西尾維新「掟上今日子の備忘録」第5話「さようなら、今日子さん」のネタバレ解説

4話のラストで、
バスルームで冷水のシャワーを浴びて寝ている今日子さんを発見した厄介は、
バスタオルで今日子さんの身体を拭いてあげました。

そのとき、左足に『「とうもろこしの軸」の発売予定日は?』
と気になることが書かれているのを発見しました。

「とうもろこしの軸」というのは、今日子さんが須永の遺作につけた、
仮のタイトルです。

厄介は今日子さんを寝室のベッドに運び、横たえました。

しかし、今日子さんは目を覚ましたらきっと、
また100冊もの須永の作品を読もうとすることでしょう。

そう考えた厄介は、今日子さんの体調を慮るあまり、
とんでもない行動に出てしまいます。

今日子さんの身体に書かれた直筆のメモを、全部洗剤で洗って、
消してしまったのです。

こうすれば、今日子さんは紺藤からの依頼を全部忘れてしまいます。

さらに、厄介は自分が置手紙探偵事務所にいた痕跡も消しました。

最後にエアコンを点けに寝室に戻ったとき、厄介は天井に、
『お前は今日から、掟上今日子。
探偵として生きていく。』
という荒々しい字が書かれているのを発見しました。

厄介は自宅のアパートに戻り、ひとまず眠りました。

そして翌日、紺藤のところを訪ね、事情を説明し、
今日子さんへの依頼を取り下げてほしいと頼みました。

ところがそこへ、「今日子さんが現れ、
須永の死は自殺ではないと言いました。

今日子さんは厄介が落としていった、須永の著作リストを見て、
小中に話を聞き、須永の死について推理したのだそうです。

その著作リストからシリーズ物を除外した、
ノンシリーズの単体の作品6冊は、すべて2月に出版されていました。

そして、『ホーム・スイート・コーン
(今日の今日子さんが須永の遺作につけたタイトル)』
も2月に発売されることになっていたはずだと言いました。
その推理は当たっていました。

つまり、ノンシリーズだと思われていたこれら7冊の本には、
実は共通のテーマがあったのです。

そのテーマとは、7冊すべてに登場する脇役の女性、桃田朝美でした。
名前すら登場しないことも多々あるので、
今日子さんでなければ気付かなかったでしょう。

ノンシリーズの作品の中で、一人の登場人物が脇役として年齢を重ね、
読者の目に留まることなく平凡な人生を送っていたのでした。

今日子さんが桃田朝美という人物について現実世界で調べてみたところ、
彼女は当時17歳だった須永の、同い年の恋人だった人物でした。
そして、桃田朝美は17歳にして自殺していました。

