西尾維新「撫物語 第零話 なでこドロー」のネタバレ解説

撫物語 (講談社BOX)


物語シリーズ、オフシーズン第3弾、
「撫物語 第零話 なでこドロー」のネタバレ解説です。

時系列としては、「つきひアンドゥ」の後の話となります。

撫子が中学3年生(阿良々木くんが大学1年生)になった、
5月の朝、撫子は両親から、
「中学を卒業したら働きに出なさい」
とタイムリミットを宣告されてしまいます。

両親にしてみれば、何ヶ月も行方不明になってた娘が帰ってきたと思ったら、
学校にも行かずに家に引きこもって漫画ばかり描いているのですから、
そう言いたくなるのも分からなくはありません。

しかし、そんなことを言われると思っていなかった撫子は動揺します。

そこへ、斧之木余接がやってきました。
余接は、月火の愚痴を言うために撫子の部屋を度々訪れ、
愚痴を聞いてくれたお礼としてデッサンのモデルをやっていました。

撫子が両親からタイムリミットを突き付けられたことを知った余接は、
のび太の宿題を手伝うために違う時間帯のドラえもんを連れてくるという
「ドラえもんだらけ」を参考にして作戦を立てます。

「つきひアンドゥ」で撫子が描いた蛞蝓豆腐がやけに強かったことから、
撫子には描いたものを具現化する物質創造能力の才能がある、
と余接は考えたのでした。

そこで、余接は撫子に4種類の撫子の絵を描かせ、
それを式神として具現化して漫画家になるための修業を手伝ってもらおうとしました。

なでこスネイク」の頃の、前髪で顔を隠していた「おと撫子」、
かれんビー」の頃の、カチューシャを付けてキャミソールを着た「媚び撫子」、
囮物語」で月火に前髪を切られ、教室で暴走した頃の「逆撫子(さかなでこ)」、
恋物語」で髪の毛が蛇になり、神様となっていた頃の「神撫子」、
という4種類の絵を撫子は描きました。

ちなみに、本体の撫子のことは「今撫子」として区別されています。

しかし、いざ式神として具現化してみると、
式神たちは漫画家の修業を手伝うのなんて嫌だと言い、
千石家から逃亡してしまいます。

漫画家になりたいと思っているのは、恋物語以後の「今撫子」だけなので、
当然と言えば当然なのですが。

余接によれば、もともと4体のうち1体くらい具現化できればいいと思っていたそうです。
式神を使役するのが未熟な撫子が同時に4体も相手するのは無理があったみたいです。

こうして撫子は、逃げた4体の式神を退治するために普段着姿で外出し、
余接と手分けして探すことになりました。

撫子は、学ラン姿の忍野扇と遭遇します。

囮物語のときのように、自転車に乗った扇が撫子にぶつかりそうになり、
扇は撫子を避けて事故りました。

しかし、扇は何事もなく立ち上がり、さっき制服姿の撫子を見たと証言します。

その撫子が向かった先は、今撫子が現在不登校中の、公立七百一中学校でした。

撫子は自分が今、何組に所属してるのかすら知らなかったのですが、
扇は神原伝手に聞いており、撫子は3年5組の教室へ行きました。

するとそこにいたのは、クラスメート達と談笑している媚び撫子でした。
媚び撫子はクラスの人気者という感じに見え、今の撫子は劣等感を覚えます。

しかし、ずっと不登校になっていた生徒が通学してきても、
その日のうちに人気者になれるわけがありません。

媚び撫子は、特殊能力を使ってクラスメート達を操り、
クラスメート達を「人の壁」として利用して、
今の撫子が近付きにくいようにしていたのでした。

しかし、撫子は意を決して教室に入り、媚び撫子に近づきます。
それとほぼ同時に、非常ベルが鳴りました。
一時的に撫子と別行動をとった扇が、
媚び撫子に操られているクラスメート達の気を引くために、
非常ベルを鳴らしたのでした。

