渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」1巻⑥「けれど戸塚彩加はついている。」のネタバレ解説

比企谷八幡には、比企谷小町という中学生の妹がいます。

小町は兄に甘やかされて育ったせいか、ブラコンでアホっぽい性格をしています。
この日も小町は、ファッション誌を読みふけっていたせいで、
普通に歩いて登校していたら間に合わない時間に家を出ることになってしまい、
比企谷に中学まで自転車に乗せて送ってもらうことになりました。

ちなみに、自転車の二人乗りは危険ですし、
多くの場合条例で違反されているので真似しないようにしましょう。

と、ここで回想シーンがあります。
比企谷は高校入学初日に、事故に遭ったことがあります。
入学式だからと1時間も早く家を出た際に、
高校付近で犬の散歩をしていた女の子の手からリードが離れ、
そこへリムジンがやってきて犬が轢かれそうになりました。

比企谷は犬を助けようとして、左脚を骨折し、救急車で運ばれてしまいます。
こうして比企谷は、高校デビューできるチャンスを逃してしまったのでした。

回想終わりです。
ここで小町は、実はその犬の飼い主の女の子が、
比企谷が寝ている間にお菓子を持ってお見舞いに来てくれたことがあったと言いました。
しかも、その子は同じ学校だったのだそうです。
初耳です。
女の子の名前を聞きますが、小町は忘れてしまっていました。

まあ、両親に訊けば分かると思うんですけど、そうなったら物語的に面白くないので、
比企谷はその可能性を思いつきませんでした。

体育の時間になります。
千葉市立総武高校では、男女に分かれて3クラス合同で体育の授業があり、
2つの競技の中から選択することになっていました。

今月からはテニスとサッカーから選ぶことになったのですが、
団体戦の苦手な比企谷と材木座は迷うことなくテニスを選択します。

が、今年はテニス志望者が多くジャンケンで決めることになり、
比企谷はテニス、材木座はサッカーと別れてしまいました。
テニスなので当然、体育教師は2人1組でペアを組めと言いましたが、
比企谷は早々に壁打ちをすることにしました。

一方、葉山隼人率いるリア充軍団は、テニス選択者の中で最大のグループとなりました。

ここで思い出して欲しいのは、葉山がサッカー部のエースで次期部長候補だということです。
テニスとサッカーを選択できて、
なおかつテニスの方が人気でジャンケンで決めることになったのに、
それでもあえてテニスの方を選択する葉山……色々と深読みできますね。

葉山グループの中には、金髪長髪の戸部翔もいました
(ただし、戸部翔という名前はこのエピソードの中では登場しませんが。
とにかく、比企谷はクラスメートの顔と名前を憶えていないキャラなので)。

戸部はボールを飛ばしてしまい、「ヒキタニくん」にボールを取ってもらおうとします。
これ以来、葉山グループの中では比企谷は「ヒキタニ」と認識されてしまったのでした。

その昼休み、比企谷はテニスコートの近くで、1人で昼食をとっていました。
そこへ、雪ノ下とジャンケンで負けた方がジュースを買ってくる、
という賭けに負けた由比ヶ浜さんが通りがかります。

由比ヶ浜さんは、入学式の日のことについて話題を振るのですが、
比企谷は前述の事故のことを「アホな奴が犬のリードを手放してな」と説明しました。

由比ヶ浜さんは、その子のことを憶えていないのかと尋ねますが、
比企谷は痛くてそれどころではなかったが、
印象に残っていないんだから地味な子だったんだろう、と答えました。

すると由比ヶ浜さんは、小さいフォントの字で、
自分がその犬の飼い主であるという感じの発言をします。
伏線の回収が非常に早いですね。

と、そこへ、テニスの自主練をしていた戸塚彩加がやってきました。
戸塚は比企谷と同じクラスなのですが、案の定、比企谷は覚えていませんでした。

そして、比企谷は戸塚のことを女子だと思い込んでいたのですが、
実際には戸塚は男の子でした。
いわゆる「男の娘」枠のキャラですね。
タイトルの「けれど戸塚彩加はついている。」は、そういう意味です。
戸塚は最初から比企谷に好感度がマックスな態度をとっており、
比企谷のことを「八幡」とファーストネームで呼んでおり、非常に可愛いです。
ぶっちゃけ、戸塚さえいれば他の女子のキャラなんて(ry

数日後、いつも戸塚のペアを組んでいる相手が休みだということで、
比企谷は戸塚に誘われました。
しばらくラリーの練習をした後、休憩をすることになり、
戸塚は比企谷に、弱小テニス部に入ってくれないかと勧誘をしました。

当然、比企谷は勧誘を断りましたが、
放課後、雪ノ下に弱小テニス部を強くする方法はないかと相談しました。
が、雪ノ下は開口一番に「無理ね」と否定します。

と、そこへ由比ヶ浜さんが戸塚を連れてきました。
由比ヶ浜さんは「奉仕部の一員として」行動したつもりだったのですが、
「由比ヶ浜さん、別にあなたは部員ではないのだけれど……」
と言われてショックを受けます。

由比ヶ浜さんが入部届を書いている間に、雪ノ下は話を進めます。
雪ノ下はやんわりと依頼を断ろうとしたのですが、
由比ヶ浜さんに挑発され、引き受けます。

……負けず嫌いの人間は挑発に弱いので扱いやすいですね。

ただし、雪ノ下の弱小テニス部を強くする方法というのは、
「全員死ぬまで走らせてから死ぬまで素振り、死ぬまで練習」
というスポ根も顔負けなものだったのですが。

翌日の昼休みから練習が始まることになり、
比企谷がテニスコートに向かう途中、材木座とエンカウントしました。
そこへ戸塚もやってきたことから、材木座が勘違いしてややこしくなるのですが、
戸塚が材木座と友達になりたいと言ったところ、材木座もついてきました。

雪ノ下はまず筋力を上げようと言い、ひたすら腕立て伏せをすることになりました。
比企谷と材木座も、昼休みをまるまる使って腕立て伏せをしたのですが……、
比企谷は深夜に筋肉痛でのたうち回ることになったのでした。
まあ、普段運動していない人が急に運動したらそうなりますよね。


そしてこの話は、⑦「たまにラブコメの神様はいいことをする。」に続きます。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」1巻⑤「つまり材木座義輝はズレている。」のネタバレ解説