2月というのは、桃田朝美が生まれた月でした。

つまり、須永は、桃田朝美を名前も登場しないような脇役として、
自分の作品の中で平凡な人生を送らせていたのです。

そしてまだ桃田朝美は須永の作品の中で大往生を遂げていないので、
やり残したことがある須永が自殺するわけがない、
と今日子さんは推理していたのでした。

悲しいけどロマンチックな話ですよね。

そして紺藤と別れた後、須永の作品リストを厄介が落としたという話は、
嘘ですよねと厄介は今日子に確認しました。

その推測は当たっており、
実は今日子さんはバスルームから寝室に運ばれるあたりで目を覚ましており、
作品リストは厄介の目を盗んで失敬していたものでした。

そして最後は、今日子さんと厄介が何やらいい雰囲気になったところで終わります。


というあらすじなのですが、こんな終わり方なのに、
隠館厄介は2巻、3巻には登場しません。

ただ、4巻で再登場するので、厄介のことが好きな人はそれまでお待ちください。

ちなみに、主人公の今日子さんはちゃんと登場するのでご安心ください。

西尾維新「掟上今日子の備忘録」第4話「失礼します、今日子さん」のネタバレ解説

3話のラストで紺藤が言っていた、須永の死に関する不審な点とは、
死因が睡眠導入剤の飲みすぎだったことでした。

厄介は紺藤に頼まれて、気が進まないながらも置手紙探偵事務所を訪れました。

言い忘れていましたが、探偵事務所の名前は「掟上」探偵事務所ではなく、
「置手紙」探偵事務所です。

1時間にも及ぶセキュリティ・チェックを経て、
ようやく厄介は今日子さんと対面できました。

そこで、前回の事件の報酬であり、須永の遺作でもある、
未発表原稿を今日子さんに渡しました。

そして、今回の依頼内容は、
須永は自殺したのか自殺じゃないのかを、
その遺作を読んで判断してほしい、ということでした。

もしも須永の死が自殺だったのなら、
その兆候が遺作に現れているかもしれないからです。

すると今日子さんは、他の須永の作品も全部読まないと判断できない、
と言い出しました。

しかし、それは簡単なことではありません。

なぜなら、遺作も含めて須永の著作は100冊もあったからです。

デビューから45年で100冊というのはもちろん多い方なのですが、
西尾さんはそれ以上に多作なので、ちょっと霞んでしまいますねw

他の探偵なら時間さえかければ読破できますが、
今日子さんの記憶は眠るとリセットされてしまうので、
100冊読み切るまで完徹することになります。

今日子さんの本を読む速度は早い方ですが、
それでもやっぱり無謀です。

今日子さんには一度ぐっすりと寝てもらい、日を改めて依頼しました。

すると今日子さんは、眠くなったら厄介に起こしてほしい、
と頼みました。

厄介は今日子さんの腕に誓いの言葉を書き、
徹夜に付き合わされることになりました。

ちなみに、今日子さんによると、
須永はその小説の中で一度も「自殺」という言葉を
使ったことがないのだそうです。

そして、一気に時間が経過し――完徹5日目。

今日子さんはまだ100冊の小説を読破できていませんでした。

厄介も今日子さんも、もう限界です。

精神的におかしくなっています。

そんなとき、今日子さんがシャワーを浴びに行き、
一方、厄介は食事を作った後ソファに横になりました。

そして――厄介は3時間も寝てしまいました。

今日子さんはバスルームにこもったままです。
思い切ってバスルームのドアを開けると、
今日子さんは冷水のシャワーを浴びたまま寝ていました。

4話はここで終わり、物語は最終話の第5話に続きます。

西尾維新「掟上今日子の備忘録」第3話「お暇ですか、今日子さん」のネタバレ解説

2話の事件からしばらく経ったある日、
厄介は紺藤に個室のレストランへ呼び出されました。

そこで、須永昼兵衛(すなが・ひるべえ)という小説家を知っているか、
と訊かれました。
須永は日本ミステリー界の重鎮的存在の推理作家で、かなりの高齢です。

須永には、編集者を困らせて遊ぶという、ちょっと悪い癖があります。

その悪い癖というのは、宝探しゲームです。

自分の書いた小説の原稿を宝探しの要領で編集者に探させて遊ぶのです。

現在は、紺藤の同期の小中という男が須永の担当編集者なのですが、
小中は原稿探しに自信がなく、頭を抱えていました。

そこで、助っ人として厄介と今日子が、
須永の別荘へ行き原稿を探すことになったのでした。

果たして今日子さんがそんな誘いに乗るだろうかと思いながら電話してみると、
今日子さんはその誘いに飛びつきました。

実は、今日子さんは須永の大ファンだったのです。

一週間後、厄介と今日子さんは別荘に向かう電車に乗りました。

ところが、そこへ紺藤から電話がかかってきて、
昨夜須永が亡くなってしまったことを教えられました。

しかし、このままだと須永の遺作となるはずの原稿が
見つからないままになってしまうので、
予定通り、厄介と今日子さんは別荘へ行き原稿を探すことになりました。

もしも原稿を見つけたら、今日子さんに一番に読ませてあげてほしい、
と厄介は約束を取り付け、別荘へ行きます。

別荘に到着すると、裏面に4つのヒントが書かれた、
別荘の見取り図を手渡されました。

このヒントと見取り図を頼りに原稿を探せ、ということでした。

そのヒントとは、
『1・作品の原稿枚数は、およそ120分あれば読めるくらい。
2・デリケートな場所に隠してあるので、最新の注意を払って探すこと。
3・あるものではなく、ないものを探せ。』
という感じでした。

