時雨沢恵一「キノの旅」5巻「あとがき」のネタバレ解説

今回のあとがきは、著者である時雨沢恵一さんのアパートに、
自称キノから電話がかかってくる、というストーリーです。

自称キノは54歳で、東京にある大学で経済学の教授をしている、
と言いました。

エルメスと陸は50メートル背泳ぎで雌雄を決しに海に出かけて、
まだ帰ってきていない、と自称キノは言いました。

シズは、ネット掲示板で自分のことを、
キノをつけ回すストーカーと評した人を説得しに行ったのだそうです。

時雨沢さんは最初は信じていませんでしたが、
自称キノが、「安全な国」がまたボツになったという話や、
電撃ゲーム小説応募原稿でカットされた話も知っており、
時雨沢さんもキノのことを信じるようになりました。

しかし、キノは、3日経ったから、と言って電話を切ってしまいました。

というあらすじなのですが、
1つの国に3日しか滞在しないというルールがあるキノが、
東京の大学で経済学の教授になれるはずがないよなあ、
としまうましたは思いました。

しかし、それ以外はどこもおかしくありませんね。
ええ、どこもおかしくありませんとも。

ちなみに、「安全な国」はようやく編集者から許可が出たらしく、
次の6巻に収録されています。

時雨沢恵一「キノの旅」5巻エピローグ&プロローグ「夕日の中で」のネタバレ解説

2人の見張りの男が、監視塔の見張り台の上で、
金色に輝く夕日を眺めていました。

ウィルという男に向かって、もう1人が、
この忌々しい風景にはうんざりする、と言いました。

空は狂ったように色を変える、
昼は鳥が、夜は虫の鳴き声がうるさい、
飛び回る蛍の光も鬱陶しい、虹は気味が悪い、
早く国のビルの地下でモニター映像を見ながらのんびりしたい、

ともう1人の男はウィルに言い、
ウィルは「ああ」と繰り返しました。

エピローグはここで終わり、プロローグに続きます。

もう1人の男がいなくなった後、ウィル、
みんなはこれを美しくないと言うけれど、
ボクはとても美しいと思う、と思いました。

というあらすじなのですが、カラーページには、
銃やパソコンのキーボードが大きく書かれており、
ウィルが銃を美しいと思っているかのように、
ミスリードされています。

時雨沢恵一「キノの旅」5巻10話「病気の国」のネタバレ解説

キノとエルメスは、ある国に入国しましたが、
城壁の中は外と同じ荒れ果てた景色でした。

不思議に思いながらしばらく進むと、もう1つ城壁があり、
その中にはビル群がありました。

キノはシャワーを浴びさせられ、その間に、服は洗濯され、
エルメスは洗車され、持ち物は全て消毒されました。

エルメスに排気ガスの浄化装置をつけられ、
地図が表示される小型の機械を渡されました。

案内人によると、外側の城壁は、
10年前に領土拡大によって新しく建てられたもので、
今までの国はシティ、
新しい領土はカントリーと呼ばれているのだそうです。

カントリーには、健康や適性の審査を受けて合格した一握りの、
家族単位の開拓団が自給自足の村を作っているのだそうです。

ホテルに着くまでに12回、
旅の話を聞かせてほしいと食事に誘われました。

高層ビルのホテルの最上階に案内され、オーナーから、
明日の昼食の時間に、長く患っている娘に旅の話をしてほしい、
と頼まれました。

朝も豪華で大量の食事をご馳走してもらい、
昼近くに、国立第一病院に行き、
10代前半のオーナーの娘、イナーシャを紹介してもらいました。

イナーシャは、この国で、昔からある程度の確率で、
老若男女関係なく発病する病気に、2年前からかかっていました。
最近、病気の進行を遅らせる薬ができて、
治す薬ももうすぐ完成すると言われていましたが。