ある日、比企谷が奉仕部の部室前へ行くと、
雪ノ下と由比ヶ浜さんがいました。
中に見知らぬ男子がいるせいで部室に入れないのだそうです。

中にいたのは、足利義輝を下敷きにした剣豪将軍という設定の中二病の持ち主で、
ぽっちゃりとした体型でコートを着て眼鏡をかけていて指ぬきグローブを嵌めている、
材木座義輝でした。
材木座は体育でペアを組まされたことから、比企谷のことを「相棒」と呼んでいます。

比企谷は雪ノ下と由比ヶ浜さんに中二病の説明をする際、
「もともとこの世界には七人の神、創造神たる三柱の神『賢帝ガラン』『戦女神メシア』
『心守ハーティア』(中略)その七柱の神の中でもっとも重要なのが、
未だその能力が未知数である永久欠神『名も無き神』であり、
それこそがこの俺比企――」
と、黒歴史を晒しそうになってしまいます。

全部引用しようかとも思ったんですけど、脳みそがとろけそうになったのでやめました。

ところで、今気付いたんですが「欠伸(あくび)」と「欠神(けっしん)」って、
漢字が似ていますよね。

ちなみに比企谷は、来るべき時のために神界日記をつけたり、
3ヶ月に1度政府への報告書を書いたりしていたくらいの、ガチの中二病でした。
現在は中二病じゃなくて高二病になっちゃってますけどね。

材木座は雪ノ下のような美少女とはまともに会話できないので、
雪ノ下に話しかけられる度に比企谷に返事をしていたのですが、
そんな行為を雪ノ下が許すはずがありません。

喋り方とかコートとか指ぬきグローブに駄目出しをした後、
「その病気を治すってことでいいのよね?」
と優しげな口調で言いました。

が、材木座の依頼は中二病を治すことではありませんでした。
というか、中二病患者が自ら中二病を治したいと思うはずがないですからね。

比企谷は何気なく、部屋の中に舞っていた紙を拾います。
そこに書かれた学園異能バトルもののライトノベルの原稿を読んだ感想を聞きたい、
というのが今回の依頼でした。

投稿サイトとかに投稿して中傷されるのは耐えられないし、
かといって原稿を読んでもらえるような友達はいないけど感想は聞きたい。

……ああああああ、その気持ち凄く分かります。
しまうましたも何回か某掲示板に投稿してみたことがあるんですけど、
面白いと言ってもらえると嬉しいですけど、
つまらないと言われたら死にたくなりますからね。

そういう意味では、こんなブログやってるのは作家の先生方に失礼なのかなあ、
と思いつつも、趣味だからやめるつもりはないんですけどね。

はい、どうでもいいですね。話を戻します。

翌日。
比企谷は一晩かけて真面目に読んだのですが、「由比ヶ浜さんは読んでもいませんでした。

材木座が部室にやってきますが、雪ノ下は怒涛の勢いで駄目出しをします。
そして比企谷も、
『で、あれって何のパクリ?』
『まぁ、大事なのはイラストだから。中身なんてあんまり気にすんなよ』
と、止めを刺しました。

もうやめてあげて!
と思ったのですが、材木座は意外と立ち直りが早く、また読んでくれるかと訊きました。
酷評されても、読んで感想を言ってもらえたのが嬉しかったのだそうです。

比企谷が読むと約束すると、また新作が書けたら持ってくる、
と言って材木座は部室を出て行ったのでした。

西澤保彦「ぬいぐるみ警部の帰還」第5話「誘拐の裏手」のネタバレ解説

佐野谷元博(さのや・もとひろ)が午前2時にタクシーで帰宅したところ、
妻の麻弥の携帯電話から着信がありました。

するとボイスチェンジャーか何かで声を変えている電話の相手は、
郵便受けに入っているDVDを見ろと佐野谷に指示しました。

DVDを見てみると、
麻弥が何者かにナイフで刺されそうになっている映像が映っていました。

電話の相手は佐野谷の家にある金目のものを持ち、
携帯を通話状態にしたままタクシーを呼べと命令します。
佐野谷は言われるがままにタクシーを呼び、あるマンションへ行きました。

そこで脅迫者に指示された通りに、丸山応挙の掛け軸を郵便受けのところに置きました。

次に、別の町のマンションへ行き、脅迫者に言われたとおりに、
金貨のコレクションを置きました。

最後に、最初のマンションの近くにある別のマンションの駐車場へ行けと脅迫者は指示します。

そこで佐野谷は、DVDに映っていた犯人の体型が、
母の琴子の介護をしてもらっているホームヘルパーの、
丘岬富美子(おかざき・ふみこ)にそっくりだったことを思い出し、
富美子が犯人ではないかと疑い始めました。

最後のマンションの駐車場へ着くと、ロープがぶら下がっていました。
犯人はロープに現金ンお入った紙袋を結び付けろと指示します。
が、
「なんつってな、ははは。ばーか」
という相手は言い、屋上から麻弥が落下して来て、彼女は亡くなりました。

その後、佐野谷はそのマンションに住んでいた富美子の部屋に行き、
そこにいた富美子を妻の鮮血が染み込んだロープで絞殺してしまいました。

そしてタクシー運転手の通報により、音無警部たちが出動しました。

富美子の部屋には、同じ銘柄のウイスキーが7本と、
その前に置かれた6体のレッサーパンダのぬいぐるみとライオンのぬいぐるみがありました。

そのうち、ライオンのぬいぐるみの前に置かれていたウイスキーには、
青酸カリが入っていました。

それを知った音無警部は、
富美子はウイスキーを使ったロシアンルーレットをしていたのでないか、
と推理しました。

麻弥は義母の介護疲れや夫の無理解に苦しみ、
富美子は一家離散で家族を失い、死にたがっていました。

富美子は7本のウイスキーのうち1本にだけ青酸カリを入れておき、
1日に1本ずつ飲んでいきました。
青酸カリが入っていないウイスキーを飲んだ場合は、
その前にレッサーパンダのぬいぐるみを置いて目印にします。

そしてそのロシアンルーレットを潜り抜けて生き残った富美子は、
共犯者の麻弥と一緒に狂言誘拐をすることにしました。

その最後の仕上げとして、電話をしていた富美子は、
屋上で麻弥に顔を出させ電話の相手が麻弥だったと思い込ませた上で、
佐野谷がどういう行動に出るかという賭けをしました。

その結果、佐野谷は怒りに任せてロープを引っ張り、妻を転落死させてしまいました。
富美子の殺害にロープを使ったのも、
妻を殺した凶器を現場に遺したくなかったからなのでした。


