加納朋子「モノレールねこ」第7話「ポトスの樹」のネタバレ解説

物語の中心となるのは主人公の父親なのですが、
この父親がとにかくクソオヤジです。

クソオヤジどれほどの駄目人間なのか、という描写にページの大部分が割かれています。

しかし、駄目人間なのは駄目人間なんですけど、
どこかケチ臭いというか人間臭いというか、
小物感が溢れる感じのクソオヤジなのです。

大人になった主人公はクソオヤジと絶縁するのですが、
彼女と結婚することになったためクソオヤジも紹介せざるを得ませんでした。
主人公が大人になっても、やっぱり駄目っぷりは変わっていません。

しかし、新婚旅行がサイパンだと聞いたクソオヤジは、
サイパンにある砂糖王公園にある巨大なポトスの樹を見て来いと言いました。

ポトスの葉は、ある程度育ってくると、
下から生えてくる小さな葉っぱに陽が当たるように、
自然と裂けてしまうのだそうです。

それからクソオヤジは、自分の父親(つまり主人公にとっての祖父)が、
川で溺れたクソオヤジを助ける代わりに亡くなってしまったという話をしました。
それをポトスの葉に例えていたのです。

そしてそのことを重荷に感じていたことを告白し、
「俺は、おまえのために死んだりなんかしない」
と宣言しました。

その後、主人公たちは新婚旅行でポトスを見に行きましたが、
クソオヤジの話とは違い、ポトスは別の種類の大きな木に寄生していました。

数年後、主人公たちには赤ん坊ができるのですが、
その赤ん坊が「通り魔に襲われた際、身を挺して守ったのはクソオヤジでした。

そのことがマスコミに取り上げられ、クソオヤジは一躍ヒーローになります。
急に仕事の依頼も増え、クソオヤジはだんだんまともになっていったのでした。


というあらすじなのですが、これは映画版ジャイアンの法則を、
温かいタッチで描いた作品だと思います。



……映画版ジャイアンの法則について、説明しないといけませんかね?
既に何回かこのブログでも説明しているんですけど、
駄目な人がたまにいいことをすると、普段からいい人がいいことをしたのに比べ、
高い評価を得られるという現象のことです。

不良が雨の中で濡れている捨て猫に傘を差し出すところを
女の子に見せつけてモテようとする行為
と同じです。

どれだけこのクソオヤジが駄目人間か、
というのを息子の視点から見ていたので、
最後の思いがけないエピソードに感動してしまったわけです。

ええ。解説というのは蛇足きわまりないものだと、しまうましたも思います。

加納朋子「モノレールねこ」第6話「ちょうちょう」のネタバレ解説

主人公は人気ラーメン屋「ラーメン蝶々」を営む叔父を説得し、
「ラーメン蝶々」の2号店の店長になりました。

叔父の右腕的存在の上田、可愛い女子大生の鳥井恵、
叔父の親戚の北岡蘭子という女の子と一緒に、2号店をオープンします。

最初は順風満帆に思われていたのですが、
オープンから数週間後にチンピラを追い払います。

すると、そのチンピラたちがインターネットで誹謗中傷した結果、
客足が遠のいてしまいます。
そのことを蘭子に教えられた主人公と上田はショックを受けます。

上田を励ましに行ったのは、「主人公が密かに思いを寄せていた恵でした。
そのことを主人公に教えたのも蘭子でした。

主人公は上田に店を譲って自分は店長をやめようとするのですが、
開店祝いにもらった胡蝶蘭が枯れるまでは店を続けるようにと、
蘭子にハッパをかけられます。
我慢強く続けたおかげで、徐々にではありますが事態が好転していきました。

が、実は蘭子が育てていたはずの胡蝶蘭は1鉢だけ造花だったのでした。

このオチは、O・ヘンリーの『最後の一葉』のパロディなのでしょうね。
また、タイトルの『ちょうちょう』も、蝶々と胡蝶蘭をかけているのだと思います。

人を見る目のない主人公が、蘭子に尻を敷かれつつ成長していくのが面白いです。


この話はこの本に収録されている他の短編と比較しても極端に短く、
ショートショートといっていい分量なのですが、
ちゃんと起承転結がついているあたり、流石だなあと思いました。

