西尾維新「続・終物語 最終話 こよみリバース」のネタバレ解説

続・終物語 (講談社BOX)


卒業式の翌日、阿良々木くんは妹たちに起こされることなく目を覚ましました。

回想という形で、卒業式には出席せず、
職員室で土下座して謝ったというエピソードが語られます。

おうぎダーク」のラストシーンで出会った少女を助けるために、
卒業式をボイコットしてしまったわけですね。

花物語で語られていた、卒業式に起こった大事件というのは、
阿良々木くんが卒業式に出席しなかったことだったようです。

……まあ、正直に言うと、高校生が卒業式に出席しないというのは、
それほど珍しいことではないと思うんですけどね。
就職の面接や、受験の日程と重なっていて出席できなかったという人は、
何人か知っています。
まあ、当日になってボイコットしたら問題になるでしょうけど。
特に、阿良々木くんは教師からの受けが良くありませんし。

目覚めた後、洗面所で顔を洗った阿良々木くんは、鏡を見ました。

阿良々木くんは無事に鏡に映るようになったのです。
しかしそこで阿良々木くんは鏡に違和感を覚え、鏡に触れました。
すると、指先が鏡に沈み込み、さらには一面紫色に染まりました。

そして――阿良々木くんは、普通の鏡の上に立っていました。

するとそこへ、150センチもないくらい、
背が低くなってしまった火憐ちゃんが登場します。
しかも、台詞の文字が左右反転しています。

読みにくいことこの上ないのですが、手鏡とかに映しながら読むと、
読みやすいですよwww

背が低くなった火憐ちゃんを見て動揺した阿良々木くんは、
妹達の部屋へ行きます。
そこで、月火ちゃんと会いますが、月火ちゃんの方は、
台詞が左右反転し、着物の着方を間違えている以外、
変化はありませんでした。

しかし、月火ちゃんが部屋から出ていくと、
死体人形の余接が話しかけてきたのですが、
いつもの無表情キャラではなく、キメ顔でそう言いました。

阿良々木くんは、八九寺に会いに北白蛇神社へ行きますが、
そこにいたのは10歳の八九寺ではなく、
傾物語に登場した21歳の姿の八九寺でした。

しかも、いつもの阿良々木くんと立場が逆転しており、
阿良々木くんに激しく抱きつきます。

ますます動揺しつつも、阿良々木くんは八九寺に相談しました。

すると八九寺は、きみは鏡の中に来たんだよ、とあっさりと答えます。
まあ、読者も阿良々木くんも、とっくに気付いていたことだったんですけどね。

色々と反転しているこの鏡の世界はつじつまが合わないことだらけなのですが、
八九寺は、ここはつじつまが合わなくてもいい世界なのだと言います。

吸血鬼の忍は鏡の世界には存在できないので
向こうの世界に置いてきてしまったけど、
忍に向こう側からゲートを開いてもらえばいい、という話になります。

しかしそのためには、忍とコンタクトをとる必要があります。
阿良々木くんは、「こよみウォーター」に登場した、
神原家のお風呂の水面には運命の相手が映る、
という話を思い出し、神原家へ行きました。

しかし、インターホンを押した途端、
レイニー・デヴィル状態の神原に襲われました。

忍がいないことで吸血鬼性を失った阿良々木くんは死にかけますが、
そこでブラック羽川が阿良々木くんを助け、浪白公園まで運んでくれました。

どうしても神原家に入りたいのなら、相棒と一緒に行け、
とブラック羽川は言い、姿を消しました。

ひとまず家に帰った阿良々木くんは、そこで老倉育と出会います。
ちなみに、表紙の少女は、老倉でした。
意外な人選だったので、この場面まで気付きませんでした。

老倉は、小学生の頃から阿良々木くんと同じ家、同じ部屋で暮らしており、
陽気に振る舞っていました。
阿良々木くんにも非常に親しげに話しかけてきます。

しかし、「私、とっても幸せなのに――こんなの、全部嘘だって思ってる」
と、老倉もこの世界に違和感を覚えている様子でした。

老倉から逃げるように、再度北白蛇神社へ行くと、
そこには囮物語に登場したクチナワさんのような喋り方をする千石撫子がいました。
八九寺は、千石のことを、先輩の神様のクチナワさんだと紹介します。

