西尾維新「掟上今日子の旅行記」のネタバレ解説

掟上今日子の旅行記


掟上今日子シリーズ、第8弾です。

今回はフランス、パリが舞台です。

隠館厄介は、就職していた旅行会社で起きた事件で濡れ衣を着せられ、
探偵を呼んで無実を証明しました。
その退職金として、顧客がキャンセルしたパリ行きのチケットをもらいました。

せっかくなので、厄介はフランスへ行きました。

すると、そこで今日子さんらしき人物を発見し、尾行してバスに乗り込みます。

しかし、今日子さんは尾行に気付いており、
パリについたところで話しかけられました。

当然、今日子さんは厄介のことを覚えていないので、自己紹介します。

すると今日子さんは、日本人同士助け合おうと言い、カフェに誘いました。

そこで、右腕に書かれた「怪盗淑女」の予告状の写しを見せられます。

近日中にエッフェル塔をいただきに参上致します、と書かれていました。

依頼人は複数の代理人を通して今日子さんに依頼し、
怪盗淑女の犯行を阻止するように依頼しました。

依頼料が破格の金額だったので、
今日子さんはパリまでの飛行機で一睡もせず、ここまでやってきたのでした。

今日子さんはパスポートを持っていないので、超法規的な措置がとられており、
それだけで依頼人が大物であることが分かります。

今日子さんは、この事件を解決するのに、厄介を助手として雇うことにしました。

厄介は、今日子さんのお腹の部分に、助手としての宣誓を書きました。

ホテルにチェックインし、厄介がロビーで待っている間に、
今日子さんは部屋で着替えます。

しかし、今日子さんが戻ってくるのが遅く、心配になって見に行くと、
既に今日子さんは寝てしまっていました。

いっそのこと、一度ちゃんと寝かせておこう、と厄介は思い、
ロビーで今日子さんが起きるのを待ちました。

ところが、ロビーにやってきた今日子さんは、
エッフェル塔を盗みましょう、と言い出しました。

何と、今日子さんは眠らされている間に、
左手の備忘録「私は掟上今日子」の後の「探偵」が「怪盗」に
書き換えられてしまっていました。

今日子マニアと言ってもいい厄介は、
その文字の筆跡が今日子さんのものではないことに気付きましたが、
本当にそっくりでした。

自分が怪盗だと信じ込んでしまった今日子さんは、
右手に書いた怪盗淑女の予告状も、自分の備忘録だと思い込み、
最速でエッフェル塔を盗もうとしていました。

今日子さんは怪盗ではなく探偵だと厄介が言っても、
信じてもらえません。

しかし、厄介のことも「怪盗の助手」だと思い込んでいるので、
それが希望でした。

最速の怪盗となった今日子さんは、
1日以内にエッフェル塔を盗むと言い、まずは現地に下見に行きます。

ちなみに、エッフェル塔は建てられた当初は、
パリの景観を壊すと言い、反対していた人も多かったのだそうです。

ライトアップされた夜のエッフェル塔を見上げながら、
今日子さんは、どうして私は、エッフェル塔を盗もうとしているのか、
と動機を解明しようとしていました。

夜も遅いので、一旦ホテルに戻り、今日子さんはシャワーを浴びます。

その間に、厄介は唯一の友人である紺藤に連絡を取りますが、
忘却探偵という性質上、
今日子さんが探偵であることを示す客観的な証拠はないので、
このまま怪盗助手として振る舞った方がいい、と紺藤は言います。

しかし、今日子さんを積極的に眠らせるという手段もある、
と助言してくれました。

ところが、お風呂から上がった今日子さんの身体に書かれた文字は、
シャワーの後なのに滲んでさえいませんでした。

海外旅行用ということで、
ただの油性ではない強力なインクが使われているようでした。
これでは今日子さんを眠らせる意味がありません。

厄介もシャワーを浴びて浴室から出ると、今日子さんは、
私を眠らせないことが厄介の仕事なんでしょう?
と、いつもとは違う大人のニュアンスで言いました。

しかし結局、厄介と今日子さんが結ばれたのかどうかは分からないまま、
翌日になります。

再びシャン・ドゥ・マルス公園を訪れた厄介と今日子さんは、
行列に並び、エッフェル塔の内部に入りました。

エッフェル氏の胸像もあり、
1832‐1923と生没年が書かれていました。

今日子さんによると、
エッフェル氏はエキセントリックな変人だったのだそうです。

最上階まで上ると、その理由が明らかになりました。
エッフェル塔の最上階には多角形の部屋があり、
地上300メートルの場所に、エッフェル氏の私室があったのです。

どうして自分がエッフェル塔を盗もうとしているのか、
という疑問に対しては、
今日子さんは下見を終えても分かりませんでした。
が、それは盗んでから考えることにします。

オープンカフェに入り、ランチをとりながら、
今日子さんはエッフェル塔を盗むアイデアは3つある、と言いました。

第一案は、「バラバラ殺人大作戦」です。

エッフェル塔をバラバラに分解して、限界まで細かく切り分けて、
ひとつずつ運搬するのです。
その際、盗んだパーツと同じパーツをその場に置き、
盗難が発覚しないように工夫します。

