東川篤哉「さらば愛しの魔法使い」4話「魔法使いとバリスタの企み」のネタバレ解説

風邪気味の波佐間健二(はざま・けんじ)が、
JR西八王子駅から徒歩数分の自宅に戻ると、
宅配ボックスに荷物が届いていました。

妻の加奈子は数日前からヨーロッパに出掛けていて、
当分の間は留守です。

荷物を持ち、家に入ると、加奈子の叔父の川端政夫から電話がありました。

(……どうでもいいですが、東川篤哉作品って、
やたらと叔父が登場しますねw)

川端政夫は大手ドリンクメーカー『多摩ドリンク』の重役に名を連ねる人物です。
健二が八王子で経営する人気の喫茶店『波佐間珈琲店』と、
『多摩ドリンク』とのコラボ商品『バリスタ・ブレンド』という缶コーヒーが、
留守中に届いていたのでした。

健二は『バリスタ・ブレンド』を飲み、美味いと連呼します。

それからしばらくの後、長めの入浴タイムを楽しんでリビングへ行くと、
健二の愛人の愛沢仁美(あいざわ・ひとみ)がいました。

(……どうでもいいですが、愛沢仁美を略すと愛仁になり、
『あいじん』と読めますねw)

愛沢仁美は、『波佐間珈琲店』のバイトでもあります。

健二は、妻とはほぼ家庭内別居状態で、
離婚も時間の問題だと愛沢仁美に言っていましたが、
『バリスタ・ドリンク』のせいで、その嘘がバレてしまいます。

愛沢仁美は怒り、わたし、奥さんに全部喋ります、と言い、
健二はタオルで愛沢仁美の首を絞めて殺してしまいました。

健二は、店の常連客である、橋口誠(まこと)に罪を被ってもらう方法を考えます。

健二は死体を車の後部座席に積み込み、橋口誠のアパートに行きました。

愛沢仁美のスマホに、1325(ひとみ25歳)という暗証番号を打ち、
ロックを解除し、橋口に相談したいことがあるから、いまからうちにきて、
という内容のメールを打ちました。

メールを信じた橋口誠が軽自動車で出かけていくと、
健二は『波佐間珈琲店』に行き、橋口誠が吸っている、
あまり一般的ではない外国の煙草の吸殻をハンカチでくるみました。

同じ夜、聡介の住む廃墟寸前の西洋屋敷の前に、怪しい男がいました。

男は、UFOとか幽霊とか古代都市とか謎の生物とか、
そういうものを専門に扱う超スーパー科学雑誌、
多摩川出版の『マー』の記者兼カメラマンだと名乗りました。

この『幽霊屋敷』に、魔女の目撃情報があると聞き、
記者は取材に来ていたのでした。

聡介は記者を追い払い、ダイニングに行くと、マリィがいました。
聡介は安堵して、マリィに抱きつき、マリィの三つ編みが光ります。
聡介の体は宙を舞い、廊下に背中から着地しました。

次の日、聡介は椿木警部に呼び出され、
愛沢仁美の変死体が見つかった北浅川の河川敷に行きました。

死体の右手は、特徴のある吸殻を握り締めていました。

その後、聡介と椿木警部は、健二の家を訪問します。
愛沢仁美に言い寄っていた男性客の心当たりを訊かれ、
健二は橋口誠の名前を出しました。

聡介は、リビングの腰高窓のほうを、ぼんやりと眺めていました。

聡介と椿木警部が波佐間邸を出ると、
健二の家の隣に住む老人に話しかけられました。

老人は、昨夜の9時ごろ、波佐間の2階のリビングの窓のカーテンが開き、
女が庭先に向かって手を振っていた、という証言をしました。

『波佐間珈琲店』に行き、橋口誠と話をした椿木警部は、
橋口誠が吸い終えた外国製たばこの吸殻を入手しました。

その日の夜、家に帰ると、マリィは、
ここはやっぱり魔法少女マリィちゃんの出番だと思わない?
と言いました。

聡介は、雑誌記者が、このあたりを嗅ぎ回っているんだ、
迂闊に魔法なんか使うんじゃないと言いましたが、
絶対に魔法は使っちゃ駄目だと繰り返します。
「押すなよ、絶対に押すなよ」というやつです。

