時雨沢恵一「キノの旅」4巻10話「橋の国」のネタバレ解説

キノの旅〈4〉the Beautiful World (電撃文庫)


旅人とモトラド――っていうかキノとエルメスは、
海を渡る巨大な橋を通って隣の大陸へ行くことにしました。

橋の上で野宿し、翌日再び走り出した後、
エルメスは橋の欄干に文字が書いてあるのを発見しました。

それは、以前この橋を作った人達の書いた文章でした。

昔々、橋を作るためにある国から派遣されてきた罪人たちがいましたが、
彼らはそれを隠蔽して新しい国を作りました。
長い年月が過ぎ誰もそれを知らなくなった頃、
海の底からでてきた書類を読み、
罪人たちの子孫は自分たちが何者なのかを知りました。

彼らは計画書通りに橋を作ることにしましたが、
橋の材料となる石を使って家や城壁を作っていたせいで、
やがて石が足りなくなりました。
家や城壁を解体して、その石で橋を作り続けますが、
橋の中央に作っていた彼らの家を取り壊したとき、
その場所が長い窪みになってしまっていることに気付きました。

そこで彼らは、「仲間を殺してその骨で窪みを埋めたのでした……。

その文章を読んだキノは、もう1日橋の上に滞在し、
例の1つの国にはちょうど3日間滞在するというルールを守ることにしました。

そして、空の上から橋を見ると、
『私達は、成し遂げたのだ』という文章が書いてあったのでした。

というあらすじなのですが、
いやいやいやいや、ちょっと待てと言いたくなる話ですね。
彼らの国があった場所は砂漠なので、
新しく石を手に入れることはできないという伏線は張ってありましたが、
別の場所から石を運んでくるとか、何か方法はあったと思うんですよね。

結局骨で窪みを埋めるなら、動物や魚を狩ってその骨で窪みを埋めてもいいのですし。

だから、しまうましたが思うに、彼らは心中したかったのではないでしょうか。
罪人たちの子孫であるという事実に耐えきれなくなったのかもしれないし、
どうせもう家も国もなくなってしまったのだからと自棄になっていたのかもしれませんし、
自分たちの存在そのものを橋と同化させたかったのかもしれません。

ただ、何にせよ、彼らにとっては自分たちが生きることよりも
美しく巨大な橋を完成させることの方がずっと重要だったのです。
価値観の相違と言ってしまえばそれまでですが、何だか悲しくなる話です……。
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