川原礫「ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット」のネタバレ解説

ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット (電撃文庫)


この6巻は、5巻から始まった「ファントム・バレット」編の後編です。

この巻はいつもより分厚く、あとがきも含めると445ページもあります。
そんなわけで、このネタバレ解説記事もとんでもない長さになっています……(泣)

さて、2025年12月14日、日曜日。

桐ヶ谷和人(キリト)は「妹」の直葉から、
GGOのバレット・オブ・バレッツ本大会出場プレイヤーの中に、
kiritoの名前を発見したと教えられます。

実は和人は、アスナにはGGOにコンバートしたことを教えていたけど、
直葉には教えてなかったんですよねー。

和人は、例えば霧ヶ峰藤五郎とかいう名前の奴の略称なのではないか、
ととぼけますが、
実は直葉は既に和人がALOからGGOにコンバートしたことを知っていました。

リーファ(直葉)は、昨日の夜にキリトがフレンドリストから消えているのに気付き、
アスナから事情を聞いていたのだそうです。

と言っても、キリトはアスナにも、あまり詳しい事情は話していなかったのですが。

和人は直葉に「必ず帰ってくる」と約束します。
(あかん……それ死亡フラグや……)

ちなみに、今回の仕事の報酬として、
和人は菊岡から30万円も貰えることになっていたのですが、
直葉は自分にもその分け前を要求しました……。


和人は午後3時に家を出て、例のおんぼろバイクで昨日と同じ総合病院へ行きました。

安岐に挨拶をしてGGOにログインする準備を整えながらも、
和人は安岐に、亡くなった患者のことをどれくらい憶えているのかと質問しました。

安岐はリハビリ科に異動する前は外科にいたので、当然、
患者の死とも直面した経験があったわけです。

すると安岐は、顔も名前も憶えていると答えました。

忘れたいと思ったことはないかと和人がさらに質問を重ねると、
忘れたいと思うことほど本当は忘れるべきではないのだという意味のことを、
安岐は答えました。

それを聞いた和人は、自分はSAOの中で人を3人殺しているのだと言いました。

そのうちの1人はヒースクリフ(茅場晶彦)なのでしょうが、
残りの2人、殺人ギルド「ラフィン・コフィン」のメンバーのことは、
顔も名前も思い出せないのだと言いました。

しかし安岐は、自分が助けた人のことを思い浮かべることで、
自分も助ける権利があるのだと言い、
また、本当は忘れて何かいなくて思い出すべき時が来たら全部思い出す、
と予言しました。

安岐の言葉で自分を取り戻した和人は、GGOにログインしました。

その頃、朝田詩乃(シノン)は現実の公園で、唯一の友人の新川恭二に、
キリトについての愚痴をこぼしていました。

恭二はいつの間にか詩乃を抱き締めていましたが、
詩乃は恭二の身体を押しのけ、
今はまだそういう気になれないから、待ってくれる?
という感じのことを言いました。

そういう思わせぶりは態度はよくないと思うんですけど、
長らく、詩乃にとって恭二は唯一心を許せる相手だったので、
友情を失いたくなかったんでしょうね。

恭二と別れた後、詩乃は自宅のアパートに戻り、
アミュスフィアを被ってGGOにログインしました。

すると、すぐにシュピゲール(恭二)がシノンに話しかけてきました。

シュピゲールはシノンに好きだと告白しようとしますが、
シノンは今は大会に集中したいからと最後まで言わせませんでした。

恭二と別れて大会の会場へ向かう途中、シノンはキリトから話しかけられます。

総督府ホールの1階で今度は余裕を持ってエントリーを済ませた後、
キリトはシノンからバレット・オブ・バレッツ本大会について
レクチャーしてもらいます。

本選のバトルロイヤルは予選と違い、
直径十キロの広大な同じマップに30人がランダム配置され、
最後まで生き残った人物が優勝になります。

最初の配置はどのプレーヤーとも1キロは離れているので、
いきなり目の前に敵が立っていることはありません。

マップは山あり森あり砂漠ありの複合ステージなので、
装備やステータスタイプでの一方的な有利不利はありません。

また、参加者には「サテライト・スキャン端末」というものが配られます。

15分に1回、上空を監視衛星が通過し、そのとき全員の端末に、
マップ内の全プレーヤーの位置が送信されるという仕組みです。

なので、同じ場所に隠れ続けることはできず、
サテライト・スキャンされたら即座に移動するのが定石となります。

さらにキリトは本選出場者の中に知らない名前はいくつあるかと、
シノンに尋ねます。

死銃はこれまで本当の名前である「死銃」を伏せていたはずであり、
キャラネームも知られないようにしていたと推測されます。

なので、古参のシノンが知らない、つまり無名の名前があれば、
そいつが死銃である可能性が高いというわけですね。

シノンが知らない名前は3つあり、
銃士X、ペイルライダー、スティーブンでした。

ペイルライダーとスティーブンはアルファベット表記だったので、
本当にその読み方でいいのかは分かりませんでしたが。

そして、いよいよ午後8時に本大会が始まり、30分が経過しました。

現時点で9人も倒されています。
そのうちの2人はシノンが狙撃で倒しており、
まあ順調といっていい感じでした。

サテライト・スキャンにより、
シノンの近くにはダイン、ペイルライダー、
「獅子王リッチー」の3人がいることが判明しました。

ペイルライダーはダインと戦闘中だったので、
シノンはダインを「ヘカートⅡ」で狙撃できる位置に移動しました。

ダインは、追ってくるペイルライダーを橋の傍で待ち伏せしており、
シノンはもうダインを撃ってもいいのではないかと考えました。

ところがそのとき、背後からキリトに話しかけられました。

キリトはシノンに気付かれないように背後まで近づいていたため、
本当ならばシノンは負け確定のはずでした。

しかし、キリトにはダインとペイルライダーの戦闘を終わりまで見たいという
目的があったため、キリトはそれが終わるまで狙撃しないでくれとシノンに頼み、
シノンの隣で双眼鏡を使って戦闘を見ることになりました。

