岩明均「寄生獣」2巻のネタバレ解説

寄生獣 フルカラー版(2)


『第8話 種(しゅ)』

2巻は、1巻の最後の場面から直接話が繋がっています。

机の足で作った武器はパイプ状になっているので、
パイプの先から鮮血が溢れ出してきます。

すると、Aはパイプを背中まで貫通させ、一応の止血をしました。

Aは田宮良子の身体に同居させてもらおうと、
田宮良子の脳波を探って移動します。

――が、田宮良子がガス爆発を起こし、
Aの上半身は吹き飛ばされてしまいました。

田宮良子がそんな方法でAを殺害したのは、
まだ寄生獣の存在を世間というか政府に知られたくなかったからでしょう。

それから1ヶ月が過ぎますが、田宮良子はまだ教職を続けていました。

が、田宮良子が、未婚なのに妊娠していて、
おまけに父親の名前も明かせないことが問題視され、
田宮良子は周囲から注目されるのは困ると教師を辞めることにしました。

その後、田宮良子は学校を去る前に、
人間の脳を奪ったとき『この「種(しゅ)」を食い殺せ」
という命令がきたという話をしました。

また、お腹の子は産み、何かの実験に使うつもりなのだそうです。

それを新一が非難しようとすると、田宮良子は戦闘態勢に入ろうとします。

が、田宮良子は新一を見て「おまえ……わずかだが混じってるな……」
と意味深なことを言い、面白いから殺すのはよそうと去っていきました。


『第9話 母親』

人間・田宮良子の母親が、田宮良子の部屋を訪れました。

学校から実家に連絡があって、来たのだそうです。

田宮良子は適当に誤魔化そうとしますが、
彼女が本物の田宮良子ではないことに気付いて取り乱し、
警察に電話しようとしたので田宮良子は母親の首を落として殺しました。

この頃から、世界中で発生していた「ミンチ殺人」が減ってきていました。
寄生獣たちは食い殺した人間の死体を隠した方が安全だということを
学習したからなのでした。

一方、新一とミギーの方にも変化がありました。
ミギーは3分くらいなら新一の身体から分離して移動できるようになりました。

また、朝食のとき、フリーライターの父親・一之と専業主婦の母親・信子が、
旅行するという話が出ました。
新一は寄生獣のことが心配だったので旅行に反対します。

ところがミギーは、寄生獣は都市部に多いので、
2人で田舎へ行くのならむしろ今までの日常より安全だと言いました。

そこで、夕食のときに旅行に賛成すると言うと、
朝はあんなに反対したのに、と信子がヒステリーを起こしました。

「何かが……何かがちがう! まるで自分の子じゃ……」
と信子は泣きながら言いました。

新一は信子から説明を求められますが、信子の右手の火傷を見て、
朝は寂しいと思ったけど、友達から笑われたから考え直したのだ、
と誤魔化しました。

実は新一はまだ小学生の頃、信子が天麩羅の料理中に、
棚の上の物を取ろうとして転倒し、
鍋に入った熱い油を浴びそうになったことがありました。

そのとき、信子は素手で熱い鍋を掴み、新一を庇いました。
さらに、自分の火傷の治療をする前に
新一が火傷をしていないかの方を気にしました。

信子の右手には、現在でもそのときの火傷の跡が残っており、
そのこともあって新一には、
普通なら経験するはずの母親への反抗期がありませんでした。

新一は右手をミギーに食われてしまったわけですが、
信子は新一を庇おうとして右手に大火傷を負ってしまった、
というふうに対比しているわけですね。

そして、この信子の右手の火傷こそが、「母性」というものの象徴になっています。


『第10話 こだわり』

両親が旅行に出かけ、新一は一時的に一人の生活を始めました。
その途端、遅刻してしまいます。

登校途中、田宮良子が新一について「混じってる」と言ったのは、
ミギーの体は神経や体液で新一の脳とも繋がっているので、
そのせいで新一の体にも何か変化が起きたのかもしれない――とミギーは言いました。