というあらすじなのですが……、「正直、あまり出来がいい話ではありませんね。

最後の、実は麻弥を殺したのは佐野谷で、
富美子の殺害にロープを使ったのは現場にロープを残したくなかったから、
という理由は面白いですけど、
富美子と麻弥がそんなことをした理由がよく分かりません。

麻弥も富美子も2人とも自殺志願者で~とか、
ウイスキーでロシアンルーレットをしていた、
とか言われても、いまいちピンときません。
だからと言ってこんな面倒くさいことをやるか? と思ってしまって……。

一番の目的は佐野谷を陥れることだったんでしょうけど、
もうちょっと何とかならなかったのかなあ、と思ってしまいます。

西澤保彦「ぬいぐるみ警部の帰還」第4話「レイディ・イン・ブラック」のネタバレ解説

8月20日。
長谷尾明美という大金持ちの女性の一人息子である、
26歳の長谷尾翔市が瓶で殴られて殺される事件が発生しました。
現場は、画家志望だった翔市がアトリエとして使っていた12階建てのマンションの
403号室です。

現場には「オシカネ ユミコ」という名前が刻まれた
銀行のキャッシュカードが落ちており、
72万円もの現金が無造作に置いてありました。

第一発見者は、翔市の隣の部屋に住む70歳代半ばの女性、飯沼幸枝です。
幸枝は、朝のちょうど8時に、朝の連続テレビドラマを観ようとしたところで、
隣の部屋から爆音と悲鳴が聞こえてきて、外に出ると、
犯人らしき若い女が逃げていくところだったのだそうです。

気になった幸枝がの部屋を覗くと、翔市が倒れているのを発見し、
慌てて通報した、という経緯だったのだそうです。

桂島は音無警部と江角に、の部屋から持ち出されたと思しき、
空き瓶の入ったビニール袋が階段の踊り場にあるのを報告しました。

音無警部たちがゴミ置き場の様子を確認しに行ったところ、
そのマンションは

翔市の母親、長谷尾明美に、生前の翔市の様子を聞いてみたところ、
元々画家志望だった翔市は芸術大学の受験に失敗し、
引きこもり状態を続けていたところ、
翔市が密かに憧憬の念を抱いていた高校時代の担任だった女性教諭、
松室鮎華(まつむろ・あゆか)が病死したのを気に、
さらに状態が悪化してしまいました。

心配した明美は、使っていなかったマンションを翔市のアトリエとして使わせ、
さらに1000万円ものお小遣いをあげていたのだそうです。

……いくら何でも甘やかし過ぎだろう、と苛々してしまいました。

それはさておき、現場にはたくさんの絵があったのですが、
その絵のモデルの女性の雰囲気は松室鮎華に似ていたのだそうです。

現場に落ちていたキャッシュカードの持ち主、押鐘由美子の自宅が判明し、
音無警部はそこへ行きました。
由美子は夫と、20歳の息子の3人で暮らしていました。

由美子は翔市の名前には心当たりがなく、
キャッシュカードは随分前に失くして紛失届を出していたものだったのだそうです。

ただし、翔市の顔写真を見せてもらい、彼が画家志望だったということを知ると、
由美子は去年の冬、バイク事故で亡くなった甥の葬儀のときに、
絵のモデルになってほしいと翔市に声をかけられていたのだそうです。
それはちょうど松室鮎華が亡くなった時期だったので、
同じ斎場で由美子を見かけた翔市が、松室鮎華の面影を見出し、
声をかけたのだと思われました。

しかし、由美子はそのモデルになってほしいという申し出を断っており、
それっきり忘れてしまっていたのでした。

翔市のマンションの防犯カメラには、由美子と松室鮎華に似た感じの人物が映っており、
その人物は4月以降、50回以上も翔市のマンションを訪れていたようでした。

が、由美子はその人物は自分ではないと言い、
また犯行時刻に顔馴染みの業者から自宅で宅配便を受け取っていたというアリバイもありました。

音無警部は、現場に落ちていたキャッシュカードは、
葬儀の際にスーツのポケットにキャッシュカードを仕舞ったまま忘れてしまい、
そのスーツを着た由美子以外の人物が翔市のマンションで落としたのではないか、
と推理しました。

由美子のスーツを着ることができるのは、由美子の夫か息子である可能性が高いです。

そして息子の広海(ひろみ)について調べたところ、
広海は大学生なのですが、女装して接客をするお店でアルバイトをしており、
日給3万円で女装して翔市の絵のモデルにもなっていたのだそうです。
絵のモデルだけではなく、『スキンシップ』もあったのだそうですが。

そして犯人は、第一発見者の飯沼幸枝でした。
幸枝は普段から、翔市がゴミ出しに行っている間、鍵をかけてないのを知り、
忍び込んで、無造作に置かれていた現金を抜き取っていたのだそうです。

それに気付いた翔市はゴミ出しに行ったふりをして部屋に戻り、
そこで鉢合わせした幸枝に殺されてしまったのでした。

幸枝は以前忍び込んだときに拾っていたキャッシュカードを落とし、
広海に罪をなすりつけようとしていたのですが、それは失敗してしまったのでした。


というあらすじなのですが、「翔市の優雅な暮らしっぷりが羨ましくて、
あまり同情できない話でしたね。
働いていなくて学校にも行っていなくて、
親から別荘のマンションをタダで貸してもらい、1000万円もお小遣いを貰っていて、
恋人にお小遣いまであげていた……って、何じゃそりゃ、って感じですよ。

それと、今回は広海が由美子に高級なぬいぐるみをプレゼントしていたことから、
何か良からぬアルバイトをしているのではないか、
という程度にしかぬいぐるみが事件と関係していなかったのですが、
やっぱり毎回毎回ぬいぐるみ絡みの事件と関わっている、
というのはシリーズ物の縛りとしては厳しいんでしょうね。

赤川次郎「三姉妹、舞踏会への招待 三姉妹探偵団23」のネタバレ解説

三姉妹、舞踏会への招待 三姉妹探偵団(23) (講談社ノベルス)