ダインとペイルライダーの戦闘を見たがった理由は言うまでもなく、
ペイルライダーがシノンの知らない名前3人の中の1人だったからですね。

ペイルライダーは圧倒的な強さでダインを倒し、
シノンはペイルライダーを撃とうとしますが、そのとき意外なことが起こりました。

ペイルライダーが、サプレッサー(サイレンサー)付の銃で撃たれたようなのです。

その後、シノンはキリトに、サテライト・スキャンで見た限りでは、
シノンの近くにキリトはいなかったのにどこから現れたのか、と尋ねます。

するとキリトは、川を泳いで、
というか潜って渡っていたから見つかなかったのかもしれない、
と答えました。

川を泳ぐには装備を全部外さないといけない――つまり、
他のプレーヤーに見つかったら負けがほぼ確定なので、
普通はそんなこと思いついてもやらないんですけど、
まあ、キリトさんですからねwww

さて、何者かに撃たれたペイルライダーは、死んだわけではないのですが、
起き上がりませんでした。
シノンの解説によると、ペイルライダーが喰らったのは電磁スタン弾であり、
高電圧で対象をしばらくの間麻痺状態にする効果がありました。

と、そこへ突然、ぼろマントの男が出現します。
死銃です。

死銃が十字を切る動作をしているのを見て、
キリトはシノンに、ぼろマントを撃てと言いました。

シノンは300メートルの距離から死銃を狙撃しました。

ところが、死銃は弾が当たる直前でそれを避けました。
弾道予測線(バレット・ライン)が見えていなければ回避不可能な動きであり、
死銃は大会が始まってからどこかの時点でシノンを目視していたことになるのですが、
シノンには心当たりがありませんでした。

一方、死銃は小さな拳銃でペイルライダーを撃ちましたが、
そんな攻撃ではペイルライダーを倒すことができない――はずだったのですが、
ペイルライダーは一瞬立ち上がった後、倒れ、消滅してしまいました。

バレット・オブ・バレッツ本大会は、
死んだ後もアバタ―がその場に残るという特殊ルールがあるので、
ペイルライダーが消滅したことは異常事態でした。

シノンの目には、ペイルライダーの回線が切れたように見えたのですが、
キリトは、ぼろマントはペイルライダーを殺したのだ、
たった今ペイルライダーを操っていた生身のプレーヤーは現実世界で死んだのだと
シノンに言いました。

そして、死銃の姿は鉄柱の向こう側に消え、
サテライト・スキャンの時間がやってきたのですが、
死銃の名前は端末に表示されていませんでした。

死銃は川に潜ったのだと考えたシノンは死銃を深追いしようとしますが、
キリトは自分がSAO生還者であることや、死銃のことを説明して止めました。

キリトは、死銃を1人で追いかけようと、シノンと別行動しようとしますが、
シノンは自分もついていくと言いました。

そんなときに、夏候惇(カコウトン)というキャラに襲撃されたのですが、
キリトとシノンは2人がかりで夏候惇を倒しました。

ここで場面が大きく変わり、ALOの中でGGOの大会を観戦している、
アスナ、リーファ、シリカ、クライン、リズベット、ユイの6人にスポットが当たります。

ちょうど死銃がペイルライダーを撃つ場面が中継されていたのですが、
キリトやシノンには聞こえなかった、死銃の声が聞こえました。

死銃は「イッツ・ショウ・タイム」という特徴的なフレーズを使ったのですが、
それを聞いたクラインは、
死銃が「ラフィン・コフィン」の元メンバーであることを見抜きました。

そのフレーズはラフィン・コフィンのリーダーであるPoH(プー)の決め台詞であり、
それを使うということはラフィン・コフィンの中でも幹部のものだと思われました。

さらに、昨夜からキリトの様子がおかしかったというリーファの言葉を聞き、
アスナは一度ログアウトしてキリトの依頼主と連絡をとってみると言いました。

菊岡もALOで「クリスハイト」という名前のアバターを作っており、
正体は知らないもののリズベット達とも面識がありました。

クリスハイトはGGOで起きている死銃事件について概要を説明します。
アスナは、菊岡から、キリトがダイブしている場所を説明してもらうと、
現実世界にいるキリトのところへ行くことにしました。

その頃、キリトとシノンは、死銃は基本的にはスナイパーなので、
次の狩場に、大会会場の島の中央にある都市廃墟を選ぶ可能性が高いと推理し、
そこへ移動しました。

問題は、銃士Xとスティーブンのどちらが死銃のキャラネームなのかですが、
銃士を引っくり返して死銃、エックスは十字なのではないかとシノンは推測しました。

サテライト・スキャンの直後、2人は手分けして銃士Xの名前を探します。

すると、この廃墟の中央のスタジアムにいるのを見つけました。

キリトがスタジアムの中に潜入し、シノンが後方から援護することになりました。

ところが、突然、シノンは電磁スタン弾で撃たれてしまいました。

そこへ、死銃が現れます。
死銃はメタマテリアル光歪曲迷彩(オプチカル・カモ)――要するに、
透明マントを着ていたのでした。

迷彩マントはサテライト・スキャンすら回避できるという、
ゲームバランスが崩壊するのではないかというチート性能があります。

シノンが狙撃した弾を死銃が回避できたのも、ペイルライダー戦の前に、
迷彩マントを着た状態でシノンに近づいていたからだったのですね。

シノンは麻痺状態になりつつも抵抗しようとしますが、
死銃が取り出した五四式・黒星を見て、恐怖に陥ってしまいます。
その銃は、シノンが正当防衛で殺した郵便局強盗の使っていた銃だったからです。

