東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇蹟」第一章「回答は牛乳箱に」のネタバレ解説

ナミヤ雑貨店の奇蹟


この「ナミヤ雑貨店」は全5章の連作短編形式で書かれています。

第1章の主人公は、敦也、翔太、幸平の3人なのですが、
この3人は喋り方も性格も行動パターンも似ていて、
はっきり言って区別が付きません。

一応、敦也はリーダー的な存在の皮肉屋で、怒りっぽく単独行動を取ることもあり、
翔太は小柄で少年っぽさが残る顔立ちで、
幸平は大柄で気が弱く謝ってばかりいる、
という細かい差異はあるのですが、やっぱりキャラが弱く区別がつきません。
特に翔太と幸平はイメージがごっちゃになります。

まあ、3人で1セットだと割り切って読んだ方がいい感じですね。

3人はどこかの家へコソ泥に入り、逃亡するのですが、
盗んだ車が途中で動かなくなってしまいます。

翔太がナミヤ雑貨店という廃屋を思い出し、3人はそこで朝を待ち、
通勤の人たちに紛れて家に帰ることにします。

ナミヤ雑貨店の中を調べていると突然、シャッターの郵便口に封筒が投入されます。
差出人は「月のウサギ」と名乗っていました。
念のために言っておくと、セーラームーンの月野うさぎは関係ありませんw

封筒の中の手紙には、悩み相談が書かれていました。
「月のウサギ」というハンドルネームの女性は、オリンピックを目指しているのですが、
婚約者の男性が病気で死にかけていました。
婚約者は月のウサギにオリンピックに出て欲しがっているのですが、
月のウサギは残された時間を婚約者の傍で過ごしたいとも考えていました。
どうすればいいのか教えて欲しい、というのが相談内容でした。

敦也がナミヤ雑貨店の中にあった古い週刊誌を開くと、
そこにはナミヤ雑貨店の店主、波矢雄次が悩み相談を受け付けており、
真剣な相談事はシャッターのポストに入れてもらい、
返事は店の裏の牛乳箱に入れておくというシステムをとっていた――という記事が載っていました。

しかしそれは何十年も前の話なので、不審に思いつつも、
幸平は、月のウサギの練習場所へ婚約者も連れて行けばいいのではないか、
という内容の返事を書きました。

書いた手紙を店の裏の牛乳箱に入れたところで、指紋の問題に気付き、
取り戻そうとするのですがなぜか手紙は消えていました。

その代わりに、シャッターに月のウサギからの返事が届きます。
月のウサギは婚約者の入院場所から遠いところで強化合宿をしており、
婚約者を連れて行くのは難しいという内容でした。

幸平が、テレビ電話のできるケータイで連絡を取ればどうかと答えると、
月のウサギはケータイを知りませんでした。

返事が届くのが早過ぎる上に、この家の中は時間の流れが外と違っており、
家の中にいても殆ど時間が過ぎないことが判明します。

翔太は、シャッターの郵便受けと牛乳箱は過去と繋がっており、
過去の誰かが郵便受けに手紙を出すと現代の3人のところへ届き、
3人が返事を出すと過去の牛乳箱に届くのではないか、と仮説を立てました。

翔太は、月のウサギがどの時代の人間なのかを調べるために、
月のウサギにとっての最近のヒット曲や映画について尋ねます。
すると月のウサギは「今年」になってから「スーパーマン」「ロッキー2」「エイリアン」
を見ていたと答えました。

ケータイでその公開年を調べたところ、1979年でした。
そしてここで、月のウサギが出場を目指しているであろう1980年のモスクワオリンピックは、
日本は出場をボイコットしていた――という衝撃の事実を翔太は口にします。

つまり、月のウサギがどれだけ頑張ったところでオリンピックには出場できないのです。

そこで翔太は、愛しているなら最後までそばにいるべきだとアドバイスを送ります。
が、月のウサギはそのアドバイスを受け入れませんでした。

翔太は、オリンピックなんて単なる大きな運動会だ、忘れなさいと告げます。
しかし、やっぱり月のウサギは婚約者を失望させたくないからと、
練習をやめようとはしませんでした。
妊娠したから練習はできないと彼氏に嘘をつけと翔太がアドバイスをしても、
月のウサギ妊娠の時期が合わないから無理だと言い、さらにはもう返事は結構だと言います。

……デモデモダッテで、うぜええええええええ、という感じですね。
3人は3人なりに真剣にアドバイスをしていたのに、全否定ですからね。

敦也は苛々し、バカだ、ムダだ、好きにしろという内容の返事を書きます。

そして「月のウサギからの最後の手紙が届きます。

結局、月のウサギは練習を続けましたが、代表には選ばれず、
おまけに日本はオリンピックをボイコットしてしまいました。
しかし婚約者の死に目には会えることができました。
結局月のウサギの努力は無駄になったのですが、少しも後悔しておらず、
金メダルよりも価値のあるものを手に入れたと感謝していました。

月のウサギは3人のアドバイスを自分の都合の良いように解釈してただけなのですが、
それでも感謝されたことに3人は喜びを覚えました。


そして、月のウサギとは別の人間から手紙が来たところで1章は終わります。

(ナミヤ雑貨店の奇蹟 1章 2章 3章 4章 5章                  スポンサードリンク

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