加納朋子「レインレイン・ボウ」第1話「サマー・オレンジ・ピール」のネタバレ解説

レインレイン・ボウ (集英社文庫)


加納朋子さんは連作短編を得意としている作家さんですが、
この「レインレイン・ボウ」もその連作短編集の中の1つです。

各編の主人公は毎回違っていますが、
全員同じ高校のソフトボール部に所属していたという過去を持つ、
25歳くらいの女性が主人公となっています。

この第1話「サマー・オレンジ・ピール」の主人公、渡辺美久は子どものいる専業主婦です。
お隣の家の美少年が家の前を通り過ぎるときに、
いつも自分に微笑みかけていくのが気になっていること以外は、平凡な主婦です。

ある日、美久のところへ、ソフトボール部のキャプテンだった片桐陶子から電話がかかってきました。
同じくソフトボール部だった牧智寿子、通称チーズが死んだという知らせでした。
智寿子は心臓が弱いにも関わらず激務に追われており、それが原因で死んだようでした。

美久は智寿子の葬儀に出席し、そこでかつてのソフトボール部の仲間たちと再会します。
しかし、一番智寿子と仲の良かったはずの長瀬里穂だけが来ていませんでした。

数日後、陶子が夏みかんのオレンジ・ピールを持って美久の家へやってきます。
そこで美久は陶子へ、「実は夫の文也が本当に好きだったのは智寿子だった、と打ち明けます。

高校時代、文也は、
智寿子がソフトボールの練習で失敗する度にオーバーリアクションをしていたことがきっかけで、
彼女に注目するようになりました。
それに気付いた美久は智寿子と同じ髪型にし、ポジションを変わってもらうことで、
文也に声をかけてもらったのでした。
文也は遠くから練習を見ていたので、顔までは分からなかったのですね。

美久はそのことがずっと気になっていたのですが、
お隣の家の美少年が微笑みかけていたのは美久ではなく、
窓ガラスに映る自分自身の顔だった――という陶子の推理を聞いて、吹っ切れました。


というあらすじなのですが、真相を分かってから読み返すと、
夫の文也との会話に冷んやりとしたものを感じてしまいますね。
その冷たい感じが「夏みかん」という暖かいイメージのものに上書きされる、
そんな印象の話だったと思います。

(レインレイン・ボウ 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話                  スポンサードリンク

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