西尾維新「クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識」のネタバレ解説

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社文庫)


戯言遣いシリーズ第2弾、「クビシメロマンチスト」のネタバレ解説です。

5月13日、金曜日。
前作「クビキリサイクル」で訪れた鴉の濡れ羽島で食べた料理のせいで、
いーちゃんの舌は肥えてしまっており、何を食べても美味しく感じられませんでした。

そこでいーちゃんは、自分が通う私立鹿鳴館大学の食堂で大量のキムチを食べ、
舌を麻痺させていました。

そこへ、クラスメートの葵井巫女子(あおいい・みここ)が現れるのですが、
いーちゃんは巫女子と既に面識があるにもかかわらず、
名前も顔も完全に忘れていました。

この葵井巫女子というキャラクターは、4月20日生まれの19歳で、
可愛い外見で、いつもハイテンションな性格です。
高確率で語尾に「っ」がつき、「〇〇、ただし××みたいなっ!」という言い回しをする、
濃いキャラです。

いーちゃんは巫女子と、5月に入ってから京都で連続している通り魔事件について話をした後、
明日開催される、巫女子の友人の江本智恵の誕生日会に誘われます。
誕生日会には巫女子の他に、同じく友人の「貴宮(あてみや)むいみ」と、
宇佐美秋春が来ることになっているのだそうです。
名前だけだと性別が分からないキャラが多いので補足しておくと、
巫女子、智恵、むいみ、秋春の4人組の中で秋春だけが男です。

いーちゃんは断りますが、押しの強い巫女子に負けて、誕生日会に行くことになってしまいます。

そして巫女子と携帯電話の電話番号を交換し、帰宅する途中、
いーちゃんは誰かに尾行されていることに気付きます。

その正体は京都連続通り魔事件の犯人、零崎人識(ぜろさき・ひとしき)でした。
顔面に入れ墨をしていて、右耳には三連ピアス、左耳には携帯電話のストラップをつけているという、
非常に目立つ外見をしていました。
いーちゃんと人識はバトルに突入しますが、2人はお互いのことを鏡に映った分身のようだと考え、
意気投合してしまいます。

正直、いーちゃんが初対面の人識と「そっくり」だからと仲良くなった理由はよく分からないんですけど、
まあ、連続殺人鬼と仲良くなれるいーちゃんすげえ、と読者に思わせたかったのではないでしょうか。

翌日、いーちゃんの住んでいる骨董品のようなボロアパートに
巫女子が迎えに来てくれることになっていたのですが、
巫女子は40分も遅刻してきます。

智恵の住んでいる学生専用ワンルームマンションの六階へ移動し、
そこで智恵、むいみ、秋春の3人を紹介してもらいます。
いーちゃんたちは大学1年生なので普通なら智恵は19歳の誕生日のはずなのですが、
智恵は病気で1年遅れているため20歳の誕生日でした。

パーティーが始まって3時間が経過し、全員見事に酔っ払っていました。
途中、いーちゃんはむいみとコンビニへ出かけ、
そのときにむいみから巫女子を傷つけたら許さない、
と釘を刺されるのですが、いーちゃんはその言葉の意味が分かりませんでした。
どう見ても巫女子はいーちゃんが好きなんですけど、いーちゃんは難聴系主人公なので。

午後11時過ぎに、いーちゃん達は智恵に誕生日プレゼントを渡し、解散することにしました。

むいみと秋春が先に帰り、巫女子は酔い潰れて寝ているため、
いーちゃんと智恵は2人きりで会話することになりました。
2人は自分が欠陥品なんじゃないかと思ったことはないか、とシリアスな会話をします。

1時間後に巫女子が目を醒まし、帰ることになります。
いーちゃんは靴を履くのに手間取りましたが、
ふらついている巫女子を連れて智恵の部屋を出ます。

しばらく歩いたところで智恵の携帯電話から巫女子の携帯へ電話がかかってきます。
しかし、様子がおかしく、まともに会話もできないうちに通話が切れてしまいました。

2人がいーちゃんの骨董アパートへ着くと、
いーちゃんは酔い潰れて寝ている巫女子を隣人の浅野みいこの部屋に泊めさせてもらいます。
その際、いーちゃんは巫女子の名前を青井巫女子だと紹介しました。

翌朝、巫女子は自分の名前は青井ではないと怒って帰っていきました。
つまり、巫女子は実はタヌキ寝入りをしていて、
いーちゃんの部屋に泊めてもらおうと思っていたのに、
当てが外れちゃったわけですね。

その日の夕方、いーちゃんの部屋に、京都府警の捜査一課の佐々沙咲(ささ・ささき)と、
斑鳩数一(いかるが・かずひと)がやってきます。
沙咲は美人な女性で、斑鳩はおじさんです。

沙咲は、江本智恵が殺されたことをいーちゃんに告げました。
部屋の中で首を絞められていたのだそうです。
死亡推定時刻は14日午前11時から15日午前3時までの間で、第一発見者は巫女子でした。
ちなみに、むいみと秋春は徹夜でカラオケをしており、アリバイが成立していました。

