東川篤哉「かがやき荘アラサー探偵局」Case4「委員会から来た男」のネタバレ解説

この短編集の最終話です。

葵がバイト先のコンビニで廃棄のお弁当を貰い、
帰る途中、吉田啓次郎という中年紳士に話しかけられます。

吉田は、「西荻向上委員会・副会長」と書かれた怪しい名刺を出し、
葵に西荻で働く女性の代表として、
雑誌のインタビュー記事に登場してほしい、と言いますが、
葵は断り、帰りました。

しかし、かがやき荘に帰って美緒や礼菜に吉田のことを話しているうちに、
また吉田に会いたくなり、連絡をとりました。

それから数日後の平日の昼間、葵はおめかしして、
美緒や礼菜にからかわれながら、かがやき荘を出ました。

葵は喫茶店へ行き、吉田と再会します。

葵は吉田の質問に頓珍漢な返答をしてしまいますが、
それでも和やかな雰囲気でインタビューは終わりました。

葵は、吉田が結婚しているのか確認しますが、
妻は2年前に悪い病気で死にました、と吉田は答えました。

その後、吉田の思いつきで、新雑誌の創刊号の表紙を、
葵が飾ることになりました。

かがやき荘に帰った葵は、そのことを美緒と礼菜に自慢します。

その数日後の、「海の日」を含む三連休の初日の朝、
葵は美緒と礼菜に見送られながらかがやき荘を出ました。

JR西荻窪駅前で、吉田の車だというBMWに乗せられ、
新宿駅近くの有名百貨店に連れて行かれます。

吉田に高価な上下の服と靴を買ってもらい、
軽い昼食の後、美容院でヘアセットをしてもらいます。

再び西荻窪駅に戻ると、駅前で撮影し、住宅街でも写真を撮ります。

吉田に促され、葵は眼鏡を外します。

車に乗り、たっぷり30分以上かけて北へ移動し、
イタリアンのお店に行きました。

吉田の奢りで美味しい料理やお酒を飲み食いします。
しかし、葵が一度化粧室へ行き、
自分の席に戻って飲みかけのお酒を飲み干すと、
急に意識が朦朧とし、意識を失ってしまいました。

場面が変わり、葵は見知らぬ部屋のベッドから床に転げ落ち、
目を覚まします。
服をちゃんと身に着けていることにホッとしますが、
吉田に薬を盛られたことに気付きます。

逃げようとしますが、窓には格子が嵌っています

そこへ吉田がやってきて、葵は吉田に体当たりして逃げます。

吉田は乱暴な言葉を吐きながら追いかけてきます。

ひとまず適当な部屋に入った葵は、
そこで「自分にそっくりな女の死体を発見しました。
女は葵と顔が瓜二つで、髪型も服装も葵と全く同じです。

愕然としていると、そこへ吉田もやってきました。

死んでいる女性の名前は藤本麻子で、
吉田の妻の姉なのだと言います。
吉田の妻は死んでなどいませんでした。

藤本麻子の身代わりとして、
葵がロマンスグレーの中年紳士と一緒にレストランで食事し、
急に意識を失ったところを従業員たちに印象付ける、
というのが吉田の計画でした。

吉田がカツラを外すと、スキンヘッドが現れます。
こちらが吉田の本当の姿であり、
警察に存在しない中年紳士を探させ、
自分や妻に疑いの目が向かないようにする、というトリックでした。

吉田がカツラを外した姿を目撃した葵は、悲鳴を上げます。

さらに吉田はトリックの説明を続けます。
藤本麻子の死体は埼玉で発見され、
葵は失踪するという形になるので、
警察は2つの事件に関連性があると気付くことができません。