シノンは麻痺とは関係なく動けなくなってしまいますが、
そこへキリトが駆けつけ、シノンを抱えて逃げてくれました。

後で分かるのですが、銃士Xは女性だったので、
キリトは一目見ただけで死銃ではないと見抜き、
急いで銃士Xを倒してシノンのところへ駆けつけたのでした。

やがて、キリトはシノンと一緒にレンタバギーに乗り込みます。

キリトはシノンに、レンタバギーの横に停められていた金属馬を撃ってほしい、
と言いましたが、シノンは撃つことができませんでした。

シノンは精神的な問題でトリガーを引くことができなくなってしまっていたのです。

キリトとシノンは金属馬を壊すのを諦め、バギーで逃げますが、
死銃は金属馬に乗って追いかけてきました。

逃走中、シノンはやっぱり死銃を撃つことができなかったのですが、
キリトが一緒に銃を支えて引き金を引いてくれたことで、
何とか撃つことができました。

その弾は大型トラックに当たり、トラックが爆発しました。
死銃本人を倒すことはできませんでしたが、金属馬は使用不可能になり、
とりあえず尾行を撒くことができました。

キリトのHPを救急キットで回復するために、
バギーごと洞窟の中に入り、しばらく隠れていることにしました。

洞窟はサテライト・スキャンが無効化されるという特性があるのですが、
あまり長時間洞窟に隠れていると、
グレネードを投げ込まれるだけで呆気なく死んでしまうというリスクもあります。

キリトは、自分は死銃を追うけど、シノンは洞窟に隠れているようにと言います。
しかし、シノンは逃げたくないと言い、
五年前に郵便局強盗を殺したことについて告白しました。

すると、キリトも、
SAOでラフィン・コフィンのメンバーを殺害したことを告白し、
自分はまだそのことを乗り越えていないが、
それはきっと正しいことなのだという考えを告げました。

その後、死銃はどうやってプレーヤーを現実に殺しているのかという話になります。

死銃はペイルライダーは殺したけど、その傍で「死んで」いるダインは無視したことや、
シノンは殺そうとしたのにキリトは無視したことなど、
不自然な点に思い至りました。

シノンが何気なく、現実世界で賞品としてモデルガンを受け取ったことを話すと、
キリトはその受取方法が気になりました。

GGOで最初にアバタ―を作るときには住所氏名などは書く必要がないのですが、
賞品を受け取るときにはエントリー時に本名や住所を記入する必要があります。

ただし、本名や住所は空欄でも大会に出場することができるので、
その際はゲーム内でのアイテムという形で賞品を受け取ることになります。

そしてキリトは、死銃がプレーヤーを殺している方法に思い至りました。

実は、「死銃は2人いたのです。

1人目、つまり迷彩マントのアバタ―がゲーム内でターゲットを撃つのに合わせ、
予め現実世界のターゲットの部屋に侵入した2人目が、
ターゲットに薬品を注射して殺していたのでした。

住所と氏名は、迷彩マントを使い、
ターゲットがエントリー時に入力したものを読み取っていたのでした。

つまり、今この瞬間にも、現実世界の詩乃の部屋に共犯者が侵入し、
シノンが死銃に撃たれるのを待っている可能性があるのです。


恐怖に駆られたシノンは発作を起こしそうになりますが、
キリトに励まされ、抱き合うようにして正気を取り戻しました。

――ちなみに、その映像は中継されてしまっていたのですが、
キリトが男だとは知らない人にとっては
女の子同士で抱き合っているように見えたことになりますね。

午後9時45分になり、7回目のサテライト・スキャンの時間がやってきます。

その時、シノンは洞窟に隠れたままキリトだけ外に出て、
スキャンの結果を確認することにしました。

すると、大会出場者の中で生き残っているのは、
画面に映らないシノンと死銃を入れても、たったの6人だけでした。

さらに、廃墟で密接していた2人のドットの光が消えました。
おそらく、スキャンがあったときに初めてすぐ近くにお互いがいることに気付き、
相討ちになってしまったのでした。

そして、生者と死者の数に、シノンと死銃を足しても28人にしかならず、
ペイルライダーの他にもう1人殺されている可能性が濃厚になっていました。

今、生き残っているのは、キリト、シノン、死銃、
そして前回の大会で2位だった闇風の4人だけになっていました。

誰かもう1人が殺されていたとしても、
死銃の共犯者が1人だけとは限らず、
依然としてシノンが死銃に狙われている可能性はあります。

キリトが囮役になり、キリトに近づいてきた闇風あるいは死銃を、
遠くに隠れたシノンが撃つという段取りになりました。

AGI特化型の闇風が物凄いスピードでキリトに近づいていきます。
キリトを撃つために停止した闇風を、シノンは狙撃して倒しました。

そこへ、死銃も迷彩マントを解除して姿を現しました。

シノンは死銃も撃とうとしますが、
弾道予測線を見た死銃もシノンを撃とうとします。

シノンの弾は死銃の「サイレント・アサシン」を破壊し、
死銃の弾はヘカートに装着したスコープを破壊しました。

スコープがなくなったため、もうシノンには死銃を撃つことはできませんでした。
肉眼で撃つと、弾がキリトに当たってしまう可能性がありますからね。

キリトは光剣で死銃を倒そうとしますが、
逆に、死銃の使うやけに細い剣で左肩にカウンターを喰らってしまいました。

その頃、現実世界ではアスナがキリトの病院へ駆けつけていました。
病室で安岐と対面した後、携帯端末の中にいたユイが、
壁のパネルPCの画面をバレット・オブ・バレッツの本戦の中継の映像に切り替えました。

死銃の「Sterben」という名前を見た安岐は、
それは「スティーブン」ではなく、
「ステルベン」という医療用語だと説明しました。
その意味は「死」であり、患者さんが亡くなったときに使う言葉なのだそうです。

一方、キリトは、
死銃が使っている「エストック」という金属剣について死銃に質問していました。

死銃によると、その細い剣はナイフ作成スキルの上位派生、
銃剣作成スキルで作ることができるのだそうです。

まあ、銃がメインのGGOでわざわざそんなものを作る奴は非常に珍しいでしょうから、
キリトが知らなかったのも無理はないですね。

キリトは、死銃の犯行の手口を暴き、
死銃のSAO時代の名前さえ分かれば警察に逮捕させることができると言いましたが、
それを聞いた死銃は次のように反論しました。

ラフィン・コフィン討伐の際、名乗りを上げようとした死銃に対し、
キリトは名前なんか知りたくないと拒否していたのです。
だから、キリトは死銃の名前を知らないのでした。

