西尾維新「終物語 下 第七話 おうぎダーク」のネタバレ解説

ひたぎランデブー」での戦場ヶ原さんとのデートの後、
阿良々木くんは一旦自宅へ帰ります。

すると、自宅の前で忍野扇が待っていました。
いつものように、扇は知っているはずのないことをベラベラと喋ります。

が、扇は別れ際に、
自分はくらやみではありません。私を助けてください
という意味のことを言いました。

その後、阿良々木くんは余接を連れて浪白公園へ行きます。

そこで、全盛期の頃の力を取り戻した忍と、
臥煙さんと八九寺がクロケットをして時間を潰していました。

こうやって改めてキャラクターを見てみると、
鬼物語のときのメンバーですね。

阿良々木くんも含めて5人揃うのは初めてですが。

物凄く不審な組み合わせですが、
人払いの結界を張ってあるので警察に通報される心配はありません。

臥煙さんは余接を膝に乗せ、
阿良々木くんは、成人女性姿の(阿良々木くんより身長が高い)忍の
膝の上に座りました。

高校三年生の男子が金髪の白人女性の膝の上に座っていて、
後ろから抱き締められている構図は見られたものではありませんが、
幼体の忍に同じようなことをしていた阿良々木くんは抵抗できませんでした。

さて、ここでいよいよ、臥煙さんは色んな解説を交えながら、
扇との最終決戦に向けての作戦を説明します。

まず、実はこの浪白公園は、「400年前に南極から飛んだ忍が着地し、
消滅させてしまった湖でした。

もともとその湖は周辺住民から白蛇信仰の対象となっていたのですが、
周辺住民は『くらやみ』に呑み込まれ、
忍と死屍累生死郎もいなくなり、すっかり廃れてしまいました。

そして、湖にあった信仰の対象は、山に移されました。
それが北白蛇神社でした。

が、それは木に竹を接いだようなアンバランスなものだったため、
この町は霊的エネルギーが不安定な場所になってしまいました。

そこで、臥煙さんは忍を北白蛇神社の神様に祀り上げようとしていたのですが、
扇の邪魔が入り、撫子が神様になってしまったわけですね。

が、撫子も人間に戻った今、
早いところ北白蛇神社に新しい神様を祀る必要があります。

その神様として、臥煙さんは八九寺を選びました。

八九寺は成仏してからまた戻ってきたという奇跡を起こしていますし、
神様になれば地獄に戻らずに済み、
さらには『くらやみ』からも見逃してもらえるのです。

八九寺は蝸牛(かたつむり)の怪異ですが、
蝸牛は蛞蝓(なめくじ)の親戚のようなものであり、
蛞蝓は蛇より上位の存在とされているので、上手く納まりそうな感じでした。

が、『くらやみ』が許しても、扇が許さないので、
八九寺を神様にする前に扇を退治しておく必要があります。

臥煙さんは、扇は怪異そのものだと言います。

後輩というのは嘘であり、扇というネーミングも偽名で、
最初に神原のファンだと名乗ったからなのでした。

ファン……つまりは換気扇です。

扇は正体不明の怪異ですが、
これまで意図的に『くらやみ』のふりをしていたので、
正体を暴いてしまえば扇は『くらやみ』に呑み込まれてしまうはずだ、
と臥煙さんは言います。

ちなみに、『くらやみ』は宇宙の法則のようなもので、正体も何もない、
ただの物理現象のようなものです。


ここで、その頃、月火がどうしていたのかということになるのですが、
月火は漫画家を目指している撫子のアシスタントをしていました。

撫子はまだ学校には通えていないものの、あの事件から立ち直り、
漫画を描く邪魔にならないよう、髪型もベリーショートにしていました。

撫子の家を出た月火は、そこで自転車に乗った扇から声をかけられます。

月火は扇の自転車に二人乗りして、
昔忍野が根城にしていた学習塾跡に連れて行かれます。

その際、月火がしでの鳥の怪異であることを扇が糾弾します。

学習塾跡は、『おうぎフォーミュラ』で見せた、
扇の物質創造能力で作ったものでした。

扇は怪異である月火を間違いだとして『正そう』としますが、
学習塾跡では阿良々木くんが先回りして扇を待っていました。

阿良々木くんは月火を家に帰し、扇の正体を暴きます。

扇の正体は、「阿良々木くんが生み出した怪異でした。

ブラック羽川とか苛虎のようなものです。

臥煙さんは、ブラック羽川に対し、ダークこよみんと名付けました。

話は、臥煙さんの姉であり、神原駿河の母親である、
遠江が思春期の頃まで遡ります。

遠江は物凄い完璧主義で間違いがあるのが許せないという性格だったのですが、
その行き過ぎた完璧主義が、怪異を生み出してしまいました。
その怪異は、遠江が完璧な人間である手助けをするために、
誘惑に駆られそうなものを捨てていたのですが、
遠江はその怪異にレイニーデビルという名前を付け、
泣き虫な猿のミイラとして退治しました。