ひととおり説明を終えた吉田は、今度こそ葵を殺そうとしますが、
先ほどの悲鳴を聞きつけて、
美緒と礼菜と成瀬啓介が駆け付けてくれ、
吉田を倒してくれました。

嫉妬と覗き見趣味と野次馬根性で、
3人はずっと葵を尾行していたのでした。

かがやき荘に戻った後、
今回は葵が勝手に事件に巻き込まれただけだから、
家賃が安くなることはないと啓介は言い、帰っていきました。


というあらすじなのですが、
吉田が明らかに怪しい行動をとっているのは分かっても、
その目的がなかなか分からず、面白かったです。

ところで、1話では主人公っぽかった成瀬啓介が、
いつの間にか脇役になっちゃってますねw

東川篤哉「かがやき荘アラサー探偵局」Case3「週末だけの秘密のミッション」のネタバレ解説

法界院法子のところに、友人の松原清美が相談にやってきました。

清美の父、松原浩太郎、73歳は、
毎週金曜日の夜になるとどこかに出かけていきます。
浮気しているのではないか、と清美やその母親の美津子は心配していました。

その話を聞いた法子は、かがやき荘の「チャーリーズ・エンジェル」こと、
アラサー3人娘に丸投げします。

成瀬啓介がその話を葵たち3人のところに持っていくと、
3人は嫌がります。
が、いつも通り家賃をチャラにすると言うと引き受けました。

啓介は、松原浩太郎について説明します。
浩太郎は、40年以上前に美津子と2度目の結婚をしました。
美津子にとっては初婚です。
浩太郎は会社を随分前に定年退職し、現在は吉祥寺で妻と2人暮らしです。

車を持っていない3人組に、法界院家の高級車を尾行用に貸すことが決まり、
6月の第1週の金曜日になりました。

牛丼屋のバイトを終えた美緒は、吉祥寺北町に行き、
礼菜と先に待っていた小野寺葵の運転する黒いボルボに乗りました。

浩太郎の住む3階建ての家を確認後、
葵はコンビニのバイトがあるので先に離脱しました。

美緒が運転席に移動すると、
礼菜はライオンズ対タイガースの交流戦のラジオを聞き始めます。
美緒はライオンズファンなので、
耳をダンボのようにしながらラジオの音声を聞きます。

やがて、浩太郎の運転する白いセダンがガレージから出てきました。
早速、2人は尾行します。

やがてセダンは、吉祥寺東町の工事現場前で停まりました。
武蔵野市と杉並区の境界線が交錯するあたりです。

そして、午後九時半ごろから十一時ごろまで、
セダンはその場所に停まり続けていました。
その後、白いセダンは道を引き返して自宅に戻りました。

訳が分からない行動ですが、浮気相手は分からなかったので、
尾行をするしかありません。

翌週の金曜日の夜。
今回は、礼菜がコスプレショップのバイトがあり、
葵と美緒の2人で尾行することになりました。

赤いアクセラに乗り、「SPEED」のCDを聞きながら、
浩太郎の自宅を張り込むと、先週と同じようにセダンが走り出します。

早速尾行しますが、セダンは例の工事現場で停車していました。
しかし、午後9時10分くらいになり、セダンが急に走り始めます。

セダンは吉祥寺を抜け、西荻窪に入ります。
しかし、セダンは赤になりかけた信号に突っ込んでいき、
美緒たちはセダンを見失ってしまいました。

さらにその翌週の金曜日夜。
礼菜も葵もバイトから抜けられないようになり、
美緒はラジオでライオンズの試合を聞きながら、
茶色いベンツに乗って1人で尾行することになりました。

セダンは住宅街の細い道を抜け、善福寺公園で停止しました。

美緒はカメラの用意をしますが、
白いセダンに本当に浩太郎が乗っているのかと、急に不安になりました。

ベンツを降り、セダンの運転席を覗き込みます。
そこには確かに浩太郎がいて、安心してベンツに戻ろうします。

しかし、美緒は後方から背中を突き飛ばされ、
ベンツのルーフの角に頭をぶつけ、気絶してしまいました。

一方、啓介は声を隠した怪しい電話に呼び出され、
啓介の大事な女性が善福寺公園で死んでいる、と言われます。

大事な女性と言われても、啓介には恋人なんていません。
しかし、法子のことかもしれないと思い、善福寺公園に行きました。

そこでベンツを発見し、その傍に倒れている美緒を見つけました。

その翌日、啓介は法子にそのことを報告します。
すると法子は、今回の浮気調査の件を打ち切りにしてほしい、
と言いました。
依頼人の清美が、急に依頼を取り下げたのだそうです。

