西尾維新「恋物語 第恋話 ひたぎエンド」のネタバレ解説

恋物語 (講談社BOX)


「恋物語」は冒頭から「囮物語」のネタバレ満載ですからご注意ください。

さて。
この恋物語の語り部は、戦場ヶ原ひたぎではなく、貝木泥舟です。
鬼物語では、忍が
「ちなみにラスト一冊の語り部はあのツンデレ娘になるらしいがの」
と言っていたんですけどね……。

貝木はツンデレ娘だったんですね、分かります。

まあ、今さら西尾さんの予告詐欺にツッコミを入れるのも野暮なので、
何事もなかったかのように話を進めます。

1月1日。
貝木は戦場ヶ原さんからの電話を受け、いま沖縄にいる、と嘘をつきました。

すると戦場ヶ原さんは、今すぐ沖縄へ行くと言います。行動早過ぎです。

そこで仕方なく、貝木も沖縄へ行くことになりました。
ただし、貝木は300万円を先払いすることで1年間、
300回まで自由に国内線に乗れるという「プレミアムパス300」を
所持していたので、それを使って沖縄へ向かいます。

ちなみにこの「プレミアム300」は実在していたものなのですが、
この本の発売の翌年、2012年度から発売中止になってしまったそうです。

さらに言うと、本編最初の1ページ目には、
ニュートリノという物質が光速よりもほんの少しだけ速いという
『事実』が公表され、
アインシュタインの相対性理論によって保証されていた
『質量を持つ物質は光速を超えることがない』という『真実』が
崩れ去ったとか何とか、そんな文章が書いてあります。

ところが、この本が発売されてから約半年後に、
そのニュートリノの実験が、ケーブル接続部に隙間があったことが原因の、
測定ミスだったことが明らかになり、
「ニュートリノは光より速い」という報道を撤回することになりました。

……この本、呪われているんじゃないでしょうか。
もしも何年後かに文庫化するときが来たら
「呪物語」に改題されてるかもしれませんね(←ねーよ)。

さて、話を戻しますが、沖縄に着いた貝木は、
戦場ヶ原さんがパーティーなどで使う、
髭のついた鼻眼鏡をかけているのを見て「負けた」と思い、
自分もアロハシャツに着替えました。

戦場ヶ原さんは、卒業式の日に
自分と阿良々木くんと忍が撫子に殺されるという話をし、
それまでに撫子を騙してほしいと貝木に依頼します。

オレンジジュースやコーヒーをお互いにかけ合いつつ、駆け引きをし、
貝木はたったの10万円で依頼を受けることにしました。

翌日の1月2日。
貝木は千石家を訪れ、撫子の両親を騙して撫子の部屋に入り、
偽物語 上」で伏線が張られていた「開かずのクローゼット」の
存在を知ります。

さらにその後、北白蛇神社へ行き、1万円もの賽銭を賽銭箱に入れました。
すると、髪の毛が蛇になった撫子が「撫子だよ!」と言いながら現れました。

この「撫子だよ!」という台詞には独特のリズムがあるらしいですが、
これはおそらくアニメの副音声に登場したDJ撫子の決め台詞なのでしょう
(……と思ったのに、アニメでは普通の言い方になっちゃってましたね)。

神様になっても、まだ意外と人間の言葉が通じていた撫子でしたが、
会話はいまいち通じていませんでした。
暦お兄ちゃんをぶっ殺す、というのも撫子の中では既に確定事項でした。

貝木は再び来る約束をして、撫子に綾取りを渡します。
何で綾取りやねん、と思いますが、午前中の買い物の最中に、
何かの荷物を縛っていた紐を使ってなんとなく作っただけだそうです。

夜になり、貝木は戦場ヶ原さんを呼び出し、
ミスタードーナツで今日の出来事の報告をします。
そして、撫子を騙すのは簡単だと言いました。

すると戦場ヶ原さんは気が緩んだのか、お手洗いへ行き、泣いていました。

翌日、1月3日。
貝木は撫子に教えるために「あやとり全集」を購入し、
スターバックスでその本を読んでいたところ、斧乃木余接が現れました。

余接によると、臥煙としては忍を北白蛇神社の神様にするつもりだったのですが、
何者か(おそらく忍野扇)の介入があったせいで、
撫子が神様になってしまったのだそうです。
しかし、これはこれで「安定」しており、
下手に貝木が手を出すと撫子が暴走し、町が滅びかねません。

余接は貝木に、貝木の先輩である臥煙伊豆湖からの「手を引け」という言葉を伝えます。
この件から手を引けば300万円をもらえ、
手を引かなければ先輩後輩の縁を切られるのだそうです。

その話を聞いた貝木は、手を引こうと言って300万円を受け取りつつ、
手を引きませんでした。

北白蛇神社へ行くと、予想通り撫子は綾取りをして遊んでいましたが、
昨日貝木があげた紐ではなく、自分の蛇の髪の毛で作った、
小さなウロボロスを使っていました。

その後、尾行されているのに気付いた貝木は、タクシーに乗り、
一旦駅まで行った後、撫子の家へ行きました。
嘘をついて撫子の両親を呼び出し、無人となった家の中に侵入します。

