渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」7巻③「どうにもこうにも戸部翔は薄っぺらい。」のネタバレ解説

翌日の放課後、比企谷、雪ノ下、由比ヶ浜さん、戸部の4人で、
どうすれば告白が上手くいくのかと話し合いが始まります。

まずは戸部のいいところを探して
アピールしようということになったのですが、
比企谷から見れば戸部は平凡で凡俗なただの少年Aであり、
取るに足らないような存在だと、
自分のことを棚に上げて判定を下します。

要するに、戸部のいいところというのが思い浮かばなかったので、
比企谷は、むしろ海老名の好みに合わせようと代案を出しました。

が、海老名は腐女子なので、
通常とは違う意味で好みに合わせるのが難しいです。

海老名は本来、「俺だけが知っている超可愛い子」的なポジションの、
幅広い男子から「ひょっとして俺でも付き合えるんじゃね?」という
願望を抱かせるような、清楚可憐な容姿をしています。

ただし、隠さない系腐女子なので、
本来ならばトップカーストに属することは稀なのですが、
三浦優美子がクラスの中で「可愛い」女子だけを集めた結果、
今のポジションに納まってしまったというイレギュラーな存在です。

由比ヶ浜さんはそこで、優美子に相談したらどうかと提案しますが、
比企谷は「やめとけ」と却下しました。

比企谷は本心から告白するのは諦めた方がいいんじゃないかと、
戸部に向かって言うのですが、超プラス思考な戸部はそれを、
ヒキタニくんってマジで俺のことを考えてくれてるから止めるんだ、
とポジティブに解釈します。

比企谷はいつも通りにしているのに、
戸部がそれを勝手に前向きに捉えてくれるおかげで、
戸部の中で比企谷への好感度が急上昇していきます。

また、海老名には見た目通りの可愛いだけの女の子ではないところがあり、
それを戸部が見抜いていたことで、比企谷も戸部のことを見直します。

戸部はサッカー部の部員にケータイで呼ばれて部室を出て行ってしまいますが、
残った三人は話し合いを続けます。

戸部と海老名が京都を散策しているうちにいい感じになるように、
修学旅行のグループ分けを決めてしまおう、ということになりました。

比企谷、戸塚、葉山、戸部の4人組でグループを作り、
海老名のいる女子の4人組と同じコースを回ることで、
戸部と海老名が自然と一緒にいられるようにするという作戦です。

そして後日、ロングホームルームで修学旅行の班割が決められるとき、
優美子のグループは由比ヶ浜さん、海老名の他に、川崎も加わりました。
海老名が川崎を連れてきたのです。

が、川崎はいきなり優美子と衝突してしまいます。

この2人はどちらも気が強くて、一緒にいると面倒なんですよね……。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」7巻②「何故、彼らが奉仕部に来たのか誰も知らない。」のネタバレ解説

放課後。

奉仕部の部室でも、修学旅行について話題になります。
3日目の自由行動では一緒に遊ぼう、
と由比ヶ浜さんは違うクラスの雪ノ下と約束しました。
そして、さり気なく比企谷も誘われます。

そのとき、ドアがノックされ、
葉山、戸部、大和、大岡の4人が部室に入ってきました。

どうやら悩み事があるのは戸部らしいのですが、
戸部はヒキタニくんには話せないと言います。

すると、雪ノ下は
「では、悪いけれど、出て行ってもらえるからしら?」
と言いました。

そういう扱いには慣れている比企谷が席を立とうとすると、
雪ノ下は、出ていくのは礼節をわきまえていない戸部たちの方だと言います。

由比ヶ浜さんもやな感じだと戸部たちに言います。

この辺の流れは胸がスカッとしますね。
雪ノ下と由比ヶ浜さんはやっぱり比企谷の味方なんだな、と。

特に、シリーズ初期だったら本当に雪ノ下が比企谷を追い出しかねなかった
ことを考えると、隔世の感があります。

戸部から謝罪の言葉はなかったものの、どうせ夏休み、
千葉村の合宿ではヒキタニくんにも知られているのだからと、相談を始めます。

戸部からの相談内容は、
修学旅行の最中に海老名さんに告白して付き合いたいので、
そのサポートをしたいということでした。

アニメでは尺の都合でカットされていたのですが、4巻の千葉村の合宿のときに、
戸部は海老名さんのことが気になっていると、
葉山、戸塚、比企谷に打ち明けていたんですよね。