沙咲と斑鳩が帰っていくと、いーちゃんは玖渚友へ電話しました。
いーちゃんが京都通り魔事件の情報を教える代わりに、
玖渚は江本智恵殺しの情報をいーちゃんに教えるという「補い合い」をします。

その後、いーちゃんはカラオケボックスへ行き、そこで人識と落ち合いました。
カラオケボックスを出た2人は、江本智恵の部屋へ行きます。
当然、智恵の部屋には鍵がかかっていますが、人識は鍵を開けられるナイフを持っていたので、
それで鍵を開けました。
ちなみに、このナイフはこれから先のシリーズでも活躍します。

智恵の部屋へ行ったいーちゃんと人識は、筆記体で



と油性ペンで書かれた文字を発見します。
「まず筆記体でXと書かれていて、その下に斜線。そして筆記体でYと書かれていた」
とあるので、これは縦書きですね。

そして、5月18日、水曜日。
いーちゃんは大学で、むいみと秋春と再会するのですが、いーちゃんはむいみのことは憶えていても、
秋春のことは憶えていませんでした。
相変わらずの記憶力です。

いーちゃんは、智恵が遺したダイイング・メッセージとして、
「X/Y」に心当たりはないかと尋ねますが、むいみはXをYで割るって意味だろと答えました。

その後、いーちゃんはむいみに言われて、大学を休んでいる巫女子の部屋へお見舞いに行きます。
巫女子にも、「X/Y」について知らないかと尋ねますが、知らないと言われます。

いーちゃんがアパートへ帰ると、そこには人類最強・哀川潤がいました。

いーちゃんは人識に関する情報を洗いざらい吐き出させられます。
哀川にも「X/Y」について訊いたのですが、
自分が分かっていることを他人に確認するなと言われました。

そして、玖渚が調べてくれた智恵殺しの情報が書かれた手紙を読むと、
智恵は即死だったため、警察は「X/Y」の文字はダイイング・メッセージではなく、
犯人が記したものだと断定しているようでした。

5月22日。
いーちゃんは巫女子と会い、智恵が殺された事件について話をします。
いーちゃんは、犯人に「お前はお前の存在を許すのか」と詰問したいのだと巫女子に語りました。
いーちゃんは自分自身のことを卑下しまくりますが、巫女子は、
「そんないっくんのことが、大好きです」と告白しました。

その翌日、いーちゃんは巫女子の部屋へ行くのですが、そこで巫女子の死体を発見しました。
巫女子の死体の横にも「X/Y」と書かれていました。
いーちゃんは沙咲に電話し、呼び出します。

いーちゃんは吐き気をこらえながら対応し、沙咲に警察署へ連れていかれました。
警察署のトイレで吐いた後、事情聴取を受けます。

5月25日。
巫女子のマンションには防犯カメラが何台も設置してあったのですが、
犯人らしき人物が映っていない――と、沙咲は電話でいーちゃんに教えました。

その後、大学へ行ったいーちゃんは、秋春と再会します。
いーちゃんはまたしても秋春のことを忘れていたのですが、何とか思い出します。
いーちゃんは、巫女子の形見として、
巫女子が生前に使っていたベスパというスクーターを譲り受けます。
秋春は「次に殺されるのは、多分俺だなー」と言って去っていきました。

その夜11時半に、「ミココ」と名乗る人物から、
鴨川公園で待っていますと、不審な電話がかかってきます。
普通の人ならそんな怪しい電話の言う通りにはしないのですが、
いーちゃんは普通ではないのでのこのこと出かけていきます。

そして、いーちゃんは通り魔に襲われました。
相手が麻酔スプレーを使い、いーちゃんは眠ってしまいそうになりますが、
右手の親指を折り、その痛みで目を醒まさせました。

しかし、その後もいーちゃんは相手に何度も殴られ、肩の関節を外されてしまいます。
と、そこへ人識が現れ、いーちゃんを救ってくれました。

いーちゃんは人識に骨董アパートまで運ばれ、丸一日以上看病されます。
目を醒ますと、電話がかかってきたので電話に出ます。
すると、沙咲は、秋春が殺されたことを告げました。
今回の現場にも「X/Y」の文字は残されていたのですが、
今回は犯人ではなく秋春が自分で書いたような形跡がありました。

それを聞いたいーちゃんは人識に、犯人は「むいみだと言い、むいみの部屋へ行きました。
既にむいみは発狂寸前という感じでしたが、いーちゃんが自分で自分の手の指を全部折ると、
『あたしを殺して』とむいみは言いました。

が、いーちゃんは『勝手に死ね』と言い残し、むいみの部屋を出ました。

その後、いーちゃんは人識に、事件の解説をします。
まず、智恵を殺した犯人は巫女子でした。
智恵の部屋を出る際、いーちゃんが靴を履くのにもたついている間に、
巫女子は智恵の首を絞めて殺したのでした。

