赤川次郎「天使にかける橋 天使と悪魔」第2話「天使は見守る」のネタバレ解説

今回、マリはメッセンジャーのアルバイトをすることになりました。

大手新聞社へ行くと、大谷まつ子という名前のおばさんに、
住所と名前のメモを渡され、ここへ行くようにと言われます。

最寄駅で降り、交番でその場所への道を尋ねたのですが、
警官が教えてくれた道は崖っぷちの場所であり、
マリは危うく転落死しそうになります。

それを助けてくれたのが、会いに行く人物だった、
細川作治という50歳くらいの男性でした。

マリは細川から封筒を渡されますが、帰りに交番の前を通りがかると、
例の警官から封筒を奪い取られてしまいます。

しかし、それは細川も予想しており、マリは予め囮の封筒を目立つように持ち、
本命の封筒は隠し持っていたのでした。

その夜、新聞社の空き室に泊めてもらっていたマリは、
大谷まつ子からファイルを渡されます。
その直後、大谷まつ子は車に撥ねられ重体になってしまいました。

病院へ駆けつけた細川は、こうなった事情をマリに説明します。

半年ほど前、水上寛という34歳の白バイの警官が、
スピード違反の車を追いかけて事故死しました。
ということになっていたのですが、事実はそうではありませんでした。

そこまで話したところで、林田という刑事が現れ、
細川のことを「署長」と呼びました。
林田という男は、大谷まつ子を轢いた車は見つからないだろうと言外に匂わせ、
さらにマリを脅して行きました。

ここから回想です。
半年ほど前、当時警察署の署長だった細川は、
ガソリンスタンドでトラックの運転手と話しているときに、
白バイが猛スピードで走り去っていくのを目撃します。
水上寛は時々、こうやって無意味にバイクを飛ばして遊んでいたのでした。

ガソリンスタンドからトラックがゆっくりと出たところで、
白バイがトラックにぶつかり、水上は亡くなりました。

が、死んだ水上には洋子という妻と、秀一という4歳の息子がいて、
その2人の生活を守るために細川は、
水上はスピード違反の車を追いかけて事故死したと嘘を吐いたのでした。

ところが、何も悪くなかった例のトラックの運転手、寺門が、
無実の罪で逮捕されてしまったのです。

無実の罪でトラックの運転手を刑務所へ送るわけにはいかず、
細川は本当の証言をしようとしたのですが、それはできませんでした。
あのとき事故を目撃した人たちも誰も証言させてもらえず、
細川は大谷まつ子を通じて新聞で真実を訴えようとしたのですが、
その記事は握りつぶされ、お偉方から真相を言うなと迫られました。

失望した細川は辞表を提出し、
寺門は1年間の刑務所暮らしとなりました。

回想終わりです。
病院へやってきた水上洋子は細川に、
自分は息子との生活を守ると宣言しました。

大谷まつ子は命の危機は脱出しましたが、
完全に治るまでには時間がかかります。

マリは大谷まつ子から渡されたファイルを持って、
寺門の妻に会いにいきました。

寺門の妻は細川から真相を知らされていましたが、
もう諦めかけていました。

寺門の家を出ると、警察の男たちから無実の罪をでっちあげられ、
ファイルを奪われそうになります。
が、それを止めたのは水上洋子でした。
洋子も気が咎めて、ときどき寺門の妻の様子を見に行っていたのですが、
しかし自分と息子の秀一との生活の方が大事なのでした。

マリは自分は天使なのだと本当のことを言いましたが、
もちろん洋子には信じてもらえませんでした。

マリが大谷まつ子の見舞いに行くと、「そこへ秀一が運び込まれてきました。
付添いの洋子によると、
秀一は信号無視をしたオートバイに撥ねられたのだそうです。

洋子は、これは天罰なのかとマリに訊ねますが、マリは否定します。

その直後、マリの大天使が現れました。
大天使は、秀一の事故は偶然だと言い、
『人間界のことは、人間が解決しなければならん』『人を裁くな』
とマリに言い、消えました。
タイトルのとおり、天使は見守ることしかできないのです。

秀一が助かったのかどうかは分からないまま、物語は終わります。


というあらすじなのですが、「何とも消化不良な感じの話ですね。

長編小説の冒頭シーンなら違和感はないんですけど、
このまま話が終わってしまうと尻切れトンボな感じが否めません。

結局、寺門が無実の罪から逃れられるのか、
秀一が助かるのかどうかも分からないままです。

何となくですけど、最初からこんな終わり方にするつもりじゃなかったけど、
規定枚数に達したから無理矢理終わらせてしまった、という印象を受けました。

ただ、もしもこの話に続きがあるとしたら、
秀一は助かり、それをきっかけに洋子は改心して、
真相を世間に公表するのではないか、としまうましたは思います。
……書いてみて思いましたが、ちょっとご都合主義な話になるので、
あえて赤川さんはその部分を書かなかったのかもしれませんね。


ところで、真相を世間に訴えたいなら、
新聞社に頼るよりもネットで公表する方が効果的だと思うんですけどね。
現実世界でもテレビや新聞といったマスコミは、
今回の話のように検閲されていますし、
真実を訴える動画を顔つきで動画サイトに流した方がいいと思います。

今だと、ミス・ユニバースの吉松育美さんが被害者となった事件が、
マスコミや警察に隠蔽されているんですけど、
インターネットのおかげで少しずつ情報が拡散されている最中です。
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