比企谷と雪ノ下は、そういう相談だと役に立てないと断ろうとしたのですが、
コイバナが大好きな由比ヶ浜さんが乗り気になってしまいます。

比企谷は、中学時代、メールで告白したら振られて、
さらにクラスのみんながそのことを知っていて愉快なお喋りのネタにされていた、
という黒歴史について話します。

が、それは比企谷だからそうなるのだと、さらりと受け流されてしまい、
結局、奉仕部は戸部の告白を手伝うことになりました。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」7巻①「これでも比企谷八幡の学校生活は平穏に過ぎている。」のネタバレ解説

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7 (ガガガ文庫)


文化祭が終わりましたが、
相模南たちのグループが比企谷に関する悪い噂を流し続けていたせいで、
しばらくアンチ比企谷状態が続いていました。

が、それからさらに日数が経過し、修学旅行の班決めをする頃には、
7巻が始まる頃にはヒキタニくんをネタにしようブームがやってきていました。

特に酷いのが戸部で、何かあるたびにヒキタニくんがどうのと、
関係ないときにもヒキタニを小馬鹿にして笑いをとっていました。

比企谷は淡々とそれを受け入れて――いるふりをしていました。

空気が読める由比ヶ浜さんも、
みんなの視線が比企谷に集まっていないときを狙って比企谷に話しかけ、
普通に接することで比企谷を気遣っていました。

一方、川崎沙希は何やら比企谷に対してツンデレっぽい態度をとるように
なっていました。

マジ天使の戸塚彩加は、本来ならぼっちが確定している比企谷に積極的に話しかけ、
修学旅行の班決めで同じ班になろうと誘い受けをしました。

その頃、海老名さんと何やら密談をしていたらしい葉山が教室に戻ってきます。

葉山は戸部のヒキタニくんネタを戸部ネタにスライドすることで、
比企谷がまた目立たない存在になれるように、心遣いをしてくれました。

……という感じで、
文化祭で比企谷が悪役になってしまった件の事後処理的なエピソードは終わります。

東川篤哉「探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2」第7話「霧ヶ峰涼とお礼参りの謎」のネタバレ解説

3月1日、月曜日。
涼は、先生たちの様子がおかしいことに気付きます。

石崎に話しかけると、石崎も挙動不審でした。

鯉ヶ窪学園では毎年3月に、
「よお、センセイ、三年間ずいぶん世話になったなあ!
このお礼はタップリさせてもらうぜ!」
という感じのお礼参りが伝統になっているのだそうです。

その翌日、3月2日の放課後。
涼は瓢箪池に落ちたテニスボールを取ろうとしている、
元テニス部の3年生、武田義久の手伝いをしていました。

が、元野球部主将の3年生、土山から電話がかかってきて、
その電話に出てしまった涼は手を離してしまい、
武田は瓢箪池に落ちてしまいました。

土山に頼まれ、
涼は野球部の1年生たちに「鯉の滝登りノック」をします。

その後、友人の奈緒に誘われてお好み焼きの「カバ屋」へ
行くことにしました。

が、その途中、奈緒は半月池の傍に体育教師の柴田幸三が
立っているのを発見し、立ち止まります。

しばらく様子を見ていると、学ラン姿でマスクを着た人物が現れ、
柴田の首筋に武器を振り下ろしました。

柴田は池に落ち、犯人はガッツポーズを決めた後、逃げていきました。

柴田のことは奈緒に任せ、涼は犯人を追います。

すると、マスクを着けた学ラン姿の男子、高沢博也が、
ブレザーの女子、岡野千夏に捕まっていました。

高沢が千夏にぶつかったのに何も言わず逃げようとするので
千夏は高沢を捕まえたのだそうです。

柴田にお礼参りをした犯人は高沢なのではないかという疑いがありましたが、
高沢は自分は犯人ではないと否定しました。

とりあえず柴田のところへ行きますが、
高沢は、自分は凶器を持っていないから犯人ではないと主張しました。

みんなで手分けして凶器を捜しましたが、なかなか見つかりません。

犯人がガッツポーズをしたときには既に凶器を持っていなかったので、
池の傍にあるのではないかと考えましたが、結局見つかりませんでした。

翌日の昼休み。
涼は池上冬子に事件について説明しました。
と言うのも、犯人は手紙で冬子の名前を騙って柴田を呼び出していたからです。
が、当然のように冬子は自分はこんな手紙は出していないと否定しました。