キリトは光剣、死銃はエストックを使って斬り合いをしますが、
エストックは光剣を貫通してしまうため、キリトは完全に劣勢になりいました。

攻撃力自体は光剣自体の方が上なのですが、
光剣でエストックと鍔迫り合いをすることができないので、
キリトは絶体絶命のピンチでした。

しかしキリトは、ラフィン・コフィン討伐前のミーティングで聞いた、
死銃の名前を思い出しました。

死銃のSAO時代の名前は「XaXa(ザザ)」、
通称「赤眼のザザ」でした。

その名前を聞いた死銃は驚きのあまり、剣の軌道が逸れ、
キリトは間一髪で助かりました。

その直後、死銃を赤い照準予測線が狙いました。
これは予測線そのものによる攻撃です。
実際にはスコープを失ったシノンは狙撃することができないのですが、
照準予測線を見ただけで反射的に回避しようとする
GGOプレーヤーの習性を逆手にとったわけですね。

キリトは心の中でこれを「幻影の一弾(ファントム・バレット)」と名付けました。
副題をここで回収してきました。

さらにその直後、キリトの左手が勝手に動き、
二つ目の武器であるハンドガンの「ファイブセブン」を掴みました。

実はこのとき、現実世界でアスナがキリトの手を握っており、
それが仮想世界の中のキリトにも届いたのでした。

キリトは左手の銃を剣に見立て、二刀流のイメージで死銃を攻撃し、
死銃を倒すことができました。

キリトはシノンと合流します。
そして2人はお互いの住所と本名を教え合いました。

ログアウトしたらすぐに警察を詩乃の部屋へ急行させるとキリトが言うと、
警察が到着するまでは近くに住む医者の息子の新川恭二に来てもらう、
とシノンは言いました。

その後、シノンは闇風から奪ったプラズマ・グレネード弾をキリトに渡し、
キリトがそれを捨てるのを阻止するために抱きつきました。

こうして、大会開始から2時間4分37秒後、
シノンとキリトは同時優勝(要するに相討ち)になったのでした。

現実世界に戻った詩乃(シノン)は、
部屋の中に誰もいないことを確認して安堵します。

そこへ、呼んでもいないのに恭二がやってきました。
詩乃は鍵を外して恭二をアパートの部屋に招き入れます。

そして――「恭二は正体を現しました。

恭二こそが死銃の共犯者だったのです。

……まあ、正直、バレバレだったんですけどねwwwww

だって、容疑者らしい容疑者が、恭二と菊岡の2人だけしかいませんでしたし、
死銃がわざわざシノンのトラウマである黒星を使っているのを考慮すると、
それを知っている恭二が最有力容疑者ですから。

でも、SAOシリーズはミステリーじゃないんだし、
別に犯人がバレバレでもいいんじゃないかと、しまうましたは思います。

恭二は注射器を取り出し、中に入っている『サクシニルコリン』を、
詩乃に注射しようとします。

もう少しすればキリトや警察が来るはずなので、
詩乃は死銃について話し、時間稼ぎをします。

キリトがGGO内で戦った死銃は恭二の兄だったのでした。

恭二は既に現実世界で生きる気力をなくしており、模試の点も酷く、
GGOこそが本物の現実だと思い込もうとしていたのでした。

しかし、AGI型最強という偽の情報を流していたゼクシードのせいで、
シュピゲールは相対的に弱くなってしまっていた――
と恭二は考えていました。

恭二は、詩乃のことが好きだと言いつつ、詩乃を殺そうとします。

詩乃は一度は死を受け入れようとしましたが、
ここに駆けつけてくるであろうキリトが恭二に殺されるかもしれないと考え、
詩乃は抵抗することにしました。

詩乃は恭二の顎を掌で突き上げ、注射器を奪おうとします。
が、恭二は詩乃の右肩を殴り、そのときの衝撃で詩乃がぶつかったデスクの抽斗から、
賞品として送られてきたモデルガンが飛び出しました。

詩乃はそのモデルガンを恭二に向けます。
ハッタリをかましつつ、玄関から逃げようとしますが、
鍵を開錠したところで足首を掴まれ、キッチンに引き戻され、
恭二がのしかかってきました。


そこへ、和人(キリト)がやってきます。

和人は「詩乃を逃がそうとしますが、恭二は和人の胸に注射器を突き立てました。

その直後、詩乃は3キロはあるステレオ装置で恭二の頭を殴って昏倒させました。

しかし、薬品を注射されたキリトは死亡確定――かと思いきや、
慌てて病院を飛び出してきていたため、心電モニター装置の電極が胸についており、
注射器は奇跡的にその電極に当たっており、
キリトは助かったのでした。

その後、警察が到着し、恭二は逮捕された後、警察病院へ搬送されました。

詩乃とキリトも別の病院へ運ばれ、詩乃は一晩入院しました。

翌月曜日には登校し、また病院に戻ってきて警察の事情聴取がありました。

さらにその翌日の火曜日には、詩乃はいじめグループの遠藤から、
弾の出るモデルガンを突き付けられます。
しかし、詩乃はそのモデルガンを奪うと、遠くの空き缶を狙って撃って見せました。

詩乃は戦意喪失した遠藤にモデルガンを返し、校門へ行くと、
そこでキリトが待っていました。

他校の男子が校門でバイクに乗っているので、悪目立ちしています。

詩乃はキリトのバイクで高級な喫茶店へ入りました。
そこで待っていたのは菊岡で、詩乃は菊岡から死銃事件の詳細を聞きました。

恭二の兄の新川昌一は病気がちで、
総合病院のオーナー院長をしている父親から見放され、
恭二が病院の跡取りとして育てられている、
という歪んだ家庭環境の中で昌一と恭二は暮らしていました。

そんな中、昌一はSAOに囚われ、そこでラフィン・コフィンの幹部になりました。

その後、SAOから生還した昌一は、恭二を誘ってGGOを始めます。

そして暫くしてから、昌一はRMT(リアルマネー取引)で、
30万円出して透明マントを購入しました。
しかし、昌一は父親から月に50万円も小遣いをもらっていたので、
それくらい大したことなかったのだそうです。


