよりの住所を探しました。

しかし、祖父からもらった地図が古いせいでまたしても迷子になってしまいます。
そのとき、雪まみれになってベンチに座り本を読んでいる女の人を発見し、
彼女から「図書館だより」と書いてあるチラシをもらいました。

公園に行ったほのかは、近藤と再会します。

近藤は、自分の世界ではほのかの母親が生きていると伝え、
母親のところに案内してあげることにしました。
母親は自宅にいたので、中間地点の橋の上で待ち合わせます。

しかし、近藤がほのかを案内する途中、天気が良くて雪が消えかかっていたのと、
人通りが増えたせいで、ほのかは近藤の足跡を見失ってしまいました。

近藤は人が踏まなさそうな場所に、
昨日道案内する途中に通った橋の上で待つとメッセージを残し、
先にほのかの母親と合流し、ほのかを待ちました。

やがて、メッセージを見つけたほのかが橋の上にやってきます。

ほのかの母親は、「いつも、じゃんけんをするときわざとチョキを出していました。
じゃんけんで勝つのも、負けるのも、ほのかの自由にさせてあげていたのです。
そのことで、近藤の世界のほのかの母親の、ほのかの世界のほのかも、
どちらも自分が相手を殺したようなものだと苦しんでいました。

しかし、雪の上に文章を書くことで、お互いに謝り、ゆるし合うことができました。

ほのかは『図書館だより』に島中ちよりの名前を発見し、
図書館へ行け、と近藤にメッセージを送りました。

翌日、雪はすっかり消えていました。
近藤は図書館に行き、そこで山里潮音と出会いました。

一方、転校して友達ができたほのかは、
ある日、図書館で自分の世界の近藤と出会いました。


というあらすじなのですが、面白かったです。

もともとは別々の投稿者が送った小説をリメイクしたとは思えないくらい、
完成度が高かったと思います。                  スポンサードリンク

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