時雨沢恵一「キノの旅」4巻4話「伝統」のネタバレ解説

小さな国を訪れたキノとエルメスは、
その国には大昔からの伝統で、
住人は頭に猫耳をつけていることを教えられます。

猫耳にまつわる色んな絵画やお祭りや踊りを楽しんだキノ達ですが、
結局、最後まで猫耳はつけないまま国を立ち去りました。

キノ達の姿が見えなくなると、その国の住人達は、
猫耳を外してしまいました。

その国では、『この国には〇〇という風習がある』ということにして、
旅人達を釣って楽しむという『伝統』があったのでした。

しかし、旅人達の間でも既にそのことは知られており、
引っかかりたい人は引っかかって住人達に楽しんでもらう、
ということになっていたのでした。

殺伐としたキノの旅ワールドですが、
こんな呑気な国が一つくらいあってもいいですよね。

最後に、半年前にシズたちがこの国を訪れたときには、
『頭の上にリンゴを載せて生活』という伝統があると言い、
シズも引っかかっていた、ということが明らかになります。

シズのことですからきっと本当に、この国にはこういう伝統があるのか、
と納得し、釣られてしまったのではないかと思いますwww


というあらすじなのですが、
現実世界にも「男は成人の儀として崖の上から海に飛び込む」とか、
「首が長いほど美人という価値観だから女の人はみんな首を伸ばす」とか、
「桜の花を見ながらお酒を飲み大騒ぎするために前日から場所取りする」とか、
変な伝統のある国はたくさんありますけど、
そういう伝統って、最初にやった人はそれが伝統になるなんて
思いもしなかったのではないでしょうか。

もはや時代に合わなくなった古い伝統は廃れた方がいいと思いますが、
害のない伝統はいつまでも続いてほしいですよね。
それが、昔の人と現代の人、そして未来の人を繋ぐかけ橋になるのですから……。

(しばらく記事を書いてなかったせいか、オチのない夢見がちな文章になってます。
ごめんなさい。
次からはもっと、しまうましたらしい、腹黒い文章を書きたいと思います)

伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない②」のネタバレ解説

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)


「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」2巻のネタバレ解説です。

7月の土曜日。
高校2年生の高坂京介は、妹の桐乃に命令され、
朝から「真妹大殲シスカリプス」、通称「シスカリ」という
エ○ゲーをやらされていました。

ただし、エ○ゲーと言ってもテキスト主体のものではなく、
格闘ゲーム的な要素の強いゲームです。

苦戦していた京介は、桐乃に言われてwikiを見たり、
沙織とチャットをしてアドバイスをもらったりします。
ちなみにその際に、京介は沙織に携帯電話の番号を教えました。

翌日の日曜日。
桐乃の表の世界、要するに学校の友人である、
新垣(あらがき)あやせと、来栖(くるす)加奈子が遊びに来ました。

と言っても、もちろん京介があやせと加奈子を桐乃から紹介して
もらえるはずがなく、
その頃京介は麻奈美へのプレゼント用の枕をネットで調べたり、
壁に耳をくっつけて妹たちの会話を盗み聞きしたりしていました。

加奈子は、京介のことを
「十年後とかぁ、フッツーにしょぼい中小企業とかに勤めて、
課長とかやってそうじゃね?」
と馬鹿にしていましたが、27歳で課長って凄いですよね?

まあそれはともかく、京介宛てに宅配便が届きます。
その箱が化粧品の箱だったため、
桐乃は勘違いしてそれを自分の部屋に持って行って、
あやせや加奈子の前で開封しようとしてしまいます。

が、実はそれは沙織から送られてきたもので、
中身はメルルとシスカリのエ○い同人誌だったのでした。

京介は桐乃のために、その箱を回収しようとしますが、
桐乃からは何度も「キモい」とか「死ね」と言われてしまいます。

挙句の果てに、妹を押し倒すような形で転倒してしまう、
いわゆる「ラッキースケベ」という状態になってしまいます。

そして、桐乃に家を追い出されてしょぼくれていた京介に、
あやせが話しかけてきます。
あやせはあの行動を好意的に解釈し、
京介とメールアドレスや電話番号を交換しました。