さらに、同じクラスの長井が、
別の高校の不良グループからリンチされているのを発見した新一は、
止めようとしますが不良に一発殴られ、逃げようとします。

しかし、自分が人間の心を失いつつあるのではないかと危惧していた新一は、
思い直して長井を助けることにしました。

リーダー格の不良の光夫から一方的に殴られ、
不良グループの中で紅一点の、スケバン(?)加奈が止めようとします。

しかし、加奈は新一の目を見て寄生獣の存在を感じ取り、驚きました。

その後、不良たちは解散し、新一は登校しました。

放課後、新一が里美と一緒に帰ろうとすると、校門のところで加奈が待っていました。
光夫は加奈が新一に惚れているのだと考え、数日後、里美を拉致しました。

光夫は里美を人質にして新一をおびき寄せ、里美を見捨てて逃げるように仕向けます。

が、新一は一方的にボコられつつも逃げませんでした。

やがて、新一の学校の不良たちが集まり、新一と里美は解放されました。

里美は自分のせいで新一がボロボロになったのだと思い、泣いていました。

しかし、新一の家で怪我の手当てをした後は、
新一のことをカッコいいと褒めました。


『第11話 別れ』

ある女の身体に寄生していた寄生獣は、男からナンパされてドライブしている途中、
シートベルトを外してしまいます。

その直後に事故を起こしてしまい、女の寄生獣は大怪我を負ってしまいます。

そこで、運転手の男の首を切断し、男の身体に乗り換えることにしました。

……が、もはや異性の身体では合わなくなっており、
その寄生獣は拒絶反応で死にかけてしまいました。

そして――その寄生獣は、一之と旅行していて、
海岸を散歩していた信子に目をつけました。

その寄生獣は信子に襲いかかりました。

一方、新一は帰宅途中に加奈から話しかけられ、仲直りだと握手をしました。
すると、加奈は新一の右手に妙に興味を惹かれた様子でした。

加奈と別れた後、ミギーは、
加奈には寄生獣の波長を感じ取る超能力のようなものがあるので、
近づかない方がいいと言いました。

やがて夜になり、一之から電話がかかってきました。

一之も寄生獣から襲われて大怪我を負っており、
途切れ途切れに、信子が化け物に襲われたのだということを説明しました。

が、一之は意識を失い病院へ搬送されていきました。


『第12話 胸の穴』

翌日の夕方になっても、一之からの連絡はありませんでした。

2人は計画を立てずに旅行をしていたため、
どこにいるのかも分かりません。

こういうとき、携帯電話があれば話は早いんですけど、
連載当時はまだ携帯電話はなかったので新一は自宅で待っているしかありませんでした。

……いや、警察に相談して捜索願いを出すという手もあったとは思うんですけどね。
まだ高校生なので思いつかなかったのでしょう。

――という感じで新一がやきもきしていると、
ミギーは寄生獣が自宅に近づいていることを新一に告げました。

新一は苛立ちながらも包丁を構えて廊下で待っていました。

すると――入ってきたのは、「信子」でした。

いえ、正確には、信子の頭を奪った寄生獣でした。

「信子」は明らかに寄生獣に寄生されてしまっているのに、
新一はその現実を受け入れることができませんでした。

新一の包丁が邪魔でミギーは「信子」を攻撃することができません。

新一は右手の火傷のことについて「信子」に謝ろうとしますが、
「信子」は頭を武器の形に変え、新一の胸を武器で刺し、貫通させてしまいます。

ちなみに、「信子」が新一の首を切り落とさずに胸を刺したのは、
寄生部分がはっきりとは分からなかったためだということが、後で分かります。

新一は本来ならば即死だったはずなのですが、
ミギーは新一の胸の穴から身体の内側に入り込み、
新一の細胞を集めて心臓を再構成して、新一を治療しました。

3日間眠り続けていた新一は、一之の入院している、
静岡県の伊豆にある桜崎病院からの電話で目を覚ましました。

「信子」が一之を捜しに、伊豆に戻ろうとしていたのを思い出した新一は、
急いで支度をして外に出ました。

そこで、お見舞いに来た里美と鉢合わせします。

里美は新一に、また帰ってくるよねと確認しますが、
新一は力なく微笑むだけで返事をしませんでした。


『第13話 出ない涙』

新一は高速船に乗り、伊豆を目指します。

その際、学校をサボっていた早瀬真樹子という女子中学生と乗り合わせたのですが、
真樹子は学校の先生に見つかってしまい、新一が庇ってあげました。
伊豆へ着くと、新一は真樹子に桜崎病院まで案内してもらいます。