そして、いよいよ問題のクローゼットの中を覗くのですが、
この時点ではまだ読者にはクローゼットの中身は明かされません。

ホテルに戻った貝木は、
部屋の中に「手を引け」と書かれた手紙があるのを発見します。
戦場ヶ原さんに電話したところ、
ドアの下の隙間から入れたのではないかと指摘され、
貝木はようやくその可能性に気付きました。

さらに翌日、1月4日。
北白蛇神社へ日本酒を持っていき、撫子に飲ませた帰り、
貝木は髪が白黒入り混じった羽川さんと出会いました。
羽川さん、何気に久しぶりの登場です。
羽川さんは撫子が神様になった経緯について話しました。

その数日後、貝木は学習塾炎上跡で花物語に登場する
沼地蠟花と再会しましたが、その詳細は語られていません。

ちなみに、この1月中に阿良々木くんが何をやっていたのかは、
こよみシード」で少し語られています。

1月が終わり、2月になります。
貝木はいよいよ、撫子を騙すということを戦場ヶ原さんに電話します。
その後、電車の中で、余接と出会いました。

余接の話によると、貝木は戦場ヶ原さんのお母さんが嵌まっていた
宗教団体を潰したのだそうです。
さらに、戦場ヶ原家を崩壊させたのも、
お母さんから引き離さないと戦場ヶ原さんに未来がないと
判断したからなのだそうです。

そして、北白蛇神社へ行った貝木は、撫子に、
阿良々木くんと戦場ヶ原さんと忍野忍が、交通事故で死んだと嘘をつきました。

すると撫子は「『貝木さんも『私』を騙すんだね』と言いました。
『撫子』という一人称ではなく『私』と言っているのが地味に怖いです。

撫子は嘘つき嘘つきと言いながら、大量の白蛇を登場させ、
神社を覆い尽くします。

これはペナルティだと言いながら、撫子は阿良々木くん、戦場ヶ原さん、
忍の3人の他に、月火ちゃんと火憐ちゃん、羽川さん、八九寺、
忍野も殺すのだと言いました。

それを聞いた貝木は、神様になんかなりたかったわけじゃないのなら、
『漫画家になりたかったのか?』
と尋ねます。
あのクローゼットの中には、
撫子の書いた大量の漫画が隠してあったのだそうです。
それを聞いた撫子は逆上します。

漫画家になりたいという夢に関しては、
あまり伏線貼ってありませんでしたが、
初登場時から漫画が好きだというキャラクター設定は語られていました。

撫子が語り部となった囮物語でも、

「へいおん! という四コマ漫画が、そう言えばあったような」(28ページ下段)
「疲れた漫画家さんは白いワニの幻覚を見ると言いますしね」(47ページ下段)
「アニメイトで特典としてもらったものです」(57ページ下段)
「じゃあ、撫子のコロコロを読んで?」(83ページ上段)
「ドラえもんの『たずね人ステッキ』の的中率が、
七十パーセントみたいなもの?」(126ページ上段)
「バトル漫画の最初の頃に登場する、やられ役のような倒れ方でした」(141ページ上段)

などなど、漫画関係の比喩がたくさん登場していました。

貝木は『お前ならきっと(漫画家に)なれるさ、騙されたと思ってチャレンジしてみな』
と撫子に言い、撫子も『わかった。騙されてあげる』と笑いました。

ちなみに、撫子が描いたという設定の漫画が『キミとなでっこ!
というタイトルで本当に漫画化されました。

貝木は撫子の口に手を突っ込み、お札を取りだし、撫子は元に戻りました。

そこへ、阿良々木くんが登場したので、
貝木は撫子を家まで送り届ける役目を阿良々木くんに押し付け、
撫子に痛めつけられてボロボロになった身体で山を下りました。

戦場ヶ原さんに電話し、あの『手を引け』という手紙は戦場ヶ原さんが書いたものであると、
貝木は指摘しました。

その後――貝木は激昂した中学生に襲撃されました。
これも忍野扇による暗躍の結果のようです。

この中学生は「なでこスネイク」で撫子を呪い、
蛇の呪い返しを受けていた中学生でした。

あれから8ヶ月くらい経過していますが、その中学生は今でも蛇に呪われたままでした。
ここぞとばかりに貝木に復讐します。
まあ、呪った自分の方も悪いはずなんですけどね。
貝木は撫子に痛めつけられていたので、抵抗すらできません。

ちなみに、中学生の性別は不明なので、
結局「なでこスネイク」で阿良々木くんが救うことができなかったのが、
撫子に告白した男子なのか、撫子の女友達なのかは、やっぱり不明のままでした。

最後、貝木は死んだように見えますが、
後の時系列の花物語に、何事もなかったかのように登場しています。


そしてこの物語は、憑物語に続きます。

(追記;気付いていない人が多いようなので、念のために。
今さらなんですけど、このページの右上の方にある
「見やすい記事一覧はこちらです。」というリンクの先の
西尾維新さんの項目を見ていただけると、
ストレスなく物語シリーズの記事を追うことができます。)
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No title

はじめまして、最近物語シリーズを全巻借りて一気読みしている者です

伏線とかぼーっと読んでるだけだと気付かないことも多いので、わかりやすく纏めてるブログがあって嬉しいです!


>漫画家になりたいという夢に関しては、
あまり伏線貼ってありませんでしたが、

偽物語(上)のP76上段から、クローゼットの中にマンガ(関係のもの)を隠していることが推測できますよ
(伏線だと断言できるものではないですが、一応ということで)
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