啓介はそのことを葵たちに伝え、家賃は半額だけ免除する、と言いました。

しかし、納得できない美緒たちは、美緒が頭を殴られた件について、
独自に調査を続けます。

数日後の平日の夜、美緒と礼菜は浩太郎の行きつけの店に行き、
浩太郎の友人たちに話しかけます。

礼菜がジジイ転がしのテクニックを発揮し、
酔っ払った浩太郎が「しーちゃん」という名前を口にした、
という情報を仕入れます。

しーちゃんというのは、浩太郎の別れた前の妻、
椎名雅美のことだろう、と浩太郎の友人は教えてくれました。

その週末の金曜日の午後8時半に、
葵、美緒、礼菜の3人は椎名雅美の家に行きました。

雅美が家を出たのを見て、浩太郎のところに行くのかと思い尾行しますが、
雅美はコンビニに行った後自宅に戻ってしまいました。

さらに、尾行していたことがバレており、
家の窓から顔を出した雅美に怪しいと言われてしまいます。

葵は美緒の顔を見せ、美緒に見覚えがないかと訊ねます。
しかし、雅美は否定し、嘘をついている様子もありませんでした。
雅美は、美緒を突き飛ばして怪我を負わせた人物ではないようでした。

しかし、そのとき、
葵は窓の向こうから野球中継が聞こえてくることに気付きました。
野球が好きなのかと雅美に訊きますが、雅美は否定し、
ただ点けているだけだと答えました。

それを聞いた葵は、真相に到達しました。

さらにその翌週の金曜日に、「啓介は浩太郎が運転するセダンの前に出て、
娘さんからのプレゼントだと言い、ある箱を渡しました。

その後、かがやき荘に行った啓介は、箱の中身について質問します。

そのとき、ラジオ番組、
『玉山アキラと椎名カオリのぐだぐだいうだけの生放送』が始まりました。
番組MCの椎名カオリは、『しーちゃん』という愛称を言います。

しーちゃんは、浩太郎と雅美の間にできた息子の、娘でした。
清美は独身で子供もいないので、
浩太郎にとってはカオリが唯一の孫ということになります。

『ぐだ生』はラジオ多摩川の看板番組なので、
浩太郎は当然、それを聞こうとします。

ところが、浩太郎が暮らす吉王子北町近辺では、
ラジオ多摩川の周波数が上手く受信できません。
そこで浩太郎は、放送時間に合わせて車で出かけ、
電波状況のいい場所に車を停めていたのでした。

それが最初は工事現場だったのですが、工事が進むと電波状況が悪くなり、
それ以降は別の場所に移動していました。

そして、美緒を突き飛ばしたのは、浩太郎の現在の妻の美津子でした。
清美が法子に、浮気調査を依頼したことを知らない美津子は、
浩太郎のセダンにGPS発信機を取り付け、善福寺公園に行きました。

そこで、セダンの陰から姿を現した美緒を発見し、
美緒を密会相手だと勘違いして突き飛ばしました。

美津子はその後、娘の清美に打ち明け、清美は母親の勘違いに気付きます。
母親の尻拭いをしようと、美緒の携帯を見て、
啓介に大袈裟な電話をして美緒を発見させました。

そして、母親の起こした傷害事件についてこれ以上調べてほしくないので、
調査を打ち切ったのです。

葵たちは、美緒の額の傷を見せて脅し、
清美に海外の放送局でも受信できる、高級な超高性能ラジオを買わせ、
啓介を経由して浩太郎にプレゼントさせたのでした。

ちなみに、葵がこの事件に真相に気付いたのは、
野球を好きではない雅美が野球中継を聞いていたからでした。
野球中継はいつ終わるか分からないので、
後の番組を聞くために点けっぱなしにしていたのです。