凶器が消えたことに関して、
例によって例のごとく宇宙人の仕業だと冬子が主張し始めたので、
涼は逃げ出しました。

同じ日の放課後に、今度は石崎に事件について説明します。

凶器は氷だったのではないかと涼は例を挙げましたが、
氷がそんなに早く溶けるわけがないので否定されます。

実際に現場の半月池へ行った石崎は、「そこに1匹だけ、
大きな鯉がいるのを発見しました。

他の鯉はどれも3、40センチなのに、その鯉は体長6、70センチでした。

鯉というのは成育環境によって大きさが決まるので、
1匹だけ大きく育つのは不自然だと石崎は指摘します。

――そうです。

実は、犯人が使った凶器は鯉だったのです。

これは、鯉ヶ窪学園の生徒が鯉ヶ窪学園の教師に対して、
鯉を使ってお礼参りをした、という事件だったわけです。

犯人は高沢博也ではなく、瓢箪池から鯉を取った、武田義久でした。

それを知った柴田は武田を池に落とします。
お礼参りに対するお礼参りでした。


そして、卒業式。
涼と赤坂のどちらが探偵部の部長になるのかと、
多摩川部長に尋ねましたが、多摩川は何も考えていませんでした。
ジャンケンで負けたら部長、勝ったら副部長をすることになりましたが、
涼と赤坂のジャンケンの結果が明かされることなく、
この短編集は終わります。

というあらすじなのですが、歴代の過去のキャラが何人も登場しており、
短編集の最後に相応しい話でしたね。

……多摩川と八橋が卒業してしまい、
シリーズ完結っぽい話になっているのが気になりますが。

東川篤哉「探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2」第6話「霧ヶ峰涼への二度目の挑戦」のネタバレ解説

2月の放課後の午後3時。

涼は赤坂に部活の集合場所だと言われ、
雪が積もった平屋の民家へ連れて行かれます。

その空き家の六畳間にはコーヒーが用意してあり、
涼は、赤坂を毒見役にしてからコーヒーに口をつけます。

が、しばらくしてから赤坂は苦しみだし、
涼も意識を失ってしまいました。

それから3時間後の午後6時。
涼は3話に登場した大金うるるから、ビンタで起こされました。

さらに、台所から悲鳴が聞こえてきて、駆けつけると、
赤坂の「死体」と大金さららがいました。

赤坂の学ランの胸元には「死んでる 刺殺 即死」と書かれた
コピー用紙が貼られていたのです。

学園祭のときと同じく、鯉ミスから探偵部への挑戦というわけでした。
随所に学園祭のときのセルフ・パロディがあります。

やってられねえ、とばかりに帰ろうとする涼でしたが、
外に積もった雪につけられた足跡を見て考えを変えます。
雪の上には、涼と赤坂がここへ来た時の足跡と、
1台の自転車のタイヤの足跡しかありませんでした。

窓の外を調べると、
「善意の隣人」というプレートを下げた茶髪の男子が
隣の家の窓から顔を出しました。

怪しい物音を聞いていないかと尋ねると、
例のごとく小芝居をした後、
午後3時を少し過ぎた頃に「やられた~ッ」と叫ぶ声を聞いたのだそうです。

赤坂はその時間に「殺された」ことになります。

第一発見者である大金姉妹がこの家を訪れたとき、
そこには死体である赤坂と涼しかいなかったことになり、
涼が犯人だったということになると、大金姉妹は説明します。

が、涼は容疑者として大金姉妹に疑惑の目を向けます。
しかし、大金姉妹は、犯行時刻に自分たちは恋ヶ窪駅前のゲームセンターにいた、
とアリバイを主張します。

アリバイを確認しにゲームセンターへ向かう途中、
「善意の売り子」というプレートを下げた本格ミステリ売りの少女を発見します。

少女は例の空き家の前も通りがかったのですが、
午後3時過ぎにはもうあの空き家の前の通路にはタイヤの跡がついていた、
と証言しました。

ゲームセンターへ行くと、そこにも「善意の不良」がいました。

不良に大金姉妹を見せてアリバイを確認すると、
2人は午後2時半くらいにこのゲームセンターへ来て、
午後6時近くまでいたのだそうです

が、不良は、2時半に姉妹が来たことははっきりと憶えているが、
それ以降2人で一緒にいたかどうかは定かではない、
という感じの証言をしました。

さららが午後6時くらいまで1人2役でアリバイを作り、
その間にうるるが自転車で空家へ行き赤坂を殺した、
と涼は推理しましたが、
それだとさららが足跡を残さずに空家へ入ることができません。