第2章に入り、麻奈美ルートに突入します。

赤城(あかぎ)という男子の友人が、
京介は麻奈美のことが好きなのかと訊ねますが、
恋愛感情的なものはない、と京介は答えました。
ちなみに初読の際、「赤城は麻奈美のことが好きなのかな?」
と、しまうましたは思いました。

放課後、京介は和菓子屋を営む麻奈美の家にお邪魔しました。

麻奈美の弟である「いわお」は、スキンヘッドを京介に自慢します。
が、それはスキンヘッドではなく五厘刈り(丸坊主)だ、
と京介が突っ込んだためいわおは号泣します。

さらにそこに追い打ちをかけるように、
麻奈美がいわおのことを「ロック」と呼びました。
ロックというのは、スキンヘッドを麻奈美に自慢する際、
ロック本人が自称したニックネームだったのです。
アニメでは麻奈美の祖父が言っていたセリフですが、
原作では麻奈美が言っています。

「よろしくな、ロック。その髪型、超いかしてるぜ」
と京介は褒めますが、ロックは大泣きしながら走り去っていきました。

まあ、当然ですよね……。
ロックは黒猫とは全く違うベクトルで、一種の厨二病だったのですが、
こんなに早く黒歴史になってしまうとは……。
あ、ちなみにロックは桐乃と同学年で、リアル中二です。

それから数日後。
京介は麻奈美を連れて家に帰る途中、あやせと出くわしました。
その際、京介は調子に乗って
麻奈美の前であやせの容姿を褒めてしまったため、
麻奈美は落ち込んでしまいます。

そこで京介は、
「お前はそのままでいいと思うぞ?」「変わらないのが一番だって」
とフォローを入れました。

が、翌日もその翌日も、麻奈美はあからさまに京介を避けていました。
さらに、電話をしようとしても繋がらず、
担任からは麻奈美は家庭の事情でしばらくお休みしますと言われます。

京介はロックに電話して相談しますが、あまり役に立ちませんでした。

京介はなりふり構っていられなくなり、桐乃に相談することにしました。
が、桐乃自身は兄に無理難題を平気でふっかけるくせに、
兄の相談を聞くのは露骨に嫌がっていました。ひどい奴です。
それでも何とか事情を相談し、
何かプレゼントするといいとアドバイスをもらいました。

京介は麻奈美が枕を欲しがっていたことを思い出し、ネットで購入します。
その枕を持って、3日後に麻奈美が帰宅するのを待ちました。

すると、麻奈美が京介を避けていたのは、
あやせと会った日に家に帰ってから前髪を切るのに失敗してしまい、
京介が「そのままでいい」と言ったのに変わってしまった、
と落ち込んでいたからだったのでした。
携帯が繋がらなかったのは家に置きっぱなしにしていたからであり、
学校を休んでいたのは親戚が入院していたからという本当に「家庭の事情」
だったことが判明します。

何だそりゃ……という感じですが、
この巻の麻奈美ルートは結構ページ数があり、
「お前ら絶対に両想いだってば! さっさと付き合っちゃえよ!」
と大声で叫びたくなるシーンがたくさんあります。

このエピソードを元にして、アニメ6話のエンディング曲「マエガミ☆」が
作られたのですが、アニメでは2巻と3巻の麻奈美ルートを
無理矢理まとめて1話にしてしまった影響で、
この前髪に纏わる話がカットされてしまっていました……。

第3章では、京介は借りていたパソコンを桐乃に返すのですが、
そのパソコンで大量のエ○サイトを見ていたことや、
眼鏡フェチであることとかを妹に知られてしまいます(ノ∀`) アチャー

そのお詫びとして、京介は何か桐乃に夏の思い出を作ってあげることにします。
沙織に相談したところ、それなら夏コミに参加するのがいいだろうと言われ、
京介、桐乃、黒猫、沙織の4人で3日目の夏コミにやってきました。
ちなみに黒猫がまともに登場するのは、小説丸々一冊分ぶりです。

桐乃は黒猫と喧嘩ばかりしていましたが、それでも楽しそうでした。
沙織が桐乃を連れ出している間に、京介は黒猫から、
黒猫も「マスケラ」という厨二病的な設定のアニメの同人誌を書いていることを
教えられます。