翌日、『波佐間珈琲店』にバイトとして潜入したマリィは、
橋口誠の煙草に魔法をかけました。

橋口誠に質問をすると、橋口誠が考えていることが、
煙草の煙で文字を作る魔法です。

犯人を、実は知っているんっじゃありませんか?
と聡介は訊きますが、『マジで知らん。全然、見当も付かん』と、
煙は橋口誠の頭上で文章となりました。

愛沢仁美の死体が握り締めていた吸殻が、橋口誠のものだと断定され、
犯行のあった夜、軽自動車に乗る橋口誠の姿を目撃した、
と証言する目撃者が複数現れ、椿木警部は橋口誠を逮捕しようとします。

しかし聡介は、橋口を引っ張る前に、
僕にひとつだけ調べさせてもらえませんか、と言いました。

聡介と椿木警部は健二の家に行き、健二の隣人の老人の目撃証言を話します。

聡介は、腰高窓に「『バリスタ・ブレンド』の空き缶があるのを指摘します。

あの空き缶には、愛沢仁美の指紋が残っている!
と気付いた健二は、缶を手に取り、指紋を拭い去りました。

しかし、その缶の中には、煙草の吸い殻が入っていました。

愛沢仁美は、健二に内緒で、リビングで煙草を吸い、
空き缶を灰皿の代わりとして使っていたのでした。
老人が見た目撃証言は、愛沢仁美が換気をしているところだったのでした。

健二は風邪気味だったせいで、それに気付かなかったのです。

健二は、決定的証拠となる吸殻を、缶ごと、
ベランダの向こうの南浅川に投げ捨てようとします。

しかし、マリィが流れる川の水面すれすれのところで、宙に浮いていて、
箒をバットのようにして、缶を打ち、ベランダに投げ返しました。

こうして波佐間健二は逮捕されましたが、
その数日後、『マー』に、川の水面に真っ直ぐ立ちながら、
宙に浮いているマリィの写真が掲載されてしまいました。

家に帰り、マリィの部屋に行くと、窓が開きっぱなしで、
机の上には『マー』が置いてありました。

魔法少女マリィはもうこの街を出ていったのだ、
そして、おそらくは自分たちの国に帰ったのだ、と聡介は漠然と感じました。


というあらすじです。
短編集のタイトルが「さらば愛しの魔法使い」なので、
覚悟はしていましたが、急転直下の悲しい終わり方でしたね……。

東川篤哉「さらば愛しの魔法使い」3話「魔法使いと血文字の罠」のネタバレ解説

殿村敦史(とのむら・あつし)は、正月に、
叔父の高森健作という老人の家を訪れました。

高森健作はアイロン掛けの途中でしたが、敦史を家に入れました。

敦史は高森健作に、300万円の借金を頼みます。
しかし、市役所の職員として定年まで勤め上げた高森健作には、
敦史のバーはくだらない商売にしか見えず、断りました。

敦史は高森健作に3000万円の保険金をかけていて、
それを目当てに高森健作をナイフで殺そうとしました。

高森健作はテレビ台の上にあった木製のペン立てを摑み、敦史に投げ、
敦史が怯んだ隙に敦史に奪いかかり、ナイフを奪おうとしました。

しかし、敦史は一か八かで右手のナイフを手放し、
それを蹴飛ばし、揉み合いになります。

敦史は高森健作の脇腹にナイフを刺しました。
床にひっくり返ってしまったアイロンを床の上に立てて置きました。

次に、ありふれた物盗り目的の犯行に見せかけるため、
他の部屋を荒らします。

高森健作の家の隣の二階建て住宅に住む、
有田という中年男が玄関のチャイムを鳴らしましたが、
敦史が居留守を使うと帰っていきました。

その後、高森健作の死体がある部屋に戻ると、敦史は違和感を覚えました。

アイロンが台の上に、底面を下にした状態で置かれているのを見て、
アイロンを持ち上げると、
『ア』と血文字のダイイング・メッセージがありました。

一方その頃、小山田聡介とマリィは神社に初詣でに来ていました。

マリィは絵馬に、『早く小山田マリィになれますように』と書いていました。

聡介のおみくじは『凶』で、【縁談】諦めろ、と書かれていました。

殺人事件が発生したと電話があり、聡介が現場に行くと、
椿木警部は酔っ払っていました。

被害者はこの家に住む高森健作で、
第一発見者は近所に住む白木敏夫という中年男性でした。
白木敏夫は、高森健作と将棋をしようと思って訊ね、
遺体を発見したのだそうです。