死銃が持っていたレアな武器も全部、リアルマネーで購入したものでした。

……これだからMMOは嫌なんですよね。
現実世界での格差を仮想世界にまで持ち込もうとするのが、
何というか白ける感じがしてしまいます。

で、「死銃である昌一・恭二兄弟は、死銃事件の計画を立てていきます。

現実のプレーヤーの部屋の鍵を開けたのは、病院から盗んだ、
緊急時に患者の家のドアを開錠する合法マスターを使ったのだそうです。

……そんなマスターキーがある近未来世界って、嫌ですね。
悪用し放題じゃないですか。

ちなみに、今回に限って、昌一はもう1人、
SAO時代にラフィン・コフィンでコンビを組んでいた毒ナイフ使いを
計画に引き入れていました。

恭二だけではペイルライダーとシノンと、
それからもう1人殺されていたギャレットを大会中に殺すのが困難なので、
共犯者を増やしていたわけですね。

菊岡から話を聞いた詩乃は、面会できるようになったら恭二に会いに行き、
話を聞きに行くと言ったのですが……正直、これはどうかと思いますね。

恭二は完全にストーカーなので、もう関わらない方がいいと思うのですが。

和人と詩乃は菊岡と別れました。
菊岡は本当は総務省の所属ではなく防衛省の人間なのではないか、
という推測を和人は詩乃に話しました。


その後、和人はエギルの店へ詩乃を連れて行きました。

そこにはアスナとリズベットもいました。

アスナは詩乃に、友達になってくださいと右手を差し出しますが、
郵便局強盗を殺した自分の手は血塗られていると考えている詩乃は、
その手を握ることができませんでした。

しかし、和人が詩乃に微笑みかけると、詩乃はアスナの手を握ることができました。

その後、実は和人が既に郵便局強盗の件をアスナとリズベットに話していたことを、
和人は詩乃に教えます。

和人とアスナとリズベットは月曜日に学校を休み、
詩乃の故郷の町を訪ねていました。

そして、当時郵便局で働いていた大澤祥恵(おおさわ・さちえ)という女性と、
その4歳になる娘と連絡を取り、エギルの店で会う段取りを整えていたのでした。

あのとき強盗は、詩乃の母親と、
大澤祥恵の2人のうちのどちらを狙うか迷っていたので、
詩乃は母親だけではなく、大澤祥恵と、
当時まだ妊娠中だった娘の命も救っていたのでした。

そのことについて、大澤祥恵と娘は詩乃にお礼を言いました。

詩乃には、自分を救った人のことを考えたり、自分自身を赦したりする権利もあるんだ、
と和人は言います。
これは安岐が和人に言ったことの受け売りなのですが、
和人はそれを自分の価値観にしたのですね。

大澤祥恵の娘が書いた絵をプレゼントされた詩乃が泣いている場面で、
この『ファントム・バレット』編は終わります。 

5巻、6巻ではアスナの出番が少なく、名ばかりヒロインっぽくなってしまっていましたが、
次の7巻では活躍します。

川原礫「ソードアート・オンライン5 ファントム・バレット」のネタバレ解説

ソードアート・オンライン〈5〉ファントム・バレット (電撃文庫)


この5巻からがアニメ2期に相当する話になると思います。

さて。
SAO事件の解決から1年近くが経過しました。

ある日、GGO(ガンゲイル・オンライン)という
VRMMO(仮想大規模オンライン)のバレット・オブ・バレット本大会の優勝者、
ゼクシードがGGO内でインタビューを受けていました。

GGOはステータスを割り振るタイプのMMOなのですが、
ゼクシードは、
AGI型(敏捷力パラメータを上げたステ振り)が最強だという嘘の情報を流しつつ、
自分は別のパラメータを上げておき、見事に優勝した人物でした。

そんなとき、「死銃(デス・ガン)」と名乗る人物が、
同じくGGO内でモニター越しにゼクシードを銃で撃ったところ、
その優勝者の姿が消えるという事件が発生しました。

それから数週間後の、2025年12月7日。
キリト(桐ヶ谷和人)は現実世界で、
総務省総合通信基盤局高度通信網振興課第二別室に所属する、
菊岡誠二郎という男から、喫茶店に呼び出されます。

所属名が長ったらしいですけど、
要するにVRMMOを専門に扱う部署ということですね。

菊岡は、キリトがSAOから帰還したときに、
アスナの入院する病院を教えてもらったという恩のある人物でした。

菊岡は、GGOで起きた死銃事件についてキリトに説明します。

先月、11月に、東京都中野区にあるアパートで、
茂村保26歳の遺体が発見されました。

茂村の死因は急性心不全だったのですが、
アミュスフィア(VRMMOにログインするための装置)を被ったままの
状態で死亡しているという点で異様でした。

実はこの茂村こそが、物語冒頭で死銃に撃たれたゼクシードであり、
死亡推定時刻も死銃に撃たれた時間と近いことが判明しました。

さらに、今から十日前にも、「薄塩たらこ」というHNの31歳の男が、
GGO内で死銃に撃たれた時間帯に、
現実世界で死亡するという事件が発生していました。

ところで、このGGOは、銃による対人戦がメインのゲームなのですが、
それ以外にも大きな特徴がありました。

それは、ゲーム内で稼いだお金を現実世界で使える電子マネーに換金できる、
というものです。

ユーザーは毎月3000円の接続料を支払っています。
平均的プレーヤーが一ヶ月で還元できる金額は数百円といったところなのですが、
ゲーム内でレアアイテムを入手し、オークションで売れば、
数十万円というお金になるのだそうです。