黒猫が使っているセットだと、50部で3万円くらいかかるらしいです。
京介は、1冊500円で売れたとしても、5000円損しちゃうわけだろ?
と考えていますが、実際にはそんなものでは済みません。

食費や交通費については京介も思いついているようですが、
それ以外に、サークル参加するのには参加料が必要になるんですよね。

コミケに参加する場合はまず、サークル参加申込書セット、
というのを1000円で買わないといけません。
ちなみにこの代金はあくまでもセットのお金なので、
落選した場合も返金されません……。
そして、サークル参加費として7500円振り込む必要があります。
ちなみに、この参加費は落選した場合返金してくれます。

だから、黒猫の場合、仮に1冊500円で全部売ったとしても、
1万3500円以上の赤字ということになります。

また、印刷所から会場まで、会場から自宅までの送料とかも馬鹿にできません。
基本的に同人誌というのは、
たくさん刷れば刷るほど1冊あたりの値段が安くなるんですけど、
売れ残った場合は送料が高くなるという諸刃の剣でもあります。

……ちなみに、何でこんなに詳しいのかと言うと、
しまうましたも昔、コミケに応募したことがあるからですw
そのときは小説の同人誌を出そうと思っていたんですけど、
あっさりと落選しましたwwwww
落選通知が来る前に原稿は完成していたんですけど、やる気を失い、
結局同人誌は印刷しませんでした。
今にして思うと、どう考えても10万単位の大赤字になるところだったので、
あのとき落選してよかったなあ、という感じですけど。

はい、どうでもいいですね。
話を戻します。

京介はドラゴンボールのセルのコスプレを目撃して興奮します。

その後、企業ブースへ移動しますが、
シスカリの限定ディスクの配布が終了したことを知った桐乃は落ち込みます。
しかし、シスカリのアーケード版でスタッフに勝利すれば、
限定ディスクを貰えることを知り、桐乃と沙織は挑戦しますが、
あっさりと負けてしまいます。

ところが、いつの間にか姿を消していた黒猫が、
チートっぽい強さでスタッフに勝利し、限定ディスクを手に入れました。

そして、黒猫は限定ディスクを桐乃に渡そうとしますが、
桐乃も黒猫もツンデレなので、めんどくさい可愛いやり取りがありました。

第4章では、雨の中、東京ビッグサイトを後にした京介たちは、
モデルの仕事をしていた新垣あやせと遭遇しました。

オタクであることをあやせに知られるわけにはいかない桐乃は、
必死に誤魔化そうとします。
黒猫と沙織も、空気を読んで姿を消します。

京介は桐乃の手を引っ張り、逃げようとするのですが、
あやせは桐乃の手をガッチリと掴んで引き止めました。
恐ろしいまでの豹変っぷりでキレたあやせは、
桐乃に手を振り払われたこともあり、桐乃の持っていた紙袋を掴みます。

紙袋が破けてしまい、
桐乃が買い集めた同人誌が雨に濡れた地面の上に落ちました。
それを拾い、中身を読んだあやせは、
「……ごめんなさい。わたし、そういう人とは今後お付き合いできません。
……高坂さん。お願いですから、学校でももう話しかけないでくださいね――」
と、厳しい拒絶の言葉を桐乃に浴びせかけました。

夏休み中は気丈に振舞っていた桐乃でしたが、新学期が始まり、
改めてあやせに拒絶されたことを痛感し、塞ぎこんでいました。

京介は何とかして桐乃とあやせを仲直りさせようと、桐乃に話しかけますが、
桐乃は泣きながら、
「黙れっ! さんざんほったらかしにしておいたくせに、いまさら兄貴面すんな!」
と叫びます。
さらに、何度も叫びながら京介にクッションを振り下ろして八つ当たりします。

やがて、人生相談はまだ終わってない、最後まで責任とってよ、
と桐乃弱々しい言葉で言われ、京介は大嫌いな妹のために奔走します。

まず、京介はあやせに電話してみますが、
あやせは実例を挙げ、ああいうゲームや漫画を持っている人は、
みんな犯罪者予備軍だと切り捨てます。

追い詰められた京介は、「父親の大介に相談します。
1巻の件以来、オタクについて色々と調べていた大介は、
あやせが挙げた実例のことも知っていました。
さすが桐乃の父親だけあって、ツンデレです。