4つめのヒントには『鉛筆が必要になるかもしれない』
と書かれていたのですが、
その上から修正テープで消されていました。

すると今日子さんは、「別荘の中を捜索するうちに、
厄介の言動から、須永が亡くなったことを見抜いてしまいました。

それでも今日子さんは推理をし、原稿を発見しました。

原稿は、テキストデータとしてカセットテープに納められていました。

見取り図の『裏面』とか、120分テープとか、
修正テープの構造がカセットテープと似ていることとか、
鉛筆を使って巻き戻したりできることとか、
色々とヒントはあったのですが、
正直、今日子さんに言われるまで、しまうましたは全然気づきませんでした。

が、言われてみると納得ですね。

カセットテープには、デジタルデータも保存できますから。


という感じのあらすじだったのですが、後日、紺藤は気になることを言います。

須永の死に不審な点が出てきたのだそうです。

それについては、4話以降で語られることになります。

西尾維新「掟上今日子の備忘録」第2話「紹介します、今日子さん」のネタバレ解説

第1話の事件の影響で仕事をクビになってしまった隠館厄介は、
ある日、紺藤文房(こんどう・ふみふさ)から呼び出され、会いました。

紺藤は一流出版社である作創社に勤める敏腕編集者です。

現在、紺藤は少年漫画の編集長なのですが、
担当漫画家の里井有次(さとい・ありつぎ)が、
奇妙な事件に巻き込まれているのだそうです。

里井は、仕事場の冷蔵庫の中に隠してあった現金百万円を盗まれてしまいました。

それだけならただの盗難事件なのですが、奇妙なことに、
里井の携帯電話に、盗まれた百万円を返してほしければ一億円用意しろ、
という脅迫電話がかかってきたのだそうです。

百万円を得るために一億円支払うなんて、正気の沙汰とは思えませんが、
驚いたことに里井はその要求に応じようとしていました。

その話を聞いた厄介は、今日子さんに依頼をしました。

そして、厄介と紺藤と今日子さんは里井の仕事場へお邪魔しました。

里井有次は名前のイメージに反して、女性でした。
少年誌に連載中なので、男性風のペンネームを名乗っているのだそうです。

今日子さんは仕事場の中を見せてもらい、
嫌がる素振りを見せる里井から事情を聞きました。

すると今日子さんは、盗まれた百万円には一億円以上の価値がある、
と里井寄りの見解を見せました。

一旦、厄介、今日子さん、紺藤の3人は作創社の会議室に移動し、
作戦会議を開きます。

まず、今日子さんは、「アシスタントが怪しいと言います。

それは単に当てずっぽうで身内が怪しいと言っているのではなく、
ちゃんとした理由がありました。

里井は、紙幣の通し番号をパスワードとして使っていたのです。

ネットバンクや、クラウドのアカウントのパスワードとして。

里井は、漫画のアイデアをネット上のクラウドに保存してありました。

そして、そのことは里井の身近にいるアシスタントが知っている可能性が高く、
だからこそ今日子さんはアシスタントが怪しいと言っていたのです。

今日子さんはチーフを務めたこともある元アシスタントが犯人だと、
独自の調査で突き止め、警察は通さずに穏便な形で解決しました。


近藤は3話以降も登場します。

そして、紺藤は最後に気になることを言います。

紺藤は以前、海外で今日子さんにそっくりな人物と会ったことがあるのだそうです。

実は、随分と前から、
掟上今日子=羽川翼(物語シリーズのキャラクター)ではないか、
という説があります。

白髪とか、海外にいたことがあるとか、記憶喪失とか、
露骨にそれっぽい伏線がありますからね。

物語シリーズを読んだことがない人のために説明しておくと、
羽川さんは怪異の影響で髪が白くなってしまったり、
記憶喪失になったことがあったり、
海外を放浪していた時期があったりしました。

