時雨沢恵一「キノの旅」3巻4話「機械人形の話」のネタバレ解説

谷の中の国を訪れようとして道に迷ったキノとエルメスは、
森の中で1人の老婆と出会いました。

老婆は、自分はある家で住み込みで働いているメイドだと言い、
さらに自分は機械人形なのだと言いました。
この「機械人形」という用語は、要するにロボットのことです。

家に招待されたキノは、30歳くらいの男女と、
5歳くらいの男の子を紹介してもらいました。
彼らがこの家に住む一家なのだそうです。

が、この親子には、近くに国がないはずなのに出勤したり、
学校に通ったり、食事を全く食べずに捨てたりするなど、
不自然な点がたくさんありました。

翌日、キノは老婆に案内され、湖の下に国が沈められているのを
目撃しました。
それこそがキノが最初に探していた谷の中の国だったのでした。

その夜、エルメスのスピードメーターの故障を老婆が直すなど、
機械に詳しいという描写がありました。

3日目の朝、キノは「老婆が倒れているのを発見し、
親子を呼びました。

そして老婆が亡くなると、親子から、その老婆が機械人形ではなく、
人間だったということを知らされました。
老婆を埋葬する手伝いをした後、キノは親子から事情を聞きました。

実は本当に機械人形だったのは、親子の方だったのです。
彼らは天才工学博士だった老婆に作られたのですが、
老婆は彼女の夫と息子が戦争に巻き込まれて亡くなったショックで
おかしくなり、
自分は機械人形なのだという妄想に囚われてしまったのです。

それから55年近くもの間、
彼らは不自然な親子を演じてきたのだそうです。

キノは彼らに、自分たちを連れて行ってほしい、
キノのために働かせて欲しいと言いますが、キノは断ります。

そして彼らは、湖に入水自殺をしたのでした。
まあ、自殺と言っても彼らは機械人形なので死ぬわけではないでしょうが、
少なくともいつかは燃料が切れて動かなくなるので、
自殺と同義だと言っていいでしょう。


というあらすじなのですが、
この話は、人生の膨大な時間を無為に過ごすという点から、
1巻3話『レールの上の三人の男』を連想する話でした。

でも、「老婆が辛い過去を思い出さずに、機械人形としての人生に
満足して死んでいったことが唯一の救いかもしれません。
                 スポンサードリンク

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

新世界より(上) (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール
Author:しまうました
見やすい記事一覧はこちらです。
スポンサードリンク

十二大戦

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

このブログについて
見やすい記事一覧はこちらです。
このブログの記事は管理人「しまうました」の独自の解釈によるものなので、制作者の意図したものや一般に考えられているものとは異なる場合があります。
個人の趣味でやっているブログなので、解説してほしい本のリクエストは受け付けていません。
重要なネタバレ箇所は白字にしてあるので、反転してお読みください。
現在、荒らしをした人物のコメントを拒否しており、巻き添え規制される場合があります。詳細はこちらに書いてあります。
承認したコメントに対しても、管理人は基本的には返信しません。また、後日予告なく削除する場合があります。ご了承ください。
今月の人気ページ
人気ページの集計期間は30日間です。2017年8月9日リセット。
スポンサードリンク
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
月別アーカイブ
最新コメント
FC2カウンター
スポンサードリンク

ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)

業物語 (講談社BOX)

キノの旅XX the Beautiful World (電撃文庫)

悪の教典 上 (文春文庫)

                amazon人気本ランキング  楽天ランキング
RSSリンクの表示
リンク
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
記事一覧
見やすい記事一覧はこちらです。