星新一「夢の男」のネタバレ解説

実業家のエヌ氏は、毎晩夢の中に無表情な男が現れ、
荒涼とした野原を引き回されることに悩んでいました。

医者の説明によると、その男は昼の間、
エヌ氏の支配下にあるすべてのものの象徴なのだそうです。
仕事から引退しない限り、
その男は夢に現れ続けるだろうと言われます。

そんなエヌ氏のところに、薬のセールスマンがやってきました。
その男は、毎晩エヌ氏の夢に現れる男にそっくりでした。

エヌ氏はその男の持ってきた睡眠薬を大量に購入します。

夜になり、いつもの夢に男が現れましたが、
男はなごやかな笑顔でした。
散歩する場所も美しい風景です。

男は「『きょうはこのくらいで』と言いましたが、
エヌ氏はこんな夢ならいつまでも見ていたいと言い、
男はその通りにします。

そして、次の朝、エヌ氏の世話係はエヌ氏の反応がないのを
不審に思いながらドアの外に立ち続けていた――


というところで、話は終わります。

この話のオチは「美しい場所は天国であり、
エヌ氏がいつまでもここにいたいと言ったため、
エヌ氏は死んでしまった、ということなのでしょう。

無表情な男の正体は死神だったのかもしれません。

そういう超常現象がない場合は、
薬のセールスマンはエヌ氏を恨んでいた人物であり、
睡眠薬と偽ってエヌ氏に毒薬を飲ませたのでしょう。

男が夢に現れたのは、エヌ氏がその男に恨まれていることを
心のどこかで意識していたからであり、
罪悪感からそんな夢を見ていたのではないでしょうか。


ところでこの話は、
シェイクスピアの『マクベス』が元ネタなのではないでしょうか。
『マクベス』には「眠りを殺した」という表現が登場します。

これは、王を暗殺したマクベスが、
眠り(安息の時間)を失ったという意味です。                  スポンサードリンク

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星新一さんの作品は十年前ぐらいに小学校の先生がオススメしたぼっこちゃんを見て好きになりました。
ぼっこちゃんしか見ていなかったので、大変楽しめました(*^^*)
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