アイロンの置き場所が変かな、と思った、という白木敏夫の話を聞き、
アイロンを持ち上げると、『アリタ』と書かれていました。

その後、高森健作の甥の殿村敦史がやってきて、
高森健作に恨みを抱く人物として、隣の家の有田の名前を出しました。

有田の子供がうるさいとか、高森健作の家の庭に生えている楓の木が、
有田の家の敷地にはみ出しているとか、ご近所トラブルがあった、
という話を敦史はしました。

聡介と椿木警部は、45歳の有田修治(しゅうじ)と、
その妻の美佐子(みさこ)の家を訪問しますが、
美佐子は、今日の午後は2人ずっと一緒だったと言いました。

聡介はその状況を、マリィに説明しました。

翌日、若杉刑事が近所のお年寄りから得た情報を、椿木警部が話しました。

そのお年寄りは、昨日の午後1時ごろ、
高森邸の門から足早に出てくる葵ダウンジャケットの男を見たのだそうです。

その話をしている時に、有田修治が真っ青なダウンジャケットを着込んで、
門から現れました。

有田修治を尾行すると、初詣でに行きました。

その神社では、マリィが巫女さんの姿で境内を掃除していました。

また、殿村敦史も神社にいました。

マリィは賽銭箱に魔法をかけました。

有田修治がその賽銭箱に小銭を投げ入れ、
どうか、警察の疑いが晴れますように! 早く真犯人が捕まりますように!
と大きな声で言いました。

次に、殿村敦史が賽銭箱の前に立ち、
どうか警察の捜査から逃れられますように! 僕が犯人だとバレませんように!
と大きな声で言いました。

さらに39歳独身女性警部の椿木綾乃が賽銭箱の前に立ち、
どうか早く事件が解決しますよーに、
それから、若くてイケメンで経済力があって、
なおかつ優しさと包容力を備えた魅力的な独身男が、
わたしの前だけに現れますよーに!
と大きな声で言いました。

その後、家に戻ったマリィは、テーブルで何かを書いていました。

聡介が風呂に入って上がると、マリィはテーブルに乗せた両腕に顎を置くようにして、
寝息を立てていました。

マリィが書いていた薄い紙を見ると、それは婚姻届でした。

聡介は婚姻届をテーブルの上に置き、父親の鉄二の湯呑みにポットのお湯を注ぎ、
湯呑みをわざとテーブルの上に倒して、婚姻届をびしょ濡れにしました。
マリィの名前が消えかけているのを見て、聡介は閃きました。

翌日、敦史がバーで開店準備をしていると、マリィがやってきて、
三つ編みを輝かせ、敦史に頭突きをしました。

敦史が目を覚ますと、そこは高森健作の自宅で、聡介と椿木警部がいました。

聡介は、『アリタ』というのは犯人が捏造した贋物のダイイング・メッセージでしたが、
贋物ではない、正真正銘、死者が書き残した伝言が見つかったと言いました。

聡介はアイロン台の一角を指で示し、「血文字の『ア』のすぐ隣に、
猫が引っ掻いた傷のような線で『ツ』と『シ』と書かれているのを指摘しました。

この傷のように見える2つの文字は、≪消せるボールペン≫で書かれていたのでした。

ボールペンで書いた文字が、なぜ擦ると消えるのかというと、
熱にさらされると透明になるインクが使われているからです。

高森健作は、『ア』と血で書きましたが、血の付いた指先で文字を書くという行為は、
結構難しいと思い、残りの2文字はボールペンで書いていたのでした。
その後、ダイイング・メッセージの上にアイロンを載せたせいで、
『ツシ』だけ消えてしまったのでした。

