西尾維新「なでこミラー」のネタバレ解説

2013年9月21日の読売新聞に掲載された掌編、「なでこミラー」のネタバレ解説です。

今回の主題となる本は、ロバート・ルイス・スティーブンスンの
「ジキル博士とハイド氏」です。
やっぱりこのシリーズの主題は海外古典名作小説で統一するみたいですね。

時系列としては、「偽物語 上」以降、囮物語以前です。

珍しく漫画ではない本、「ジキル博士とハイド氏」を読んだ千石撫子は、
それを自慢するべく月火ちゃんに電話します。

が、月火ちゃんは小学生のときに「ジキル博士」を既読であり、
しかも原題を流暢な発音で言い、撫子のHPを削ってきますw

撫子は、ジキル博士とハイド氏のことを「鏡映しみたいで対照的」と評しており、
これがタイトルの「なでこミラー」の由来となっています。

一方、月火ちゃんはジキル博士とハイド氏のことを「正反対の性格の2人が
一緒にいることで2人とも駄目になっていく破滅的な関係」と評していました。

月火ちゃんは、もしも撫子とは性格が正反対な「逆撫子(さかなでこ)」
が現れたらどうするかと尋ねます。

きっと、西尾さんは逆撫子というフレーズを先に思いつき、
逆算してこの話を書いたのではないか、と、しまうましたは推理してみますw

撫子は逆撫子のことを「明るくて、快活で、社交的で、本をたくさん読み、
人の目をまっすぐに見られる真面目な子」というふうに想像します。

……しまうましたは、その単語のイメージから羽川さんを連想してしまいました。
そう考えると、「つばさキャット」で撫子と羽川さんが初めて出会ったとき、
撫子が走って逃げ出したのは象徴的ですね。

撫子は月火ちゃんの質問に、きっと撫子は逆撫子に怒られるだろうけど、
そんなものは「撫子が怒られたら済むことだよ」と言ったのでした。

というあらすじなのですが、この話で重要なのは、撫子が自分のことを
「暗くて、陰鬱で、非社交的で、本が嫌いで、人の目をまっすぐに見られない不真面目な子」
と認識していることなんですよね。

この「なでこミラー」という作品は、
二重人格を題材とした『ジキル博士とハイド氏』が主題であるにもかかわらず、
囮物語の撫子は決して撫子の別人格などではなく、それまでの撫子と地続きの人格である、
ということを暗喩している話だったのではないか、と、しまうましたは思いました。


ちなみに、鬼物語篇、「しのぶサイエンス」は10月26日に掲載されました。                  スポンサードリンク

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