トッププレーヤーの場合は月に20万から30万くらいを稼いでいるのですが、
だからこそ、
搾取されている下位のプレーヤーからは羨望と嫉妬の対象になっています。

で、キリトは菊岡から依頼されて、GGO内に潜入し、
死銃事件の真相を暴くことになりました。

キリトは菊岡と別れた後、アスナ(結城明日奈)と皇居周辺でデートをします。

その際キリトは、ALOの「キリト」をGGOにコンバートするという話をしました。

コンバートというのは、あるVRMMOで培ったスキルを、
別のVRMMOに移動させることです。

3巻で、ALOにダイヴしたキリトが、SAOのスキルを引き継いでいたようなものですね。

1度コンバートさせてしまうと、元のゲームのキャラは消滅するので、
気軽にできるものではなく、普通は完全に「引っ越す」ようなものです。

ただし、キリトの場合は、ALOで手に入れたアイテムはアスナやエギルに預けておき、
死銃事件が解決したらまた戻ってくるつもりだったのですが。


さて、ここで場面が大きく変わり、シノン(朝田詩乃)というキャラの話になります。

シノンはGGO内でも特殊な存在である、スナイパーでした。
「ヘカートⅡ」という狙撃銃の使い手です。

もうすぐ第3回となるGGO内の大会――バレット・オブ・バレッツ本大会があるので、
その下調べをするべく、シノンはダインというキャラ達とパーティーを組んでいました。

ダインも大会に出場予定なので、シノンは仲間になったふりをして、
ダインの武器や戦略について知ろうとしていたのですね。

ダインはいつも待ち伏せをして、他のパーティーを襲ってアイテムを稼いでおり、
この日も、以前襲ったことがあるパーティーを再度襲う予定でした。

シノンがスナイパーとして、遠く離れた場所から相手パーティーの1人を狙撃し、
戦闘が始まります。

ところが、そのパーティーの中にいたマントの男、ベヒモスは、
「GE・M134ミニガン」というレアな武器を装備しており、
ダインの仲間たちは次々とそのミニガンの餌食になってしまいました。

相手パーティーは、ダインに襲われることを予期しており、
このベヒモスという男を用心棒として雇っていたわけですね。

ミニガンは非常に重量が重く、移動速度が遅いという弱点があるのですが、
他のパーティーに防護してもらっていればその弱点をカバーでき、
普通ならダイン達に勝ち目はありませんでした。

シノンはダインのいる前線へ移動し、ダインと相談します。

ところがダインは早々に諦め、負けを認め、ログアウトしようと持ちかけました。

ログアウトしてしまうと、数分間はアバタ―がその場に取り残されるので、
100パーセント負けてしまいます。

そんなダインにシノンは「せめてゲームの中でくらい、銃口に向かって死んでみせろ!」
と啖呵を切り、囮役を頼みました。

ダインがベヒモスの注意を引き付けている間に、シノンがベヒモスを倒すと宣言しました。

囮役のダインはベヒモスに倒されてしまいますが、
その間にシノンは崩れたビルディングの中に飛び込み、5階まで上り詰めました。

シノンはそこからベヒモスを狙撃する計画だったのですが、
ベヒモスはそれを読み、シノンに銃口を合わせていました。

しかしシノンは、躊躇せずに窓から飛び出し、落ちながらベヒモスを撃ちました。

ミニガンでは真上を撃つことはできないので、
真上から落ちながら撃てば勝てる、という理屈です。

          (スゲェ…落ちながら戦ってる…)

ここで戦闘パートは終わり、シノンは現実世界に戻りました。

シノンは現実世界では朝田詩乃(あさだ・しの)という名前の高校1年生でした。

詩乃は一人暮らしをしているアパートへ戻る途中、
いじめっ子の女子3人組から呼び止められ、カツアゲされそうになりました。

詩乃は抵抗しますが、いじめグループのリーダーの遠藤が、
銃で撃つ真似をすると悲鳴を上げてしまいました。

そこへ、同級生の新川恭二がやってきて、
警官を呼んだふりをして遠藤達を追い払ってくれました。

詩乃にとって恭二は、唯一心を許せる存在です。

6月に図書館で詩乃が銃の載ったグラフ誌を読んでいたところ、
恭二が、銃が好きなのかと話しかけてきたことがきっかけで仲良くなりました。
恭二も酷いいじめを受けており、今は不登校になっていました。

実は詩乃は、銃が好きどころか恐怖の対象でしかなかったのですが、
恭二は勘違いしたままGGOの話をしました。

詩乃は、そのゲームを利用すれば銃に対するトラウマを克服できるかもしれないと思い、
恭二に誘われる形でGGOを始めました。

そして、今ではシノン(詩乃)は恭二のキャラよりも強くなっていました。

恭二はGGO初期に流行したAGI型(敏捷力パラメータを上げたステ振り)の
キャラ作りをしていたのですが、サービスが開始されてから8ヶ月が経過した今では、
STR-VIT型(筋力パラメータと体力パラメータをバランスよく配分したステ振り)
のキャラ作りの方が主流になっていました。

AGI型は回避力と速射力に優れているのですが、
要求STR(筋力)が高い武器を装備できず、
VIT(体力)が低いため回避不可の攻撃を受けたときに即死しやすい、
という欠点があったのでした。

恭二と別れて自宅のアパートに帰った詩乃は、
デスクの抽斗(ひきだし)からプラスチック製のモデルガンを取り出しました。

これは、シノンが22位になった、2ヶ月前に開催された大会の参加賞品でした。

ここで回想があります。

詩乃自身は憶えていないのですが、彼女がまだ2歳にもならない頃、
両親と親子3人で乗った車がトラックと衝突してしまいました。

事故から6時間後に通報があって救出されるまで、
詩乃の母親は内出血でゆっくりと死んでいく父親を見ていることしかできませんでした。

それ以来、母親の心は少しだけ壊れてしまいました。

それでも詩乃は祖父母と母親と一緒に暮らし、
何とか平穏な少女時代を送っていたのですが、
11歳、小学5年生になったときにさらなる不幸が詩乃を襲いました。

母親と一緒に郵便局へ行った詩乃は、そこで強盗事件に巻き込まれてしまいます。

強盗の男は、銃で詩乃の母親か、郵便局の女性職員を狙おうとしていました。
詩乃は母親を助けようと、強盗の腕に噛みつきます。

強盗が落とした銃を詩乃は拾い、構えました。
その銃はソビエト陸軍が使っていた「トカレフ・TT33」という拳銃を、
中国がコピー生産し「五四式・黒星(ヘイシン)」と名付けられた銃でした。