ある日、綾子の大学へ、大金持ちの令嬢である君平貴子が、
ヘリコプターで乗り付けてきました。
席が隣だったという縁で、綾子は貴子と友達になります。

いつものように三姉妹の父親が海外へ出張へ行ってしまったところで、
綾子は君平貴子から舞踏会への招待状を受け取りました。

34歳のサラリーマン、川崎敬介は、
12歳のアイドル、西野メイのことが好きになったからという理由で、
28歳の恋人の由布子を振ってしまいます。
川崎は完全にメイのストーカーになってしまい、会社も辞めてしまいます。

さて、その12歳のアイドル、西野メイは、
500万円の報酬で舞踏会にゲストとして出席することになりました。
その話があった後、メイのマネージャーの川辺ゆかりは、
貴子の母、君平浩美の秘書である田辺に言い寄られました。

貴子は、舞踏会の出席者のリストに泡田伸之の名前があることに驚き、
三姉妹に相談しました。
伸之は貴子の叔父なのですが、死んだはずの人物だったのです。

2年前、スイスで夏休みを過ごしていた貴子は、祖父が亡くなったため、
帰国することになりました。
その際、叔父の伸之も同じ飛行機で帰る手はずになっていたのですが、
酔って騒いでいる伸之にうんざりしていた貴子は、
伸之をフランクフルトの空港のラウンジに置き去りにしてしまいます。

飛行機の中では同じスイスの大学にいる南原正文がいて、
いい雰囲気になりキスをしていたのですが、そこへ、
伸之が空港のラウンジで亡くなってしまったという知らせが入りました。

その後、伸之の遺体は向こうで骨になってから日本へ運ばれたらしいのですが、
これはどうなんでしょうね。
ヨーロッパでは土葬が一般的なのですが、火葬してくれるところがあったのでしょうか。
ちょっと疑問です。

……そして現在、川崎の恋人の由布子は何者かに自宅のアパートで殺されてしまいました。
第一発見者である由布子の友人が、
由布子のアパートを訪れる直前に川崎と出くわしていたため、
由布子を殺害した容疑で川崎が警察に追われることになりました。

川崎のアパートへ行くと、既に川崎は逃亡した後でした。

翌日はメイの出演するドラマの撮影があるのですが、
メイのアイデアで、ロケ現場に川崎を誘き出そうと、
ホームページにその情報を載せました。

そして翌日、国友たち警察と三姉妹がロケ現場で張り込みをしていたところ、
本当に川崎が現れました。
川崎は清掃員として潜入していたのですが、その清掃の指導係の男が、
川崎の持ち歩いていたメイの写真にキスをしてしまいます。

……気持ち悪いです。

川崎は静かに怒りを爆発させ、その指導係の男をナイフで刺して殺してしまいました。

そして、舞踏会の前日がやってきます。
三姉妹と、西野メイ、メイの両親は前日から君平家の豪邸で泊まることになりました。

メイには西野正人という父親がいるのですが、正人は12歳の娘の稼ぎに寄生しているという、
最低ランクの男でした。

舞踏会にも川崎が来るかもしれないということで、国友たち警察は厳重に警戒していました。

外に出ていた夕里子は、暗がりの中で誰かにキスをされてしまいます。

翌日の朝、舞踏会本番に備えて三姉妹たちはダンスの練習をすることになりました。
メイのレッスンを見ていた、メイの母親の西野恵子は、
貴子の父親の君平竜平に声をかけられ、秘密の隠し通路の中へ案内されました。

実は恵子と竜平は、恵子の結婚前に肉体関係を持ったことがあり、
竜平はそれを思い出して恵子に声をかけていたのでした。

と、隠し通路からは丸見えのマジックミラーの向こうに、恵子は夫の正人の姿を発見しました。
正人は、小間使いの女の子、張本レイ子を相手に不倫していました。

三姉妹がダンスのレッスンを終えた頃、川崎は会場の飾りつけをしている業者に紛れ込み、
屋敷の中に潜入しました。
地下室で舞踏会の時間まで時間を潰すことにしたところ、
川崎は、幽霊だと自称する妙な男から声をかけられました。

三姉妹たちは地下にある大広間へ案内され、いよいよ舞踏会が始まりましたが、
貴子の母の浩美は、ボーイの恰好をした伸之の姿を目撃しました。

しばらくしてゲストの西野メイが登場し、客が注目します。

その間に、伸之は再び浩美と接触しました。
伸之は、たまたまフランクフルトの空港で倒れた別の日本人男性のポケットに、
パスポートを入れておいたのだそうです。

……いくら、西洋人には日本人の顔はみんな同じように見えると言っても、
パスポートには顔写真がついてるんだからかなり無理がある気がするんですけどね。

伸之は浩美の下腹部を殴り、どこかに連れ去ってしまいました。

一方、出番が終わりシャワーを浴びていたメイは、「川崎に薬で眠らされてしまいました。
川崎は窓から出たような工作をしておき、国友や夕里子もそれに騙されてしまった――
と思いきや、実は騙されていたのは川崎の方でした。

川崎が別の部屋にメイを運んだところで、国友と夕里子が踏み込んできました。
追い詰められた川崎は、メイと無理心中しようとしますが、
いつの間にか目を醒ましていたメイは川崎に『あなたが先に死んで』と言い、
ナイフで自分の刺すように誘導します。
緊張のあまり、川崎は気絶してしまいました。

メイが大人びすぎていて怖いですね。

その後、国友は川崎をエアコンの配管のパイプにつないでおいたのですが、
国友が地元の刑事を迎えに行っている間に、川崎は誰かに殺されてしまいました。


竜平は妻の浩美がいないことにも気付き、浩美の秘書の田辺に聞いたところ、
使っていない部屋の鍵が1つなくなっていたと言いました。

その部屋へ行きますが、中にいた誰かは窓から逃亡してしまったようでした。

一方、張本レイ子と不倫をしていた西野正人でしたが、
そこへ伸之が現れ、一緒に来るようにと言いました。

舞踏会の会場にいたメイは、父親の正人から呼び出されます。
正人は伸之に脅迫されてそう言っていたのですが、それはバレバレで、
メイのすぐ後を珠美と夕里子と国友が追いかけました。

それに貴子も気付き、貴子と竜平と恵子の3人もその後をつけていきました。

その頃、トイレに行った綾子は迷子になり、落とし穴へ落ちてしまいました。
そこは隠し物置のような場所で、伸之に縛られた浩美がいたので、
綾子が縄を解いてあげました。