ちなみに、蛇は鏡の専門家であり、
だから八九寺はクチナワさんに相談したのだそうです。

クチナワさんによれば、鏡というのは真実を映すものであり、
この鏡面を越えたここは、裏面だったのだそうです。

ブラック羽川は羽川さんの裏側の姿であり、
背の低い火憐ちゃんは彼女の幼い内面が顕在化した姿であり、
余接は内に秘めていた感情を表現できるようになっており、
レイニー・デヴィルは神原の裏側であり、
幼馴染として振る舞う老倉は彼女や阿良々木くんの願望のような裏側であり、
クチナワさんは千石の別人格のような存在であり――、
というふうに一応の説明がつくみたいです。

月火ちゃんはあまり変化がなかったのは、彼女が裏表のない性格だったからですね。

そして、この鏡の世界の阿良々木くんはどこにいるのか、という話になりますが、
阿良々木くんは、この世界の自分は忍野扇だったのだろうと推測します。

家に帰った阿良々木くんは、老倉と同じ部屋をあてがわれており、
二段ベッドの上下を使っているということに動揺しますが、
鏡について知っていることはないかと質問しました。

老倉は、鏡の反射率は80パーセントくらいであり、
鏡像は現像よりもぼやけて見える、という話をしました。

その夜、阿良々木くんは無表情キャラに戻った余接に起こされます。
余接は、阿良々木くんが自分のパンツを脱がせずに去っていったことに違和感を覚え、
パフォーマンスをフルに発揮できるように性格を作り替えたのだそうです。

余接は、阿良々木くんを、学習塾跡の場所へ連れて行きますが、
そこには何と、お城が建っていました。

その中には、吸血鬼ではなく人間状態の
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが住んでいました。

キスショットは、この世界に阿良々木くんがいることで悪影響が出ているので、
早く元の世界に戻るべきだ、神原家に侵入するのなら誰かに助けてもらうべきだ、
という話をします。

しかし、カーテン越しにもかかわらず、キスショットと謁見した阿良々木くんは、
猛烈に自殺したくなってきました。
この辺りの事情は「うつくし姫」で語られているのですが、
阿良々木くんが自殺する前に、余接は「例外の方が多い規則」で脱出しました。

神原家に侵入する際に、神原の気を引いてくれる奴はいないかなと考えたところ、
余接といううってつけのキャラがいることに気付きました。

翌日、阿良々木くんは洗面所で、月火ちゃんに髪を洗ってもらったのですが、
その洗面台に溜まった水に映った阿良々木くんの顔が、にやりと笑いました。

その後、余接に神原を引き止めてもらっている間に、神原家の浴室へ侵入します。
ところが、全〇になってお風呂に浸かっても、湯船には何も映りませんでした……。

しかしそこへ、神原の母親の臥煙遠江が登場します。
そしてなぜか、2人は向かい合って入浴することになりました。

遠江は「知ってるとか知らないとか、そういうのはどーでもいいんだよ」と、
妹の伊豆湖や、羽川さんとはまた違う価値観のことを言いました。

湯船から出た後、遠江は阿良々木くんの背中を流しながら、
臥煙家というのは化物作りの専門家の家系だったのだと言います。

「猿の手」ことレイニー・デヴィルは遠江の分身なので、
集まると危険かもしれないとも忠告します。

そして、気が付くと遠江の姿は消えていました。
遠江はやはりこの世界でも死んでおり、幽霊だったみたいですね。

しかし阿良々木くんの背中には、「ナオエツコウコウ」という文字が刻まれていました。

余接と一緒に神原家を出た後、阿良々木君は直江津高校に、
余接はブラック羽川を捜しに行くことになりました。

阿良々木くんはカムフラージュのために学生服を着て、直江津高校へ行こうと思い、
一度家に帰ります。
ところが、家にあったのは男物の学生服ではなく、女子の制服でした。

阿良々木くんはなぜか、その女子の制服を着て、直江津高校へ向かいます。

……えーと、別に普段着で高校へ行っても問題ないのですが、
阿良々木くんには思いつかなかったらしいです。

その頃、北白蛇神社へ行った余接は、小学生姿の羽川と、八九寺おねーさんと、
千石撫子の外見をしたクチナワさんが酒盛りをしているのを見て絶句していました。
しかし、彼女たちによれば、事件はもう終結に向かっているのだそうです。