敦史は嘘泣きをして油断させ、椿木警部の喉もとにナイフを突きつけ、
逃亡しようとしますが、マリィが破魔矢を撃ち、
敦史のスーツの肘のあたりを壁に固定して、逃げられないようにしました。

その日の深夜、聡介は改めて、マリィに万年筆で婚約届にサインをさせられました。


というあらすじなのですが、ミステリーではなくラブコメとして読んでも、
強引な展開ですねw

東川篤哉「さらば愛しの魔法使い」2話「魔法使いと聖夜の贈り物」のネタバレ解説

12月21日、聡介とマリィは『セレオ八王子』に買い物に来ていました。

聡介は、クリスマスのプレゼントをマリィに買ってやると言いましたが、
その直後、30代の美女とぶつかり、聡介はデレデレしてしまいます。

あたしの欲しいものって判ったの?
というマリィの質問に、
んなもん、俺に判るわけねーだろ、知らねーよ、
と聡介は言ってしまい、マリィの魔法で売り場に並んだゴミ箱に頭から突っ込んでいき、
そのゴミ箱を買い取りました。

その日の午後7時、イケメンの映画コメンテーターとして最近人気の西脇雅也の家に、
売れない女優の中澤美奈子がやってきました。

美奈子は、駅ビルのカフェで、西脇雅也の書いたエッセイ『僕の愛する映画たち』を読んでいた、
という話をしました。

美奈子が「そうそう、プレゼントといえば……」
といいながら自分のハンドバッグの中を覗き込むと、
雅也はマフラーで美奈子の首を絞めて殺害しました。

雅也は、出版社の社長の娘、京野遙と浮気していて、
それを知ったけど別れてくれない美奈子を殺したのでした。
ハンドバッグの中には、エッセイ集『僕の愛する映画たち』と、
雅也へのプレゼントの箱が入っていました。

明けて12月22日、野上神社で美奈子の死体が発見され、
椿木警部に呼び出されて、聡介は野上神社に行きました。

椿木警部は、中澤美奈子の交友関係を当たってちょうだい、と聡介に命令し、
聡介は美奈子の友人たちから西脇雅也を知りました。

翌23日、西脇邸に行った椿木警部は、またしても西脇雅也に惚れてしまいます。

雅也は、美奈子のことは友人だと言いました。
美奈子が殺された理由の心当たりを訊かれた雅也は、
鬱憤を募らせた男の前に挑発的なミニスカートを穿いた中澤さんが偶然現れる、
男がどんな行為に及んだとしても不思議じゃない、と言いました。

椿木警部は、なぜ殺された中澤さんが
挑発的なミニスカートを穿いていたことをご存知なのですか? と訊きました。

雅也はボロを出したのですが、
一昨日の夕方6時過ぎに『セレオ八王子』のお洒落なカフェで美奈子を見かけ、
ミニスカート姿を見ていたのだと言い訳しました。

美奈子が座っていた席は、レジカウンターからいちばん遠い席で、
ひとりで書店のカバーが掛かった単行本を読んでいた、と雅也は証言しました。

また、美奈子は、加藤真治という30過ぎのフリーターの男にストーカーされていた、
ということを雅也は証言しました。

聡介と椿木警部が帰った後、雅也は美奈子の財布から抜いたカフェのレシートを確認しました。
そのレシートにはテーブル番号が書かれていて、それを見ていた雅也は、
咄嗟にカフェで美奈子を見たと嘘をついていたのでした。