綾子が浩美と一緒に隠し部屋を出ると、そこはワインセラーになっていて、
泡田伸之と正人とレイ子がいました。

ところでこの辺から地の文で、
『伸之』という呼称から『泡田』に変わっているのですが、
紛らわしいので最後まで伸之で統一してほしかったですね。

正人に呼び出されたメイはそこで、「伸之に連れていかれそうになるのですが、
恵子とか国友とかがゾロゾロと出てきて注意が逸れたところで、
昔ボクシングをやっていたというレイ子が伸之を殴り、気絶させました。

が、気絶する前に伸之は川崎を殺していないと言っていたので、
それが本当なら別に殺人犯がいることになります。

舞踏会に戻った三姉妹たちでしたが、実は君平家の家計は火の車なのではないか、
という話になります。

そして竜平は、恵子と本格的に不倫してしまいます。

明け方になって戻ってきた竜平は、締めの挨拶をするために壇上に上がったところで、
拳銃で自殺しようとします。
が、綾子が拳銃を引ったくり、竜平を撃とうとすると、
竜平は『撃たないでくれ!』と叫びました。

……川崎がメイと心中しようとしたときみたいですね。

綾子のおかげで死にたくないという気持ちに気付いた竜平は、
貴子に励まされてやり直す決意を固めるのですが……、
不倫したばっかりの癖に、図々しいなあ、と思ってしまいました。

田辺は、メイのマネージャーのゆかりに、お前とのことは遊びだったんだ、
的なことを言いました。
ゆかりはブロンズ像で田辺を殴ろうとしますが、
隠し通路からマジックミラー越しにそれを見ていた夕里子は、
咄嗟の判断で鏡を割り、ゆかりを止めたのでした。

その後、伸之を唆していたのが田辺であったことが明らかになります。

田辺の父親は君平グループに潰された、小さな町工場の持ち主で、
田辺の両親は自殺してしまっていました。
だから、田辺は君平グループに潜入し、内部から腐らせてやろうと、
色んな工作活動をしていたのでした。

しかし、利用するつもりで近づいたゆかりのことを本当に愛してしまっていたのでした。

そして、南原が夕里子にキスをしたのは自分だと打ち明けたところで、
物語は終わります。

最後の南原の打ち明けが唐突なんですけど、
おそらく南原は犯人だとミスリードするために作ったキャラだったんでしょうけど、
途中から空気になってしまっていたので、
最後に目立つ場面を入れたかったんでしょうね(←嫌な読者目線ですね)。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」1巻④「それでもクラスはうまくやっている。」のネタバレ解説

ある日の昼休みのことです。
雨が降っているので、比企谷はお気に入りの昼食場所へ行くことができず、
1人で教室で食べていました。

個人的には、ご飯を食べる場所がないなら便所飯をするくらいじゃないと、
「ぼっち」とは言えないと思いますけどね。
お昼ごはんを教室で食べることができるのに「ぼっち」を名乗るなんておこがましいです。

……いえ、今の発言は忘れてください(泣)。

さて、比企谷のクラス、2年F組には、カースト上位のリア充グループが存在します。

サッカー部男子2人、バスケ部男子2人、女子3名の、計7人です。
由比ヶ浜さんもそのグループに所属しています。

グループのリーダー的存在は葉山隼人というサッカー部のエースで、
クラスの人気者な男子です。
葉山は後々、重要なキャラになるのですが、この話の時点では空気です。

一方、女子のリーダー的存在は、金髪縦ロールで一人称が「あーし」の、三浦優美子です。

由比ヶ浜さんは、見るからにこの三浦優美子の下っ端的なポジションで、
いつも優美子の顔色を窺っていました。

しかし、この日の由比ヶ浜さんは雪ノ下と一緒に昼食を食べる約束をしており、
一時的にグループから抜け出そうとします。
が、由比ヶ浜さんがそれを曖昧に誤魔化そうとしたため、
初めての部下の反乱に怒った優美子が由比ヶ浜さんに辛く当たり始めます。
理由を説明しないまま謝っても、優美子は許してくれません。
女と女の闘いです。

比企谷は一応、由比ヶ浜さんを助けようと立ち上がるのですが、
優美子の眼力に気圧されて撤退してしまいます。

と、そこへ「雪ノ下が現れました。
雪ノ下は優美子に氷のような冷たさで接し、先に教室を出て行きました。
比企谷も教室の外で待ちます。

すると、今度は由比ヶ浜さんも落ち着いて優美子に事情を説明し、
多少のしこりは残ったものの無事に教室を出ることができました。

しかし教室を出た由比ヶ浜さんは、盗み聞きをしていた比企谷に『キモい!』を連発し、
『誰のせいだと思ってんのよ。ばか』
と意味深なことを言ったのですが、比企谷はその言葉の意味には気付きませんでした。


というあらすじなのですが、この話は非常に短く、すぐに読み終わってしまう分量です。

話の内容も1行に要約すると、
由比ヶ浜結衣は昼休みに一時的にリア充グループを離脱し雪ノ下と昼食を食べることにしました。
で終わってしまいます。

しかし、たったそれだけのことが大事件というか、
キョロ充だった由比ヶ浜さんが少しずつ変わっていくのが面白いです。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」1巻③「つねに由比ヶ浜結衣はきょろきょろしている。」のネタバレ解説

比企谷は班を組むのが辛く、家庭科の調理実習をサボってしまいます。

それ自体は補習レポートを提出するということで許してもらえたのですが、
比企谷は生活指導担当の平塚先生から叱られてしまいます。

比企谷の将来の夢は専業主夫なので、料理のスキルはそれなりにあるのですが、
その発言がヒモに対する平塚先生のトラウマを刺激してしまいます。

その後、奉仕部の部室へ行くと、
比企谷が入部して以来初めての訪問者がやってきました。
由比ヶ浜結衣(ゆいがはま・ゆい)という、
ちょっと派手な感じの外見の女子生徒です。

由比ヶ浜さんは比企谷のクラスメートであり、
比企谷のことを「ヒッキー」などと呼んでいるのですが、
比企谷自身は由比ヶ浜さんのことを全く憶えていませんでした。

それに気付いた由比ヶ浜さんは、
「そんなんだから、ヒッキー、クラスに友達いないんじゃないの?
しゃべり方、キモいし」
と比企谷のコンプレックスを指摘する発言をします。
「……このビッチめ」
と比企谷が毒ずくと、
由比ヶ浜さんは自分が処女であるという発言をしそうになってしまいました。