一方、刑事から事情聴取されていた一之は、
信子の頭を奪った寄生獣「信子」が、
信子のふりをして宿へ戻ったことから、
信子が寄生獣に襲われて殺されたという一之の証言を刑事は信じてくれませんでした。

まだ寄生獣の存在は一般には知られていませんし、無理もないですけどね。

その後、病室で一之と再会した新一は、
とても辛いのに涙が出ないことに苦しんでいました。

新一は、信子を殺した「化け物」の話をしようとしますが、
一之は精神的ショックが大きいためその話をしたがりませんでした。

新一は、「信子」が来るのを確信し、桜崎病院の近くで宿を探します。

観光地なので宿はたくさんあるのですが、
男子高校生が予約なしで1人で宿泊するということで、
不審に思った宿の人たちに断られ続けてしまいます。

諦めかけたとき、ある民宿で、真樹子が新一を助けてくれました。
真樹子はその民宿の家の娘だったのです。


『第14話 仲間』

民宿での食事を終え寝ようとしたところで、ミギーが話しかけてきました。

ミギーは新一の胸を治したせいで、他の寄生獣にはない弱点ができてしまいました。

1日のうち約4時間、完全に眠ってしまい、
その4時間は全く目を覚ますことができず、
他の寄生獣が近づいても気付かなくなってしまったのだそうです。

一之は2泊したら家に帰るようにと新一に言いましたが、
新一は一之が退院するか「信子」が現れるまでは一之を守ることにしました。

ミギーが寝ている間は、
新一は病院の入り口で「信子」の襲来に備えることにします。

やがて、新一に惚れている様子の真樹子が新一に話しかけてきました。

そのとき、寄生獣が浜辺の方角に現れたことをミギーが告げました。

新一は真樹子に、浜辺へ出る道を尋ねます。
真樹子が指さした方角へ一目散に走りますが、その先は行き止まりでした。

そのタイミングでミギーは新一に、「信子」を殺してもいいのかと確認します。

……いや、もっと早く確認しておけよ、と思いますけどね。
新一は殺していいと言った後、
3メートルはありそうな壁をジャンプして飛び越えました。

さらに、数十メートル先で誰かが隠れたのを目視します。

明らかに人間離れしているのですが、新一は気付きません。

新一は走って追いかけますが、そこにいた寄生獣は「信子」ではありませんでした。

そこにいたのは小太りな体型で気弱そうな男だったのですが、
彼は新一と同じく、人間の脳が残った状態で寄生獣に寄生されていたのでした。

彼の寄生されている場所は、顔の下半分から胸のあたりまででした。

その寄生獣はミギーと違って下品な感じの喋り方で、
おれたちゃ「仲間」っつーわけだ!
と新一とミギーにフレンドリーに言いました。


2巻はここで終わりなのですが、話が大きく動きましたね。

コマの大きさ自体は普通の漫画と変わらないのに、この密度の濃さは凄いです。

台詞回しやコマ割りが上手く、読んでいて迫力があります。                  スポンサードリンク

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No title

寄生獣、懐かしですね。
当時、小学校6年生でドキドキしながら読んだ記憶があります。
この2巻、新一が右手を包丁で切ろうとしてでも、母親(寄生獣)を守ろうとした優しさがなんとも言えない。
父親と再会して「涙が出ない」ってシーンは、今までにない究極的な感傷シーンだと思います。

本当に、読んでて引き込まれます。


ネタバレを、テキストにするの大変だと思いますが、頑張ってください。
とても、楽しみにしています。

私もこの本を読んだのは6年の頃でした。何で知ったのかは覚えていないのですが、夢中で揃えた覚えがあります。
今は結婚して主人に漫画を処分されてしまい、読めないのが寂しいのですが、あらすじを読ませていただき、色々と思い出して来ました。
とても読みやすいです。続き、期待しています(笑)
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