星新一「救助」のネタバレ解説

K操縦士は、灰色っぽい岩ばかりの、
陰鬱な景色が広がる小さな惑星で遭難していた男を救助しに来ました。

ところが、あまりにも長い年月、たった一人きりで暮らしていたせいで、
その遭難者の男は幻覚を見るようになってしまっていました。

きれいな泉だと男が言うのは、赤っぽくにごった水たまりにすぎず、
にがさの塊にすぎない草をすばらしいあじだと言い、
森や小川や美しい女性など、存在しないものの話をします。

男は、この陰鬱な星に適応しようとするあまり、気が狂っていたのです。

K操縦士は遭難者の男に調子を合わせようとし、
男は、きみは疲れているんじゃないのかね、
この星でしばらく休めば、すぐによくなるさ、と言いました。

しかし、実は「その遭難者の男は、どんな症状の患者でも、
たちまち治してしまう腕前を持った、神経科の医者だったのです。

K操縦士からの連絡を受けていた基地の無線係が、
K操縦士からの連絡が途絶えたことに不審を抱いているところで物語は終わります。


というあらすじなのですが、簡単に説明すると、「ミイラ取りがミイラになるというオチですね。

気が狂っている神経科の医者に『治療』された結果、
K操縦士はその狂.気こそが正常な状態だと思い込むようになってしまったのでした。

西尾維新「めだかボックス外伝 グッドルーザー球磨川 小説版【上】 『水槽に蠢く脳だらけ』」のネタバレ解説

めだかボックス外伝 グッドルーザー球磨川 小説版(上)『水槽に蠢く脳だらけ』 (JUMP j BOOKS)


さて。まず記事のタイトルに突っ込んでおきます。

長編なのにタイトル長っ!

ビブリア古書堂シリーズの記事タイトルといい勝負ですね。

この本は「グッドルーザー球磨川」の小説版なので、
漫画版「グッドルーザー球磨川」を読んでないと少し混乱するところがあります。
そして「グッドルーザー球磨川」は「めだかボックス」のスピンオフなので、
「めだかボックス」を読んでいないとやっぱりよく分からないことになります。
しかし「めだかボックス」自体が後付け厨二病設定の塊のような話であり、
訳が分からない部分の多い話なので(ry


何だか敷居が高いですが、この小説だけでも一応のストーリーは分かるようになっています。

一応軽く説明しておくと、この本は球磨川が箱庭学園に来る前の話で、
小説が始まった時点では水槽学園の生徒会長を務めています。

そして今回語り部となるのは、生徒会の庶務の須木奈佐木咲(すきなさき・さき)です。
現在生徒会には球磨川と咲の2人しかいません。

そんなある日、球磨川のところに、「2年3組、出席番号18番の生徒を訪ねてみてくれ」
と安心院さんから連絡がありました。

その生徒というのが、安心院さんの端末の中の1人である、
鉄砲撃(てっぽう・うち)という酷いネーミングセンスの女子でした。

まあ、今さら名前に突っ込むのもアレですが、
もし仮に苗字が鉄砲だったとして子どもに「撃」と名付けようとする親がいたら、
しまうましたは殴ってでもやめさせたいです。

それはさておき球磨川と咲が2年3組の教室へ行くと、
鉄砲撃は脳みそを床にぶちまけて拳銃自殺していました。

「水槽に蠢く脳だらけ」という副題を初めて見たときには、
なんて酷い副題なんだと思いましたが、まさか開始30ページで副題を回収してくるとは……。
侮れませんね。

球磨川は何事もなかったかのように『大嘘憑き』で鉄砲撃を生き返らせます。

鉄砲撃は、ロシアンルーレットに勝ったら安心院さんから預かったメッセージを教えると言い、
球磨川に拳銃を渡しました。

球磨川は躊躇いなくその拳銃を頭につけて引き金を引きますが、
鉄砲撃は安心院さんにもらった『弾爪の麗人(レディギタリスト)』を使って、
拳銃に触れることなくすべての弾倉に弾を込めていたため、球磨川は死んでしまいました。

が、球磨川は安心院に会った後生き返ります。

鉄砲撃は球磨川に、ロシアンルーレット攻略法を提示することができたら、
安心院さんから預かっているメッセージを教えると言いました。

球磨川と咲は作戦タイムに入りますが、
球磨川は1対1でロシアンルーレットをする場合は『このゲーム、後攻のほうが明らかに有利だ!』
と脱力することを言います……。

ああ、球磨川は数学が苦手なんだな、としまうましたは思いました。

要するにロシアンルーレットって、
「サイコロを振って奇数の目が出たら後攻の勝ち、偶数が出たら先攻の勝ち」
という感じのルールなので、先攻後攻で有利不利はないんですけどね。