それは、『ゲームキャラの真似をして、女の子を感電死させようとした』として、
シスカリ殺人未遂事件とマスコミが大々的に報道した事件だったのですが、
犯人はあとで『女の子に乱暴したかったから、改造スタンガンをちらつかせた』
というふうに供述を撤回していました。

どっちにしろ酷い事件だったわけですが、
とりあえずゲームの影響というのは嘘だったわけです。

オタク趣味と犯罪との間に因果関係はない、と一応納得したあやせでしたが、
やっぱりああいう趣味は穢らわしくておぞましいと言います。

京介は何度も言葉を尽くして説得しますが、あやせの気持ちは変わりません。

そこへ、桐乃が現れ、
『あんたのことも、エ○ゲーと同じくらい好き!!』
という、聞きようによっては人格を疑われるようなセリフを言いました。

あやせも桐乃と仲直りしたいと言いますが、
やっぱりオタクっぽいゲームや漫画は大嫌いだと泣いてしまいます。

そこで京介は、日本神話も、桐乃の持っていた同人誌も、
同じテーマ(兄妹間の近親相姦)で書かれたものだと言います。
さらに、京介は暴走し、妹が大好きだああ、と大声で嘘をつきます。

するとあやせは、桐乃と仲直りすると言いました。
もっと大きな問題(京介という変態)があるのだから、
小さな問題(桐乃のオタク趣味)にこだわっている場合ではない、
とあやせは考えたようです。

京介に『……キモ、死んでください』と言い放ち、
あやせは桐乃の手を引いて去っていったのでした。

が、その数日後にあやせから届いたメールは
『大ウソ吐きのお兄さんへ』という文から始まっているので、本当はあやせも、
京介が桐乃を愛しているというのは嘘だと分かっていたのだと思います。
要するにあやせは、桐乃と仲直りするきっかけが欲しかったんじゃないでしょうか。
あれだけ大騒ぎして桐乃を拒絶してしまったので、
並大抵のことでは仲直りのきっかけにすることができず、
京介の言葉を鵜呑みにしたふりをしていた……ということなのかもしれません。

後はまあ、妹のために泥を被る京介に惚れたのかもしれません。
と考えるのは、ラノベ脳なのでしょうか……。

ちなみに、桐乃とはあの件以来気まずくなっていましたが、
やがて、桐乃は元通りの態度をとるようになりました。


というあらすじなのですが、やっぱりこの「親友バレ」の流れは、
1巻の「父親バレ」と同じパターンですよね。
でも、そういうテーマの小説なので、これでいいんじゃないかと思います。
〈俺の妹がこんなに可愛いわけがないシリーズの記事リンク〉
1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻

東川篤哉「謎解きはディナーのあとで3」第6話「さよならはディナーのあとで」のネタバレ解説

中央線の近くにあり、騒音に悩まされそうな清川邸の主人、
清川隆文が木刀で頭を殴られて殺されているのが発見されました。

凶器の木刀は、剣道をたしなむ隆文のものであり、
木刀にはまんべんなく隆文の指紋がついていました。

風祭警部は、隆文の妻の芳江の部屋が荒らされているのを発見します。

清川隆文と同居している家族は、妻の芳江、2人の娘である智美と雅美、
そして隆文の親戚の新島喜和子の4人でした。

その全員にアリバイがありませんでした。

隣に住む老人が、隆文が殺された時間帯に、
芳江の部屋を荒らしている怪しい男の人影を目撃していたことから、
最近このあたりに出没している泥棒が犯人ではないか、
と風祭警部は考えました。

が、それにいまいち納得がいかない麗子は影山に相談し、
芳江の部屋を荒らしていたのは隆文だったのだろう、
と影山は推理しました。
隆文は、妻が不倫していることに気付き、妻の部屋を調べていたのです。

そこへ喜和子が帰宅しましたが、ちょうど電車が通りかかったため、
騒音のせいで隆文はそのことに気付きませんでした。
UV手袋をしていた喜和子は木刀を持ち、
泥棒と勘違いして隆文を殺害してしまったのでした。