そのおかげで、撫子は媚び撫子を封印することができました。

封印方法は、式神を生み出した撫子にしか使えない方法で、
スケッチブックの白紙の一ページを式神に直に触れさせて、
紙の中に戻すというものでした。

封印される直前、媚び撫子は、
「夢を追ってひたむきに努力とか、そんな恥ずかしいことしないでよ」
と捨て台詞を吐きました。

扇と一緒に、大騒ぎになった学校から逃げ出します。

そこへ、神原から扇の携帯電話に電話がかかってきました。
七百一中学校が大騒ぎになった原因は扇なのではないか、
と神原が疑ったからでしたが、扇はとぼけます。

そんな扇から撫子は携帯電話を借り、神原に、
間接的に今の撫子のクラスを教えてくれたお礼を言いました。

神原は、ブルマしか身に付けていない(上半身も服を着ていない)撫子が、
町を徘徊しているという目撃情報を教えてくれました。

どうやら「おと撫子」が「媚び撫子」に制服を奪われてしまったせいらしい、
と撫子は考え、可哀相に感じました。

撫子は扇と別れ、扇から借りた自転車で浪白公園へ行きます。

すると、そこにいたのは老倉育でした。
老倉は数学科の大学1年生としてまたこの町に戻ってきていたのですが、
この日は講義をサボって公園で本を読んでいました。

老倉が浪白公園を選んだのは、
高校1年生のときに戦場ヶ原さんの「世話係」をしていた頃、
何度もこの辺に来たことがあったからでした。

また、小学生時代の撫子が月火の(つまり阿良々木くんの)家に遊びに行ったときに、
居候中だった老倉とも会っており、一応は旧知の仲でした。

怪異の存在を知らない老倉は、少し前にブルマ姿の「おと撫子」を目撃しており、
さらに今はベリーショートの髪型(しかも撫子が自分で切った)の今撫子を見て、
いじめられているのではないかと心配していました。

撫子は老倉に人生相談をしているうちに、
お互いが阿良々木くんの名前を出さないように会話していることに気付き、
おと撫子は阿良々木くんの家に行こうとして躊躇っているのではないか、と考えました。

実際に阿良々木くんの家に行ってみると、玄関のドアに彫刻刀で穴が開けられ、
鍵が開いていました。

阿良々木くんの部屋に行くと、そこにいたのは「おと撫子」ではなく、
逆撫子でした。

逆撫子は、今撫子がドアを開けた瞬間に、不意打ちで彫刻刀を突き出してきました。

どうやら逆撫子は「おと撫子」から彫刻刀を奪い、
今撫子を待ち伏せしていたようでした。

逆撫子は労働をしたくないという理由で、今撫子を殺そうとしていました。

今撫子は、「お腹の内側にスケッチブックのページを隠し、
そこを逆撫子に狙わせる」という方法で、逆撫子を封印しました。

撫子は阿良々木くんの部屋を片付けた後、
月火の部屋に行き、変装の意味も込めて月火のお洒落な服を無断拝借します。

そして阿良々木家から脱出しようとしたとき、電話がかかってきました。
反射的に電話に出てしまったところ、その相手は何と、戦場ヶ原さんでした。

電話をガチャ切りして逃げ出した後、撫子は今度は北白蛇神社へ行きました。

するとそこに、バラバラになった余接の生首や手足が散乱していました。

神撫子がおと撫子を囮に使い、余接をおびき出し、
余接をバラバラにしてしまったのでした。

しかし、余接は不死身の怪異なので、何とか無事でした。

今撫子が余接の身体を集め、切断面同士をぎゅっと押し付けて、
何とか余接は人間の形を取り戻しました。

ただし、余接は右手を神撫子の身体に掴ませ、
レーダー代わりにしていたので、右手はありませんでした。

今撫子は泥で右手を作り、余接に装着させました。

今撫子は、既に封印した「媚び撫子」と「逆撫子」を、
1体ずつなら式神として召喚し、使役させられるはずだ、
と余接は教えてくれます。

また、1度身体がバラバラになったせいで万全の体調ではない余接ですが、
「例外の方が多い規則(アンリミテッド・ルールブック)」も、
あと1回だけなら使えることができるそうです。