しかし、「1対1のロシアンルーレットは後攻の方が有利」というのはよくある勘違いらしいので、
頑張って咲よりも分かりやすい説明をしてみたいと思います。

例えば、「弾倉が6個で、3発目に弾が入っていて、残りは全部空砲」
というのを図で表現すると、こうなります。

先攻→〇●〇
後攻→〇〇〇

この場合、順番に1発ずつ撃っていくと、3発目に込められている銃弾を浴びて先攻の負けです。

この「弾が入っている場所」のパターンは全部で6種類あります。

①      ②      ③      ④      ⑤      ⑥
先攻→●〇〇 先攻→〇〇〇 先攻→〇●〇 先攻→〇〇〇 先攻→〇〇● 先攻→〇〇〇
後攻→〇〇〇 後攻→●〇〇 後攻→〇〇〇 後攻→〇●〇 後攻→〇〇〇 後攻→〇〇●

これで全種類です。
先攻が勝つ確率は3/6、つまり1/2です。
後攻が勝つ確率も3/6、つまり1/2となり、
先攻も後攻も勝つ確率が変わらないのがお分かりいただけたでしょうか。

一応、この説明の方が本文中の咲の説明よりも分かりやすいんじゃないかと思います(どや顔)。

さて、咲の説明で「ロシアンルーレットは後攻の方が有利」というのは勘違いだと納得した球磨川は、
それを利用した秘策を思いつきました。

球磨川は鉄砲撃に、「ロシアンルーレットは後攻の方が有利! と主張し、
鉄砲撃がそれを否定した後で、拳銃に弾を5発詰めました。

……拳銃に弾を5発詰めると、先攻が負ける確率は5/6になり、
後攻が負ける確率――後攻に順番が回ってくる確率は1/6になるので、
これなら確かに後攻の方が有利ですね(棒読み)。

鉄砲撃はその拳銃で球磨川を撃とうとしますが、球磨川がリボルバーに詰め物をしていたせいで、
鉄砲撃の上半身が吹っ飛びました。

……いやいやいや、ちょっと待てよ。
何で鉄砲撃はいきなり球磨川に発砲しようとしてんの?
意味分かんねえ!

『なるほど、攻略法だ。(中略)しかし大きな傷があるぜ。
弾丸が5つ込められた拳銃を、敵に持たせちまってるってことだよ!』

と、鉄砲撃は説明してるんですけど……。

これってもはやロシアンルーレットじゃないですよね。

さらに言うと、それだったら鉄砲撃よりも先に球磨川の方が弾が5発入った拳銃を手にしてるんだから、
球磨川が同じことを思いついていたら撃たれていたのは鉄砲撃の方ですよね。

だとすると、鉄砲撃の主張するロシアンルーレットの必勝法は、
『弾丸を込める役になり、弾丸を込めた拳銃で敵を撃つことである』
ということになっちゃうんですけど……。お前本当にそれでいいのか?


…………。

何かもう、真面目に突っ込んでいるしまうましたの方が馬鹿みたいに見えてきたので、
もう忘れることにします。

さて。

こうして球磨川は鉄砲撃に勝ち(これ、勝ってますよね?
まだ安心院さんが出したゲームが始まる前だからそもそも勝負ですらない、
みたいなことを咲が言ってますけど、明らかに勝ってますよね?
まあ、こうやって突き詰めると「勝ったことがない」という球磨川禊のキャラクターの
アイデンティティが崩壊してしまうので、全体で通して見れば勝ってないということにしておきますが)、
鉄砲撃が安心院さんから預かっていた「『勇者の剣』を探せ!」というメッセージを受け取りました。

翌日、「刻舟求剣」という中国古典の漢文をヒントに、球磨川はプールへ行きます。
水泳部は予め休部にしておいたので誰もいない――と思いきや、
やっぱり安心院さんの端末の箞木盟(うつぼぎ・めい)がいました。

が、盟が球磨川に名乗る前に、球磨川がプールに飛び込みました。
プールの底に刺さった剣を抜こうとした球磨川でしたが、溺れ死んでしまいます。
この本の中だけでも2回目の死ですが、盟に足で心臓マッサージをされ生き返ります。

剣を引き抜くにあたって、盟は「プールの水を抜いてはいけない」というルールを説明します。
この「排水禁止」というルールが意外と面倒なのですが、
球磨川は「水温を『なかったこと』にした後、盟をプールに飛び込ませました。

