時雨沢恵一「キノの旅」16巻 フォトの日々「見えない真実」のネタバレ解説

写真屋のフォトと、ソウの物語です。
フォトは好きなキャラクターなのでレギュラー化するのは嬉しいのですが、
その分他のキャラクターの登場シーンが減ってしまうのは痛し痒しです。

もうちょっと刊行ペースが上がってくれたら問題ないのですが、
贅沢は言えませんね。
好きなシリーズがいくつも完結してしまったので、
定期的に新作が読めるだけでも有難いと思っておきます。

さて。
ある日、フォトは妙に字の大きい手紙で依頼を受けました。
割と近くだったこともあり、依頼を引き受けることにします。

依頼主は、小さな商店を経営する夫婦の息子でした。
さぞかし両親は感動するのかと思いきや、
写真を撮りたくないと言います。

フォトが依頼主の少年を外に呼び出すと、
ソウはその少年が極度の弱視であることに気付きました。
少年は3日後に盲学校に出発するのですが、
その前に両親と写真を撮り、両親の顔を見てみたいというのが願いでした。

フォトはその2日後、少年に、店の前に両親を呼び出してもらい、
このために新しく購入した望遠レンズで撮影しました。

早速、フィルムを現像に出し、その日の夕方には写真が届けられました。

しかし、それを見たソウは、「少年と両親の見た目が全く似ておらず、
血が繋がっていないであろうことを説明します。
おそらく少年はその真実を知らないであろうことも。

翌朝、少年が盲学校に出発する前に、フォトは店に行きました。
そして、両親に、写真を少年に見せることを告げます。

いよいよ、少年は写真を見るのですが――、
少年は生まれて初めて両親の笑顔を見ることができて幸せだと言いました。

実は、少年は既に、
間近で写真を見ても分からないくらいに視力が悪化していたのでした。

というあらすじなのですが、いやあ、後味悪いですねえ。

両親は少年に血が繋がっていないことを隠しており、
少年も自分の目が全く見えないことを両親に隠しています。
どちらも相手のことを想い、
『見えない真実』を知った相手を傷つけないように嘘をついているのですが、
その結果こんなに後味の悪い話ができあがるというのは驚きです。

また、純真無垢すぎて物事の裏を見抜けないというフォトのキャラクターが、
さらに後味の悪さに拍車をかけています。

目が悪いせいで(おかげで)両親と血が繋がっていないことに気付いていない、
というのは、実は小説の世界では古典的なテーマなのですが、
そこにカメラマンのフォトを絡めてくるのは上手いなあと思いました。
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