蘇部健一「赤い糸」第2話「運命の人、綾瀬幸太郎」のネタバレ解説

11歳の果穂には、会社の社長をしている父親、静男がいます。
静男は「顧問占い師」である椿鞠絵という女性に、
会社の経営について占ってもらい、アドバイスをもらっていました。

それを聞いた果穂は、椿鞠絵に、
自分の運命の相手について占ってもらうことにしました。

占いに必要な果穂の情報については、
静男が事前に椿鞠絵に渡しておいてくれました。
本当は静男と2人で行く予定だったのですが、
静男に急に仕事が入ったということで、
果穂は1人で吉祥寺にある椿鞠絵の邸宅へ行きました。

すると椿鞠絵は、2通の封筒を果穂に渡します。
1通は家に帰ってからすぐに開け、
もう1通は20歳の誕生日に開けるようにと言われました。

また、帰り際に、家族旅行の行き先を変えた方がいいと言われます。

家に帰って、最初に渡された方の封筒を開けると、
そこには「綾瀬孝太郎」と書かれていました。

家族旅行の行き先の途中の高速道路で大きな事故があったことを知った果穂は、
椿鞠絵のことをすっかり信じてしまい、
言われたとおりにもう1通の封筒は20歳の誕生日になるまで開けないことにしました。

そして――9年後。
20歳になった果穂が封筒を開けると、
美術館か図書館のような建物の絵が描かれていました。

その数日後、母親に頼まれたケーキを買いに行く途中で、果穂はその建物を見つけます。
そこは美術館で、「フィギュア・ジオラマ展」を開催していました。

美術館の中を見て回ると、「『運命』綾瀬孝太郎」というタイトルの作品がありました。
パンダのTシャツを着た青年が、森の中で赤い糸を辿っているという構図でした。

果穂が美沙子という親友に相談すると、
美沙子はそのジオラマの作者である綾瀬孝太郎についてネットで調べてくれました。
綾瀬孝太郎は毎週土曜日の午後、秋葉原で開かれている模型教室に通っているのだそうです。

果穂には野島という彼氏がいたのですが、
綾瀬幸太郎と会うのに彼氏持ちの状態でいるわけにはいかないと、
野島に別れを告げてしまいます。

そして、問題の模型教室へ向かう途中、
果穂は「椿鞠絵が詐欺の容疑で逮捕されたことを知りました。

ショックを受けた果穂は、模型教室には行かずに家に帰りました。

静男によると、椿鞠絵は本物の能力を持った占い師だったのですが、
70歳になった数年前を境に能力を失ってしまったのだそうです。
椿鞠絵は顧客にそのことをちゃんと説明し、静男は既に手を引いていました。
しかし中には、それでも椿鞠絵の占いにすがりたがる者がいて、
その人達が損をした結果、今回詐欺の容疑で逮捕されてしまったのだそうです。

その話を聞いた果穂は、思い切って、綾瀬孝太郎とは誰なのかと尋ねました。
静男と果穂の母親がグルになって綾瀬孝太郎と会わせようとしたのだろうと問い詰めます。

すると静男は、綾瀬孝太郎というのは果穂と1日違いで生まれた男の子のだと説明しました。
果穂の一家と、綾瀬孝太郎の一家は、かつては家族ぐるみの付き合いをしていました。
しかし静男と同じく椿鞠絵の顧客だった綾瀬孝太郎はの父親は、
京都へ行けば成功するという占いの結果を受けて京都へ行き、
家族ぐるみの付き合いは終わりました。

しかし果穂と幸太郎の両親は2人を結婚させたがっており、
椿鞠絵にそのように占ってもらっていたのです。
20歳になってから開ける方の封筒は、少し前に中身をすり替えていたのでした。
そして美術館でジオラマ展を開き、母親の誘導で果穂にそこへ行かせたのでした。

しかし、孝太郎の父親は、能力を失った椿鞠絵とまだ付き合いを続けており、
そのせいで幸太郎の父親の会社は倒産してしまったのだそうです。
『いずれ、この埋め合わせはさせてもらうつもりだ。
おまえに最高の花婿を見つけてやるという形でな』
と静男は言いましたが、
『おとうさんなんて、大っきらいッ!』
と果穂は静男にバッグを投げつけました。

……そりゃあショックですよね。
というか、最っっ低の父親ですね。
しまうましたは、読んでいて静男に殺意が湧きました。
この本のジャンルがミステリーだったら、
これを理由に果穂が静男を殺していてもおかしくないと思います。

しかし、諦めきれなかった果穂は、それでも次の土曜日に模型教室へ行きました。

すると、そこにいたのは、体重120キロくらいの、
パンダのTシャツを着た太った男でした。
それを見た果穂は、『ごめんなさい、まちがえました』とつぶやき、逃げ出したのでした。


というあらすじなのですが……1話に続いて、2話も酷い(褒めています)オチですね。
それでも。
それでも、最終話までは読んでほしいです。                  スポンサードリンク

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