その瞬間、過冷却により、盟が飛び込んだ衝撃でプールの水が凍ってしまいました。

咲が盟を掘り起こしているのを横目に、球磨川は悠々と氷を掘り進み、勇者の剣を手に入れたのでした。

という感じの話なのですが、今回は前半と後半の解説のバランスが悪いですねw

そしてこの話は、下巻に続きます。

西尾維新「まよいキャッスル」のネタバレ解説

2013年8月17日の読売新聞に掲載された、
「まよいキャッスル」のネタバレ解説です。

八九寺は、「赤毛のアン」の作者モンゴメリの著書「青い城」の話を振ります。
「青い城」は、余命1年を宣告された主人公が、
残りの人生をどう生きるかという話らしいです(しまうましたは未読です……)。

タイトルの「キャッスル」はここからとったものなのでしょう。
前話の「つばさボード」も小説がテーマの話でしたが、
どうやらセカンドシーズンの宣伝は小説をテーマにするみたいですね。

八九寺は、1年後に死ぬとしたら何をするかと阿良々木くんに訊ねます。
すると阿良々木くんは、「何もしないという、ある意味贅沢な回答をしました。

話の冒頭で八九寺は『赤』ではなく『青』の話をしましょう、と言っているのですが、
『赤毛のアン』の原題は『Anne of Green Gables(緑の切妻屋根のアン)』であり、
日本では緑のことを青とも言うから、
赤毛のアンでも『青』の話なんじゃないかと突っ込みます。
それに対し、八九寺は、日本では赤ちゃんのことを『みどりご』とも言いますし、
と誤魔化しました


というあらすじなのですが、今回は何と、語り部を八九寺が務めています。
ショート・ショートとも言えないような短い話とはいえ、
語り部が八九寺なのは、シリーズを通してこれが初めてです。

阿良々木くんと八九寺が会話しているだけの話なのですが、
詳しい時系列とかは不明です。
普通の小説なら必ず入っている情報を極限まで排除しても物語として成立するのか、
という実験的な小説のようにも見えます。

ただ、「物語シリーズでは『怪異そのものは語り部になれない』、
という台詞が何回かあるので……。

もしかすると――八九寺が生き返って人間になったときの話なのかも?

と思ったのですが、10月26日に掲載された『しのぶサイエンス』では、
普通に忍が語り部を務めていたので、その可能性はなさそうです。


ちなみに、次回「なでこミラー」は9月21日に掲載されました。

加納朋子「モノレールねこ」第5話「セイムタイム・ネクストイヤー」のネタバレ解説

モノレールねこ (文春文庫)


今回は、5歳の娘を亡くした母親が主人公、という重い内容の話になっています。

主人公は、当時5歳の娘の誕生日に泊まった思い出のホテルに、
娘が生きていれば6歳の誕生日に泊まることにしました。

主人公には夫もいるのですが、夫はついてこなかったので、
たった1人で1年前と同じ部屋に泊まることにします。

すると、主人公は亡くなったはずの娘の姿を目撃しました。
バーへ行ってその話をすると、バーテンダーは、
このホテルでは年に1回だけ、亡くなった人の幽霊を見ることができるのだと言いました。
しかも幽霊は成長していき、喋ることもできるのだそうです。

主人公は翌年も同じ日に同じ部屋を予約しました。

主人公は毎年、死んだはずなのに成長している娘にプレゼントを渡し、
短い会話を楽しみました。

毎年毎年……そして10年が経過しました。

主人公はホテルマンに、「10年前に自分は死のうとしていたことを告白しました。

ホテルマンたちはグルであり、主人公の夫の協力の元、
娘によく似た子に娘の演技をさせていたのでした。
主人公もそれを知っていながら騙されているふりをしていたのです。
ただし、その子が男の子であることには気付いていませんでしたがw