いつものように石崎に助けを求めようと携帯電話を開いた涼でしたが、
液晶画面には「圏外」と書かれた白い紙が貼ってあったのでした。

必死にトリックを考えながら空家へ戻った涼は、
そこで「玄関先に黒い鞄が落ちているのを発見しました。
屋根の上にあったものが、雪と一緒に滑り落ちたようでした。

その鞄の中には、分解された一輪車が入っていました。

午後3時に、一輪車に乗った双子の片方が空家へ入り赤坂を殺害し、
もう一方は午後6時までゲームセンターで1人2役をしてアリバイを作り、
やはり一輪車に乗って空家へ入ってきて涼を起こしたのでした。

こうすれば、雪の上には自転車に乗ったような跡が残るのでした。

ちなみに、犯人役はさららがやり、
赤坂は美少女と一緒に3時間いられることに釣られて、
被害者役を引き受けたのでした……。

東川篤哉「探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2」第5話「霧ヶ峰涼と映画部の密室」のネタバレ解説

冬休みが明け、1月。

涼は「殺戮の館」という映画のDVDを借りるために、
隣のクラスの友人、
星野真澄が所属する映画部の部室を訪れます。

部室には、40インチの大きな液晶テレビがあり、
涼がそれに水を向けると、
映画部の部員たちでお金を出し合って購入したものなのだと
教えられました。

その日の夜、涼は退屈な「殺戮の館」を観終え、
翌日の放課後、午後3時に、
DVDを返すために映画部の部室を訪れました。

すると中から涼と同じ2年生の加藤翔太が出てきました。
加藤は歯医者による用事があったから遅れて来たのだそうです。

星野真澄は頭を怪我したから学校を休んでいるということで、
涼は加藤にDVDを返します。

ちなみに、放課後まで涼が真澄の欠席を知らなかった、
という状況を作り出すために、
隣のクラスの友人という設定にしたのでしょうね
(↑嫌な読者だなあ……)。

真澄が学校を休んだため、欠員が出ているので、
映画に出演しないかと加藤に誘われ、
涼は撮影場所へ案内してもらいます。

が、その途中、忘れ物をしたと言って加藤は引き返しました。

そのとき、涼は部室棟の裏で荒木田が煙草を吸っているのに気付きますが、
スルーしました。

学園から徒歩3分の場所にある雑木林を訪れ、
涼は映画部の部長、佐伯優子を紹介してもらいます。
優子は、自分のことを「監督」とか「巨匠」と呼ばせようとする、
かなりエキセントリックな性格の持ち主です。

ちなみに、優子が作ろうとしているのはホラー映画で、
涼は死体役でした……。

が、メイキングビデオ用のカメラのバッテリーが切れてしまい、
ワンマン部長の優子は増村という1年生に、
バッテリーを取りに部室まで走らせます。

すると戻ってきた増村が、部室にあるはずの大画面テレビがなくなっている、
と言ったことから優子は加藤と増村を連れて急いで部室へ戻ります。

もちろん、涼もついていきます。

確かに部室からテレビが消えており、4人はテレビを捜します。
5分もしないうちに増村が焼却炉の傍から発見したのですが、
テレビの中央には大きな凹みがあり、壊れていました。

優子は犯人探しをすると宣言します。
涼が加藤に、部室の鍵について確認すると、
部活中は鍵はかけない習慣になっているのだそうです。

涼は、部室棟の西玄関で芝居の稽古をしていた演劇部員や、
東の玄関で煙草を吹かしていた荒木田に、
テレビを抱えた奴が通っていかなかったかと尋ねますが、
どちらも否定しました。