高2で処女だということは由比ヶ浜さんの派手な外見に合わない事実なので、
由比ヶ浜さんは恥ずかしがっているのですが、恥ずかしがることはないと思います。
というか、貞操観念の高さを誇らしく思うべきだと思います。

さて、由比ヶ浜さんは、奉仕部は生徒のお願いを叶えてくれる場所だと、
平塚先生に聞いて奉仕部にやってきたのだそうですが、
「あくまで奉仕部は手助けをするだけ。願いが叶うかどうかはあなた次第」
だと、雪ノ下は説明します。

由比ヶ浜さんは比企谷に席を外して欲しそうだったので、
比企谷は「スポルトップ」という飲み物を買ってくると言って部室を出ます。
その際、雪ノ下はナチュラルに自分の飲み物を頼み、比企谷をパシリにしました。

由比ヶ浜さんにも「男のカフェオレ」を買ってきてあげます。
比企谷、何気に優しいです。

由比ヶ浜さんには手作りクッキーを食べて欲しい相手がいるのですが、
自信がないから手伝って欲しい――というのが今回の依頼内容です。

そういう古風なアプローチの仕方も、由比ヶ浜さんの派手な外見には似合わないので、
由比ヶ浜さんは恥ずかしそうにしていました。

で、家庭科室へ行き実際にクッキーを作ってみたところ、
由比ヶ浜さんの料理のスキルは絶望的なまでのメシマズでした。
出来上がったクッキーは、ジョイフル本田で売っている木炭のような有様でした。

ちなみに、ジョイフル本田というのは、
千葉県や茨城県を中心に展開しているホームセンターなのですが、
ローカルなチェーン店なのでしまうましたは一度も行ったことがありません。
このように、この俺ガイルシリーズは千葉県ネタをちょくちょく挟んでいます
(その割には、登場人物の名前は神奈川県内の地名からとられているのが解せませんが)。
聞き慣れない単語が出て来たら念のためにググってみた方がいいかもしれません。

実際に食べてみて、あまりの不味さに落ち込んでいる由比ヶ浜さんに、
雪ノ下は努力あるのみだと言います。
由比ヶ浜さんは、こういうのは最近みんなやらないって言うし、
と周囲に合わせるような発言をしますが、それを雪ノ下が、
「自分の不器用さ、無様さ、愚かしさの遠因を他人に求めるなんて恥ずかしくないの?」
と一刀両断します。

「つねに由比ヶ浜結衣はきょろきょろしている」というタイトルからも分かりますが、
由比ヶ浜さんはいわゆるキョロ充なんですよね。
キョロ充というのは簡単に説明すると、リア充になりきれていないリア充というか、
ぼっちになることを極度に恐れているリア充グループの底辺のことです。

そんな由比ヶ浜さんは、雪ノ下の毒舌というか、建前を言わないところを、
かっこいいと感じてしまいました。

由比ヶ浜さんはやる気を出し、雪ノ下にお手本を見せてもらい、
これでもかと駄目出しをされつつも頑張ってクッキーを作ります。
が、一応普通のクッキーと呼べる範囲内のものは出来上がったのですが、
雪ノ下の作品に比べると劣っていました。

そんな2人に対し、比企谷は、何でお前らは上手いクッキーを作ろうとしているのかと、
疑問を呈します。
美味しんぼの山岡のように、本当の手作りクッキーを食べさせてやる、
と比企谷は言いました。

それからしばらくして、比企谷は手作りクッキーを雪ノ下と由比ヶ浜さんに食べさせます。

それは残念な感じのクッキーだったのですが、比企谷が捨てようとすると、
由比ヶ浜さんは止めました。

と、「ここでネタばらし。実はこのクッキーは由比ヶ浜さんが作ったものだったんですよね。

つまり、手作りクッキーというのは『手作り』という部分が重要なので、
味はむしろちょっと失敗している感じの方が女子力高いのです。

比企谷は昔、くじ引きでクラスの委員長になってしまったことがあり、
女子の委員長がちょっと優しくしてくれたから、こいつ、俺のこと好きなんじゃね?
と思ってしまい、そういう態度を取ったところクラス中に暴露されてしまった、
という黒歴史エピソードを語ります。

そのエピソードはつまり、男子っていうのは単純なんだから、
由比ヶ浜さんの2回目に作ったクッキーで充分だ、ということを言いたかったのでした。


そしてそれ以来、由比ヶ浜さんは雪ノ下のことを『ゆきのん』と慕うようになり、
ちょくちょく奉仕部に顔を出すようになったのでした。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」1巻②「いつでも雪ノ下雪乃はつらぬいている。」のネタバレ解説

で雪ノ下と勝負することになった比企谷でしたが、
当然のように比企谷は部活から逃げ出そうとします。

が、それを予測していた平塚先生に腹パンされ、部室まで連行されてしまいます。
その途中、平塚先生は比企谷のことを、
ひねくれていることがかっこいいと思っている「高二病」だと評しました。

部室で雪ノ下と2人きりになった比企谷は、当然のように口喧嘩を始めます。
「お前さ、友達いんの?」
と、比企谷が直球勝負な質問をしたところ、
「……そうね、まずどこからどこまでが友達なのか定義してもらっていいかしら」
と、雪ノ下は友達がいない奴の台詞を吐きます。

雪ノ下はとにかく男子にモテモテなので、
女子からの反感を買ってしまうんですよね。
つまり雪ノ下は、女子に嫌われる女子、というタイプなのです。

優れた人間は優れていない人間から妬まれ、嫌がらせをされる運命にあるのですが、
雪ノ下はそんな社会を、あるいは世界を自分の手で変えようとしていました。
とにかく雪ノ下は「変えないといけない」ということに拘りつつも、
自らに決して嘘をつかないという性格なのです
(読み進めていくと、「そうか?」と思いますけどね。
雪ノ下は結構キャラがブレているので)。

そんな雪ノ下に共感を覚えた比企谷は、
「なら、俺が友達になってやる」
的なことを言おうとしますが、全部言い終える前に断られてしまったのでした……。

渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」1巻①「とにかく比企谷八幡はくさっている。」のネタバレ解説

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (ガガガ文庫)


本作の主人公、比企谷八幡(ひきがや・はちまん)は、
腐った魚のような目をした、友達のいない、皮肉屋な性格の、
国語だけなら学年3位の成績の持ち主である、
千葉市立総武高校2年F組の男子生徒です。