その後、麗子は、風祭警部が本庁に栄転する、という話を教えられます。

そして、いつものように風祭警部は麗子をディナーに誘います。
普段なら断る麗子でしたが、やはり長い間一緒に捜査をしていたため、
情が移っていたのでしょうか。
焼き鳥屋になら行ってもいい、と答えました。

麗子が風祭警部に優しくするというのは、前代未聞のことです。
風祭警部もそのことに感動している様子でした。

こうして、何となく最終回っぽい雰囲気で、物語は幕を閉じました。

東川篤哉「謎解きはディナーのあとで3」第5話「彼女は何を奪われたのでございますか」のネタバレ解説

映画研究会に所属する女子大生の水野理沙は、
喫茶店で先輩の木戸静香と偶然会います。

木戸静香は眼鏡をかけているにもかかわらず、
グラスをとり損ねたり、転倒したりと不審な行動をとっていました。

翌日、木戸静香の遺体が発見されますが、
靴やベルト、眼鏡や財布や携帯電話などが持ち去られていました。

麗子や風祭警部は、犯人が本当に隠したいものを持ち去るために、
カムフラージュでそれ以外のものも持ち去ったのだろうと推理します。

ハンカチのエンブレムから大学を割り出し、
麗子たちは杉原俊樹、西田真弓、水野理沙という映画研究会の
メンバーと会い、話をします。

水野理沙によると、木戸静香と杉原俊樹は「公認の仲」だったのだそうですが、
どうやら本当に付き合っているわけではなかったようです。

西田真弓は、映画研究会の元部長、寺岡浩次が怪しいと証言したので、
麗子たちは寺岡浩次に会いに行きました。

現在は銀行員をやっている寺岡浩次は、なぜか妙に麗子の目を見ていました。

この事件について麗子は影山に相談しますが、
いつものように毒舌を吐かれ、麗子はセンスの悪い壺を割ってしまいます。
シリーズを重ねるにつれ、だんだんリアクションが大きくなってきましたねw

影山は、「喫茶店で水野理沙が木戸静香と会った際、
木戸静香の様子がおかしかったのは、
眼鏡の下にコンタクトレンズを嵌めていたからだろうと推理します。
犯人が彼女の遺体から持ち去ったのは、コンタクトレンズだったのでした。
コンタクトレンズをしていたのは、恋人の好みに合わせるためでした。

麗子は寺岡と会い、最近木戸静香が眼鏡を変えたことを寺岡浩次が知らなかった、
つまり2人は付き合っていた、という証拠を掴みます。
寺岡は逃亡しようとしますが、影山がリムジンで通せんぼをして、
何とか捕まえることができたのでした。

東川篤哉「謎解きはディナーのあとで3」第4話「殺人には自転車をご利用ください」のネタバレ解説

佐々木澄子という金持ちの老婦人が絞殺死体が発見されます。
彼女の遺体はなぜか子ども用の椅子に座らされていました。

丸山美鈴という家政婦から犯人の心当たりを訊いたところ、
澄子の甥の平沢健二が怪しいと言われます。

澄子には近い親戚が平沢一家しかおらず、
澄子が死ねば遺産は丸々平沢のものになるのだそうです。

さっそく、麗子と風祭警部は、
元競輪選手であり、現在は無職である平沢の家を訪れました。

アリバイを確認したところ、
昨夜は友人の福田と松下を家に招いて話をしていたと言われます。
ただし、死亡推定時刻の午後9時ごろには、
平沢は煙草を吸いに行くと言って単独行動をしていました。

しかし、15分で澄子の家まで往復するには時速40キロも出す必要があります。

平沢の妻の江里子と、幼稚園児の娘の美奈に挨拶をした麗子たちは、
平沢健二のアリバイについて調べます。

平沢夫妻は免許も車も持っておらず、タクシーを使った痕跡もないため、
自転車で往復したのではないか、と麗子たちは考えます。

コンビニ前でたむろしていた三人組の証言を得ることができましたが、
彼らの証言に基づいて犯行をおこなったとすると、
平沢は最大で時速96キロも出していたことになります。

