星新一「たねの効用」のネタバレ解説

主人公の少年はある日、
50歳くらいの男にお寺の場所を訊かれ、
道案内をしてあげます。

そのお礼にと、男は主人公に植物のたねを渡します。
その葉っぱをお茶のようにお湯に入れて飲むといい、と言って。

さっそく主人公はそのたねを庭に埋め、
育った植物の葉っぱをお茶のようにお湯に入れます。
しかし、この頃の主人公はまだ賢かったので、
いきなり飲んだりせずに近所の犬や豚や鶏に飲ませ、
様子を見てから飲みました。
すると、幸福な気分が続き、焦らない性格になり、
成績はどんどん下がっていきました。

やがて、その植物の根っこに純金ができることに
気付いた主人公は進学するのをやめ、
その植物の栽培を仕事にすることにしました。

その植物のお茶を飲み、幸福な気分で遊びほうける
毎日が続き、やがて中年になった主人公は
手相を見てもらいます。
また、ほかの有名な占星術師にも見てもらったところ、
主人公は何をやっても超一流の成功をおさめる、
すばらしい人物になっていたはず――と言われます。

しかし今は殆ど何もせずのんきな生活を送っています。
主人公が本来すばらしい人物になるのを妨げていたのは、
あの植物のせいだろう、と主人公も気付きます。

さて、主人公にたねを渡した男の正体や目的は不明ですが、
その目的には2通りの解釈があります。

1つめは、男に悪意があったというものです。
外国のスパイや未来人の陰謀だったのかもしれません。

2つめは、男は善意から主人公にたねを渡したというものです。
あのお寺の墓地に眠る先祖が、主人公が幸福で平穏な毎日を
送れるようにしてくれたのではないか、という可能性です。

主人公は都合よく考え、2つめの解釈を選びますが、
それは例の植物がそう考えるように仕向けているだけでしょうから、
それが本当かどうかは分かりません。

結局、読者がどちらの解釈を選ぶかは自由なのです。

ところで、たねに関係したことわざには
『たねを蒔く』や『芽を摘む』というものがありますが、
男が善意からたねをあげたのだと考える場合は『たねを蒔く』、
男が悪意からたねをあげたのだと考える場合は『芽を摘む』
のが目的だったのでしょう。
と、お茶を濁してみるしまうましたでした。
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