部室棟の出入り口は東西の玄関しかなく、
一階の窓も鉄柵で覆われているため、運び出すのは困難です。

優子は荒木田を疑いますが、涼は庇い、
こうなったら仕方がないと、生物教師の石崎裕巳を呼び出しました。

話を聞いた石崎は、2階の窓からロープでテレビを降ろしたのではないか、
という可能性を口にしますが、
荒木田がその場を離れるまで待てばいいだけの話なので、
そこまで労力をかける意味が分かりません。

次に、石崎は「この密室状況からテレビを運び出すのは不可能だ、
という結論を出します。

つまり、午後3時以降にテレビは持ち出されていなかったのです。

石崎は、部室の中にあった机の白いテーブルクロスを、
隠し芸のようなテーブルクロス引きで外します。
するとそこから、長方形の黒いアクリル板が出てきました。

その板を引っくり返すと、白いテープで縁取りされていました。

それを縦にすると、薄型テレビに見えます。

つまり、涼が午後3時に部室を訪れたときに目撃したテレビは偽物で、
犯人は忘れ物を取りに行くと言って一度部室に戻った加藤だったわけです。

焼却炉の傍にあったテレビは、午後3時前に加藤が持ち出し、
破壊していたものだったのです。

昨日の夕方、星野真澄は一人で転倒してテレビに頭をぶつけて怪我しました。
パッと見は分かりませんが電源を入れると壊れているのは一目瞭然で、
弁償させられるのではないかと真澄は泣き出しました。

それを見て、加藤は真澄を助けるためにこんなことをしたのでした。

雑木林に放置されていたホラー映画のモンスターたちが、
学園へ向かって一般道を歩き、
それを見た周辺住人がパニックになった、というオチで物語は終わります。

似たようなトリックは何回か読んだことがあるのですが、
とても鮮やかに解決している点で評価が高いです。

東川篤哉「探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2」第4話「霧ヶ峰涼と十二月のUFO」のネタバレ解説

12月27日。
冬休みだというのに補習を受けに学校に来ていた涼は、
帰り際にUFOと宇宙人をこよなく愛する地学教師の池上冬子と遭遇しました。

せっかくだしと『カバ屋』へ行きますが、
そこに多摩川部長、八橋、赤坂がいるのを見て、
別の店に行くことにします。

赤坂が語り部の話に涼が登場しなかったことについて、
こんなところで整合性を合わせようとしていますwww

代わりに喫茶『ドラセナ』へ行こうとする途中、
「恋ヶ窪教会」の方から悲鳴が聞こえてきました。

……学校の名前は鯉ヶ窪学園なのに、
教会には恋ヶ窪という地名を使っているのかと突っ込んではいけません。

涼と冬子が教会の敷地に駆けつけると、
茶色い庭のほぼ中央に黒い服の神父が仰向けに倒れていました。

凶器らしき黒い石は神父の傍に落ちていたものの、
周囲には、神父が庭の中央へ向かう足跡しかなく、
犯人の足跡がありません。

このシリーズ、足跡関連の話が多すぎだろうと突っ込んではいけません。

とりあえず救急車を呼ぶと、
片言の日本語を喋る変なシスターが登場します。

神父が救急車で運ばれていくと、国分寺署の祖師ヶ谷大蔵警部がやってきました。

足跡の問題から、涼と冬子が神父を殴ったのではないかと疑われますが、
冬子は宇宙人の可能性を口にし、呆れられてしまいます。

シスター、事件が起こった頃、教会の2階にいたのですが、
窓の外を黒っぽい物体が飛んでいくのを目撃していたと証言しました。
その黒っぽい物体は、庭の中央から外に向かって飛んでいったのだそうです。

神父は、隣の佐久間の家から生えている楓の木の枝が、
教会の敷地にはみ出していることからトラブルになっていた、
とシスターはさらに証言をします。

それを聞いた冬子は、「その楓の木の幹を蹴飛ばします。
すると、上から1メートル弱の棒が降ってきました。

これが、シスターの目撃した黒っぽい物体の正体でした。

もともと神父が倒れていた場所は、
クリスマス・ツリーが飾られていた場所でした。

大勢の信者が協力し、モミの木を庭に埋めていたのです。

そしてクリスマスが終わると、神父はノコギリを使い、
幹の部分で切り倒してしまいました。

今日は朝、雨が降って地面がぬかるんでいたので、
少しは抜けやすくなっているだろうと、
神父さんは黒い石で棒を叩いてから抜こうとします。

が、思い切り抜こうとして失敗し、
棒は吹っ飛んで佐久間の家の楓の木に引っかかり、
神父は仰向けに倒れて、地面に置いてあった黒い石に頭をぶつけて、
気絶してしまったのでした。


