西尾維新「花物語 第変話 するがデビル」のネタバレ解説

花物語 (講談社BOX)



「花物語 第変話 するがデビル」のネタバレ解説ですが、
傾物語恋物語憑物語のネタバレも含みますのでご注意ください。

タイトルの花の意味は、おそらく百合の花のことか、
後述の沼地蠟花の花を指しているのではないかと思います。
傾、花、囮あたりは「漢字の中に『化』が入っているから」
という理由で選ばれた漢字なので、深い意味はないのでしょうが。

この花物語は傾物語のあとがきで予告された内容とは異なり、
神原駿河が3年生になった春の出来事を描いています。
まあ、予告と違うのは西尾さんにはよくあることなので
気にしたら負けです。
世界シリーズの『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』なんかも、
予告と全然違う内容になってましたからね。

(追記;傾物語のあとがきで予告されていた内容は、終物語(中)で語られました)

さて、あらすじですが、
3年生になった神原は「男の子の」忍野扇から悪魔様に関する噂を聞きます。
悪魔様に悩み事を相談すると絶対に解決してくれるのだそうです。
傾物語や囮物語では女子であると描写されていた扇の性別に関する問題は、
終物語で解決されるか、あるいは男の娘だったのではないかと予想しますw


その悪魔様は自分かもしれない、と思った神原は、
火憐から聞いた悪魔様と直接会うことができるという場所――
学習塾跡の更地へ行きます。
するとそこには、かつて神原のバスケットボールのライバルであり、
左足を故障して引退した沼地蠟花がいました。

悪魔様の正体は蠟花だったのですが、
彼女は悩み事は私が解決すると言いながら、
実際には何もしていませんでした。
ただし、多くの場合悩み事というのは問題を先送りすることで解決する、
というのが彼女の理念であり、
彼女はそういう方法で相談者を救っていると主張します。
そのとき、神原は蠟花に胸を揉まれるのですが、
それが原因で翌朝目が覚めたら神原の左腕が元の人間の腕に戻っていました。

それから一週間、神原は蠟花を捜しましたが見つからず、
代わりに接触してきたのは貝木泥舟でした。
何となく貝木は恋物語のラストで殺されていたような気がしていたのですが、
普通に生きてましたwww

神原はもう一度、火憐に蠟花のことを調べて欲しいと頼みますが、
その翌日には蠟花の方から接触してきました。
蠟花は悪魔様になったきっかけや、レイニーデビルの全身を集め、
自分の身体に取り込むという「回収業者」になったいきさつを語ります。

その夜、火憐や、友人の日傘から、
実は「蠟花は3年前に自殺していた、という事実を聞かされます。
神原が会っていた蠟花は幽霊だったのでした。
そのことに気が動転した神原は町を全力疾走します。
ちなみに、216ページ下段にある、
戦場ヶ原さんがダイエットを始めたきっかけというのは
ひたぎブッフェ』で語られています。

夜が明け、走り疲れて倒れた神原は大学生になった阿良々木くんと再会します。
ちなみにこのときの阿良々木くんは、
鬼物語で成仏したはずの八九寺が
まだ幽霊をやっているかのような発言をしています。
これが鬼物語の終盤で言っていた、八九寺がいるふりなのか、
それともまた何らかの形で怪異として復活したのかどうかは不明です。
また、一度は更生したはずの戦場ヶ原さんが
元の毒舌キャラに戻ってしまっていますが、
これは恋物語で貝木と再び接触したことが原因なのかもしれません。

その後、阿良々木くんに励まされた神原は、
貝木から送られてきた悪魔の頭を餌にして蠟花を呼び寄せます。
何と蠟花は自分が幽霊であるという自覚がなかったのですが、
神原は迷いながらも、既に全身の3分の1が悪魔と化している蠟花と
バスケットボールで勝負をして勝ち、
見事蠟花を成仏させたのでした。

最後に神原の髪を切ってあげるときに阿良々木くんは、
『やれやれ。女子の髪を切るのは、これで三人目だぜ』
と言っていますが、そのうちの1回は『つばさソング』語られています。


さて、この話は大部分の読者が求めていた神原(阿良々木くんから見た感じの神原)とは
かなり違ったのではないかと思います。
話の内容も非常に暗いですし。
しかし、彼女が阿良々木くん襲撃事件のことをずっと引き摺っていたと分かったり、
悪魔の腕のことが解決したりと、これはこれでよかったかな、とも思います。

ただ、やはり発表の順番はもう少し何とかならなかったのかな、
とも思ってしまいます。
2012年現在発表されている作品の中では最も未来の話を描いているので、
その後に発表された作品を読んでも、
少なくとも花物語で登場したキャラは生きてるんだな、
と分かってしまうので緊迫感がなくなってしまいますよね……。
他にも、憑物語で明らかになった「阿良々木くんの吸血鬼化問題」なども、
このときまでには解決するんだろうな、と推測できてしまったりとか……。

しかし、例えば「蠟花が実は幽霊だったのと同じように」、
この話に登場した貝木とかが実は既に死んでいて、幽霊だった、
なんてオチが別の話でつく可能性もありますがwww                  スポンサードリンク

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No title

「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」というのがサブタイトルとしたら、やっぱり「泥舟は幽霊」という落があるのだという気がします。というより駿河に関わってくる蠟花・泥舟・暦の皆が、実は本人も自覚のない幽霊だった、と考えればサブタイの謎めいた言い回しを説明できるのではないでしょうか。泥舟は「ひたぎエンド」ラストでやはり扇の画策で死に、暦も「こよみデッド」で本家妖刀心渡りで瞬殺されている。暦ンが実は新出から、ヶ原さんも毒舌キャラに戻ってる。そういう実は駿河以外殆ど皆幽霊だった、という世界構造の中に「花」があるという種明かしが、最終的に行われるのではないか、という気がします。

No title

返信が遅れてすみません。

「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」
というのは、西尾さんの「世界シリーズ」の中の作品です。

世界シリーズの「きみとぼくが壊した世界」のあとがきで、
次回作「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」の予告が書かれていたのに、
実際に発売されてみたら予告と全然違う内容だった――
というのが、今回の予告詐欺と似ていたので例にあげただけなのです。

分かりにくかったようで申し訳ありません。

うーん、でも、貝気は池面さんの「実は駿河以外殆ど皆幽霊だった」という説は斬新で面白いですね。
西尾さんなら本当にやりかねませんしwww
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