赤川次郎「杉原爽香42歳の冬 えんじ色のカーテン」のネタバレ解説

えんじ色のカーテン: 杉原爽香〈42歳の冬〉 (光文社文庫)


M女子学園に通う、中学三年生の淡口かんなは、
三五歳の冴えないサラリーマン、紀平と付き合っていました。
付き合っていると言っても、添い寝をするだけの関係で、
キスもしたことがないらしいのですが。

ある日の朝、学校をサボったかんなは,
水で濡れているのに気付かずに公園のベンチに座ってしまいます。
すると、通りがかった野口知代という女性が
自宅のアパートまでかんなを連れて行き、着替えをくれました。

そこまではよかったのですが、着替え中に、
知代の血の繋がらない弟、佐伯忠夫がやってきたので、
かんなは逃げるように知代のアパートを出ました。
さらに、かんなの担任の河村布子に、紀平とのことがバレてしまいました。

一方、爽香は社長の田端から、
仕事をしすぎだから一週間休んで温泉旅行にでも行ってこいと言われます。
それを知った布子は、かんなを温泉旅行に同伴させ、
大人としての生き方を見せることでかんなを変えてほしいと頼みました。

淡口かんなの父親、淡口公平は会社の社長をやっており、
M女子学園に多額の寄付をすることでかんなと紀平の件を揉み消すことにしました。

ところが、佐伯忠夫がそれに嘴を入れ、
公平とM女子学園の学長との交渉役をすると言い出しました。
そのことを、ヤ○ザの「社長」の武藤という男に知られてしまい、
忠夫は武藤の言いなりになってしまいます。

武藤の部下の松代という男は、知代に近づき乱暴しようとしますが、
知代が自分の腕を包丁で傷つけたことから後込みしてしまい、思いとどまります。
そしてこの一件で、松代は本気で知代に惚れてしまいました。

また、公平の秘書の玉川早苗が、紀平の勤める会社を訪れ、
紀平とその上司の矢吹典子に、かんなとは何もなかったと証言するようにと言いました。

その数日後、紀平は取引先のK電機の担当から、
土下座して謝ったのに頭からコーヒーをかけられるという屈辱を味わいます。

この一件が紀平という冴えない営業マンを一変させ、
紀平はK電機に放火し、K電機の社員を一人殺してしまいました。

それを知ってしまった典子は、紀平に石油をかけられ、
服を脱がされて脅されてしまいます。
典子は部下である紀平に命乞いをしたのですが、
そのことにプライドを傷つけられ、典子は紀平を殺す決意を固めました。

そして、爽香たちの温泉旅行が始まります。
旅行には、爽香の部下や、久保坂あやめや、かんなの他に、
爽香の甥の涼や、その恋人の岩元なごみも同伴しました。

かんなは退学寸前にまでなったのに懲りておらず、
ホテルを抜け出して紀平と会う約束をしていました。
しかし、かんなが紀平にメモを渡すところを爽香が目撃し、
涼たちの活躍で紀平が向かいのホテルに泊まっていることを突き止めました。

その頃、武藤から一億円というお金を要求され、
淡口公平と学長はその要求を完全につっぱねました。
玉川早苗から相談を受けていた「消息屋」の松下は、
武藤から報復されるだろうから気を付けろと忠告し、爽香にもそのことを知らせます。

案の定、武藤は、かんなを忠夫に暴行させることで復讐しようとしていました。
そのお目付役として松代が選ばれました。
松代にそのことを教えられた知代は、松代に思いとどまるように言い、
忠夫に連絡をとろうとしますが繋がりません。
いてもたってもいられなくなった知代は、
かんなの泊まっているホテルを突き止め、追いかけていきました。

紀平と会うために、ホテルを抜け出したかんなは、
人が変わってしまった紀平に乱暴されそうになります。
しかし、それに気付いて追いかけてきた爽香たちに阻止され、紀平は逃げ出しました。

忠夫は、紀平を唆して自分の代わりにかんなを乱暴させようとしますが、
これも爽香たちの活躍で失敗しました。
紀平は逃げていきましたが、忠夫は涼に殴られフラフラになりました。

自宅のアパートに戻った紀平は、そこで待ちかまえていた典子に包丁で刺されました。
しかし、反撃され、典子と紀平は共倒れして死んでしまいました。
紀平の部屋の白いカーテンは、二人の血でえんじ色に染まっていたのでした……。

武藤はかんなのことは諦め、公平と学長の高級車をボコボコにすることで鞘を納めたようです。
松代は知代のことは諦めました。


そしてこの物語は、明男が松下から、大宅栄子の件で忠告されるところで終わります。
実は、爽香が温泉旅行に行っている間、明男は大宅栄子と会っていたのでした。
明男って本当にどうしようもないなあ、と溜息しか出ません……。

という感じのあらすじなのですが、
今回はタイトルの「えんじ色のカーテン」が思いがけない形で登場したのに驚きました。

それと、前作の「肌色のポートレート」にも「佐伯」という苗字のキャラがいたのが、
ちょっと気になりましたね。                  スポンサードリンク

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