その左手が、神原に遺品として残されたのです。

そして神原は『しのぶメイル』で死屍累にエナジードレインされていました。

このとき、レイニーデビルの能力が死屍累に吸収されました。
その死屍累を忍が食べたため、その力は忍の一部となりました。

そして、忍とペアリングで繋がっている阿良々木くんは、
忍の物質創造能力を使って、レイニーデビルを元にした新たなる怪異、
忍野扇を生み出したのでした。

苗字の忍野は、忍野メメではなく忍野忍からとったものだったのです。

扇というのも、阿良々木くんが尊敬してやまない羽川さんの『羽』が、
漢字の中に入っています。

扇は、『阿良々木くんの間違いを正す』ために生み出された怪異です。

鬼物語で『くらやみ』という懲罰的な存在を目の当たりにしたため、
影響を受けており、
扇も自分が『くらやみ』であるかのように振る舞い、間違いを正していました。

この『間違いを正す』というのは、
例えば老倉育との関係とか、怪異の専門家から見逃してもらった月火とか、
傷物語で忍を助けてしまったこととか、色んなものにかかってきます。

阿良々木くんは自分が正しくないことに罪悪感を感じており、
それが原因で扇を産んでしまったのでした。

八九寺が神様になることについて『くらやみ』が許しても扇が許さないというのは、
それだと阿良々木くんが地獄から脱獄させてしまった八九寺を助け、
阿良々木くんの間違いを誤魔化す行為だからなのでした。

そして――正体を暴かれた扇の前に、『くらやみ』が現れました。

扇は抵抗せず『くらやみ』に呑み込まれそうになりますが、
阿良々木くんはそんな扇を、自分の右腕を犠牲にして助けました。
一応、扇が止血したものの、阿良々木くんはもう動けません。
絶体絶命のピンチです。

そこへ、忍野メメと羽川さんがやってきました。

忍野は、死屍累の力を受け継いだ扇が行使した迷い牛の怪異のせいで、
ずっと迷子になっていたのですが、
怪異がいない南極へ行っていたのでした。
で、忍野は南極か北極にいると推理した羽川さんが十徹し、
さらには戦闘機を使って、忍野を連れて帰ってきたのでした。

……どうしよう。羽川さんの行動力の方が怪異より凄いですw
ちなみに、忍野を日本に連れてくるのにも羽川さんは結構苦労していて、
そのエピソードは『業物語第零話(3)つばさスリーピング』で読めます。

そして忍野は、扇のことを自分の姪っ子であり、
阿良々木くんの後輩だと言いました。

こうして、正体不明だった扇は『忍野の姪』という新たな存在理由を見つけ、
『くらやみ』も消え、存在し続けることができるようになったのでした。

失った右腕は、忍とのペアリングを取り戻し、治してもらいました。

そして翌日の卒業式の日。

八九寺は無事に北白蛇神社の神になり、神様として町の見回りをしていました。

学校へ行くと、自転車置き場で羽川さんが待っていました。
卒業式の後、羽川さんはまたすぐに旅に出てしまうので、
ここくらいしか阿良々木くんと2人きりになる時間をとれなかったのでした。

ちなみに羽川さんによると、
老倉も阿良々木くんや戦場ヶ原さんと同じ大学を受験したみたいです。

校舎のところでは戦場ヶ原さんが待っており、3人は教室へ向かいます。

が、また阿良々木くんの前を、
困っている感じの女子生徒が通り過ぎていきました。

阿良々木くんは懲りずに人助けをしようと、
その女子生徒を追いかけたところで物語は終わります。


というあらすじなのですが、とても面白かったです。
これまで張られていた多くの伏線も見事に回収してくれました。

ただし、まだ花物語で語られていた内容と食い違う部分というか、
回収していない伏線がいくつか残っています。

それについては、続終物語で語られました。                  スポンサードリンク

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先程読み終えました
さりげなく老倉さんもアララギさんたちと同じ大学うけてるんですよね
そして扇の正体はなんとなく予想してましたが...
八九寺が帰ってきたのは嬉しいけど鬼物語を見ると成仏してたままの方が綺麗だった気もしなくはありませんね
花の伏線というと扇が男になってたくらいですか
最終巻楽しみですね(なんか本当にスピンオフもでそうな気がしないでもないが)

コメント欄でネタバレいい?
読み終わったから、同じく読み終わった誰かと語りたくてしょうがないんだが、、、。

No title

白雪姫殺人事件のコメント欄を見た感じ、
みんなネタバレしまくってるし、いいんじゃない?

No title

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