西尾維新「掟上今日子の備忘録」第1話「初めまして、今日子さん」のネタバレ解説

掟上今日子の備忘録


忘却探偵シリーズ1巻1話のネタバレ解説です。

ドラマ版ではなく、原作の方の解説です。

大柄な25歳の青年、隠館厄介(かくしだて・やくすけ)は、
巻き込まれ体質の持ち主です。
何か事件が起こるたびに、特に理由もないのに皆から疑われてしまいます。

厄介が、立体視について研究している更級研究所で新人として働いていたところ、
上司の笑井航路(えみい・こうろ)室長が、
バックアップデータの入ったSDカードがなくなったと騒ぎ出しました。

すると、同じ部屋にいた百合根(ゆりね)副室長、誉田英知(ほんだ・えいち)、
岐阜部(ぎふべ)ながめの3人は、厄介に疑惑の目を向けました。

厄介は咄嗟に、探偵を呼ばせてくださいと言い、
掟上今日子(おきてがみ・きょうこ)さんを呼びました。

今日子さんは総白髪という目立つ外見の美人で、忘却探偵として一部で有名です。

寝るたびに記憶がリセットされてしまうので、
依頼人のプライバシーを最大限に守ってくれます。

今回のように機密事項や企業秘密を扱うデリケートな案件や、
探偵に頼ったことを公にできない警察から受けた案件などが、
今日子さんの得意分野です。

記憶が持続しないこともあって、基本的に一日以内に事件を解決するので、
最速の探偵とも呼ばれています。

年齢は公称25歳ですが、本当かどうかはわかりません。

今日子さんはこれまでに何度も厄介の依頼を解決してきたことがあるのですが、
記憶がリセットされているので、今回も「初めまして」と挨拶をしました。

今日子さんは関係者のボディチェックをした後、会議室で個別に話を聞きます。

その後、実際に研究室の中を捜索しました。

ひととおり捜索した後、
木を隠すなら森の中、ということで、
今日子さんの疑いの目は予備のSDカードに向けられました。

が、その中には怪しいSDカードは発見されませんでした。

今日子さんは厄介と打ち合わせをするために、一度研究室を出ます。
そこで、SDカードの隠し場所は分かったけど犯人は分からない、
と今日子さんは言いました。

そのとき、突然今日子さんは眠りに落ちてしまいます。
どうやら今日子さんが飲んだコーヒーに睡眠薬が混入されていたみたいでした。

一瞬でも眠ってしまえば記憶がリセットされてしまうので、
目を覚ました今日子さんは当然、事件のことも厄介のことも忘れています。

しかし、服に隠れていた身体の表面に今日子さん直筆のメモがあったので、
今日子さんは探偵としての本分を取り戻します。
そして、「信用できる」とメモに書いてあった厄介から話を聞きます。

犯人が反則をしてきたから、
と今日子さんも反則技で犯人を見つけ出すことにしました。

その反則技とは、「SDカードはポットの熱湯の中にあると嘘をつくことでした。

犯人以外の4人は、思いがけない場所にSDカードがあったので驚きます。

が、犯人の岐阜部ながめだけは自分がSDカードを隠していた場所を向いていたため、
犯人だとバレてしまいました。

その隠し場所は、先ほど調べたはずの別のSDカードの中でした。

岐阜部はバックアップデータをSDカードに保存した後、削除していました。
しかし、その削除されたデータはデータ復元ソフトを使えば復元できるので、
実際には削除されていないのと同じことだったのです。