ただし、この第一案は、完了までに200年程度かかる見積もりです。

第二案は、「エッフェル塔消失トリック大作戦」です。

エッフェル塔を盗むのではなく、
手品というかイリュージョンのようにエッフェル塔を消す、
という方法です。

今日子さんにとっては推しの一案ではなかったようですが、
本当に盗むのに比べると平和的な案なので、
厄介は「最高じゃないですか!」と言い、推しまくります。

その後、カフェの店員が今日子さんの服に
グラスを取りこぼしてしまい、大きな染みができてしまいます。

今日子さんは笑顔で店員に応じてカフェを出て、
有名ブランドショップに入店しました。

服を手に取った今日子さんが試着室に入ろうとしたとき、
厄介は試着室の中が安全であることを確かめてから、
今日子さんを中に入れます。

それからしばらくして、
厄介は小柄な日本人の好々爺に話しかけられました。

好々爺は、エッフェル塔を見に行きたいが迷ってしまった、
と言い、厄介に道案内を頼みます。

今日子さんを試着室に残したまま、
道案内をするために厄介は店を出ます。

その途端、厄介は「意識を失いました。

目が覚めると、貸し切りにされた見知らぬレストランの中で、
先ほどの好々爺と2人きりになっていました。

この好々爺こそが、
怪盗、矍鑠伯爵(かくしゃくはくしゃく)だったのです。

怪盗淑女というのは、今日子さんのためにでっちあげたものでした。

食事が終われば、マジックインクの溶解液の土産付きで、
帰してくれる、と矍鑠伯爵は言います。

厄介がフランスに行くことになり、
今日子さんの助手になったのも、
カフェの店員にグラスを今日子さんの服にこぼさせ、
今日子さんと厄介を分断させたのも、老爺の計画通りでした。

今日子さんを怪盗淑女に仕立て上げ、
今日子さんにエッフェル塔を盗む方法を考えさせ、
助手の厄介を通してその方法を聞く、というのが矍鑠伯爵の計画でした。

事件の依頼人も、矍鑠伯爵でした。

今日子さんをフランスにおびき寄せるときには、
今日子さんの過去を知っている風に装ったのだそうです。

矍鑠伯爵はエッフェル氏を傑物と評し、
アメリカの自由の女神像を建築したのもエッフェル氏だ、
という意外な豆知識を披露します。

そんな偉大な建築家が正当な評価を受けていないことが我慢ならない、
と矍鑠伯爵は言います。


エッフェル塔は、当初は万博のために無目的に建てられたもので、
すぐに取り壊される予定でしたが、図らずもそののち、
電波塔としての役割を持ち、目的が後付けされた、
という史実があります。

しかし、「矍鑠伯爵は、電波塔が必要になるという未来を予測して
エッフェル塔を建てたのではないか、という自説を披露します。

矍鑠伯爵は、そんな設計思想を盗みたがっていたのでした。

そのタイミングで、
レストランのソムリエールに扮していた今日子さんが正体を現し、
第三案の『一人二役第三の大作戦』について話し始めました。

あのとき試着室に入った今日子さんは、
鏡に映った左手の『怪盗』という文字を見て、
自分の筆跡ではないと気付き、探偵であることを思い出したのでした。

鏡に映ると、筆跡の微妙な違いが顕著に浮き彫りになるのです。

眼鏡をかけたまま鏡の前で服を脱ぎ、
文字を認識するシチュエーションというのは、
試着室に入っているときくらいなので、
これは明らかに矍鑠伯爵のミスでした。

既にパリ警視庁には通報済みですが、忘却探偵である今日子さんに、
パスポートなしの海外旅行を斡旋できるほどの大物を、
法で捌くのは無理なので、逃亡の余地を残していました。

今日子さんは矍鑠伯爵の席を譲ってもらい、
第三案について説明します。

まず、エッフェル氏の作品である自由の女神像は、
その名の通り、自由をテーマに掲げた作品です。

エッフェル塔は、万博のために建てられた友愛の象徴であり、
当初は赤をベースに塗られ、
今も夜になればあかあかとライトアップされます。

フランスの国旗は、赤と白と青ですが、
赤が友愛で、青は自由を意味します。

友愛と自由を、ヨーロッパとアメリカ大陸という、
世界の両面に配置することで、地球を平等に包んでみせた、
その塔には平等ゆえに高さも低さもなく、誰にも盗めない塔でした。

という設計思想の説を今日子さんは矍鑠伯爵に教えました。

矍鑠伯爵が逃げた後、エッフェル塔を盗むのも無理難題ではない、
と今日子さんは言い、レストランの窓の外の風景を見せます。

すると、そこにはエッフェル塔は見えませんでした。

どんな手を使ったのかと驚く厄介に、今日子さんは、
このレストランはエッフェル塔の中にあるのだとネタバラシをしました。


本編はこれで終わりですが、後日談というか予告として、
この後、イギリス行きのチャーター便に乗せられ、
現代に蘇ったモリアーティ教授を名乗る魔術師と、
推理合戦をする、という旅行記の第二弾が語られます。

というあらすじなのですが、「エッフェル塔を盗む」という大風呂敷は、
ちゃんと畳めていたのでよかったと思います。

予告されたイギリス編に関しては、
本当に小説化されて出版されるのか不安ですが……。 見やすい記事一覧はこちらです。
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