一方、高校に到着した阿良々木くんは、「おうぎフォーミュラ」に登場した、
あの教室の亡霊的な存在の教室へ行きました。

するとそこには「忍野扇がいました。

阿良々木くんが扇のコスプレをしているのと同じように、
扇も阿良々木くんのコスプレをして学ランを着ていました。

花物語に登場した扇が男の格好をしていたのは、そんな理由だったのでした……。
何というか……脱力です。

ブラック羽川が言っていた相棒というのは扇のことであり、
ブラック羽川に阿良々木くんを助けるように頼んだのも扇だったのでした。

扇はこの教室に閉じ込められていたので、そんな迂遠な方法をとったのですね。
まあ、ブラック羽川が、直江津高校のあの教室へ行けと最初から言っていれば、
こんな遠まわりをする必要はなかったのですが、
それを突っ込むのは野暮というものでしょう。

ちなみに、洗面台に阿良々木くんのにやけ顔が映ったり、
学ランが女子の制服に変わっていたのは、扇の仕業でした。
阿良々木くんに危機感を持ってほしくてそんなことをしたのだそうです。

阿良々木くんは昨日の朝、本来は鏡に吸収されて跳ね返ってこなかった、
20パーセントの光を掬いあげ、ゲートを開いてこちら側へ救出してしまったのです。

つまり、阿良々木くんが鏡の世界へ行っていたのではなく、
現実世界(と言っても阿良々木くんの住む町だけですが)が、
鏡の世界に変貌していたのですね。

臥煙伊豆湖がこの町に置いていった姉の苦い記憶や、
本当はこの町に残っていたかった羽川の心残りや、
人間だった時代のキスショットや、生前の余接や、
火憐の女子らしさに対するコンプレックスや、
大人になれなかった八九寺や、
千石や神原のうちに秘めたる凶暴性など、
忘れたものや忘れたいものが表面化していたのでした。

扇は阿良々木くんに、黒板を材料に作った、反射率ゼロパーセントの鏡を渡します。

その鏡を神具として北白蛇神社に置けば、鏡の世界の光を吸収してくれるのだそうです。

翌朝、阿良々木くんの家へ戦場ヶ原さんがやってきました。

阿良々木くんが戦場ヶ原さんに、今回の事件の顛末を話しながら、
合格発表を見に行くところで、
」この物語は終わります。

……と言っても、時系列的には花物語に続くんですけどね。
本当にややこしいシリーズです。

ファイナルシーズンはこれで終わりですが、
愚物語業物語撫物語結物語と、この後オフシーズンが出版されました。

星新一「全快」のネタバレ解説

新進の作曲家として活動中で、モテモテの青年が、
病院の神経科を訪れました。

そして、借金があるような気がしてならないと、医師に訴えます。

すると治療が進められ、
1年前に青年が記憶喪失になっていたことが明らかになりました。

借金の山と、不美人の妻と、横領で逃げている身分である、
という記憶を……。

ある意味、夢オチの対義語の現実オチのようなオチですね。

ここまで極端ではなくても、誰でも都合の悪い現実は忘れたがっているものですけどね……。


後味は悪いのですが、こういうオチ、大好物です。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」8巻⑨「その部屋には、紅茶の香りはもうしない。」のネタバレ解説

生徒会長に当選した一色は、戸部をこき使いつつ、
生徒会室への引っ越しを始めていました。

城廻めぐりは、雪ノ下が生徒会長、由比ヶ浜さんが副会長、
比企谷が庶務になるのを期待していた、
という意味のことを言いました。

その後、比企谷は奉仕部の部室へ行きますが、
雪ノ下は表面上は当たり障りのない微笑みを浮かべながらも、
由比ヶ浜さんと比企谷に対して壁を作っていました。

集まっても早々に解散し、部室で紅茶を飲むこともなくなります。

要するに……雪ノ下は、本当は生徒会長になりたかったんですよね。

それが、姉の陽乃に対するコンプレックスなのか、
それとも純粋に生徒会長をやってみたかっただけなのかは分かりませんが、
とにかく、生徒会長をやってみたかったのです。

しかし、雪ノ下は素直な性格ではなく、
また、雪ノ下が生徒会長になったら奉仕部も存続できなくなるので、
由比ヶ浜さんや比企谷にそれを言い出すことができなかったのです。

