時雨沢恵一「キノの旅」4巻11話「塔の国」のネタバレ解説

キノとエルメスは、とても高い塔がある国に行きました。

230年かけて建てられ続けていたその塔は、
入国3日目の朝に崩壊しました。

すると、その国の人達は「大喜びしました。
彼らにとって塔が崩れるのはおめでたいことなのです。
今度は300年は崩れない塔を作ろうと住人達は盛り上がっていました。
ここまで来ると一種の宗教ですね。

キノが出国しようとしたとき、1人の男が自分を連れて行ってくれと頼みました。
塔を建てるだけの人生は嫌だと。

そこでキノが、レンガに彫刻する名人になってはどうかと提案すると、
男は楽しそうに住人達のそのことを提案し、住人達は大歓迎したのでした。


というあらすじなのですが、シュールですね……。
いつか崩れる塔を作り続けるという無意味なことを繰り返しているあたりが、
前話の「橋の国」と対照的です。

レンガ職人になった男ですら、結局は同じ穴のムジナです。
自分の国の伝統に逆らって国を出ようとする、
というのはキノの生い立ちと似ているところもあるのですが、
レンガ職人になった男の場合は、他の人たちに認められさえすればそれでよかったんでしょうね。

でも、意外とこういう話って現実世界にも転がっているような気もします。

最近だと、今月の20日に中国が超高層ビル「天空都市」の着工にとりかかりました。
その高さは838メートルで、
2013年現在世界一高いドバイの「ブルジュ・ハリファ」を10メートル上回り、
完成すれば世界一高いビルとなります(完成すれば、ね)。
それをわずか10ヶ月で建てようというのですから、中国は凄いです(色んな意味で)。

ちなみに、「ブルジュ・ハリファ」は着工から開業までに10年かかってます。
つまり、「天空都市」は「ブルジュ・ハリファ」の工期の12分の1です。

こういうのって、明らかに「世界一高い塔を作った!」と自慢したいがために
作り続けているようなものですよね。
根本的な部分は「塔の国」の住人たちと何も変わらない気がします。

……ところで、もうお気づきかもしれませんが、
5ヶ月以上放置していたキノの旅シリーズのネタバレ解説を再開したのは、
「天空都市」の着工のニュースを見たからですwww

(7月25日追記)
……上記の「天空都市」ですが、安全性に関する審議や手続きが完了していないため、
工事着工するのは違法だとして、当局が工事中止命令を出した、
というニュースが今日報じられてました。
意外な結果ですね。
中国人でも安全性とか気にするんだ、という感じで。

まあ、日本も耐震偽装の姉歯物件とかあるので、他国のことは言えないんですけど。

でも、別の場所で作っておいた箱を組み立てていく方式なので、
既に箱は作っちゃってるんだろうし、人員も確保してるんだろうし、
工事できなかったら大損害でしょうね。
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