ある日、比企谷は、「高校生活を振り返って」というテーマの作文を書くように言われ、
「青春とは嘘であり、悪である」から始まり、
「リア充爆発しろ」で終わる作文を書いたことから、
放課後、独身であることを気にしている国語教諭、平塚静先生に怒られます。

ちなみにアニメでは、「リア充爆発しろ」が「砕け散れ」に改変されていました。
「リア充」が駄目だとは思えないので、
おそらく「爆発しろ」が放送コードに引っかかり規制が入ったのでしょうね。

説教の最中に、平塚先生の年齢を指摘するような発言をしてしまったことから、
比企谷は罰として奉仕活動を命じられました。

比企谷は平塚先生に、ある教室へ連れて行かれます。
するとそこには、国際教養科という、
比企谷の普通科よりも偏差値が高いクラスに所属している、
常に学年1位に鎮座する美少女、雪ノ下雪乃がいました。

このとき、比企谷は雪ノ下のことを初対面だと思っていたのですが、
のっけから雪ノ下は比企谷に暴言を吐きまくります。
それはもう、常人なら1度の会話で3回は自殺するくらいの毒舌っぷりです。

雪ノ下は比企谷に、ここは何の部活なのかとクイズを出しますが、
比企谷は正解することができませんでした。
正解は奉仕部という、奉仕活動をする部活であり、
現在、奉仕部の部員は雪ノ下ただ1人だけでした。

「自分が変わらないと悩みは解決しないし誰も救われない」という雪ノ下の主張と、
「自分は変わらなくてもいい。逃げて何が悪いのか」という比企谷の主張は対立します。

それを聞いた平塚先生は強引に、2人に対決しろと言います。
平塚先生が奉仕部に連れてきた、悩みを抱える生徒の問題を、
比企谷と雪ノ下のどちらが解決できるか、という対決です。

こうして、比企谷はなし崩し的に奉仕部に入ることになってしまったのでした。

(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。1巻        
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2巻      
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3巻       ぼーなすとらっく!
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7巻          ぼーなすとらっく!
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7・5巻 Short Story SIDE-A ぼーなすとらっく! SIDE-B
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8巻         

西尾維新「クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子」のネタバレ解説

クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 (講談社文庫)


戯言遣いシリーズ、第3弾です。

6月のある日、いーちゃんは哀川さんにスタンガンで気絶させられ、
拉致されてしまいます。
車の中で目覚めたいーちゃんは、
そこで哀川さんから3日間一緒に冒険していたという嘘の記憶を吹き込まれ、
信じ込んでしまいます。

恩人である哀川さんのために何かしたいといーちゃんが申し出たところ、
澄百合(すみゆり)学園という名門進学女子校を知っているかと訊かれます。

19歳の男子大学生であるいーちゃんは、気絶している間に、
澄百合学園の制服(もちろん女子用)に着替えさせられてしまっていました。
ちなみに、この本の大部分で、いーちゃんは女装したまま過ごすことになります。

いーちゃんの任務は、澄百合学園に潜入し、
紫木一姫(ゆかりき・いちひめ)こと姫ちゃんという17歳の女子高生を救い出すことでした。

いーちゃんは、哀川さんの裏工作により、
あっさりと澄百合学園に侵入し、姫ちゃんと待ち合わせをしている教室へ行きました。

哀川さんの友人だと名乗ったところ、
姫ちゃんはいーちゃんのことを「師匠」などと呼ぶようになりました。
つまり、副題の「戯言遣いの弟子」というのはいーちゃんのことです。

いーちゃんと姫ちゃんが教室を出て歩いていたところ、生徒たちに追われます。
何とか逃げ切れたところで、いーちゃんは姫ちゃんから事情を聞きます。

が、姫ちゃんは言語能力に少し問題があり、この澄百合学園は「首吊高校」の異名を持つ、
高校らしからぬ高校だというくらいしか分かりませんでした。

いーちゃんはわざと潜んでいた教室の窓から机を落とし、敵を攪乱しつつ逃げます。

しかし、萩原子荻(はぎはら・しおぎ)という策師の生徒に待ち伏せされていました。
萩と荻は漢字が似ているので紛らわしい名前ですね。
姫ちゃんは、子荻の4人の部下に連れ去られてしまいます。

いーちゃんも子荻に腕を捻りあげられてしまいますが、
いーちゃんは前巻の「クビシメロマンチスト」で肩を脱臼していたため、
脱臼しやすくなっており、わざと肩を脱臼させて子荻の意表を突きます。

そこへ、姫ちゃんを連れた、赤き制裁(オーバーキルドレッド)こと哀川さんが登場し、
子荻は逃げ出しました。

哀川さんは、この学園は裏社会で暗躍する戦闘員を養成する機関みたいなものだ
と説明してくれます。
いや、そんな言い方はしていないんですけど、しまうましたはそういうふうに解釈しました。

いーちゃん達3人は、澄百合学園の理事長室へ行きました。
掌紋認証のドアを、スタンガンで無理矢理ショートさせて理事長室の中へ入ると、
理事長の檻神ノア(おりがみ・のあ、39歳)のバラバラ死体がありました。

唯一の出入り口には鍵がかかっていたので、密室殺人です。

困ったことに、このままだと第一発見者の哀川さんたちが犯人にされてしまいます。

それから膠着状態が3時間も続き、哀川さんの足を引っ張ることに耐えられなくなり、
また、冒頭のスタンガンで拉致されたことも思い出したいーちゃんは、
単独で理事長室の外に出てしまいます。

何やっとんねん、という感じですが、
「殺人犯と同じ部屋になんかいられるか! 俺は自分の部屋に帰らせてもらう!」
の別バージョンだと思っておけばいいでしょう。
要するに、ずっと理事長室の中に籠もったままだと話が進まなくなるので、
1人だけ別行動をさせているわけですね。

……書いていて思いましたが、嫌な読者目線ですね、これ。

それはさておき、理事長室から出たいーちゃんは、そこで西条玉藻(さいじょう・たまも)
という超天然ボケな女子高生に襲われ、
「死んでくださいなんとなく」
という理由で首をナイフで切り裂かれ、殺されそうになります。

が、すんでのところで姫ちゃんが現れ、驚いた玉藻がそちらの方を向きました。
その隙に、いーちゃんは玉藻の鳩尾に左ひじをくらわせ、壁に激突させて気絶させました。

姫ちゃんは、いーちゃんは間違っていると言い、迎えに来たのでした。

姫ちゃんは教室の中に糸を仕掛け、それを利用して2人で窓からラぺリングをして脱出しました。
理事長室へ向かう途中、いーちゃんは姫ちゃんから、
この学園には「病蜘蛛(ジグザグ)」の異名を持つ市井遊馬(しせい・ゆま)という3年生がいる、
という話を聞きます。
ジグザグは糸を操る曲絃師で、非常に強いので気をつけるようにと言われます。