啓介はうまく交渉し、法子に家賃の残り半分をチャラにさせ、
この事件は一件落着となりました。


というあらすじなのですが、結局今回は殺人事件が起こりませんでしたね。
しかし、意外な真相で面白かったです。

東川篤哉「かがやき荘アラサー探偵局」Case2「洗濯機は深夜に回る」のネタバレ解説

5月15日金曜日の夜。
礼菜は女性アイドルのコンサートの帰りに、
駐車場に不法投棄された大きいサイズの一槽式の全自動式洗濯機を
眺めている美緒を発見しました。

美緒は礼菜より一足早く、
牛丼屋のバイトの帰りに洗濯機を見つけ、立ち止まっていたのです。

かがやき荘の洗濯機は壊れてしまっており、
新しいものを買う余裕もなかったため、
これ幸いとばかりに持ち帰ります。

しかし、葵は一足先に酔いつぶれて寝ていたため、
洗濯機は玄関前に置き、かがやき荘に持ち込むのは翌朝にしました。

しかし、その夜中の午前3時に、礼菜は葵に起こされます。
玄関先に置いてあった洗濯機が、何者かによって勝手に洗濯されており、
その音に驚いた葵が礼菜を起こしたのでした。

洗濯機の電源コードは、
普段は防犯ライトの電源になっているコンセントに刺さり、
庭の水まきをするホースで水が入れられ、
庭先の物干し竿に干してあった雑巾が洗われていました。
しかも、時間短縮コースを選択されていました。

その数日後の、5月18日月曜日。
成瀬啓介は北沢加奈子という70代の老婦人の世話をしていました。

加奈子は法子の学生時代の家庭教師で、
身体の具合が悪いと加奈子からヘルプの要請を受けた法子は、
加奈子の世話を見習い秘書の啓介に丸投げしたのでした。

2日後の午前10時にもう一度来る約束をし、
啓介は『ハイム西荻』を後にします。
その際、オートロックの共用玄関を、
啓介と入れ違いに通り抜けた不審な男を目撃しました。

男は、頭頂部の髪の毛が薄くなった、グレーのスーツを着た中年男でした。
啓介は少し気にしましたが、そのまま立ち去り、
かがやき荘へ家賃の催促に行きます。

午前3時に洗濯機を勝手に回したのは啓介ではないか、
とアラサー3人娘から問い詰められますが、
もちろん啓介が犯人ではないので違うと言いました。

その翌々日の5月20日水曜日。
啓介は、お見舞いに行く法子を連れて北沢加奈子の住むマンションへ行きます。
しかし、加奈子は姿を消しており、
2日前に共用玄関ですれ違った中年男性の死体がありました。

被害者は田所信吾という47歳の男で、
コメカミを鈍器か何かで殴られて殺されていました。

警察は、行方をくらました加奈子が犯人ではないかと疑います。
法子は、もし加奈子が犯人なら海外に逃亡する手助けをしてあげよう、
そのためには警察より先に加奈子を見つけないといけない、
ということで、加奈子の甥の大塚敏夫という男に話を聞きに行きました。

31歳の大塚敏夫は、仕事でベトナムにいたときに事件の報せを受けました。
警察から事件を知らされた加奈子の妹(敏夫の母親)が、
ベトナムにいた敏夫に知らせ、日本に呼び戻したのです。

かがやき荘の家賃と引き換えに、加奈子を探してほしい、
と啓介はアラサー3人娘に頼みます。

3人は不愉快な気分でしたが、家賃を払える保証はないので引き受けました。

早速、西荻窪駅前で、加奈子の目撃証言を聞き込みします。
目撃者は想像以上に多かったのですが、
田所信吾が殺されたとされる18日月曜日以前の目撃情報ばかりでした。

葵たちが喫茶店で励まし合っていると、
杉浦というフリーターが話しかけてきました。
杉浦は、駐車場に不法投棄されていた例の洗濯機を、
礼菜や美緒より先に目をつけていたと言い、あの洗濯機を返せと言います。