途方に暮れた麗子は、いつものように影山に相談しますが、
影山はあろうことか話の途中で寝ていました。

影山の推理によると、「コンビニ前の三人組が目撃したのは、
捜査を攪乱するために平沢がやったカムフラージュであり、
実際には澄子は平沢の家で殺されていたのでした。

その後、おそらく深夜3時ごろに、
江里子が美奈を幼稚園に送り迎えするのに使っているママチャリの
後部座席に載せて、澄子の家まで運んだのだろう、と影山は推理します。

澄子が子ども用の椅子に座らされていたのは、
ママチャリの後部座席に長時間座らされていたため、
その姿勢で遺体が硬直していたのを誤魔化すためだったのでした。

というあらすじなのですが、
この話は、同じ著者のこの短編と少し似たトリックが使われていたため、
しまうましたは途中で真相に気付いてしまいました。

ただし、トリックの種類は同じでも、その方向性は全然違うので、
別に使い回しというわけではないと思います。

伏見つかさ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない①」のネタバレ解説

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)


伏見つかささんの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』1巻の
ネタバレ解説です。
本当のタイトルには「①」はついていないのですが、
分かりにくいので便宜上つけています。ご了承ください。

さて。
主人公の高坂京介――17歳の高校2年生には、
高坂桐乃という14歳、中学2年生の妹がいました。

桐乃は茶髪でピアスをしている、
成績優秀で陸上部のエースというリア充っぽい美少女なのですが、
京介とは仲が悪く、殆ど会話もない状態でした。

そんなある日、京介は玄関で桐乃とぶつかり、
桐乃はバッグの中身をぶちまけてしまいます。

その後、京介は靴箱の裏から、「星くずウィッチ☆メルル」という、
大きなお友達向け女子小学生向けのアニメのDVDケースを発見します。
母親が帰宅したため自室にそのDVDケースを持ち帰った京介は、
ケースの中に入っていたのが「妹と恋しよっ♪」という
エロゲーであることに気付きます。

夕食の際、両親と妹が揃った場面で京介が揺さぶりをかけると、
桐乃がひっかかりました。
さらに、コンビニに行ったふりをしてこっそりと自室に戻るという、
古典的な罠を仕掛けると、桐乃が京介の部屋を漁っていました。
京介は桐乃に「星くずウィッチ☆メルル」を押し付けます。

それから2日後、京介は寝ているところを突然桐乃に起こされます。

「人生相談」と称して桐乃の部屋に呼ばれた京介は、
桐乃がモデルのアルバイトのギャラで、
「妹もの」というジャンルのエロゲーを大量に購入し、
所持していることを知らされます。

第2章に入り、京介の幼馴染である田村麻奈美ルートがあり、
京介は麻奈美とのゆるい会話を楽しみます。
初期の原作の2章では、毎回麻奈美がメインの話があったので、
麻奈美ルートと呼ばれています。

それからさらに数日後の日曜日、京介は桐乃に部屋に呼ばれ、
例の「妹と恋しよっ♪」をやらされることになりました。

翌日、桐乃にそのエロゲーをやったかと訊かれますが、
もちろん京介はやっていませんでした。
「妹と恋しよっ♪」の全年齢版を貸され、
京介は桐乃と2人きりでプレーさせられます。

その後、桐乃にはこういうオタク趣味を共有できる友人がいないことに気付き、
京介は「友達、作るか」と言いました。

京介は麻奈美のアドバイスもあり、
SNSでオフ会を捜し参加しようと提案します。

そうして見つけたのが、「オタクっ娘あつまれー」というコミュニティでした。

翌日、「オタクっ娘あつまれー」の管理人、沙織・バジーナから連絡があり、
オフ会に参加することにしました。

オフ会は秋葉原のメイド喫茶で開かれるので、
京介は先にそのメイド喫茶に潜入していました。
やがて桐乃たちがやってきますが、高身長でぐるぐる眼鏡をかけている、
典型的なオタク像をした沙織の姿に京介は吹き出します。

オフ会はそれから2時間ほど続きましたが、
いかにもリア充なギャルっぽい恰好をした桐乃は浮いてしまい、
まともに会話することもできませんでした。

桐乃は意気消沈して帰ろうとしますが、そこへ沙織が声をかけてきました。

京介も交えて、二次会に行こうと誘われます。
マックへ行くと、そこには桐乃とは別のベクトルで浮いていた、
邪気眼厨二病女の、ハンドルネーム「黒猫」が待っていました。