で、奉仕部の依頼にかこつけて、生徒会長になろうとしていたわけです。

それでも、言わなくても分かってもらえると思っていたのかもしれませんが、
やっぱり、言わないと分からないこともあるんですよね……。

そんなつもりではなかったのに、結果的に雪ノ下の夢を打ち砕いてしまうという、
非常に後味の悪いオチで、この8巻は終わります。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」8巻⑧「満を持して、比企谷八幡はかたりをする。」のネタバレ解説

から3日間、ツイッターの管理を続けていた比企谷と材木座は、
アカウントの設定を変更します。

その翌日の金曜日の昼休み、比企谷は一色いろはの教室を訪れ、
図書館で、ある作業を手伝って欲しいと頼みます。

まず、一色は葉山に好意を抱いていることを再確認します。

さらに、葉山が応援する雪ノ下や、三浦が応援する由比ヶ浜さんには、
一色は絶対に勝てないと、比企谷はまず一色のプライドを傷つけます。

と、そこで種明かし。
一色にさせていた作業は、一色いろはの推薦人名簿の作成なのでした。
「一色いろは応援アカウント」のツイートを印刷したものを
手書きで写させていたのですが、その数、何と400を超えています。

総武高校の全校生徒数は1200人なので、その3分の1です。
それを見た一色は表情を変えました。

……落としてから持ち上げる、高度テクニックですね。

そして、「一年生で生徒会長なんて大変なのに頑張ってる私」を演出し、
葉山の気を引けと比企谷は提案します。

その日の放課後、「一色が真剣に生徒会長をやることになったので、
雪ノ下と由比ヶ浜さんは立候補する必要がない、
ということを比企谷は2人に告げました。

実は、一色いろは応援アカウントは、葉山、三浦、海老名、一色、
戸塚、相模、戸部、第二の葉山アカウント、
これらのアカウントを、プリントアウトする直前に、
一色いろは応援アカウントに変更していたのでした。

こうして、雪ノ下と由比ヶ浜さんは生徒会長選挙に立候補せずに済んだのですが……。

由比ヶ浜さんは、ヒッキーは頑張ったと手放しで褒めてくれましたが、
『わかるものだとばかり、思っていたのね……』
と、雪ノ下は意味深長なことを呟きました。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」8巻⑦「言うまでもなく、比企谷小町の優しさはそこにある。」のネタバレ解説

8巻以来、冷戦状態にあった小町に、
比企谷はこないだは俺の言い方が悪かったと謝罪し、
生徒会選挙について相談に乗ってもらうことにしました。

小町は、雪ノ下や由比ヶ浜さんが好きだから、
小町や小町の友達のためになんとかなんないかなと言いました。

要するに小町は、「妹のために」奉仕部を存続させるべきだ、
という大義名分を比企谷に与えたわけですね。

その翌日。
比企谷は材木座にも遭遇し、材木座にも相談しました。

こんなに誰かに相談するなんて、
以前の比企谷にはなかったことなので、
その成長が垣間見えますね。

教室では、本気で生徒会選挙に立候補するつもりの由比ヶ浜さんが、
三浦や海老名さんに相談していました。

放課後、比企谷はサイゼリアで、
材木座と一緒に作戦会議を始めます。

そこへ小町と、小町が呼んだ戸塚、川崎沙希、川崎大志も合流します。

中学で生徒会役員をやっていた小町は、
立候補をする前から、普段から小町がやるよと宣言しておき、
さり気なく信任投票にもっていったのだそうです。

大志も、たくさん他の候補者がいればいいんじゃないかと提案します。

材木座は、そもそもあの連中と戦おうというのがまちがっている、
と言いました。

それらの意見を考慮した結果、比企谷は、一色いろはを説得し、
そのまま生徒会長にしてしまえばいいのではないかと気付きます。

さらに、他の候補者として相応しい人材を、川崎に挙げてもらい、
その人達の名前を勝手に使うことにしました。

そして推薦人をたくさん集めて、
予備選挙という感じにもっていこうとします。

比企谷は材木座に、偽の候補者を応援する、
ツイッターのアカウントを大量に作ってもらい、
二人で協力してそのアカウントを運用することにしました。

という感じで作戦の方針は決まったのですが、比企谷は、
雪ノ下や由比ヶ浜さんとちゃんと話してねという、
小町の助言を無視してしまったのでした……。
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個人の趣味でやっているブログなので、解説してほしい本のリクエストは受け付けていません。
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