岐阜部の母親は数年以内に片目の視力をほとんど失ってしまい、
そうなると立体視ができなくなります。
大切な母親の両目が見えるうちに自分の研究成果を見てほしくて、
別の大規模な研究機関にデータを供与しようとしていたらしいです。

もっとも、これは岐阜部が語った動機なので、真実かどうかは分かりませんが。

また、不祥事のため研究は縮小されることになり、
厄介はリストラされてしまいました。


というあらすじです。

こんな感じで、2話以降も今日子さんが次々と事件を解決していきます。

ちなみに、この第1話は「続・終物語」の特典小冊子として、
単行本に先駆けて公開されていました。

(掟上今日子の備忘録 1話 2話 3話 4話 5話

西尾維新「愚物語」第3話「つきひアンドゥ」のネタバレ解説

この愚物語第3話「つきひアンドゥ」は、
阿良々木くんが大学一年生になった、6月か7月くらいの話です。

と言っても、今回の語り部は阿良々木くんではなく、
憑物語以降、阿良々木家に居候中の斧乃木余接ですが。

うーん、傾物語だったか鬼物語だったかは忘れましたけど、
八九寺あたりが怪異は語り部にはなれないというルールがあるとか
言ってたような気がするんですが、
そのルールは無効化されてしまったみたいですね。

改めて説明しておくと、
現在、余接は阿良々木くんとその妹の月火の監視という任務に就いています。

と言っても、普段は月火の部屋で人形のふりをしているだけなんですけどね。

その日、余接は阿良々木くんに差し入れてもらったカップのアイスクリームを、
月火のベッドに寝転がって食べていました。

そこへ、なんとなく気が乗らないから、
というふざけた理由で月火が登校中にUターンして戻ってきてしまいます。

人形がアイスを食べているという状況を月火に目撃されてしまいます。

余接は咄嗟にアイスを投げ出して人形のふりをし続けますが、
月火はそれでは納得しません。

何と台所からサラダ油を持ってきて月火にかけてしまいます。
さらに、マッチで火を点けようとし、カウントダウンをします。

が、カウントダウンの途中で持ち手が熱くなって月火はマッチを投げ出します。
このままだと大火事になってしまうので、
仕方なく余接はアイスでマッチを受け止めて消火しました。

余接は、自分は魔物を倒すために異世界から来た魔法少女で、
この世界では人形を憑代にしているのだとか何とか、
適当なことを言って誤魔化そうとします。

そのまま退散しようとしたのですが、
魔物退治を手伝うと月火に引き止められてしまいます。

余接は魔物退治は夜だからと言い、ひとまず月火を登校させ、
千石撫子のところへ行って協力を仰ぎました。

撫子は現在、不登校をしながら引きこもって漫画を描いていました。
よく月火がお見舞いに来るらしく、
月火のためならと撫子は協力してくれることになりました。

恋物語のラストで、撫子は貝木から蛞蝓豆腐という怪異を施術されていました。
その蛞蝓を魔物と称して退治する場面を月火に見せ、
任務は終わったから元の世界に帰ると言い、
ただの人形に戻ったふりをするという作戦でした。

撫子に、原稿用紙に蛞蝓の絵を描いてもらい、そこに蛞蝓豆腐を封印して、
浪白公園の砂場にセッティングしておきます。

そして夜になり、なぎなたの道着姿で、本物のなぎなたまで持った月火と、
余接は浪白公園へ行きました。

月火に、砂場に塩を撒かせ、それを合図にして蛞蝓豆腐が具現化します。

ただ、撫子の絵が思ったよりも上手かったせいで、
蛞蝓豆腐は体長数十メートルはあるという巨大な怪異として
具現化してしまいました。

余接はいつものように『例外の方が多い規則』で蛞蝓豆腐をバラバラにしましたが、
蛞蝓豆腐には再生能力があり、復活してしまいます。
さらに炎まで吐きます。

蛞蝓豆腐が空高く舞い上がり、余接を押し潰そうとします。
余接はカウンターを食らわせるつもりで待ち構えていたのですが、
「危ない、斧乃木ちゃん!」と月火が余接を突き飛ばしたせいで、
カウンターは失敗し、それどころか月火はぐしゃりと潰れてしまいました。

