時雨沢恵一「キノの旅」17巻8話「恋愛禁止の国」のネタバレ解説

キノとエルメスは、最近までは鎖国していた国へやってきました。

入国2日目、国内のほとんどを見終わってしまったキノは、
芝生の端の木陰で昼寝をすることにしました。

そして小一時間ほど経って目を覚ますと、
12歳くらいの女の子がキノを見下ろしていました。
しばらくして両親が女の子を迎えに来ます。

女の子は両親に
「あの人かっこいい。ずっと見ていても飽きなかった。ドキドキした」
と言い、キノを見て、
「ねえ――、私――、あなたが――、特別――」
と言いました。

その直後、女の子は両親に何かの液体を染み込ませたハンカチを口に押し当てられ、
気を失い、両親に連れ去られました。

翌日、「責任者」の男がキノとエルメスの滞在しているホテルを訪れました。
そして、この国では恋愛が禁止されていることを説明します。

人間の恋愛はたった4年しかもたない、
恋愛時には脳内麻.薬が分泌されるがそれが人間の理性を狂わせる、という学説に基づき、
恋愛は現代の人間社会の実情に合っていないので恋愛禁止令を出したのでした。

ただし、禁止するだけでは効果がないので、
恋愛時に発生する脳内麻.薬に打ち勝つ薬を定期的に投与することにより、
脳内麻.薬を抑えることになりました。

この国では配偶者は国が決めることになっているので、
恋愛感情が発生しなくても問題ないのでした。

キノは、恋愛感情を抑える薬と、
その製造方法が書かれた冊子の入った木箱を受け取り、出国しました。
出国時には例の昨日の女の子がやってきて、
もうなんとも思ってないと無表情に言いました。

そして最後に、
『ねえキノ、結局燃料と携帯食料以外何も買わなかったけど――、どうするの?
鞄に入れた木箱、誰かに、売る?』
とエルメスが尋ねたのですが、キノがそれに答える前に物語は終わってしまいます。

あえて答えを明示せずに、読者にキノの答えを考えさせるという手法ですね。
これまでの16巻分の積み重ねがあるからできることです。

……なので、こんなブログで解答を推測しちゃうのは
野暮だっていうのは百も承知なんですけど、推測しちゃいます。

まず、キノが自分でその薬を飲むという可能性はないと思います。
『大人の国』では自分の脳をいじられるのを拒否して、
その結果初恋の相手(?)を死なせてしまい、
逃亡生活を送ることになったキノですからね。
薬とはいえ、今さら精神に影響を与えるものは飲みたがらないでしょう。

次に、薬を廃棄するという可能性ですが、これも可能性は少ないと思います。
捨てるくらいなら旅の邪魔になるので最初から受け取らないでしょうし、
恋愛禁止の国では、自分たちの素晴らしい価値観を他国に広めたくて、
キノに木箱を渡したのですから、また別の旅人が来たら木箱を渡すでしょうし。

そうなると……やっぱり、キノは木箱を他国に売るのかなあ、と思います。

この薬、結構需要は高い気がするんですよね。
例えば、王様を操り人形にしたい側近とか、子どもを政略結婚させたい親とか、
性犯罪者へ定期的に投与することで安全を確保したい国とか……。
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