反動が大きいため、普通なら11歳の女の子が撃てるはずがなかったのですが、
強盗が銃を奪い返そうとして詩乃に両手を掴み自分自身に標準を合わせていたため、
詩乃が引き金を引くと、その弾は強盗の腹に当たりました。

それでも強盗は抵抗し、詩乃はもう一度撃ちました。

ところが、まだ強盗は抵抗し続けます。
詩乃はさらに、右肩を脱臼しながらも3発目の弾を撃ち、
それは強盗の顔の中央に命中し、男は亡くなりました。

そして、事件の精神的ショックで母親は1ヶ月以上も入院し、
小さな町じゅうに噂が広まり、
詩乃が平穏な学生生活を送ることは不可能になってしまいました。

また、詩乃は銃というものに対して拒絶反応を起こすようになり、
銃の写真や映像を見ただけで激しい発作に襲われるようになってしまいました。

そして詩乃は、噂から逃れようと、
高校に進学する際に遠くの町で1人暮らしをすることにしたのですが、
いじめグループの遠藤の標的になってしまい、過去を暴かれ、
高校でも小学生、中学生時代と変わらない扱いを受けるようになってしまいました。

詩乃は、せめて銃に関するトラウマだけは克服しようと、
恭二の紹介でGGOを始めたのですが、
ゲーム内では銃を扱うことはできても、
現実世界ではやはり銃を見ただけで発作を起こす状態が続いていました。


その頃、キリトはスクラップ同然のボロバイクに乗って、
ある病院を訪れていました。

その病院は、SAO事件から帰還したキリトが、
1ヶ月近くも入院してリハビリをしていた病院でした。

万が一のことがあるといけないので、キリトがGGOにログインしている間は、
安岐という女性看護師がキリトの身体を見張っていてくれることになっていました。
これはもちろん、菊岡が正式に病院に依頼して実現したことです。

安岐に挨拶をし、アミュスフィアを被り、いよいよキリトはGGOを開始します。

GGOの中は黄昏の世界でした。

他のプレーヤー達は皆、銃をぶら下げており、男女比は圧倒的に男が多いです。

VRMMOは、プレーヤーの性別と同じアバタ―しか作れないことになっているので、
当然と言えば当然ですが。
こんな可愛げのないゲームをする女性プレーヤーは少ないでしょうからね。

GGOは対人戦がメインなので、
恐ろしげな外見の方が相手にプレッシャーを与えることができて有利なのですが、
残念ながらキリトのアバタ―の外見は、華奢な体つきで髪も長く顔立ちも整っており、
どう見ても女性でした。

まさかキリトが男の娘になってしまうとは、という感じです。

GGOの中でも非常に珍しいアバタ―であり、
通りがかった男から、アカウントごと売ってくれと言われます。

しかし、コンバートしたキャラなのでそんなわけにもいかず、キリトは断ります。

キリトはとりあえず街を探索しますが、すぐに道に迷ってしまいます。

そこで、通りがかった女性プレーヤーに道を尋ねます。
後で分かるのですが、実は、その女性プレーヤーこそが前述のシノン(朝田詩乃)です。

シノンは、キリトの外見を見て、自分と同じ女性プレーヤーだと誤解してしまいます。
キリトは迷ったものの、その誤解をとかずに、むしろ女性の振りをして、
GGOについてシノンに解説してもらうことにしました。

まずは、何はともあれ装備品を手に入れなければなりません。

シノンの道案内でお店に連れて行ってもらいますが、
コンバートしたばかりのキリトは1000クレジット(初期金額)しか持っていません。

途方に暮れていたキリトでしたが、店の壁際にある巨大なギャンブルゲームに目をつけます。

それは、500クレジットのプレイ料金を払い、
ゲームをクリアできれば30万クレジットも手に入るというものでした。

GGOでは、銃を撃つ直前に「弾道予測線」という現実には存在しないものが表示されます。

その弾道予測線が表示されたら、その線に当たらない位置に移動することで、
着弾を回避することができるというシステムです。

ちなみに、スナイパーは初弾に限ってこの弾道予測線が表示されないという長所があります。
その代わり、心臓の鼓動が乱れていると軌道が大きくズレ、
命中率が下がるという短所もあるのですが。

それはさておき、賞金30万クレジットのこのギャンブルゲームは、
NPCのガンマンの撃つ弾をかいくぐり、
ガンマンにタッチすることができればゲームクリアというルールでした。

と言っても、ガンマンは途中からインチキとも言える量の弾を撃つようになり、
GGO開始以来、このギャンブルゲームをクリアした者はいないというくらいの、
難しいゲームだったのですが――キリトはガンマンの目の動きを見て避けまくり、
見事にクリアしてしまいました。

信じられないという表情をしたシノンから、どういう反射神経をしているのかと質問されますが、
「だって、この弾避けゲームは、弾道予測線を予測する、っていうゲームですよね?」
と答えました。
……弾道予測線を予測するなんて芸当ができるのはキリトくらいなものです。

キリトさんマジパねぇッス!

とにかく、30万クレジットの賞金を手に入れたキリトは、武器を選びます。

GGOプレーヤーは銃がメインのゲームなので、普通は銃を買うのですが、
キリトは何と、光剣を買ってしまいました。

光剣というのは、要するにライトセーバーとかビームサーベルです。

超近距離まで近づかないと攻撃が当たらないので、
そんなものを実践で使う奴はいないという代物です。

その後、シノンの勧めで、大会で役に立ちそうな防具も買うと、
30万クレジットはなくなってしまいました。

ところが、そんなことをやっているうちに大会のエントリー締め切りの時間が近づいていました。

締め切りは15時までなのですが、今は14時51分でした。

エントリーはこの店から離れた総督府でしかできず、
普通に走っても絶対に間に合わない時間だったのですが、
キリトはシノンと一緒に3輪のレンタバギーに飛び乗りました。