余接はなすすべもなく、蛞蝓豆腐に殺されそうになりますが、
そこへ八九寺真宵が登場し、蛞蝓豆腐の本体である原稿用紙を折り畳むことで、
蛞蝓豆腐を消失させました。

終物語7話『おうぎダーク』以来、八九寺は神様になっていたので、
縄張りである浪白公園で起こっている出来事は把握しており、
助けてくれたのでした。

まさか八九寺がこんなポジションのキャラになるなんて、
まよいマイマイ』の頃は想像もできませんでしたよね。

月火は不死身なので眠った状態で復活しました。

月火を自室のベッドまで連れて行き寝かせると、
翌日には余接がアイスを食べていたことも魔法少女だと名乗ったことも、
蛞蝓豆腐に殺されたことも全部忘れているようでした。

これは偽物語下巻『つきひフェニックス』のときと似ていますが、
都合よく一日分だけ忘れているという点で、その解釈が違ってきました。

どうやらしでの鳥には身体の傷だけではなく心の傷も癒す力があり、
その能力で都合の悪い記憶を消したようでした。

こうして余接は平穏な日常を取り戻し、
月火のベッドでアイスを食べていたのですが――、
そこへ何となく気が乗らないからと月火が登校からUターンして戻ってきてしまい、
振り出しに戻ってしまったのでしたwww


というあらすじなのですが、あとがきによると、この愚物語に収録されている話は、
そだちフィアスコ」も「するがボーンヘッド」も「つきひアンドゥ」も、
全部第ゼロ話的な感じの話なのだそうです。

