道尾秀介「光」第1章「夏の光」のネタバレ解説


小学4年生の夏。
主人公の利一は放課後、友人の慎司と花火大会に行く約束をします。
この田舎町では夏と冬、2回花火大会が行われていました。

その帰り道に、同級生の宏樹が、
野良犬のワンダを殺しただろう、
と清孝を糾弾しているところに遭遇します。

清孝は両親が亡くなっており、
キュウリに似ているからという理由で
キュウリー夫人と呼ばれている祖母と2人で暮らしていました。

そのキュウリー夫人は、野良犬のワンダをひどく嫌っており、
遭遇する度に喧嘩をしていました。
そして冬のある日、キュウリー夫人はワンダに勝ったのですが、
彼女自身も足を怪我してしまいました。
それを知った清孝は「ぶっ殺してやる」と物騒なことを言っていたのです。
さらに、その日以来ワンダの姿は見えなくなってしまいました。

宏樹は、半年前の冬の花火大会の日に、
父親が撮ったユウレイタケの写真の背景の川が赤く染まっており、
それがワンダの血だと主張しました。
さらに、同じ日に、宏樹の父親は角材を持って歩いている
清孝の姿を目撃していたのだそうです。

宏樹は清孝がワンダを埋めたと推測し、
キュウリー夫人からシャベルを借りて掘り返しますが、
何も見つかりませんでした。

翌日の朝、町の広報誌の花火の写真を見た利一は、
あることに気付き、宏樹の家を訪れます。

そして利一は宏樹の父親に、
問題の写真の裏側にある「ISO50,F11,15」というメモについて訊ねました。
すると、その写真は「15秒もシャッターを開きっぱなしに撮られた写真なのだと
説明してくれました。

その説明を聞いた利一は清孝の家へ行き、
川の水が赤く染まっているように見えたのは、
清孝が紅葉しているヤマザクラの葉っぱを角材で落としたからだろうという
推理を聞かせます。
15秒もシャッターを開いていたので、
流れる赤い葉っぱのせいで川が赤くなったように見えていたのでした。

ちなみに、清孝がヤマザクラの葉っぱを落としたのは、
ワンダとの戦いで足を怪我しているキュウリー夫人に
花火を見せるためだったのでした。

そしてこの話には、ワンダがまたこの町に戻ってきたというオチがつきました。


この話は、よくできた日常の謎ものだったと思います。

ところで、利一がキュウリー夫人に対して、天気が悪いけど花火大会をやると思うか、
と尋ねた際にキュウリー夫人が「ひふてぃひふてぃだな」と言っているのは、
この短編が『Anniversary 50』という、
「50」がテーマのアンソロジーに収録されていた短編だったからでしょう。

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