オーナー夫妻がいなくなった後、イナーシャは、
病気が治ったらカントリーに行きたいのだと言いました。

カントリーに文通相手のローグという男の子がいるのだそうです。

1年前にローグが開拓団の健康診査で病院の展望室に来て、
ローグと友達になり、文通を始めたのだそうです。
1ヶ月に1度だけ、手紙のやり取りをしていました。

イナーシャはキノに、鳥の形をした手作りのブローチを、
ローグに届けてほしいと言い、キノは承諾しました。

次の日、キノはシティを出てカントリーに行きました。

ローグが住んでいるはずの村に行きますが、
最近まで誰かが住んでいた気配があるのに、村は無人でした。

しばらくして、第三特殊警備隊のコール中尉がやってきて、
ここは試験的に作られた、
開拓団一時受け入れのための訓練施設なのだと言いました。

ここに1年前から住んでいるはずの人に届け物があって来た、
とエルメスが言うと、コール中尉は、ローグという少年ですね、
と先回りして言いました。

カントリーでは敬語の軍が郵便業務をまかなっているということで、
コール中尉はキノを郵便局に案内しました。

コール中尉は、「ローグは半年と4日前に殺された、と言いました。

ローグは、病気の人体実験をするために集められた“特別開拓団”
の中の1人でした。
貧困層で他に縁者のいない人達ばかりが集められていました。

特別開拓団が“使われる”前に薬が完成すれば、
人体実験はなく、本当に開拓団として生きていけるはずでしたが、
半年前、村人全員を被験者にすると決まりました。
コール中尉達、軍が、村人全員を拉致しました。

シティの地下の施設でローグは生きたまま解剖されて標本になり、
病気の進行を遅らせる薬が完成しました。

コール中尉は手紙を検閲する任務があったので、
ローグとイナーシャの文通のことも知っており、
コール中尉はローグになりすまして、
イナーシャに手紙を送り続けていたのでした。


キノはコール中尉に、小さな鳥のブローチを渡しましたが、
コール中尉は「秘密を知ったキノに机を蹴飛ばし、
右足で『カノン』をホルスターごと踏みつけ、殺そうとしました。
しかし、キノはジャケットの左手袖に入っていたナイフで反撃しました。

場面が変わり、キノとエルメスが走りながら、
『珍しいね』『一応は、国の中だからね』と会話していました。

それから10日後、イナーシャのところに、
贈り物のお礼と、元気になったら村に来てほしい、
と書かれた手紙が届きました。


というあらすじなのですが、最後のキノとエルメスの会話は、
珍しくコール中尉を殺さなかった、という意味ですね。

キノは基本的に、自分を殺そうとする相手は正当防衛で殺すのですが、
一応は国の中だから見逃した、ということなのでしょう。
もちろん、コール中尉とローグとイナーシャに同情した、
というのもあるでしょうが。

ローグが人体実験で“使われ”なければ、
薬は完成せず、イナーシャも死んでいたかもしれないので、
やり場のない悲しみに襲われる話でした。

時雨沢恵一「キノの旅」5巻9話「塩の平原の話」のネタバレ解説

キノとエルメスは、乾燥して固まった塩が、
氷上のように広がっている大地を走っていました。

すると、馬が追いかけてきましたが、
エルメスには追いつけないスピードだったので、
そのまま逃げることにしました。

日が暮れるまでエルメスを走らせ、
何もない白い平原で野営をしました。

次の日、平原を走っていると、今度は車が追いかけてきました。

車が近づいてきてキノに向かって発砲し始めると、
キノは急ターンしてパースエイダ―を撃ち、
車のタイヤをパンクさせて止まらせました。

そのまま逃げ続け、さらに翌日。
車が通れないほどの間隔で杭が打ち据えられているのを発見しました。

その杭に沿って西に行くと、杭を打っている初老の男と出会いました。

キノが、この塩湖を道代わりに使っているだけだと説明すると、
男は、この土地にある塩を掘り出して売っているのだと言いました。

元々、男には十数人の旅仲間がいて、旅をしていましたが、
この塩の平原に辿り着きました。
塩を切り出して、南と北にある国に売りに行くだけで稼げるので、
それ以来ずっとこの生活を続けていました。