沙織は、オフ会でぼっちだった桐乃と黒猫を誘っていたわけです。
それに気付いてしまうと、同情されているみたいで複雑な気分になりますが、
沙織が凄くいい奴であるのは間違いないでしょう。
最初はぎこちなかった桐乃や黒猫でしたが、
やがて激しい口喧嘩をするほど仲が良くなりました。
ちなみに、この1巻での黒猫の出番は、殆どこれだけです。

オフ会の翌日、京介と麻奈美はモデルの仕事をしている桐乃を目撃しました。
また、母親から、桐乃が最近、イキイキしていると言われます。
それから数日後、京介はついに「妹と恋しよっ♪」をコンプリートしました。

そして、さらに数日後の日曜日の夕方。

桐乃は、警察官をやっている強面の父親・大介に、
「星くずウィッチ☆メルル」のケースに入った「妹と恋しよっ♪」を
持っているのを見つかり、対面していました。
ちなみに、桐乃がそんなものを持ち歩いていたのは、
アニメ漫画専門店のキャンペーンのポストカードが欲しかったからでした。

10分後、桐乃は家を飛び出していきます。

京介は、大介が桐乃の部屋を捜索するのを必死に止めます。
大介は部屋に入らない代わりに、桐乃のオタグッズを全て捨てるよう、
京介に命令します。

桐乃を追って外に出た京介は、
桐乃がゲームセンターで太鼓ゲームに八つ当たりしているのを発見します。
2人はスタバへ移動し、桐乃は泣きじゃくった後、真剣な表情で、
(オタクをやめると)あたしがあたしじゃなくなるの、
(妹もののエロゲーを)好きでいることだけは、絶対、やめない、
という意味のことを宣言しました。

それを聞いた京介は、「俺に任せろ」と言い、大介を説得することにします。

京介は、桐乃が家族と映っているアルバムや、
大介がひそかにコレクションしていた、モデルのスクラップや、
桐乃、黒猫、沙織の3人が楽しそうに映っている写真を見せ、
『この全部が桐乃なんだよ! 全部があって、初めてアイツなんだよ!
一つでも欠けたら、アイツじゃなくなっちゃうんだよ!』
と、叫びます。

その甲斐あって、大介は桐乃の趣味の一部だけは認めることにしました。
一部というのは、全年齢向けのものだけ、という意味です。
そこで京介は、18禁のエロゲーは、桐乃のものではなく、俺のものだ、
ということにします。

大嘘です。

さらに京介は、
『アニメも、エロゲーも、超・大・好き・だぁ―――――――っ!
愛していると言ってもいいね!』
『エロゲーは俺の魂なんだよ……っ!』
『分かったかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――っ!』
と、大嘘を叫びます。

その結果、京介は大介に殴られつつも、
何とか桐乃のコレクションを守ったのでした。

翌日の放課後、桐乃は照れくさそうに微笑み、
『人生相談、まだあるから』『ありがとね、兄貴』
と、最後の最後にようやくデレて、物語は終わります。


というあらすじなのですが、このシリーズの画期的なところは、
桐乃というキャラクターそのものだと言っていいでしょう。

性格以外は完璧な美少女である妹に、
妹もののエロゲーが好きという気持ち悪いオタク趣味がある、
というのは、思いつきそうでなかなか思いつかない設定だと思います。

特に、オタク趣味の内容を、ボーイズ・ラブが好きな腐女子、
という、ありがちな設定にしなかったのが良かったと思います。
〈俺の妹がこんなに可愛いわけがないシリーズの記事リンク〉
1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻 11巻 12巻

米澤穂信「遠まわりする雛」5話「あきましておめでとう」のネタバレ解説

新年あけましておめでとうございます。

2013年初めてのネタバレ解説は、
米澤穂信さんの「遠回りする雛」の第5話、「あきましておめでとう」です。

ちょうどお正月に相応しい話の解説ですね。

それにしても、第3話の「正体見たり」は夏休みの話だったのに、
時間の経つのは早いものです。
そう言えば、第1話の「やるべきことなら手短に」と、
第2話の「大罪を犯す」の記事を更新したのは、8月31日でしたね。