当然、葵たちは断りましたが、
あの洗濯機を捨てたのは70歳ぐらいの小柄なおばあさんだった、
という情報が入りました。
加奈子の杉浦に写真を見せると、確かにこんな感じだったと言います。

そして葵は、事件の真相に到達しました。

28日木曜日午後11時に、啓介は葵に呼び出され、
車でかがやき荘へ行きました。
到着した途端、3人娘たちは中に乗り込んできます。
美緒はスマートフォンで何かを追跡しており、
国分寺あたりに行けと言われます。

啓介は訳が分かりませんでしたが、言われた通りに運転し、
やがて林の入り口に停められたセダンに辿り着きました。
そのセダンのバンパーの下に、礼菜のスマートフォンがあり、
それを発信機にして追跡していたのでした。

啓介、葵、美緒、礼菜の4人が林の中に入っていくと、
2つの人影が何やら怪しいことをしていました。

啓介たち4人が近付くと、形勢不利と判断した2つの人影は逃げていきます。

啓介は追いかけますが、穴に足を取られて転んでしまいました。
その穴の中をペンライトで照らすと、「北沢加奈子の死体がありました。

さらに、林の奥から悲鳴が聞こえてきて、
啓介は近くにあったスコップを拾って駆けつけます。

怪しい男戦闘になりますが、スコップがまぐれで当たり、
男は気絶してしまいました。
改めて顔を確認すると、大塚敏夫でした。

さらに、もう1つの人影の正体は、
加奈子の妹(敏夫の母親)の真知子でした。

警察を呼び、事情聴取に付き合ってかがやき荘に戻った後、
葵は事件についての真相を語ります。

まず、5月15日金曜日に、敏夫は加奈子を殺してしまいます。
敏夫は真知子に相談し、アリバイ工作をすることにしました。

加奈子の死体を、箱代わりの洗濯機に入れて、マンションから出し、
車の中に移動させます。
その際、真知子が洗濯機を仮置きしたのを、
杉浦に目撃されたのでした。

礼菜と美緒に、洗濯機をかがやき荘に持ち去られてしまいますが、
洗濯機の中にある加奈子の血や痕跡を洗い流すために、電源を入れ、
水で洗濯したのでした。雑巾はカムフラージュです。

加奈子の遺体を国分寺の雑木林の中に埋めた後、
敏夫はベトナムに行き、アリバイを作ります。

その間に、真知子は加奈子になりすまして生活し、
啓介を含めて色んな人に目撃された後、行方をくらまし、
死亡推定時刻が曖昧になった加奈子の死体が発見される、
という流れになるはずでした。

しかし、加奈子を訪ねてきた田所信吾を、
真知子が殺してしまい、加奈子がその犯人と疑われていたことから、
計画を変更します。

加奈子の死体は見つからない方が都合が良いので、
浅く埋めてあった死体を掘り返そうとしていたところを、
葵たちに突き止められたのでした。

後に、法子が荻窪署の署長に圧力をかけて聞き出したところによると、
敏夫が加奈子を殺してしまったのは相続にまつわる感情のもつれが
原因だったそうです。

ちなみに、例の洗濯機は気持ち悪くて使えないので、
葵たちは杉浦に売りつけて処分してしまいました。


というあらすじなのですが、洗濯機が夜中に勝手に動いていたことに、
合理的な説明がつくのが面白かったです。
ただ、「本当は真知子なのに、三人称視点の地の文で加奈子と書くの」は、
ちょっとアンフェアだなと思いました。