その後、雅也は加藤真治のアパートに行き、椿木警部と聡介が加藤真治と話しているのを見ました。

雅也は建物の裏手へと回り、格子がはまったサッシ窓を開け、美奈子のハンドバッグを押し込みました。

椿木警部は加藤真治が犯人だと考えていましたが、聡介は雅也が気になり、
駅ビルのカフェに行き、店員から雅也の証言の裏を取りました。

その後、西脇雅也と京野遙を見かけ、2人が入ったフランス料理の専門店に、
マリィと聡介も入りました。

マリィは、西脇が飲むワインに魔法をかけました。
雅也はトイレに行き、僕が中澤美奈子を殺したんだああぁぁーーッ! と吐き出しました。

その後、若杉刑事から電話がかかってきて、加藤真治を逮捕したと教えられました。

加藤真治は、美奈子のハンドバッグを川に捨てようとしたところを、
河川への不法投棄の現行犯として逮捕したのでした。

聡介はハンドバッグの中の『僕の愛する映画たち』を開き、ページの中ほどに、
美奈子のいとこの、八王子大学・経済学部・中澤幸嗣郎・映画研究会所属
と書かれた名刺が挟まっているのを見つけました。

聡介は、そのバッグの中身の指紋を、すぐに調べてもらいました。

翌24日、某スタジオでテレビ番組の収録を終えた雅也は、楽屋を探しました。
その途中、マリィに魔法をかけられ、楽屋へ行くと、
聡介がスマートフォンをいじっているのを見て、
スマホなんかいじってないで、こっちを見ろ! と言いました。

しかし、その部屋は楽屋ではなく、見慣れない部屋で、椿木警部もいました。

聡介は、美奈子のハンドバッグに入っていた『僕の愛する映画たち』を見せ、
本の各ページには、美奈子の指紋がまったくといっていいほど残っていない、という話をしました。

実はその本は、「美奈子がいとこの幸嗣郎へのクリスマスプレゼントとして用意した本だったのでした。
幸嗣郎の名刺が挟んであったのは、それを見て名前を書いてもらうためでした。

美奈子はカフェで、スマートフォンに入った電子書籍の『僕の愛する映画たち』を読んでいたのでした。
しかし、その姿はスマートフォンをいじっているようにしか見えないはずで、
『本を読んでいる』と思うはずがありませんでした。

雅也は罪を認めましたが、パイプ椅子を掴んで振り下ろし、2階の窓からジャンプして逃走しました。

聡介も窓から飛び降りて雅也に追いつきますが、雅也は割れたビール瓶を聡介の喉もとに向けました。
しかし、マリィが魔法でビール瓶を木の葉に変え、聡介は助かり、雅也は逮捕されました。

あたしからのプレゼントだよ、とマリィに言われ、聡介は、お返しにプレゼントすると言いました。

マリィは、実はあたし、名字が欲しいんだよねー、誰でもみんな持ってるでしょ、でも、
あたしにはないんだよねー、だから素敵な名字が欲しいなあって、
ずっと前から思ってたんだあ、ねえ、『小山田マリィ』って、なんだかいいと思わない? と言いました。


というあらすじなのですが、マリィは本当にただ名字が欲しかっただけなのでしょうか。
それとも、聡介が好きだから、遠回しにプロポーズしたのでしょうか。

聡介が他の女にデレデレしていると嫉妬していたので、後者の可能性の方が高そうですねw

東川篤哉「さらば愛しの魔法使い」1話「魔法使いと偽りのドライブ」のネタバレ解説

さらば愛しき魔法使い


魔法使いマリィシリーズ3冊目です。

岡田英明は、40歳を越えたばかりの弁護士で、自宅は八王子市の本郷町にあります。

英明には、父親が囲っていた愛人に生ませた子、高野英夫という2歳年下の弟がいました。

英明がそのことを知ったのは、母親が交通事故で不慮の死を遂げ、父親が亡くなる直前で、
英明はそのとき35歳でした。

高野英夫は千葉県にある事務機器メーカーの営業マンで、顔がよく似ていたこともあり、
やがてはふつうの兄弟のような関係になりました。
だが、そんな2人の関係を知る者は、いまだこの世に皆無でした。

英明は、顧客である『森建設』の社長、森敬三の妻、森佳代子と不倫関係になりました。

遺産を手に入れ、佳代子と一緒になるために、英明は森敬三を殺すことにしました。

アリバイ工作として、誰も存在を知らない腹違いの弟、高野英夫を利用します。

佳代子が長野県の病院に入院している友人のお見舞いに行くときに、
高野英夫に運転手を頼みました。
高野英夫は高級カーマニアで、運転する車がポルシェ911なので、大喜びでした。

