時雨沢恵一「キノの旅」4巻8話「認めている国」のネタバレ解説

ある国に到着する前に、防寒着などについて、
「いらないものをすっぱり捨てられるのも、人間の才能だよ」
とエルメスが言いました。
これが今回のテーマとなっています。

入国したキノは、50代歳くらいの、ホテルのオーナーの男から、
明日は投票祭だと教えられます。
投票祭というのは、1年に1回、
国民に「自分にとって必要な人」を投票してもらい、
「誰からも選ばれなかった人」を国が殺す、という行事のことです。

ただし、実際には150年前の初回から1度も、
「誰からも選ばれなかった人」は現れておらず、
そのことを祝うから投票「祭」と呼ばれているのだそうです。

ホテルのオーナーは息子から大声を出さないでほしいと注意されますが、
逆ギレします。
翌日、キノが防寒着を売るときにも、オーナーは店屋に無理を言いました。
その後も、オーナーは酔って騒いでいました。

そんなことがあった翌日、入国3日目の朝、
キノは「オーナーが死んだことを教えられます。

出国してすぐに、キノはお墓の前にいた医者に話しかけられました。
その医者が、オーナーを殺したのだそうです。

オーナーは、投票で誰からも名前を書かれなかった『アノニマ』だったため、
急性アルコール中毒で病院に運ばれてきたオーナーに薬物を点滴し、
殺したのだそうです。

ちなみに、この『アノニマ』という言葉は、
『作者不詳の。匿名の。無名の』という意味のアノニマス(anonymous)から
きているのではないかと思います。

実は初回のときからアノニマは結構いたのですが、
おおっぴらに国が国民を殺すと、恐怖統治だと思われまずいということで、
国営の医者がアノニマを隠密に処分することになったのだそうです。

それに、本当にアノニマが処分されるということになったら、
アノニマになりそうな人同士がお互いの名前を書くようにしたりとか、
色々と抜け道ができてしまいそうですしね。

こうやって真相が明らかになると、
タイトルの『認めている国』が『何を』認めているのか、
意味深に思えてきますね。

また、最後に、もう暖かくなったからとキノが売ってしまった手袋を、
薪拾いなどの作業用に使う予定だったのではないか、
とエルメスが指摘するのが考えさせられますね。
『要らない』と判断したのは早まったのではないか、とか……。


というあらすじなのですが、この『認めている国』は怖い話ですね。
しまうましたは、大量殺人者など、死んだ方がいい人間は存在する、
という価値観の持ち主なのですが、
アノニマになった程度で死刑にされたら堪ったもんじゃない、と思います。

だって、天涯孤独で友達がいない、
というだけでもアノニマになっちゃいそうじゃないですか……。
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