三上延「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」第2話「手塚治虫『ブラック・ジャック』」のネタバレ解説

2011年5月。

ビブリア古書堂に、滝野リュウという栞子さんの友人がやってきます。

滝野ブックスの滝野蓮杖の妹なのですが、
大輔とは今回が初対面でした。

リュウの部活の後輩で、現在大学2年生の女の子が、
本に詳しい人に相談に乗って欲しがっており、
栞子さんに白羽の矢が立ったのでした。

手塚治虫の「ブラック・ジャック」が何冊かなくなったという話だけ聞いた後、
3日後に依頼人と滝野ブックスで会います。
滝野ブックスの2階はマンションになっており、その201号室で会いました。

依頼人の名前は真壁菜名子と言います。
菜名子には父と、不登校になっている高校1年生の弟がいて、
母親とは5年前に癌で死別しています。

菜名子は父の部屋の本棚に並んでいたはずの「ブラック・ジャック」が
何冊かなくなっていることに気付いたのですが、
犯人は弟らしく、大ごとにはしたくなく、
できれば父が出張から帰ってきて気付く前に取り戻したいと考えていました。

「ブラック・ジャック」は何度も版を変えて出版されており、
多くの場合、収録順が掲載順とは異なっており、収録内容も微妙に違います。

チャンピオンコミックス版の4巻には「植物人間」という話が収録されていたのですが、
ロボトミー手術を連想させる内容があったため、
初版から1、2年経ってから別の話に差し替えられていました。

そのため、古い版の4巻には価値があり、それが狙い撃ちされたのだろう、
と栞子さんは推理したのですが、その推理は間違っていました。
菜名子によると、彼女の父親は「ブラック・ジャック」の4巻を5冊も持っており、
そのうちの3冊がなくなったのでした。
実は彼女の父親は、4巻ほどではないにせよ、
「ブラック・ジャック」の他の巻も重複して所有しているのだそうです。

ここにきて、新たな謎が提示されてしまいました。

リュウと別れ、栞子さんと大輔は菜名子の家へ行き、
父親の部屋の本棚を見せてもらいました。

「ブラック・ジャック」は4巻と25巻以外、全部パラフィン紙がかかっているものと、
かかっていないものの2種類ずつありました。
25巻はパラフィン紙がかかっていないものが1冊だけです。

その棚には1983年発行のファンクラブ会報もありました。

その後、栞子さんは菜名子の弟の慎也を紹介してもらいましたが、
慎也はかなり反抗的で扱いにくい性格の持ち主でした。

栞子さんはひとまず、「ブラック・ジャック」が2冊ずつあるのは、
片方は母親の所有物だったからだと言い、
証拠としてファンクラブの会報に投稿されていた母親の投稿を見せます。

25巻が1冊しかないのも、24巻の発売から10年以上間が空いていたため、
両親は結婚しており、1冊しか買わなかったからなのです。

4巻の場合は2人で2種類ずつ揃えたので、数が増えてしまったのですが、
それでも4冊にしかなりません。

慎也によると、5冊目は、母親の容態が急変したからと父親が慎也を学校に迎えに行き、
母親の入院している病院へ向かう途中、父親が古本屋で購入したものだったのだそうです。
病院に着いたときには、既に脳死状態でした。

慎也が第一志望の高校に落ち、二次募集していた高校へ進学したものの、
不登校になってしまったとき、
父親は慎也に「寄り道している時間なんかない」と説教をしました。
が、それに対して慎也が「5年前、母さんが死ぬって大事な時に、
古本屋に寄り道したあんたはなんなんだ」と訊ねたところ、
石みたいに固まっていたのだそうです。

その本も含めて慎也は「植物人間」が収録されている「ブラック・ジャック」4巻を3冊、
滝野ブックスに売ったのだそうです。

30分後、栞子さんと大輔は滝野ブックスへ戻り、
滝野兄妹と菜名子を交えて話をします。

慎也が売った3冊中2冊はまだ店の棚にあり、確保できました。

慎也は滝野が店にいないときに本を売りに来たのですが、
5年前に菜名子の父親が買ったという5冊目のブラック・ジャックはボロボロだったため、
値段をつけず、慎也が持ち帰ったのだそうです。

慎也の父親がボロボロの4巻を買ったという、
磯子の浜マーケットの傍の古本屋の正体について話し合いますが、
栞子さんも滝野兄妹も、そんなところに古本屋があった憶えはないと、
不思議そうにしていました。

次の休日、栞子さんと大輔は、奈名子の母方の祖母、相川波江に会いに行きました。
慎也は滝野ブックスに本を売る際、祖母に承諾書を書いていてもらったので、
その確認をしに行ったのです。

慎也は値段がつかなかったボロボロの4巻を、相川家のゴミ箱に捨てており、
波江はそれを後で拾っておいたのだそうです。

うん、おばあちゃんってこういうことやりますよねー。分かります。

保存状態は最悪で、値札の値段は60円でした。
値札には「鶉(うずら)書房」という店名も入っており、
住所は慎也の言っていたものと一致していました。

菜名子の母方の祖父母は、最初、自分の娘が菜名子の父親と結婚することに反対しており、
3年くらいは駆け落ち同然の生活をしていたのですが、
波江はそのことを後悔していました。

真壁家へ行き、慎也にボロボロの4巻を見せます。

実はこの本は、「貸本屋に置いてあった本であり、
60円はレンタル料、ボロボロだったのは何度もレンタルされたからなのでした。

そしてその本は菜名子の両親にとって思い出の1冊であり、
閉店セールで貸本が売られているのを発見した菜名子の父親は、
冷静でいられなくなってしまったのです。

この4巻に収録されている『植物人間』は、
海難事故で意識不明の重体に陥った母親とその息子の話だったこともあり、
菜名子の父親は、脳死状態の母親の枕元へその本を届けようとしていたのでした。


というあらすじなのですが、「そうか、貸本屋の本かー、という感じですね。

しまうましたは世代じゃないので、昔ながらの貸本屋は実際には見たことないですね。
『ゲゲゲの女房』に出てくるのをチラッと見たことがあるくらいです。

ただ、ここ数年でツタヤとかゲオのレンタルコミックサービスが急増しているので、
そういうのは見たことがありますが。
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