主人公が10年目にして娘の幽霊の正体を話題に上げたのは、
余命半年と告知されていたからでした……。

しかし、ホテルマンに説得されて、
来年も主人公が生きていたら同じ日にホテルに来ることを約束するところで物語は終わります。


というあらすじなのですが、これは何とも切ない話ですね。
しかし、死んだ子の年を数えるという、やってはいけないことをやっているのに、
心が温かくなります。

西尾維新「暦物語」第12話「こよみデッド」のネタバレ解説

3月。
前話「こよみナッシング」で姿を消してしまった影縫さんは、
まだ戻ってきていませんでした。
余接ちゃんに訊いても知らないと言われます。

大学受験の試験当日、阿良々木くんは、
影縫さんが戻ってきていないかと、北白蛇神社へ行きます。

この北白蛇神社へ行く直前の話は「終物語 中 しのぶメイル」で
少し語られています。

北白蛇神社へ到着すると、
そこにいたのは、影縫さんではなく臥煙伊豆湖さんでした。
臥煙さんは、影縫さんが失踪してしまったのは、
余接ちゃんを無効化するためだったと言います。
犯人は、怪異そのものである余接ちゃんに攻撃することはできなかったので、
影縫さんを消すことで間接的に余接ちゃんを使い物にならなくしたのでした。

臥煙さんは、
この町で何ヶ月も前から発生している『くらやみ』問題を解決する方法は、
阿良々木くんが「死ぬことだと言い、
『怪異殺し』で阿良々木くんを寸刻みにしてしまいました。

阿良々木くんは死んでしまいます。

……と思いきや、阿良々木くんは目を醒ましました。
あれから時間が経っているようですが、生きています。

首を傾げている阿良々木くんに話しかけてきたのは、
何と鬼物語で成仏してしまったはずの八九寺でした。

阿良々木くんが八九寺と再会できた理由は明かされないまま、暦物語は終わります。
この話は『終物語 下 第5話 まよいヘル』に続きます。

ちなみにしまうましたは、
傾物語のときのようにパラレルワールドに移動したのではないかと思っていたのですが、
その予想は物の見事に外れてしまいましたwww

西尾維新「暦物語」第11話「こよみナッシング」のネタバレ解説

2月下旬。
時系列としては、
憑物語で余接や影縫さんが阿良々木くん達の町に居ついた後の話です。

阿良々木くんは影縫さんに稽古をつけてもらおうとしますが、
あっさりとボコボコにされた上で断られます。
影縫さんに稽古なんかつけてもらったら力がつく前に死ぬと言われ、
阿良々木くんも命が惜しいので諦めます。

そんなとき、阿良々木くんはちょっとした思いつきから、
「影縫さんと斧乃木ちゃんって、どういう関係なんですか?」
と尋ねます。

すると影縫さんは何か隠し事をしているような態度をとった後、
自分に一発でも攻撃を決めることができたら教えると約束しました。

その話を断片的に聞いた火憐ちゃんは、
「それ、やんわりと断られてね?」
と指摘しました。

火憐ちゃんなのに鋭いです!
いや、阿良々木くんがお馬鹿なだけか……?

阿良々木くんはもう、影縫さんに一発攻撃を決めるのは諦めましたが、
今度は影縫さんの面子を潰さないように上手に負けるにはどうすればいいか、
と悩み始めます。

そして阿良々木くんは、「忍にピストルのレプリカを作ってもらいました。
影縫さんにピストルが通用しないのは分かっているのですが、
阿良々木くんが本気で攻撃を一発決めようとしていたと主張しても通用するような、
ギリギリのラインを探った結果がピストルだったのです。

何やってんだか……。

ところが、翌日阿良々木くんが北白蛇神社へ行くと、
影縫さんは姿を消していたのでした。


この話は12話の「こよみデッド」に続きます。

森絵都「異国のおじさんを伴う」第5話「竜宮」のネタバレ解説

主人公の中塚という女性は、高齢者に纏わる話を連載中のフリーライターです。

多くのフリーライターはテープ起こしなどせずに、
メモと記憶を頼りに記事を書いているのですが、
中塚は頑なにテープ起こしをしていました。

ちなみにテープ起こしというのは、録音した会話を、文章にすることです。
テープ起こしはとても面倒な作業であり、
文章にするには実際の録音時間の数倍かかるのが普通です。

中塚が効率の悪いテープ起こしをしているのには理由がありました。

話は数年前に遡ります。
当時25歳だった中塚は、
長崎さんというおばあさんと噛みつき亀に纏わる記事を書きました。

長崎さんは隣の家に住む9歳の少年、亮くんに頼まれて噛みつき亀を飼い始めました。
放課後になると子供たちが集まってきて賑やかになっていたのですが、
やがて亀はもらわれていきました。

という、ほのぼのとした感じの記事を中塚は書いたのですが、
記事が載った数日後に長崎さんから電話がかかってきました。
長崎さんは何か言いたそうにしていたのですが、
そのとき中塚は忙しかったため、ろくに話も聞かずに電話を終わらせてしまいます。