1度撫子の家に寄って余接の服を着替えさせた後、
余接の案内で、二人は本屋へ行きました。
「なでこスネイク」で撫子が蛇の呪いの解除法を調べていた、
あの大型書店です。

余接によると、神撫子は本屋の2階に潜伏しているらしいので、
2人は気配を消して2階へ向かおうとします。

しかし、その途中で今撫子は、
スクール水着姿で立ち読みしてる「おと撫子」を1階に発見します。

声を出すと神撫子に気付かれるかもしれないと思い、余接に声をかけず、
今撫子は1人で「おと撫子」に近づきます。

ところが、もう少しで「おと撫子」を封印できるというところで、
1階にある本棚が全て倒れてきました。

今撫子もその本棚の下敷きに……なるかと思いきや、
媚び撫子が本棚を支えて助けてくれました。

神撫子と対峙したときに使うはずだった、
媚び撫子のページを無意識のうちに手から離しており、
それによって媚び撫子が具現化したのでした。

今撫子が本棚の下から脱出すると、
媚び撫子は、次はもっと可愛い服と靴を着させてほしい、
と言い残し、本棚の下敷きになって消えてしまいました。

余接と合流し、今度こそ2階へ行くと、
そこには100体もの「おと撫子」がいました。

神撫子は「おと撫子」を式神として造り、
人の壁として利用していたのでした。

今撫子は余接と相談し、作戦を立てます。

まず、余接が「例外の方が多い規則」で、
本棚をぶち破り、神撫子までのルートを作ります。

そこへ、「逆撫子と、
逆撫子の式神の撫子の2体が今撫子のふりをして囮になり、
神撫子に迫ります。

その隙に、おと撫子に化けて神撫子に近づいた今撫子が、
神撫子にスケッチブックでタッチし、封印しました。

本屋を脱出した今撫子は、
これまで他の3体の式神に利用されていると思っていた
『おと撫子』こそが、実は他の3体の式神を操っていた
黒幕であることに気付きます。

これまで『おと撫子』だと思われていた目撃例は、
逆撫子が呼び出した式神だったのです。

本屋を出たところで、扇の運転する自動車に乗せてもらいます。

扇は戦場ヶ原さんの住む民倉荘へ案内し、
民倉荘に火を点けようとしている『おと撫子』を強く抱き締めてあげるんだ、
と言います。

そんな扇に、今撫子は逆撫子時代の口調で罵倒しました。

アパートに火をつけるとか、そんなことする奴がいるわけねーだろ、
と撫子は言いますが……実は『つばさタイガー』で羽川さんが間接的に
それをやろうとしてるんですよねーwww

今撫子は、今度こそ扇の案内で、直江津高校の正門前に行きました。
撫子にとっては『つばさキャット』で阿良々木くんを待っていた
思い出の場所でもあります。

もちろん、現在の阿良々木くんは大学1年生なので、
もう直江津高校にはいないのですが、
現実を直視できない『おと撫子』にはそれが分からないのです。

もう暦お兄ちゃんのことが好きじゃないのかと泣きながら訴える
『おと撫子』に、今撫子は、
いつかまた誰かのことを好きになると約束し、抱き締めました。


後日、月火が撫子の部屋にやってきて、
好き勝手なことを言った後、寝てしまいました。

その影から、忍が出てきて、物質創造能力のレクチャーをしてくれました。

月火(と忍)と入れ違いに、余接もやってきます。

余接が臥煙さんに今回の件を報告したところ、
臥煙さんは撫子のトラブルに対する落ち着いた対処を高く評価し、
撫子は無害認定を勝ち取ることができました。

さらに、投資対象として、
撫子に怪異絡みの仕事をときどき斡旋してくれることになりました。

こうして撫子は、「中学を卒業したら働け」という両親の命令に、
応じることができるようになったのでした。                  スポンサードリンク

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