しかし、仲間割れしてバラバラに生活することになり、
お互いがお互いの場所を決めて、
それぞれが勝手に好きな国に行って卸すことになりました。

塩湖のあちこちで、男のかつての旅仲間が塩を採っていて、
キノ達旅人が近づくと排除しようとしていたのでした。

その旅仲間は、「男の5人いる息子とその嫁と子供だったのでした。
キノが下手に出て、西に走行する許可を申請すると、
男は許可を出しました。


というあらすじなのですが、「血縁関係での骨肉の争いほど醜く、
救いようのないものはないですね。

時雨沢恵一「キノの旅」5巻8話「用心棒」のネタバレ解説

師匠と荷物持ちさんは、荷物を運ぶトレーラーの用心棒として雇われました。

しかし、オーナーの娘は、用心棒なんかいらない、と言いました。
その女の子は、人の命とか運命とかを決めるのは神様だと信じており、
師匠と荷物持ちさんはそれをじゃまする人達だと言いました。

女の子は、運命なら、自分やみんなが死んでしまってもいいと言いましたが、
師匠は、それでも、あなた達を命がけで守るのが、私達の仕事だと言いました。

トレーラーが荒野を走っていると、
20台ほどの改造された小型バギーがやってきました。
乗っている男達は全員パースエイダ―を持っていました。

用心棒の男はライフルでバギーを遠ざけますが、
バギーが一台トレーラーに近づき、運転手の男がトレーラーの屋根に上りました。

オーナーの娘の女の子が男に捕まってしまいました。
男は、トレーラーを止めさせないと、女の子の頭を吹っ飛ばすと言います。

すると女の子は、死にたくない、助けて、と師匠に助けを求めました。

仕方ないと言った師匠に、男がリヴォルバーの狙いを移すと、
荷物持ちさんが男を撃ち、男は屋根から地面に落ちていきました。

次の日の朝、目的の国に着いたトレーラーは、
荷物である人間たちを下ろし始めました。
人間はみな、首と腕で数珠繋ぎにされ、汚れていました。
自分で動けない人間がいると、撃たれて殺されました。

師匠と荷物持ちさんの用心棒の仕事はもう終わりです。
女の子は、助けてくれて、ありがとう、と師匠にお礼を言いました。
きっとあなたの神様が、あなたは、まだ死んじゃダメなんだって思っていたのよ、
と師匠は言いました。
その間にも、荷物の人間たちは撃たれて殺されていました。

オーナー達と分かれた師匠と荷物持ちさんは、
トレーラーを襲撃した男達が隠れているアジトに行き、
トレーラーの帰りのルートを教えました。

女の子を人質にとった男を殺したのはなぜかと訊かれると、
いただいた仕事はトレーラーの帰りのルートを調べることであり、
あの男は予定地外の行動をとったから、と師匠は答えました。

その男は、オーナー達に殺されずに残った、リーダーの唯一の肉親でした。

男達は武器で師匠と荷物持ちさんを殺そうとしましたが、
荷物持ちさんが体中にプラスチック爆薬を巻いているのを見て、
報酬を渡して、師匠と荷物持ちさんを帰しました。

プラスチック爆薬に見せかけた携帯食料を食べながら、
荷物持ちさんは、あのトレーラーが襲われてもいいのかと訊きましたが、
師匠は答えませんでした。


というあらすじなのですが、現代の日本人の感覚だと、
神様を信じているのに、「人身売買をやっているのには、
矛盾を感じますよね。

しかし、黒人たちを数百年以上奴隷にしていた国々の多くは、
キリスト教の神様を信じていました。

彼らの中では、神様を信仰することと、他人を不幸にすることは、
全く矛盾していないのでしょうね。
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