UFOと宇宙人をこよなく愛する池上冬子が探偵役なので
気軽に面白く読めてしまいますが、
東川さん、よくこんな話を思いつきますよね。

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」断章Ⅱ「小沼舟『黒いハンカチ』(創元推理文庫)」のネタバレ解説

栞子さんから今日飲みに行こうと誘われた滝野リュウは、
喫茶店で待ち合わせするときに小沼舟の「黒いハンカチ」を
読んで待っていました。

栞子さんはやってくると、
『わたしの母と連絡取ってるでしょう』
と話を始めました。

震災のちょっと後に、智恵子がリュウに会いに来て、
様子を見に行って欲しいと頼まれていたのでした。
本の相談を持ちこめばいいとアドバイスをしたのも智恵子でした。

智恵子の目的は、栞子さんの様子を知ることではなく、
栞子さんに謎解きをさせて頭の出来を試すことだと気付き、
リュウは連絡を取るのはやめました。
最後に会ったときに智恵子から渡されたのが『黒いハンカチ』でした。

今日も、栞子さんの方から切り出さなかったら
自分から言うつもりでした。

ところが栞子さんは、智恵子と連絡をとり、
栞子さんが会いたがっているのを伝えて欲しいと言います。
大輔に告白の返事をする前に知りたいことがあるのだそうです。

しかし、智恵子の方も栞子さんが連絡を取りたがっていることに
気付いていました。
もし会いたければ本の問題を用意するからそれを解いてみろ、
という伝言をリュウは栞子さんに伝えます。

智恵子にはメールしておくが、くれぐれも気をつけるように、
とリュウは栞子さんに言いました。


というあらすじなのですが、「タイミング的に、
智恵子は志田が内通者を辞退した後、
すぐにリュウを内通者として使い始めたみたいですね。

本についての謎を持ってきた人物が内通者ということになるので、
まあ、リュウが内通者だというのは栞子さんじゃなくても気付きますね。

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」第2話「手塚治虫『ブラック・ジャック』」のネタバレ解説

2011年5月。

ビブリア古書堂に、滝野リュウという栞子さんの友人がやってきます。

滝野ブックスの滝野蓮杖の妹なのですが、
大輔とは今回が初対面でした。

リュウの部活の後輩で、現在大学2年生の女の子が、
本に詳しい人に相談に乗って欲しがっており、
栞子さんに白羽の矢が立ったのでした。

手塚治虫の「ブラック・ジャック」が何冊かなくなったという話だけ聞いた後、
3日後に依頼人と滝野ブックスで会います。
滝野ブックスの2階はマンションになっており、その201号室で会いました。

依頼人の名前は真壁菜名子と言います。
菜名子には父と、不登校になっている高校1年生の弟がいて、
母親とは5年前に癌で死別しています。

菜名子は父の部屋の本棚に並んでいたはずの「ブラック・ジャック」が
何冊かなくなっていることに気付いたのですが、
犯人は弟らしく、大ごとにはしたくなく、
できれば父が出張から帰ってきて気付く前に取り戻したいと考えていました。

「ブラック・ジャック」は何度も版を変えて出版されており、
多くの場合、収録順が掲載順とは異なっており、収録内容も微妙に違います。

チャンピオンコミックス版の4巻には「植物人間」という話が収録されていたのですが、
ロボトミー手術を連想させる内容があったため、
初版から1、2年経ってから別の話に差し替えられていました。

そのため、古い版の4巻には価値があり、それが狙い撃ちされたのだろう、
と栞子さんは推理したのですが、その推理は間違っていました。
菜名子によると、彼女の父親は「ブラック・ジャック」の4巻を5冊も持っており、
そのうちの3冊がなくなったのでした。
実は彼女の父親は、4巻ほどではないにせよ、
「ブラック・ジャック」の他の巻も重複して所有しているのだそうです。

ここにきて、新たな謎が提示されてしまいました。

リュウと別れ、栞子さんと大輔は菜名子の家へ行き、
父親の部屋の本棚を見せてもらいました。

「ブラック・ジャック」は4巻と25巻以外、全部パラフィン紙がかかっているものと、
かかっていないものの2種類ずつありました。
25巻はパラフィン紙がかかっていないものが1冊だけです。