東川篤哉「かがやき荘アラサー探偵局」Case1「かがやきそうな女たちと法界院家殺人事件」のネタバレ解説

かがやき荘アラサー探偵局


29歳の成瀬啓介は、『アンティークショップうしろむき』という店で、
『探偵戦隊サガスンジャー』の貴重なフィギュアを発見します。
9800円という値段がついていましたが、
ネット上のオークションでは3万円ほどの価値があります。

啓介は、利ざやを稼ごうとして、そのフィギュアに手を伸ばしました。

が、そこへ、高校生らしき制服姿の女子が手を伸ばしてきます。

その女子に譲られたので、
これ幸いと啓介がフィギュアを買おうとしたところ、
女子の仲間の茶髪女に背後から蹴られ、止められます。

制服姿の女子と、中国地方の方言を喋る茶髪女たちは、
自分たちが買うと主張し、フィギュアをレジまで持っていきますが、
急に態度を変えて、啓介に譲ってくれ、店を出て行きました。

が、啓介が買おうとしたところ、さっき蹴られたショックで、
フィギュアが破損してしまっていることに気付きました。

女たちはそれにいち早く気付き、面倒事を啓介に押し付けたのでした。

啓介は、弁償しろという店主と押し問答になりますが、
午後8時になる直前に店から逃げ出し、
法界院(ほうかいん)という表札の出た豪邸に行きました。

エリカという全く喋らないメイドと、美人秘書の月山静香に案内され、
啓介は法界院法子のところへ行きます。

その途中、真柴晋作という法子の遠い親戚が住んでいる離れの前を
通りがかります。
真柴晋作は、大画面テレビでアクション映画か何かを観ているようでした。

本館に到着すると、啓介は法子に挨拶します。
法子は大企業の会長をやっている49歳の女性で、啓介の遠い親戚です。

啓介は子供の頃に法子に可愛がってもらっていました。

法子の息子の博史、25歳と、娘の雪乃、18歳を紹介してもらいます。

法子のいとこで、法界院不動産の社長の日比野忠義も紹介してもらいます。

その後、啓介は法子に近況を訊かれました。
啓介の父親は、成瀬食品という会社の社長だったのですが、
多額の借金を残して病死してしまいます。
幸い、会社は銀行が送り込んできた経営陣を迎え入れることで存続できましたが、
そこにはもう啓介の居場所はなく、退職してしまいます。

それからというもの、啓介は毎日遊び歩いていたのですが、
心配した啓介の母親の直美が、親しくしている法子に相談し、
今回呼び出されたのでした。

法子に命令され、啓介は見習い秘書として雑用をやらされることになります。

啓介は法子に、泊まっていくように言われ、一泊します。
自宅に帰ろうとした月山静香を送り届けようとしますが、
下心があるのを見抜かれて、断られてしまいます。

翌朝、エリカに起こされ、啓介は食堂へ行きました。

やがて、慌てた様子のエリカが、真柴晋作の住む離れから飛び出してきます。

エリカが無言でまっすぐと離れに指を向けるので、
啓介、博史、雪乃、日比野の4人は離れの中に入りました。

すると、真柴晋作が拳銃で首筋を撃たれ、
大画面テレビの下敷きになって死亡しているのを発見しました。

それから1週間が経過しましたが、
警察は事件の真相を看破することができずにいました。

啓介は見習い秘書として、サイコロに似た建物「かがやき荘」へ行きます。

そこは、子供の頃、啓介が法子に遊んでもらっていた一軒家なのですが、
現在はアラサーの女性3人に、シェアハウスとして貸していました。
しかし、家賃の支払いが滞っており、
啓介は法子の代わりに家賃の催促に行ったのでした。

