時雨沢恵一「キノの旅」16巻プロローグ&エピローグ「恋文の国」のネタバレ解説

あれ? もうプロローグとエピローグ?
という感じですが、
今回は巻末にフォトが主役の話が2編収録されているからです。

話の冒頭に、テオという男性が、
ケイトという女性に宛てた数通の手紙があります。
その手紙はキノが前の国で買った中古の鞄の中に隠されていたのでした。

それを発見したキノは、その国を訪れた際に、
宛先であるフォージリー村のケイトを捜して手紙を渡すことにしました。

そしてその国に行き、
フォージリー・ケイトという人気歌手がいることが判明しますが、
キノはとりあえずフォージリー村へ行きます。
ところが、その村にいたケイトは歌手とは別人であり、
しかもテオには全く心当たりがなさそうでした。

何が何だか分からないキノ達でしたが、
今度は「歌手のケイトに呼び出され、
手紙を鞄ごと売ってほしいと言われました。

キノがケイトに事情を尋ねると、
テオはフォージリー村のケイト・ファラデーに片想いをしていたのですが、
やがてケイト・ファラデーが結婚すると、
テオは、自分はケイト・ファラデーと一生を誓い合った恋人同士だったが、
旅のために彼女を捨てた、という妄想を抱いて旅に出たのでした。

いつでも手紙を送ることができたはずなのに鞄の中に仕舞いこまれていたのは、
そういう理由だったのです。

歌手のケイト・フォージリーの方も、そんなテオに片想いをしていました。
その思いを歌った歌が大ヒットして歌手になったとき、
彼女はケイト・フォージリーという芸名をつけたのでした。

そしてケイトは、
『私はケイト。この手紙は、私宛なのよね?』
と、正気とは思えないことを言い出します。
さっきまで、テオのことを客観的に見ていた人物の発言とは思えません。


それから数ヶ月後、シズ達一行がその国を訪れ、
「恋文」というタイトルの、
「私はいつも愛されている。私が愛しているあの人に」
という愛の歌を聞いたのでした。

……この話のオチは、「結局ケイトもテオのように、
妄想の中で生きていくことにした、というものなのでしょう。
自分はテオと一生を誓い合った恋人同士だったのだが、
テオは彼女を捨てて旅に出て、しかし後悔して国に戻る途中で客死した
――という感じの妄想の中で。

何でテオもケイトも、相手に告白しなかったんだろう?

と、疑問に思えた人は幸せな人です。
彼らにとっては、上手くいかないかもしれない告白をして現実を直視するより、
絶対に失敗しない妄想の中で生きていく方が楽であり、幸福だったのでしょう。

しまうましたには、ケイトとテオの気持ちがよく分かります。
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