マンションを出てからかかってきた電話は、智恵がかけたものではなく、
巫女子が智恵の携帯電話を使い、自分の携帯電話にかけたものでした。
智恵の携帯電話は、第一発見者として翌日智恵の部屋を訪れたときに返しました。

その後、いーちゃんに追い詰められた巫女子は、自分で自分の首を絞めて自殺します。
ちなみにノベルス版では巫女子が自分の首を絞めている絵が表紙になっており、
表紙でネタバレされていますwww

クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)


自殺に使った凶器と、巫女子が遺した遺書は、いーちゃんが自分の胃の中に隠していました。
さすがに気持ち悪くなり、警察署のトイレで吐いてしまいましたが。

秋春を殺したのは、今度こそむいみでした。
むいみは巫女子が犯人であることに気付き、巫女子の名誉を守るために、秋春を殺したのでした。
秋春の事件に限って『X/Y』を犯人ではなく被害者が書いた形跡があったのは、
むいみはいーちゃんに騙されてそれがダイイング・メッセージだと思い込んでいたからなのでした。


人識を別れたいーちゃんは、玖渚の部屋へ行くと、
そこには人類最強の請負人・哀川潤がいました。
哀川は玖渚に席を外させ、いーちゃんと2人きりで話します。

哀川は人識と、人識がもう人を殺さない代わりに哀川はもう人識を追わない、
という取引をしていました。

その後、哀川は事件について補足説明をします。

巫女子は、「いーちゃんと智恵が仲良しになっていることに嫉妬して智恵を殺したのですが、
実は凶器は誕生日会に行く前に用意していました。
つまり、巫女子はいーちゃんと智恵に似た雰囲気を感じ取っており、
2人が仲良くなってしまったら殺そうと、誕生日会の前に決断していたのでした。

いーちゃんは巫女子が犯人であることに気付いていて、巫女子のアリバイを証明するために、
沙咲に、智恵のマンションを出たところでかかってきた電話の相手は智恵に間違いないと、
嘘の証言をしていました。

その後、巫女子が犯人であることに気付いていながら、巫女子を追い詰めるために、
犯人のことを許せないと糾弾していました。

巫女子の遺書には『助けて欲しかった』と書かれていたのだそうです。


哀川が帰った後、天井裏で盗み聞きをしていた玖渚が現れます。
両手を怪我しているいーちゃんは、天井から落ちてきた玖渚を腹で受け止めます。

玖渚に『X/Y』について尋ねたところ、玖渚は、
『鏡に映すんだよね。でもって回転処理』と簡単そうに言いました。

……この部分はちょっと納得がいかないんですけどね。
いえ、玖渚の推理ではなく、玖渚が『X/Y』について尋ねられたときに
『何それ? 式?』と首をひねったことが、です。

いーちゃんは玖渚に、智恵殺しの事件について調べてもらっており、
その調査結果には『X/Y』も書かれていましたし、
サヴァン症候群である玖渚が忘れるはずがないのですが……。

まあいいです(いいのかよ)。

いーちゃんが玖渚に『好きだよ』と言い、玖渚が『僕様ちゃんも好きだよ』と答えます。

そして最後に、いーちゃんが巫女子に送りたかった言葉は『甘えるな』だったと考えるところで、
物語は終わります。

というあらすじなのですが、「いーちゃんが色々とヤバい話でしたね。
クビキリサイクルでは周囲が変人奇人揃いだったこともあり、
比較的まともに見えていたいーちゃんでしたが、
今回は積極的に事件に加担していますからね。

しかも、連続殺人鬼である人識は見逃すのに、
1人ずつしか殺していない巫女子とむいみは徹底的に糾弾するという
ダブル・スタンダードぶりを発揮しています。


また、結局、「X/Y」がどういう意味なのかは明確には明かされないまま終わってしまいます。

しかし、一応、最後の玖渚からのヒント参考にして実際に書くと分かります。
玖渚からのヒントを参考にして書いたものが下の画像の①~③です。

一応サムネイル表示にしてありますが、
ネタバレに注意してクリックしてください。
 ↓

X/Y

そう見えるように最初の「X/Y」書いたというのもありますが、
③は4/20と読めるのが分かるでしょうか。

4月20日は、巫女子の誕生日です。
つまり巫女子は、自分の誕生日をむいみの死体の横に書き残していたのでした。

さらに、巫女子の名前にも秘密があります。

さきほどの画像の④~⑥を見てください。
『お』の点の有る無しに目を瞑ると、
⑥の、赤で囲った『おいい』の部分が『ここみ』、
青で囲った『みここ』の部分が『いいお』に見えると思います。
右から読めば『みここおいい』になります。

これもあり、巫女子は『X/Y』に自分の署名のような、特別な意味を込めていたのでしょうね。


この話は3巻の「クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」に続きます。                  スポンサードリンク

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