その続きが読めるかどうかは、読者の評判と作者の気分次第といった感じです。

ちなみに、この後に発売された「業物語」からは、
話数カウントが正式に「第零話」になりました。

西尾維新「愚物語」第2話「するがボーンヘッド」のネタバレ解説

愚物語第2話「するがボーンヘッド」のネタバレ解説です。

時系列的には、現時点でもっとも未来の話だった花物語よりも、
さらに未来の話です。

神原駿河が高校三年生の夏休みを迎えたばかりの頃。

普段、神原の汚部屋を片付けてくれている阿良々木くんに、
神原は立場を弁えずに駄目出しをしてしまい、
阿良々木くんを怒らせてしまいます。

阿良々木くんと仲直りするために、
神原は部屋を片付けようとするのですが、
なかなか上手くいきません。

そんなとき、神原はなぜか、忍が食べてくれたはずの、
猿の木乃伊の左手をガラクタの中から発見してしまいました。

そのタイミングで突然、
忍野扇(花物語と同じく男の子バージョン)がやってきたため、
神原は猿の左手を投げてしまいます。

猿の左手は襖に突き刺さったのですが、
引っこ抜いてみるとその左手は手紙を掴んでいました。

手紙はどうやらもともと襖の中にあったものらしく、
肉体の部位を並べた不吉な感じの暗号文が書かれていました。

その筆跡から、神原は暗号文を書いたのが自分の母親、
遠江だと気づきます。

その暗号はおそらく、木乃伊の在処を示すもののようでした。

怖いもの知らずの扇はあろうことか、猿の左手に、
暗号を解いてくれと願いをかけてしまいます。

これで神原はどうしてもこの暗号を解かないといけない
状況に陥ってしまいます。

ふざけながらも暗号を解読しようとするうちに、
扇は片仮名で『ニゴリナキシカクヲヨメ』
という文もあることに気付きました。

そこへ、阿良々木くんから扇の携帯電話に電話がかかってきます。
扇は話をするために部屋を出ていきました。

扇と入れ替わるようにして、沼地蝋花の姿を借りた遠江が現れます。

遠江は、猿の木乃伊は願いを叶えるたびに成長するため、
理論的には無限増殖するのだととんでもないことを言います。

また、手紙が入っていた襖は神原の父親に送ったものなのだと言い、
神原の中学時代のニックネーム『頑張る駿河ちゃん』は
濁ったニックネームだとヒントをくれました。

遠江がいなくなると、扇が戻ってきて、
羽川さんが海外でピンチらしく、
その相談で阿良々木くんは扇に電話したのだと言いました。

神原は遠江からもらったヒントを頼りに、見事に暗号を解いてみせます。

まず、『ニゴリナキシカクヲヨメ』というのは、
『濁りなき四画を読め』という意味であり、
片仮名の中で濁点を含まない四画の文字を読めという意味でした。

具体的には『ホ』と『ネ』です。

要するに、骨ですね。

暗号文の中には『骨を束ねろ』というものもあったのですが、
その一文だけが本命で後はすべてフェイクだったのでした。

この場合の骨というのは、襖の骨組みのことでした。
手紙の入っていた襖を分解して骨を並べると地図が浮かび上がってきました。

神原は、部屋の片づけは阿良々木くんに泣きついて、
自分は木乃伊を探しに行くことにしました。

阿良々木くんが目と手が届く範囲の誰かのために戦う愚か者なら、
神原は顔も知らない誰かのために戦う愚か者になる、と神原は決意します。

翌日、扇と二人で地図の場所へ行き、冒険をして木乃伊の一部を入手しました。

襖は分解したもののほかにまだ7枚もあるので、
神原の長い夏はまだまだ続きそう
」……というところで、
この話は終わります。

大事な高校三年生の夏に何やってるのかなーと思いますが、
それでも去年の阿良々木くんよりはマシかな、とも思いました。

西尾維新「愚物語」第1話「そだちフィアスコ」のネタバレ解説

愚物語 (講談社BOX)


物語シリーズ・オフシーズン第一作目、
愚物語の第一話「そだちフィアスコ」のネタバレ解説です。

タイトルから分かるように、今回のヒロインは老倉育(おいくら・そだち)です。
「フィアスコ」というのは「大失敗」という意味ですね。

時系列的には、終物語上巻第3話の「そだちロスト」の後の話……
いや、「囮物語」の後の話ですね。

今回は全部、老倉の視点で物語が進行します。

老倉は、箱邊(はこべ)という名字の老夫婦に引き取られ、
都会に引っ越しました。

そして、箱邊夫妻の勧めもあって、地元で一番の公立進学校に編入します。

もう3年生の2学期の終わりも近いので、
ぶっちゃけ編入しなくても大学には進学できそうなんですけど、
そこらへんは箱邊夫妻が、
ずっと不登校だった老倉に思い出づくりをさせたかったんでしょう。

で、老倉は転校早々、見事にやらかしてしまいます。

自己紹介で噛みまくったのはまあいいとして、
友達が少なそうな奴となら私でも友達になれそう、
という駄目な考え方をしてしまい、
明らかにクラスで孤立している感じの忽瀬亜美子という女子生徒に話しかけます。

が、亜美子は老倉が話しかけても無視して逃げていきます。

普通ならそこでもう二度と亜美子には話しかけようとしないでしょうが、
残念ながら老倉は普通じゃありません。

ストーカーのように亜美子に話しかけ続け、亜美子が逃げるという構図が続きます。
当然、クラスからは超浮いてしまいます。

放課後、遂に亜美子が老倉を屋上に呼びつけ、何のつもりなのかと怒ります。
しかし、亜美子は、老倉がクラスで上手くやっていけるように、
誰々と仲良くするといいとアドバイスまでくれました。