……そんな能力者が存在している時点で、もう密室殺人とか世界観的にアウトな気がするんですけどね。
深く考えないようにしましょう。

廊下を歩いていたいーちゃんは、ボールか何かに躓きます。
が、それはボールではなく、西条玉藻の生首でした。

はい、西条玉藻はいつの間にかリタイアしていたわけです。
それに驚いているところへ矢が飛んできて、子荻が現れました。
いーちゃんは自分を犠牲にして、姫ちゃんを逃がします。

それは子荻にとって想定外の行動であり、子荻はいーちゃんを分析し始めます。
子荻によると、いーちゃんには、本人の意志とは無関係に周囲が勝手に狂い出す、
「なるようにならない最悪(イフナッシングイズバッド)」、
あるいは「無為式」という才能があるのだそうです。

クビシメロマンチストでは、ごく普通の大学生だった仲良しグループが、
あんな悲惨な結果になってしまったのも、いーちゃんの「無為式」のせいだったのでした。

子荻はいーちゃんと敵対しようとしますが、いーちゃんは哀川さんを裏切り、
子荻に協力するという戯言を使ってその場を切り抜けようとします。

女子校育ちで男慣れしていない子荻は、いーちゃんに惚れてしまいます。
死亡フラグです。

子荻はいーちゃんの本名を聞きましたが、いーちゃんはクイズ形式で本名を当てろと言います。
質問は全部で3つです。

①あなたのニックネームを、すべて教えてください。
 →師匠、いーたん、いっくん、いの字、いー兄、いーの、いのすけ、戯言遣い、詐欺師など。
②名前をローマ字で表記した場合の、母音の数と子音の数を教えてください。
 →母音が8、子音が7。
③「あ」を1、「い」を2、「う」を3……「ん」を46として、あなたの名前を数字に置き換えます。
 その総和は?
 →134。

という結果になりました。

結論から言うと、この質問と回答でいーちゃんの本名を1つに絞り込むのは不可能です。
ある程度推測することは可能ですが。
ただ、その直後に、今までいーちゃんを本名で呼んだ人間が3人いるけど、生きている奴は誰もいない、
とか、そのうちの1人である、
飛行機事故で死んだ妹の名前が井伊遥奈(いい・はるかな)であることが明かされます。

ここで重要なのは妹の苗字が「井伊」であることです。

また、クビシメロマンチストに登場した同級生(葵井巫女子、貴宮むいみ、宇佐美秋春、江本智恵)が、
全員あ行の苗字であることを考えると、いーちゃんの苗字もあ行の可能性が高いです。

ただし、いーちゃんにとっての「本名」が必ずしも戸籍上の名前とは限らない、
という問題もあるんですよね……。
二つ名や異名の方を「本名」だと考えるキャラというのもいますから。

……と、長々と書いてきたのに拍子抜けさせてしまって申し訳ありませんが、
この記事の中ではいーちゃんの本名を特定するのは避けておきます。

今回はそれがメインの記事ではありませんから、ということで許してください。

本編のあらすじに戻りますが、玉藻を殺したのは子荻かという質問に、
子荻は仲間殺しなんてとんでもない、と答えました。
また、理事長殺しの密室殺人について、理事長が殺されたことを伏せて質問したのですが、
それがきっかけで子荻は自分の「おかあさん」が殺されていることに感づいてしまいました。

その直後、「ジグザグこと紫木一姫が登場し、子荻をバラバラにして殺してしまいました。

はい、今までいーちゃんは姫ちゃんに騙されていたわけですね。
もちろん、檻神ノアを殺したのも姫ちゃんです。

いーちゃんも姫ちゃんに殺されそうになりますが、
この学園を脱出したら自分の住んでいるアパートに入居しようと励まします。
姫ちゃんはそれを『いい夢が見られたですよ』と退けますが、
いーちゃんが時間稼ぎをしている間に哀川さんがやってきました。

姫ちゃんは哀川さんにも糸を巻きつけますが、
姫ちゃんが腕を振り下ろすよりも速く動けば攻撃が通用しないという、
右足が落ちる前に左足を持ち上げ、左足が落ちる前に右足を持ち上げれば水の上を歩ける、
的な感じのよく分からない理論で圧倒します。

要するに、ジグザグの攻撃は人類最強の哀川さんには通用しなかったわけですね。

そして哀川さんは、自分の身体にスタンガンを押し付けます。
その電流は糸を通じて姫ちゃんを攻撃し、姫ちゃんは倒れてしまいました。

というか、姫ちゃんは電気ショックで死んでしまったのですが、
姫ちゃん以上の電流を浴びていながらピンピンしている哀川さんが蘇生術を施し、
姫ちゃんは蘇生しました。

そしていーちゃんは、今回の戦闘で蓄積したダメージにより、
京都市内の病院に入院することになりました。
お見舞いに来た哀川さんは、姫ちゃんが記憶喪失になっていること、
指先が火傷していてジグザグの技は使えないこと、首吊学園は廃校になったこと、
姫ちゃんは檻神ノアと教職員37人と西条玉藻と萩原子荻の合計40人を殺害していたこと、
などを説明してくれました。

姫ちゃんには元々ジグザグと呼ばれていた、市井遊馬という首吊学園の元教師の知り合いがいて、
その人を追いかけて澄百合学園に入ったのに特殊な訓練を受けさせられ、
こんなことになってしまったのだそうです。

哀川さんが帰って行った後、形梨(かたなし)らぶみという名前の変な看護師が登場します
(ただし、この巻では形梨らぶみという名前は登場しません)。

理事長室の密室殺人の話を聞いたらぶみは、
犯人はバラバラにした被害者の手首だけを持って外に出て、
その手首を掌紋チェッカーに通して鍵をかけた後、
第一発見者になったときに部屋の隅に手首を捨てたのだろうと推理しました。

正直、この探偵役は玖渚友で良かった気もするんですけど、
最後の最後にポッと出のキャラが密室殺人の謎をあっさりと解決するという、
酷い終わり方で、この物語は終わります。


この話は「サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し」に続きます。
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