すると、そこにいたのは、1週間前に「アンティークショップうしろむき」で、
啓介とバトルを繰り広げた高校の制服姿の女性と、狂暴な茶髪女でした。

口げんかをした後、改めて自己紹介をします。

高校の制服を着た女性は、実は高校生ではなく、コスプレをしているだけでした。
29歳で、名前を関礼菜(せき・れいな)といいます。

中国地方の方言を喋る茶髪女は、30歳で、
占部美緒(うらべ・みお)という名前でした。

かがやき荘に入居したときの書類では、礼菜は銀行勤務で、
美緒は家電量販店に勤めていることになっていましたが、
クビになっていました。

礼菜と美緒は、家賃の代わりに法界院家の仕事をすると言い、
何か困っていることはないかと尋ねます。

例の、1週間前に起きた真柴晋作殺人事件の話をすると、
シェアハウスに住む3人目の女性、
名探偵の小野寺葵(あおい)が事件を解決する、と礼菜と美緒は言いました。

が、そこへ、31歳の葵がやってくると、
その手には1週間前のバトルで破損したフィギュアが握られていたのでした。
傷物と知らずに売りつけられてしまったのです。

おまけに、葵は単なるミステリー・オタクで、
経理事務の職歴しかないことが判明します。
それもクビになってしまったのですが。

法子に名探偵(?)葵のことを相談すると、法子は快諾します。

翌日の昼下がり、啓介は、葵と礼菜と美緒を、
殺人現場である法界院家の離れに案内しました。

拳銃の弾は、真柴晋作の首筋を貫通し、テレビの画面に当たって、
液晶を割ってしまっていました。

検視の結果、真柴晋作が死亡したのは、事件当夜の午後7時から9時の間でした。
ただし、啓介と月山静香とエリカの3人が、
午後8時に離れのテレビが点いているのを見ているので、
実際の犯行時間は午後8時から9時と推測されました。

無職の真柴晋作は、ルーズな男で、鍵は普段から施錠されておらず、
誰にでも犯行は可能でした。

ただ、アリバイの問題があります。
事件当夜法界院家の関係者のうち、まず、
啓介と月山静香と法子にはアリバイが成立しました。
啓介は8時かにエリカと月山静香に迎えられ、食堂で法子に会い、
法子と月山静香と書斎へ行き、仕事の話をしたり、
リビングで飲み会をしたりしていました。
博史と雪乃、日比野忠義、エリカの4人は、アリバイは曖昧でした。

啓介が、葵と礼菜と美緒を本館に案内すると、
エリカがコーヒーを持ってきてくれました。

が、彼女たちは客じゃないからと、
啓介が意地悪をしてコーヒーを取り上げようとします。
葵はコーヒーを取り戻そうとして綱引きになりますが、
啓介が大家の命令だと言い、手を放せと言うと、
葵はパッと手を放してしまいます。

その反動で啓介は倒れ、近くにあったテレビにぶつかりましたが、
テレビは倒れませんでした。

大きなテレビは、地震が起きたときに危ないので、
テレビ台とテレビの背面が細いベルトで結び付けられていたのです。

それなら、離れのテレビにも同じようにストッパーがあったはずなので、
犯人がわざわざストッパーを外したということになります。

そして葵は、事件の真相に気付きました。

翌日の夜、葵の指示で啓介は事件の関係者を本館のリビングに集めました。

すると、「誰かが離れでテレビを観ているような光が漏れていました。

しかし、離れに行くと、テレビは壊れて倒れたままです。

葵たちは、ビデオプロジェクターで、白い壁に映画を投影し、
テレビを観ているように見せかけていたのでした。

このトリックが使われていたとすると、
真柴晋作が撃たれたのは午後8時より前なので、
事件当日の午後8時以降のアリバイがなく、
午後8時以降のアリバイがある人物が犯人、ということになります。

午後8時前に、法子はみんなと夕食をとっており、
啓介は『アンティークショップうしろむき』で
礼菜や美緒とバトルをしていました。

消去法で、犯人は月山静香と判明しました。

秘書になる前、静香は感心できない形で生活費を稼いでおり、
その不都合な過去を知る真柴晋作から強請られていたのでした。

また、探偵としての仕事が認められ、
葵たちは今までの滞納分の家賃をチャラにしてもらえました。

が、来月の家賃は今回の件とは別だ、と啓介は葵たちに言いました。


というあらすじなのですが、
家賃の支払いの代わりに事件の推理をする名探偵、
というのは新機軸ですね。

(かがやき荘アラサー探偵局 1話 2話 3話 4話

東川篤哉「ライオンの歌が聞こえる ~平塚おんな探偵の事件簿2~」第1話「亀とライオン」のネタバレ解説

ライオンの歌が聞こえる 平塚おんな探偵の事件簿2 (平塚おんな探偵の事件簿 2)