その棚には1983年発行のファンクラブ会報もありました。

その後、栞子さんは菜名子の弟の慎也を紹介してもらいましたが、
慎也はかなり反抗的で扱いにくい性格の持ち主でした。

栞子さんはひとまず、「ブラック・ジャック」が2冊ずつあるのは、
片方は母親の所有物だったからだと言い、
証拠としてファンクラブの会報に投稿されていた母親の投稿を見せます。

25巻が1冊しかないのも、24巻の発売から10年以上間が空いていたため、
両親は結婚しており、1冊しか買わなかったからなのです。

4巻の場合は2人で2種類ずつ揃えたので、数が増えてしまったのですが、
それでも4冊にしかなりません。

慎也によると、5冊目は、母親の容態が急変したからと父親が慎也を学校に迎えに行き、
母親の入院している病院へ向かう途中、父親が古本屋で購入したものだったのだそうです。
病院に着いたときには、既に脳死状態でした。

慎也が第一志望の高校に落ち、二次募集していた高校へ進学したものの、
不登校になってしまったとき、
父親は慎也に「寄り道している時間なんかない」と説教をしました。
が、それに対して慎也が「5年前、母さんが死ぬって大事な時に、
古本屋に寄り道したあんたはなんなんだ」と訊ねたところ、
石みたいに固まっていたのだそうです。

その本も含めて慎也は「植物人間」が収録されている「ブラック・ジャック」4巻を3冊、
滝野ブックスに売ったのだそうです。

30分後、栞子さんと大輔は滝野ブックスへ戻り、
滝野兄妹と菜名子を交えて話をします。

慎也が売った3冊中2冊はまだ店の棚にあり、確保できました。

慎也は滝野が店にいないときに本を売りに来たのですが、
5年前に菜名子の父親が買ったという5冊目のブラック・ジャックはボロボロだったため、
値段をつけず、慎也が持ち帰ったのだそうです。

慎也の父親がボロボロの4巻を買ったという、
磯子の浜マーケットの傍の古本屋の正体について話し合いますが、
栞子さんも滝野兄妹も、そんなところに古本屋があった憶えはないと、
不思議そうにしていました。

次の休日、栞子さんと大輔は、奈名子の母方の祖母、相川波江に会いに行きました。
慎也は滝野ブックスに本を売る際、祖母に承諾書を書いていてもらったので、
その確認をしに行ったのです。

慎也は値段がつかなかったボロボロの4巻を、相川家のゴミ箱に捨てており、
波江はそれを後で拾っておいたのだそうです。

うん、おばあちゃんってこういうことやりますよねー。分かります。

保存状態は最悪で、値札の値段は60円でした。
値札には「鶉(うずら)書房」という店名も入っており、
住所は慎也の言っていたものと一致していました。

菜名子の母方の祖父母は、最初、自分の娘が菜名子の父親と結婚することに反対しており、
3年くらいは駆け落ち同然の生活をしていたのですが、
波江はそのことを後悔していました。

真壁家へ行き、慎也にボロボロの4巻を見せます。

実はこの本は、「貸本屋に置いてあった本であり、
60円はレンタル料、ボロボロだったのは何度もレンタルされたからなのでした。

そしてその本は菜名子の両親にとって思い出の1冊であり、
閉店セールで貸本が売られているのを発見した菜名子の父親は、
冷静でいられなくなってしまったのです。

この4巻に収録されている『植物人間』は、
海難事故で意識不明の重体に陥った母親とその息子の話だったこともあり、
菜名子の父親は、脳死状態の母親の枕元へその本を届けようとしていたのでした。


というあらすじなのですが、「そうか、貸本屋の本かー、という感じですね。

しまうましたは世代じゃないので、昔ながらの貸本屋は実際には見たことないですね。
『ゲゲゲの女房』に出てくるのをチラッと見たことがあるくらいです。

ただ、ここ数年でツタヤとかゲオのレンタルコミックサービスが急増しているので、
そういうのは見たことがありますが。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」3巻ぼーなすとらっく!「たとえばこんなバースデーソング」のネタバレ解説