何で、一つの短編集の解説に4ヶ月以上もかかっているのでしょうか。
……いや、違うんです。
忘れていたわけじゃないんですよ。
本当に忘れていたわけじゃないんです。
決して忘れていたわけではありません。信じて。

……さて、奉太郎は千反田さんに誘われて、
神山市内にある荒楠神社へ初詣にやってきました。
奉太郎は着物姿の千反田さんを鑑賞し、2人でお参りを済ませます。

千反田さんが神職に挨拶に上がり、
そのときに巫女姿の十文字かほと会います。
十文字かほは、あの「クドリャフカの順番」に登場しているキャラです。

その後、おみくじや落し物などの係をしている、
巫女のバイト中の摩耶花を冷やかしに行きます。

奉太郎はおみくじを引きますが、凶でした。
ところで、しまうましたは凶とか見たことないんですけど、
ネタじゃなくて本当に実在するものなのでしょうか。

その後、忙しそうにしていた十文字かほの手伝いを千反田さんが申し出て、
奉太郎と千反田さんは蔵に酒粕を取りに行きます。

が、奉太郎は蔵と間違えて納屋へ行ってしまい、
しかも直後に外から鍵をかけられてしまい、閉じ込められてしまいます。

「氷菓」の最初の話で、
千反田さんが地学準備室に閉じ込められたのと似たパターンですね。
どうやらこの世界では外から鍵をかける際、
中に人がいないか覗く習慣はないようです。

奉太郎は大声を出そうとしますが、
年頃の男女が2人で納屋にいたとなると、
あらぬ誤解を招きそうだと千反田さんに止められます。

携帯電話で摩耶花か十文字かほ辺りに連絡をとって助けを呼ぼう、
と千反田さんは提案しますが、2人とも携帯電話を持っていないのでした。

原作では時代設定が2001年(物語開始時点は2000年)なので、
高校1年生が携帯電話を持っていないのは普通なのですが、
アニメでは放送年に合わせて2012年に変更されていたので、
ちょっと無理があるエピソードになっていましたね。

2人は寒さに震えながら、自分の持ち物を落として、
落し物の係の摩耶花に助けてというメッセージを送ります。
が、売店にいた摩耶花や、遅れてきた里志は分かってくれません。
まあ、特に里志や摩耶花の察しが悪いわけではなく、
ハンカチとか、凶のおみくじが入った財布だけで、
納屋に閉じ込められていると推理するのは難しいでしょう。

そこで奉太郎は、千反田さんが持っていた巾着と紐を使い、
巾着の下を紐で結び、里志にSOSのメッセージを送りました。

織田信長の妹が、小豆袋の上下を結んで、兄に『袋の鼠』と伝えた、
という歴史マニアには有名なエピソードがあるのです。

この話は3話『正体見たり』で奉太郎が里志から借りた漫画にも登場していた
エピソードでした。

そして、里志は期待通り、
納屋に閉じ込められていた2人を助けに来てくれたのでした。
プロフィール
Author:しまうました
見やすい記事一覧はこちらです。
スポンサードリンク

十二大戦

さとり世代探偵のゆるやかな日常 (新潮文庫nex)

祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

このブログについて
見やすい記事一覧はこちらです。
このブログの記事は管理人「しまうました」の独自の解釈によるものなので、制作者の意図したものや一般に考えられているものとは異なる場合があります。
個人の趣味でやっているブログなので、解説してほしい本のリクエストは受け付けていません。
重要なネタバレ箇所は白字にしてあるので、反転してお読みください。
現在、荒らしをした人物のコメントを拒否しており、巻き添え規制される場合があります。詳細はこちらに書いてあります。
承認したコメントに対しても、管理人は基本的には返信しません。また、後日予告なく削除する場合があります。ご了承ください。
今月の人気ページ
人気ページの集計期間は30日間です。2017年8月9日リセット。
スポンサードリンク
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
月別アーカイブ
最新コメント
FC2カウンター
スポンサードリンク

ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)

業物語 (講談社BOX)

キノの旅XX the Beautiful World (電撃文庫)

悪の教典 上 (文春文庫)

                amazon人気本ランキング  楽天ランキング
RSSリンクの表示
リンク
最新トラックバック
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
記事一覧
見やすい記事一覧はこちらです。