「平塚おんな探偵」シリーズ、第2弾の1話「亀とライオン」のネタバレ解説です。

探偵・生野エルザと、その助手の川島美伽のところへ、
武田幸彦という、相撲取りのように太った銀行員が依頼に訪れました。

武田は亀マニアなのですが、自宅の池が台風による増水の影響で、
ペットのカミツキガメのミツキちゃんが脱走してしまいました。

そんなミツキちゃんを捜してほしい、というのが今回の依頼でした。

ペットの捜索というのは探偵の世界ではありふれていますが、
カミツキガメというのは珍しいですねw

エルザと美伽は、夏の相模川の河川敷で捜索を続け、
成長したミドリガメを見つけますが、カミツキガメはなかなか見つかりません。

(余談ですが、ミドリガメの亜種のミシシッピアカミミガメは、
日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
ミシシッピアカミミガメは、
ペットショップなどでミドリガメの名称で売られていることもありますが、
ミドリガメを飼うときは外へ逃がさないように注意しましょう)

そんな捜索を続けて8日目の、9月23日。
武田から電話がありました。

武田の知り合いの男が、相模川でカミツキガメを見たと、
武田に教えてくれたのだそうです。

エルザと美伽と武田は、神川橋付近の川原で待ち合わせをしましたが、
エルザたちはそこで武田の変わり果てた死体を発見しました……。

武田は頭から血を流して死んでおり、なぜか靴と靴下が脱がされているようでした。

エルザたちは、武田の妻の雅美に事件当日の武田の様子を聞きます。
武田がいつも履いていた青い運動靴がなくなっていたので、
事件当時武田はその靴を履いていたのだろうと雅美は言いますが、
武田が出かけたとき雅美はリビングにいたため、
武田が履いていた靴下の種類までは分からないそうです。

その後、武田の亀マニア友達である、浦沢忠雄が、
相模川でカミツキガメを見たと武田に話した人物であることを、
エルザたちは突き止めます。

ちなみに、浦沢も武田と同じく肥満体型でした。武田よりは少しマシでしたが。

しかし、浦沢はエルザたちを見て逃げ出してしまい、
エルザは浦沢と格闘してようやく話を聞くことができました。

浦沢は脱げてしまった靴の紐を結びながら、
武田にカミツキガメの情報を提供したのは認めましたが、
殺人の容疑に関しては否認しました。

するとエルザは、「武田は肥満のせいで自力で靴下を履くことができなかったはずだ、
と推理しました。

武田はいつも、妻の雅美に靴下を履かせてもらっていたのです。
しかし、事件当日は妻が家にいなかったため武田は靴下を履かずに家を出ました。

武田は川原で雅美と出会い、口論になり、雅美は衝動的に武田を殺してしまいます。
しかし、そのままだと武田が靴下を履いていないことに注目されてしまうので、
雅美は靴を脱がして川原に捨てたのでした。

さらに雅美は、自宅にあった靴下も川原に流そうとしたのですが、
それを見抜いたエルザたちに尾行されていたため、失敗しました。

そして雅美は、カミツキガメのミツキちゃんに足を噛まれ、悲鳴を上げたのでした……。

依頼人が誰もいなくなってしまったため、エルザと美伽はタダ働きしてしまったことになり、
可哀相ですw


ところでこの話は、東川篤哉さんの「謎解きはディナーのあとで」の1話と少し似ていますね。

この平塚おんな探偵シリーズは、他のシリーズに比べると突飛なキャラが少ないですけど、
それでも安心して読めるのでいいですね。
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