森絵都「異国のおじさんを伴う」第5話「竜宮」のネタバレ解説

主人公の中塚という女性は、高齢者に纏わる話を連載中のフリーライターです。

多くのフリーライターはテープ起こしなどせずに、
メモと記憶を頼りに記事を書いているのですが、
中塚は頑なにテープ起こしをしていました。

ちなみにテープ起こしというのは、録音した会話を、文章にすることです。
テープ起こしはとても面倒な作業であり、
文章にするには実際の録音時間の数倍かかるのが普通です。

中塚が効率の悪いテープ起こしをしているのには理由がありました。

話は数年前に遡ります。
当時25歳だった中塚は、
長崎さんというおばあさんと噛みつき亀に纏わる記事を書きました。

長崎さんは隣の家に住む9歳の少年、亮くんに頼まれて噛みつき亀を飼い始めました。
放課後になると子供たちが集まってきて賑やかになっていたのですが、
やがて亀はもらわれていきました。

という、ほのぼのとした感じの記事を中塚は書いたのですが、
記事が載った数日後に長崎さんから電話がかかってきました。
長崎さんは何か言いたそうにしていたのですが、
そのとき中塚は忙しかったため、ろくに話も聞かずに電話を終わらせてしまいます。

それから1年後、中塚は、
長崎さんが例の記事の載った半年後に亡くなっていたことを知りました。
心筋梗塞で孤独死していたのです。

亮くんも引っ越していました。

亮くんはいじめられていたのですが、亀を見るために長崎さんの家に集まっていたときだけは
他の子とも上手くやっていたのだそうです。
しかし、一部のお母さん達の間で、
亀に子どもたちが指を噛みちぎられたらどうするのだという抗議があり、
長崎さんは亀を手放してしまったのです。

長崎さんは、本当は亀がいる間、子どもたちが集まってくれるのが嬉しく、
亀に竜宮城へ連れて行ってもらったかのように楽しく、亮くんも亀が大好きだったのに、
一部のお母さんの抗議のせいで長崎さんは亀を手放さざるを得ませんでした。

長崎さんはそういう事情を話していたのに、そのとき中塚は意識が飛んでいたため聞いておらず、
亮くんの心配をしている長崎さんの台詞も、亀の心配をしているのだと勘違いしていました。


というあらすじなのですが、これはちょっと分かりにくい話ですね。

もっと簡単に説明すると、「長崎さんは
『亀がいた間とても楽しかった→亀がいなくなって寂しい、亮くんが心配だ』
という話をしていたのに、中塚は
『亀がいた間困っていた→亀のもらい手が見つかって一安心した』
という、真逆の内容の記事を書いてしまったのです。


中塚はそれを悔やんでいたから、今でも効率の悪いテープ起こしをして、
内容に間違いがないか確認していたのでした。

マスコミ関係者もこれくらい慎重に記事をかいてくれればいんですけど、実際には彼らは、
言ってないことを捏造するのが自分達の仕事だと思っているくらいですからね……。
従軍慰安婦問題が朝日新聞の捏造だというのは有名ですが、
毎日新聞とかも海外で変態報道してますからね。
毎日の変態報道について知らない人は「毎日新聞 変態」でググってみてください。                  スポンサードリンク

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