レンタバギーは運転が無茶苦茶難しくて、男でもまともに運転できないのですが、
キリトは現実世界でボロバイクを運転していたので、その経験を生かせたわけですね。

キリトとシノンは総督府に飛び込み、パネルで仕切られた端末でエントリーをします。

その際、現実世界でのプレーヤー本人の氏名や住所を入力してくださいという表示が出ました。
空欄や虚偽でも大会には出場できるけど、その場合上位入賞の商品は受け取れないのだそうです。

キリトは一瞬、現実世界のデータを入力しそうになりましたが、
今回は死銃の事件について捜査するのが目的なので、何とか思い留まりました。

エントリーを済ませると、シノンに案内してもらいながら大会控室へ行きました。

そこで、シノンは装備を整えようと、下着姿になりました。

そのタイミングでキリトはようやく、自分が男性であることを明かしたのですが、
当然、シノンは怒ってキリトを殴りました。

その後も、シノンは怒りながらキリトから逃げ続けます。

が、キリトがシノンを追いかけ続けると、シノンは大会について最低限の説明だけはしてくれました。

大会が始まる時間になると、参加者は全員、
予選1回戦の相手と2人だけの、1キロ四方の正方形のバトルフィールドに自動転送されます。

勝てば控室に戻り、負けたら1階ホールに転送されます。

キリトとシノンのいるFブロックの参加者は64人なので、
5回勝てば決勝進出で、本大会の出場権が得られます。

そして、このタイミングでようやく、シノンは自分の名前がシノンであることを教え、
自己紹介をしました。

その後、新川恭二のアバタ―の「シュピゲール」がシノンに話しかけました。

シュピゲールもキリトを女性だと勘違いして初めは礼儀正しく接していたのですが、
男だと知ると、明らかな警戒と敵意を向けました。

その直後に、いよいよ本大会が始まります。

そして例によって例のごとく、キリトさんは無双します。
相手の弾を回避しつつ、一気に距離を詰めて相手を光剣で突いて勝ちました。

控室に戻ってくると、キリトはボロボロのマントを着て、
気味の悪いゴーグルをつけた人物から、
「おまえ、本物、か」と訊かれました。

それは、キリトが『SAOのキリト』と同一人物なのか、という質問でした。

また、キリトは、相手の手首内側に『笑う棺桶』のエンブレムがあることに気付きました。

とりあえずキリトは意味が解らないと誤魔化しましたが、
もしも本物なら殺すと言い残し、マントの人物は去っていきました。

ここでSAO時代の回想があります。

キリトは、『笑う棺桶』のエンブレムを使用していた殺人ギルド、
ラフィン・コフィンについて思い出しました。

ラフィン・コフィンはSAO内で殺人を繰り返している恐ろしいギルドでした。
首領のPoHはエキゾチックな美貌を持ち、3ヶ国語以上を操るマルチリンガルで、
短剣裁きが天才的な強さを持ち、カリスマ性がありました。

聖竜連合や血盟騎士団と一緒に、
ラフコフのアジトを討伐して壊滅に追い込みました。

ラフコフは討伐を知って待ち伏せしていたため、血みどろの地獄となり、
討伐隊からは11名、ラフコフからは21名の死者を出しました。
その際、キリトはラフコフのメンバーを2人、殺害してしまいました。

しかし、PoH(プー)は逃亡してしまいました。
戦闘で生き残ったラフコフのメンバー12人は黒鉄宮の牢獄に送られました。

回想終わりです。

マントの人物が去った後、シノンから話しかけられますが、
キリトはシノンの手を掴んでどうにか平静を取り戻しました。

その後もキリトは無双状態で決勝まで勝ち進み、
シノンと対戦することになりました。

が、戦意を喪失したキリトは、自らシノンの標的になって試合を終わらせようとしました。
決勝まで残れば本大会に出場できるので、目標は達成できたからなのですが。

ところが、シノンはそれに怒り、わざと狙撃の弾を外します。

シノンはキリトに、たかがVRゲームのワンマッチだと思うのは勝手だが、
その価値観に私を巻き込まないでよ、と叫びました。

自分の間違いを認めたキリトは、もう一度真剣に戦うことを申し出ましたが、
もはや元の状態に戻るのは不可能です。

そこで西部劇の決闘のように、10メートル離れた場所から弾を投げ、
それが地面に落ちたらスタートすることにしました。

そして――キリトは、シノンが撃った弾を剣で斬りました。
一気に距離を詰めますが、キリトは剣の先をシノンの咽喉に捉えた状態で止まりました。

どうやってシノンの攻撃を予測したのかという質問に、キリトは、
スコープのレンズ越しにシノンの眼が見えたのだと答えました。

そして、キリトは、その銃の弾が現実のプレーヤーを殺すとしても、
そして殺さなければ自分か自分の大切な人が殺されるとしても、
引き金を引けるのかと尋ねました。

その後、キリトはシノンにリザイン(降参)をしろと言い、
シノンはそれを受け入れました。

5巻はここで終わり、この話は6巻に続きます。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」8巻⑥「そして、由比ヶ浜結衣は宣言する。」のネタバレ解説

月曜日の昼休みに、比企谷は平塚先生に呼び出されました。

雪ノ下が生徒会長に立候補し、葉山が応援演説をすることになったのだそうです。

それを聞いた比企谷は部室へ行き、雪ノ下に確認します。
由比ヶ浜さんも初耳だったらしくぽかーんとしていました。

雪ノ下の決意は固く、辞退させることはできませんでした。

その放課後、何と由比ヶ浜さんまでもが生徒会長に立候補すると言い出します。

雪ノ下が生徒会長になったら、彼女はその仕事に没頭してしまい、
奉仕部がなくなってしまうでしょう。

それが嫌だから、由比ヶ浜さんは自分が立候補すると宣言したのです。
しかし、由比ヶ浜さんだって、部活と生徒会を両立させるのは大変でしょう。

雪ノ下と由比ヶ浜さんのどちらかは確実に生徒会長に当選し、
一色の依頼を解決することはできるのでしょうが、
その結果奉仕部はなくなってしまうことになります。

比企谷は、そのことを苦しいと感じる自分に矛盾を覚え始めていました。
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