佳代子がアリバイを作っている間に、英明は森敬三の家に行き、
敬三をボトルで殴って殺害しました。

その頃、中央自動車道を廃車寸前のカローラで走っていた小山田聡介刑事とマリィは、
佳代子と高野英夫が乗ったポルシェ911に追い抜かれました。

マリィはポルシェに馬鹿にされたと思い、魔法でスピードを出してポルシェと並びましたが、
聡介に怒られて元の速さに戻しました。

佳代子と高野英夫が帰ってきて、お土産の、
牛のぬいぐるみと長野県産のワインを英明に渡しました。

ぬいぐるみを買ったのは、店員の印象に残すためでした。

その後、帰宅した佳代子が夫の敬三の遺体を「発見」し、
39歳独身の椿木綾乃警部が聡介を現場に呼びました。
佳代子を見て、聡介は、彼女が中央自動車道でポルシェに乗っていたのを思い出しました。

翌日、佳代子のアリバイの証人である英明に事情聴取した椿木綾乃警部は、
英明に惚れてしまいました。
英明は、敬三の死亡推定時刻には佳代子と長野県にいたと証言しました。

椿木警部はアリバイの裏を取るために長野県に行きました。
聡介はマリィに本郷町に来てもらい、英明の雨天する赤いミニ・クーパーを尾行し、
レストラン『八王子海鮮』に行きました。

食事を終えて車に戻った英明に、マリィは近づき、お兄さん、誰かを殺したとか、
誰かが人を殺そうとするのを手伝ったとか、してない? と質問しました。
英明は、僕がそんなことするわけないだろ! と言いました。

しかしマリィは、質問に対する答えが真っ赤な嘘だった場合、
車はパンクしてエンジンがぶっ壊れる、という魔法をかけていたので、
英明のミニ・クーパーはその通りになりました。

長野から戻った椿木警部は、岡田英明さんはシロよ、間違いないわ、と言いました。
ただし、椿警部と一緒に長野に行った若杉刑事は、佳代子がお見舞いに行った病院の看護師が、
駐車場で2人組の男女がポルシェのエンジンを覗き込んでいる姿を目撃した、
と証言していたのを話しました。

翌日、午後6時を過ぎた頃、英明はポルシェの運転の練習をしていました。
マリィにミニ・クーパーを壊されたので、
代わりの車としてポルシェを佳代子から借りていたのでした。

そこへ、椿木警部と聡介がやってきます。

直前にマリィがエンジンに魔法をかけていたせいで、エンジンが掛かりませんでした。

エンジンを確認してみては?
と聡介に言われ、英明は車の正面に行き、ボンネットを開け、中のエンジンを覗き込みました。

しかし、「ポルシェのエンジンは車体の後方にあり、トランクは車の前方にあるため、
そこにエンジンはありませんでした。

英明は、勘違いしてしまいましたよ、と言い訳しましたが、聡介は、
両手で抱えるほどの大きなぬいぐるみ2つとワインを、
ポルシェの前方にあるラゲッジ・スペースに仕舞ったはずだと言いました。

英明は、ラゲッジ・スペースには仕舞わずに、後部座席に置いたと言い逃れしますが、
看護師の証言と矛盾していました。

英明は、椿木警部を両手で突き飛ばし、逃げようとしますが、
マリィが魔法でポルシェを英明に向かって突進させました。
英明は、その場で慌ててジャンプし、ボンネットの上で激しくワンバウンドし、
車から転がり落ちたのでした。


というあらすじなのですが、しまうましたも、英明と全く同じ勘違いをしていました……。
なので、英明を笑うことはできないですね……。

(さらば愛しの魔法使い 1話 2話 3話 4話

東川篤哉「かがやき荘アラサー探偵局」Case4「委員会から来た男」のネタバレ解説

この短編集の最終話です。

葵がバイト先のコンビニで廃棄のお弁当を貰い、
帰る途中、吉田啓次郎という中年紳士に話しかけられます。

吉田は、「西荻向上委員会・副会長」と書かれた怪しい名刺を出し、
葵に西荻で働く女性の代表として、
雑誌のインタビュー記事に登場してほしい、と言いますが、
葵は断り、帰りました。

