三上延「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」第1話「『彷書月刊』(弘隆社・彷徨舎)」のネタバレ解説

2011年4月。
古書交換会に出品するために戸塚にある古書会館へ行った大輔は、
そこで滝野ブックスの息子の滝野蓮杖から話しかけられました。
滝野は、篠川に告白したというのは本当なのかと尋ねます。
フラれたのかと容赦ない質問をする滝野でしたが、
まだ保留なのだと大輔は答えました。

栞子さんは付き合うのだとすれば結婚を前提としたお付き合いになると前置きし、
その上でまだ済ませていないことがあるのですぐには返事はできないが、
5月の終わりまでには必ず答えると言っていました。

大輔はそれでもいいと思っていたのですが、
答えが聞けるまでの約2ヶ月間、気まずい思いをするのは確かです。

すると滝野は、話題を提供してやろうかと言い、
彷書月刊(ほうしょげっかん)に関する妙な話を大輔に教えました。

ビブリア古書堂へ戻った大輔は、早速その話を栞子さんにします。

彷書月刊というのは古書に関する情報誌で、25年も続いていたのですが、
去年300号で休刊になってしまいました。

栞子さんは当然のように300号を全部持っており、
栞子さんは仕事の合間に、頻繁にこっそりと読み耽っていました。

滝野から仕入れた話によると、最近、
このあたりの古書店に彷書月刊のバックナンバーを4、50冊くらい、
まとめて売りに来る年配の女性がいるのだそうです。

それだけなら何の不思議もありませんが、
その女性は1、2週間経つとまた店にやってきて、
全部買い戻していくのだそうです。
既に3、4軒の古書堂で同じことを繰り返しているのだそうです。

そこへ、タイミングよくその女性が彷書月刊を売りにやってきました。
買い取り票に記入したデータによると、
女性は65歳で宮内多実子という名前なのだそうです。
わざわざ東京都大田区から鎌倉までやってきており、
普通ではありませんでした。

本の中には書き込みやページの折れがあり、
背表紙にも手書きの印があり、あまり高い金額はつけられませんでしたが、
多実子はそれでいいと言い、買取が成立しました。

本の中を見ると、「新田」という単語が書かれていました。

その週の木曜日、ホームレスのせどり屋の志田がやってきました。
志田は眼鏡をかけた老人と一緒でした。
その老人は、数日前に店に出した「彷書月刊」のセットに興味を示し、
志田に何やら話していました。

老人が先に出た後、大輔は老人についてそれとなく尋ねます。
志田によると、半年くらい前に藤沢の市民会館の前で本を読んでいた老人に
志田の方から話しかけ、仲良くなったのだそうです。
老人は3年くらい前まではどこかで会社を経営していたのですが今は1人で、
暮らしているのだそうです。

志田が帰って行った後、栞子さんは、
志田が老人の名前を出さなかったことが気になると言いました。

仕事が終わり、大輔は夕食をとりにモスバーガーへ行き、
そこで文香と出くわしました。
文香によると、最近栞子さんは1巻で逮捕された田中敏雄の裁判の
傍聴に行っているのだそうです。

栞子さんを階段から突き落とし、
杖を手放せない身体にしてしまったことに関しては、証拠がないため立件できず、
思ったよりも軽い罪になるのだそうです。
それでも、数年は服役することになるらしいのですが。

翌朝、大輔は栞子さんに、隠し事をしすぎだと言いますが、
栞子さんは大輔に言わないといけない理由は何なのかと言い返します。
険悪な雰囲気になりかけていましたが、大輔が
「好きだからです!」
と言ったところ、栞子さんは照れまくりました。

そこへ、タイミング悪く(良く?)志田が現れます。
志田は例の老人の本の買い取りを老人の代わりに頼みに来たのですが、
大輔の台詞も聞かれてしまいました。

買い取りの本は状態も良く、手製の栞まで挟んでありましたが、
背表紙には黒い点のような印が打ってありました。
中を見ると書き込みはありましたが「新田」の文字はありませんでした。

背表紙の印は、読み終わったら、
読んだかどうか分かるようにするためにつけているのだそうです。

志田は老人に頼まれたと言い、本を売ったお金で、
「彷書月刊」のセットを買いました。

栞子さんは、志田が老人の名前を言わないのは、
志田と似たような境遇だからなのではないかと尋ねますが、
志田はそっとしておいてやってくれと頭を下げました。

次の日の夕方、多実子がやってきて、
「彷書月刊」を買い戻したいと言いましたが、
すべて売れてしまったと言うと、「誰が買ったのか教えてくれと頼みました。

栞子さんは、プライバシーに関わるので話せないが、
その人が多実子の夫なのかと確認し、
本当に本人かどうか代わりに確かめてくると申し出ました。

多実子は、このあたりの古書店に、失踪した夫が現れたという話を聞き、
昔夫が所有していた『彷書月刊』を売りに出し、
夫に読んでもらおうとしていたのです。

本に書かれていた『新田』は武蔵新田という駅名であり、
多実子と夫が昔住んでいたマンションの住所を示したものでした。

3年前まで多実子は夫と会社を共同経営していたのですが、
夫は5000万円を前の妻に用立てしており、
そのお金がなかったことと会社の経営が苦しかったことが重なり、
会社は倒産してしまいました。

夫はそれ以来失踪してしまったのですが、
多実子は何とか財産を処分して借金を返済し、
昔住んでいたマンションに引っ越したのでした。

事情を説明した多実子は、
栞子さんに、『よかったら電話して』と夫に伝えるように頼みました。

そしてそれ以来、老人は店に姿を見せなくなりました。
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