この「ぼーなすとらっく!」は、3巻ドラマCD付き限定特装版の
ドラマ脚本を小説形式にリライトしたものです。
そのため、いつもと違って比企谷以外の登場人物の視点の話もあるので、
新鮮な印象を受けます。

平塚先生はご機嫌な由比ヶ浜さんに声をかけ、
雪ノ下に誕生日パーティーを祝ってもらうのだと教えられます。
平塚先生もパーティーに誘われましたが、
婚活パーティーに行く予定だったので断りました。

比企谷、由比ヶ浜さん、雪ノ下の3人は部室を出て、
由比ヶ浜さんが予約したカラオケボックスへ向かいます。
その途中、材木座がウザい感じで話しかけてきました。
⑤の酷いオチの後だということもあり、3人は無視しますが、
それでもしつこく話しかけてくるので相手をすることにします。

これから由比ヶ浜さんの誕生日パーティーだという話を聞いた材木座は、
おおげさに驚きます。

ちなみに、千葉の小中学校は出席番号が誕生日順なため、
人気者の生徒は誕生日を祝ってもらえるのに
不人気な生徒は祝ってもらえない、
という格差が如実に表れるのだそうです。

……ところで、出席番号が誕生日順な地域があるということに、
しまうましたはカルチャーショックを受けました。
世の中には色んな地域があるんですね。

材木座もついてきてしまったので、
比企谷は仕方なく、嫌々パーティーに誘います。

その後、戸塚を発見すると、今度は凄い勢いで戸塚を誘いました。

小町も誘い、合計6人でカラオケボックスに行くことになりました。

部屋に入り、ケーキに立てた?燭を由比ヶ浜さんが吹き消すと、
なぜか気まずい沈黙が流れました。

誕生日会に誘われたことがないメンバーが多いため、
こういうときにどういうリアクションをすればいいのか分からないのでした。

比企谷と戸塚がケーキを切ろうとしたところで、
「俺と彩加の初めての共同作業だな」
などと比企谷が結婚式を連想するようなことを言ったせいで、
由比ヶ浜さんが過剰に反応してしまいます。

誰がケーキを切るかで揉めた結果、
結局由比ヶ浜さんと雪ノ下の2人で切ることになりました。

その後、血液型や猫の話で盛り上がった後、
雪ノ下は由比ヶ浜さんに例のエプロンを渡します。
戸塚は髪留めを、小町は写真立てをプレゼントしました。

材木座が誕生日プレゼントを用意していないことに焦っていると、
比企谷が自分の中学時代、
好きな女の子の誕生日にラブソングっぽいアニメソング集をプレゼントしたところ、
給食の時間に流されたという黒歴史エピソードを披露しました。

その後、名付けの話になり、比企谷は8月8日生まれだから八幡と名付けられた、
というエピソードが語られます。

雪乃は雪が降っていたから、材木座は祖父の名前から、
戸塚は彩りを加えた人生になりますようにという願いから名付けられたのだそうです。

どう考えても後付けっぽい設定の割には上手い感じですね。

ちなみに、由比ヶ浜さんは自分の名前が結衣である理由を知らないのだそうです。
うーん、高校生にもなって、そんなことってあるんでしょうか。
よく、小学校の宿題で、お父さんお母さんに自分の名前の意味を聞いて作文にしましょう、
という感じの宿題が出ると思うのですが。
担任が変わる度にそういう宿題が出されるので、
しまうましたなんか何回もそういう作文を書かされましたよ。

それはともかく、その後、由比ヶ浜さんだけあだ名がないという話になり、
由比ヶ浜さんのあだ名付けセンスがディスられます。
でも、自分で「ゆいゆい」ってあだ名をつけるのはないわー。

比企谷はガハマさんと呼んだのですが、
これは「ガハラさん(西尾維新さんの化物語りシリーズに登場する
戦場ヶ原ひたぎというキャラクターのあだ名)」に似ていますね。
結局あだ名は決まらず、由比ヶ浜さんのことは名前で呼ぶと雪ノ下が結論を出しました。

その後、せっかくカラオケボックスに来たのだからと何曲か歌い、
帰るところで、「隣の部屋にいた平塚先生と遭遇しました。
婚活パーティーを追い出されてしまったことを知られた平塚先生は、
泣きながら逃げ出したのでした……。

もうやめて! こういうオチ、胸が痛くなるので本当にやめてください。
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