しかし、かがやき荘に帰って美緒や礼菜に吉田のことを話しているうちに、
また吉田に会いたくなり、連絡をとりました。

それから数日後の平日の昼間、葵はおめかしして、
美緒や礼菜にからかわれながら、かがやき荘を出ました。

葵は喫茶店へ行き、吉田と再会します。

葵は吉田の質問に頓珍漢な返答をしてしまいますが、
それでも和やかな雰囲気でインタビューは終わりました。

葵は、吉田が結婚しているのか確認しますが、
妻は2年前に悪い病気で死にました、と吉田は答えました。

その後、吉田の思いつきで、新雑誌の創刊号の表紙を、
葵が飾ることになりました。

かがやき荘に帰った葵は、そのことを美緒と礼菜に自慢します。

その数日後の、「海の日」を含む三連休の初日の朝、
葵は美緒と礼菜に見送られながらかがやき荘を出ました。

JR西荻窪駅前で、吉田の車だというBMWに乗せられ、
新宿駅近くの有名百貨店に連れて行かれます。

吉田に高価な上下の服と靴を買ってもらい、
軽い昼食の後、美容院でヘアセットをしてもらいます。

再び西荻窪駅に戻ると、駅前で撮影し、住宅街でも写真を撮ります。

吉田に促され、葵は眼鏡を外します。

車に乗り、たっぷり30分以上かけて北へ移動し、
イタリアンのお店に行きました。

吉田の奢りで美味しい料理やお酒を飲み食いします。
しかし、葵が一度化粧室へ行き、
自分の席に戻って飲みかけのお酒を飲み干すと、
急に意識が朦朧とし、意識を失ってしまいました。

場面が変わり、葵は見知らぬ部屋のベッドから床に転げ落ち、
目を覚まします。
服をちゃんと身に着けていることにホッとしますが、
吉田に薬を盛られたことに気付きます。

逃げようとしますが、窓には格子が嵌っています

そこへ吉田がやってきて、葵は吉田に体当たりして逃げます。

吉田は乱暴な言葉を吐きながら追いかけてきます。

ひとまず適当な部屋に入った葵は、
そこで「自分にそっくりな女の死体を発見しました。
女は葵と顔が瓜二つで、髪型も服装も葵と全く同じです。

愕然としていると、そこへ吉田もやってきました。

死んでいる女性の名前は藤本麻子で、
吉田の妻の姉なのだと言います。
吉田の妻は死んでなどいませんでした。

藤本麻子の身代わりとして、
葵がロマンスグレーの中年紳士と一緒にレストランで食事し、
急に意識を失ったところを従業員たちに印象付ける、
というのが吉田の計画でした。

吉田がカツラを外すと、スキンヘッドが現れます。
こちらが吉田の本当の姿であり、
警察に存在しない中年紳士を探させ、
自分や妻に疑いの目が向かないようにする、というトリックでした。

吉田がカツラを外した姿を目撃した葵は、悲鳴を上げます。

さらに吉田はトリックの説明を続けます。
藤本麻子の死体は埼玉で発見され、
葵は失踪するという形になるので、
警察は2つの事件に関連性があると気付くことができません。

ひととおり説明を終えた吉田は、今度こそ葵を殺そうとしますが、
先ほどの悲鳴を聞きつけて、
美緒と礼菜と成瀬啓介が駆け付けてくれ、
吉田を倒してくれました。

嫉妬と覗き見趣味と野次馬根性で、
3人はずっと葵を尾行していたのでした。

かがやき荘に戻った後、
今回は葵が勝手に事件に巻き込まれただけだから、
家賃が安くなることはないと啓介は言い、帰っていきました。


というあらすじなのですが、
吉田が明らかに怪しい行動をとっているのは分かっても、
その目的がなかなか分からず、面白かったです。

ところで、1話では主人公っぽかった成瀬啓介が、
いつの間にか脇役になっちゃってますねw
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