それから1年後、中塚は、
長崎さんが例の記事の載った半年後に亡くなっていたことを知りました。
心筋梗塞で孤独死していたのです。

亮くんも引っ越していました。

亮くんはいじめられていたのですが、亀を見るために長崎さんの家に集まっていたときだけは
他の子とも上手くやっていたのだそうです。
しかし、一部のお母さん達の間で、
亀に子どもたちが指を噛みちぎられたらどうするのだという抗議があり、
長崎さんは亀を手放してしまったのです。

長崎さんは、本当は亀がいる間、子どもたちが集まってくれるのが嬉しく、
亀に竜宮城へ連れて行ってもらったかのように楽しく、亮くんも亀が大好きだったのに、
一部のお母さんの抗議のせいで長崎さんは亀を手放さざるを得ませんでした。

長崎さんはそういう事情を話していたのに、そのとき中塚は意識が飛んでいたため聞いておらず、
亮くんの心配をしている長崎さんの台詞も、亀の心配をしているのだと勘違いしていました。


というあらすじなのですが、これはちょっと分かりにくい話ですね。

もっと簡単に説明すると、「長崎さんは
『亀がいた間とても楽しかった→亀がいなくなって寂しい、亮くんが心配だ』
という話をしていたのに、中塚は
『亀がいた間困っていた→亀のもらい手が見つかって一安心した』
という、真逆の内容の記事を書いてしまったのです。


中塚はそれを悔やんでいたから、今でも効率の悪いテープ起こしをして、
内容に間違いがないか確認していたのでした。

マスコミ関係者もこれくらい慎重に記事をかいてくれればいんですけど、実際には彼らは、
言ってないことを捏造するのが自分達の仕事だと思っているくらいですからね……。
従軍慰安婦問題が朝日新聞の捏造だというのは有名ですが、
毎日新聞とかも海外で変態報道してますからね。
毎日の変態報道について知らない人は「毎日新聞 変態」でググってみてください。

森絵都「異国のおじさんを伴う」第4話「クジラ見」のネタバレ解説

主人公の男性は、新婚ホヤホヤの妻、鈴と一緒に沖縄へ新婚旅行に来ていました。

鈴がホエールウォッチングがしたいと言い出し、他にすることもなかったので、
主人公はクジラ見に付き合わされることになりました。

主人公と鈴は、2人で1万1000円払い、ギャル2人組と
ババア3人組(だって小説本編にババアって書いてあるんだもん……。ババア許して)
の先客がいるクルーザーに乗り込みます。

2、30分くらい高速で揺れまくる船に乗っていたせいで、
ギャル2人組とババア3人組と主人公は、みんな船酔いになってしまいました。

クルーザーは鯨の群れの中に入り、鈴はデッキを上がって行きましたが、
主人公とギャル2人組とババア3人組はそれどころではありません。

それから1時間、主人公たち6人は潮でズブ濡れになりながら吐きまくっていました。

妻の鈴のことを思い出した主人公がデッキへ上がると、
鈴は「飛沫一つ被っておらず、缶ビールを喰らっており、
クジラを間近で見れて大満足の様子でした。

主人公たちもデッキに上がっていれば潮を被らずに済んだのでしょうねw
プロフィール
Author:しまうました
見やすい記事一覧はこちらです。
スポンサードリンク

十二大戦

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

キノの旅XXI the Beautiful World (電撃文庫)

このブログについて
見やすい記事一覧はこちらです。
このブログの記事は管理人「しまうました」の独自の解釈によるものなので、制作者の意図したものや一般に考えられているものとは異なる場合があります。
個人の趣味でやっているブログなので、解説してほしい本のリクエストは受け付けていません。
重要なネタバレ箇所は白字にしてあるので、反転してお読みください。
現在、荒らしをした人物のコメントを拒否しており、巻き添え規制される場合があります。詳細はこちらに書いてあります。
承認したコメントに対しても、管理人は基本的には返信しません。また、後日予告なく削除する場合があります。ご了承ください。
今月の人気ページ
人気ページの集計期間は30日間です。2017年10月8日リセット。
スポンサードリンク
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
月別アーカイブ
最新コメント
FC2カウンター
スポンサードリンク

ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)

業物語 (講談社BOX)

キノの旅XX the Beautiful World (電撃文庫)

悪の教典 上 (文春文庫)

                amazon人気本ランキング  楽天ランキング
RSSリンクの表示
リンク
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
記事一覧
見やすい記事一覧はこちらです。