老倉が亜美子と別れ、自分の教室へ戻ると、既にクラスメート達はいませんでした。

そのとき老倉は座席表を確認し、旗本肖という女子が欠席していたことを知りました。

その帰り道、老倉はクラスのリーダー的存在の女子、
珠洲林リリから話しかけられます。

リリは亜美子と対立しており、学級内での過ごし方を老倉にアドバイスしてくれました。

その翌日からは、まるで前日の失敗がなかったかのように、
老倉はクラスメート達からちやほやされます。

一方、亜美子は学校を欠席し続けていました。

そのままちやほやされていればいいのに、老倉は自分でそれをぶち壊します。

転校から一週間後。
老倉は、客藤乃理香という、善人っぽい感じの女子を屋上に連れていき、
亜美子がクラスで孤立している事情を聞き出します。

さらに、亜美子が学校は休んでも塾には通っていることも乃理香から教えられます。

で、老倉は亜美子が通っていると思われる塾を調べ上げ、その塾に潜入しました。
自習室で塾の友達と談笑していた亜美子を発見します。

亜美子に連れられ、老倉はファーストフード店へ行きます。

そして老倉は、自分が調べ上げた亜美子の事情について話します。

まず、亜美子はもともと、旗本肖とは幼馴染という関係でした。
そして、亜美子はリリと対立していました。
ここまでが前提です。

老倉が転校してくる少し前に、亜美子は旗本と喧嘩をしてしまい、
それ以来旗本は学校を休み続けていました。

その事件をきっかけに、リリは亜美子を孤立させることに成功していました。

クラスメートたちが転校翌日からは老倉に優しくなったのは、
三人目の不登校児をクラスから出したくなかったからなのでした。

亜美子は「すまん」と老倉に謝り、出ていきました。

取り残された老倉は、どうせもうクラスで孤立するのは確定なんだから、
高校生活をエンジョイしちゃえ、と考え、ゲームセンターへ行きます。

そして生まれて初めてプリクラを撮ろうとしますが、それは叶いませんでした。

なぜならそこに、「リリと旗本と、それからクラスの数人がいたからです。
リリと旗本は仲が良さそうにしており、亜美子のことを嘲笑っていました。

つまり、リリと旗本はグルになって、亜美子を嵌めていたわけですね。

それに気付いた老倉は、リリのスマホを持ち去り、
ゲームセンターから少し離れた場所にある自販機の陰に隠れます。

そして、亜美子から聞いていたリリの誕生日を入力してスマホのパスワードを解除し、
リリと旗本がグルだったという証拠を見つけました。

老倉を追ってやってきたリリや旗本やその他のクラスメートに、
老倉はそのスマホを見せつけます。

お前はいったい誰派なのかと訊かれた老倉は、
阿良々木派よ、と適当なことを言いました。

スマホを盾にして、
どんな嘘をついてもいいから今すぐ亜美子と仲直りして来なさい、
と老倉が言うと、リリと旗本はその通りにしました。

こうして、亜美子と旗本は再び登校するようになり、
老倉は孤立したままで残りの高校生活を送るのでした。

最後、箱邊夫妻の家に老倉の実父が押しかけてくるのですが、
老倉は気楽な感じで応対することができました。


というあらすじです。

上記のあらすじでは省略しましたが、
老倉が阿良々木くんのことをどれだけ嫌っているのか、
大量に書いてありました。

でも、結果的に老倉は阿良々木くんと似たようなことをやっているのが面白いですwww

それから、老倉は戦場ヶ原さんや羽川さんのことを「特別な人」と認識しており、
嫉妬しているのですが、老倉が知らないだけで実際には、
戦場ヶ原さんや羽川さんも悲惨な家庭環境なんですよね。

隣の芝生は青く見える、というやつでしょうか。

あと、今回は怪異が登場しませんでしたね。
まあ、今までにもそういう話はいっぱいありましたけど。

しまうました的には、老倉が可愛かったので、もうそれだけで満足です。

愚物語第2話の「するがボーンヘッド」や、
第3話の「つきひアンドゥ」は、「そだちフィアスコ」とは全然違う時系列の話です。

(愚物語 1話そだちフィアスコ 2話するがボーンヘッド 3話つきひアンドゥ
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